朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

新羅(シルラ)と西アジア

2009年11月05日 | 善徳女王

養母ソファとともに無事シルラ(新羅)を抜け出したトンマン。(「善徳女王」第3話)
ラクダを連れて砂漠を歩いているからどこかと思ったら、タクラマカン砂漠だって。

タクラマカン砂漠といえば中国の新疆ウイグル自治区にある世界第2位の広さを持つ砂漠。ユーラシア大陸のど真ん中である。いくらなんでも移動しすぎじゃないの?朝鮮半島南部からどれほど離れていると思っているんだ。 おっちょこちょいにもほどがあるぞ>ソファ。

と、激しくツッコミを入れたいところではあるのだが、いやいや、これはあながち嘘とも言えないのである。新羅の文化が高句麗や百済のそれと圧倒的に異なる点として、西アジアの影響をより強く受けていることがあげられる。それにはちゃんと理由があるのだ。

一般に言われるシルクロード(絹の道)とは別にステップロード(草原の道)と呼ばれる交易路があったことが最近知られるようになってきた。これは、モンゴルやカザフスタンなど西アジアの広大な草原地域を経て、最終的にはドナウ川下流から(なんと)ローマにまで至る広域の交易路である。 (重要なポイントはシルクロードと異なり、中国の干渉を受けずに済んだということ)

トンマンの宿に西アジアや中近東の民族、それどころかどう見てもヨーロッパ系の民族が出入りしているのは決して誇張ではないし、トンマンが将来ローマに行きたいと言っているのも無謀な話ではないわけだ。

もっとも、善徳女王が幼少期をタクラマカン砂漠で過ごしたというのはおそらくフィクションだろうし、そもそも双子で生まれたというのはドラマ上の設定のはずである・・・よね?

ちなみにシルラ(シラギ)は「新しい羅」と書くが、はローマ(羅馬)の頭文字と共通なのである。