ガマ科、Typhaceae、ガマ属、北半球の温暖な地域やオーストラリアと日本の北海道から九州の広範囲に分布、多年草、
学名:Typha latifolia、
和名:ガマ(蒲、香蒲)、ミズクサ(水草)、ヒラガマ(平蒲)、カマ(蒲・莞子)、メカマ(女蒲・女加末)、ミスクサ(御簾草)、
英名:Bulrush、Common Bulrush、Broadleaf Cattail、Common Cattail、Great Reedmace、Cooper’s Reed、Cumbungi、
葡名:Tbúua
2015年8月1日、5日、2017年6月25日、2020年7月19日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、
円柱状の穂は蒲の穂と呼ばれる。池や沼などの水辺に生える。種小名の Latiforia は広い葉の意。
葉は高さ1-2 mで、水中の泥の中に地下茎をのばす。夏に茎を伸ばし、円柱形の穂をつける。穂の下部は赤褐色で太く、雌花の集まりでありソーセージに似た形状である。穂の上半分は細く、雄花が集まり、開花時には黄色い葯が一面に出る。
風媒花である。雄花も雌花も花びらなどはなく、ごく単純な構造になっている。雌花は結実後は、綿クズのような冠毛を持つ微小な果実になる。この果実は風によって飛散し、水面に落ちると速やかに種子が実から放出されて水底に沈み、そこで発芽する。 また、強い衝撃によって、種が飛び散ることもある。花粉には、イソラムネチン、α-ティファステローム、β-シトステロール、ブドウ糖などの成分が含まれる。花粉は生薬としては「蒲黄」(ほおう)と呼ばれる。内服すると利尿作用、通経作用があるとされる。
メイガ科(あるいはツトガ科)のニカメイガ(Asiatic rice borer, Chilo suppressalis)、ヤガ科のオオチャバネヨトウ(Nonagria puengeleri)などの幼虫の食草である。魚類などの産卵場所や避難場所として利用され、栄養塩類の除去などの水質浄化に役立っている。
雌花の熟したものは綿状(毛の密生した棒様のブラシ状)になり、これを穂綿と呼ぶ。日本神話の因幡の白兎の説話では、毛をむしり取られた兎に対して大国主は蒲黄を体につけるように助言している。しかし、唱歌の「大黒さま」の中ではそれが「がまのほわた」となっており、両者は混同されていたことがわかる(もっとも、摘みたての「がまのほ」に触ると大量の黄色い花粉がつく。
蒲の穂を乾燥させて、蚊取り線香の代用として使われる事もある。茎、葉は、樽作りで、樽材の隙間に噛ませ、気密性の向上に利用される事もある。火打ち石で火を付けていた時代には、穂綿に硝石をまぜて火口として用いることがあった。また、かつてアイヌは葉を編んでゴザにした。
ガマ属(Typha)の日本で見られる主な種は以下である 。これらは日本全土の池や沼に分布し、高さ1.5-2 mの多年草で、花期は6月-8月、ガマが最も早く、ヒメガマ、コガマと続くとされる。雌花序と雄花序が離れて花茎の軸が見えるのがヒメガマ、雌花序と雄花序が連続しており、雌花序の長さが10-20cm のものがガマ、6-10 cmのものがコガマと識別できる。種によって酸素漏出速度が異なり、生育している土壌に与える影響が異なる。
ガマ(学名 Typha latifolia L.)、ヒメガマ(学名 Typha domingensis Presl)、コガマ(学名 Typha orientalis L.)
「蒲の穂」は「かまぼこ」の語源である。当時のかまぼこは現在と形が異なり細い竹にすり身を付けて焼いた食べ物を指していた。これは現在のちくわにあたる。ちくわと蒲の穂は色と形が似ている。(Wikipediaより)
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(GKZ植物事典より)和名については諸説在り。属名はギリシャ古語の tiphos(=沼から来た)に由来している。種小名は、「広葉の」の意。
ガマは我が国各地の池や沼等の浅い水底から直立する多年草である。草丈は1~2mで、葉幅は2㎝前後。葉長は1m程度で形状は剣状。夏場に、茎頂きに細かな花がついた穂を見せる。上部は雄花穂で黄色、株は緑褐色で円柱状の雌花穂をつける。(GKZ植物事典より)
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