The wild flowers of Portugal. ポルトガルの野の花 

学名など判ったものだけ明記しています。和名などをご存知の方はどうか教えてください。

ユーフォルビア・パラリアス Euphorbia paralias

2022-11-30 11:40:28 | ポルトガルの野の花

トウダイグサ科、Euphorbiaceae、トウダイグサ属 、地中海沿岸地域原産の多年草、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布、

学名:Euphorbia paralias、

和名:ユーフォルビア・パラリアス、英名:Sea Spurge、葡名:Morganera-das-playas、

2014年7月3日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

ユーフォルビア・パラリアス Euphorbia paralias の花。茎頂の散形花序に黄緑色の花。花の直径は1cm未満。多肉質で無毛の多年草。

 

切ると有毒のユーフォルビンを含む白い乳液が出る。

 

葉は卵形で茎に密生する。

 

草丈は20~50cmほど。強い潮風を受け、大西洋の水平線をバックに。

 

海水浴場付近などの砂地に群生するユーフォルビア・パラリアス Euphorbia paralias でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、ローマ時代の医師 Euphorbus の名に因んでいる。種小名は「浜辺の、海岸線の」の意。

ユーフォルビア・パラリアスはトウダイグサ科の多年草である。学名の種小名に示されるように、海岸線の砂浜に自生する耐塩性の常緑多年草である。根は地中深く入り、塩分の含まれていない水を取り込めるようになっているという。茎基部は木質化し、海風に耐えられるようになっている。この下部の木質化して茎から分枝をし、複数の茎が叢出する。草丈は20~50㎝程度で、70㎝を超えることは無いという。茎の周囲には卵状の葉が瓦重ね状に無数に密着する。この葉は、表面にワックスがけをしたようなコーティングされた状態で、海風からの蒸散を防ぐようになっている。加えて、葉が密着しているのは、葉の基部に雨や霧の水分を蓄えられるようになっている。そのために、葉は上部ほど大きくなっている。更に、本種の茎葉を傷つけると白色の乳液を出すが、傷ついた部位を自己治癒する効果があるという。因みに、この乳液は人体には有毒である。3~7月頃に、茎上部に花柄を伸ばし、トウダイグサ科特有の杯状花序を出し、径1㎝程度で黄緑色の花を数個つける。雌雄異株。花後には丸い蒴果をつけ、表面には3本の溝がある。果実には3個の卵形種子が内包され、アリや風によって拡散される。個の種子は、耐塩性があり、2年間も海面を漂流し、自己の定着可能な地を求めると言う。本種は、今日、オーストラリア(西部)やニュージーランドでは帰化状態にある。(GKZ植物事典より)

 

 

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カルタムス・ラナトゥス Carthamus lanatus

2022-11-29 10:13:29 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、カルタムス属、地中海沿岸地域原産の1年草、

学名:Carthamus lanatus、

和名:アレチベニバナ(荒地紅花)、

英名:Distaff Thistle、Woolly Distaff Thistle、Wooly Dwwarf Thistle、Downy Sunflower、Saffron Thistle、

葡名:Cardo-beija-mão、Cardo-cristo、Cardo-sanguinho、Cártamo-lanoso、

2014年6月10日、2015年7月19日、25日、2020年6月17日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

ポルトガルの乾燥した草原や岩場に生育。花の直径は2cmほど。

 

草丈は30~70cm。田舎道の沿道に咲くカルタムス・ラナトゥス Carthamus lanatus 。

 

 

 

 

 

大西洋を望む岸壁上に咲くカルタムス・ラナトゥス Carthamus lanatus でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、原野に自生するベニバナの意。属名はアラビア語の quartom(=染める)に由来している。種小名は「羊毛のような軟細毛で覆われた」の意。

アレチベニバナはキク科の1年草である。草丈30~70㎝程度となる。概して白色の羊毛状軟細毛で覆われるが、老成化すると無毛となる。茎葉直立し、上部でよく分枝をする。葉は、披針形~卵形で、縁部は深裂し、裂片の先端部は刺状突起となり、先端部も鋭頭で刺状突起となり、基部では無柄で、茎を抱き互生する。7~8月頃、茎頂に径1~2㎝程度で黄色い頭花をつける。花は筒状花のみで構成される。花後には長さ0,5㎝程度の痩果をつける。本種は、地中海沿岸地方原産種であるが、今日、南北両アメリカ大陸・オーストラリア等では帰化状態にある。我が国では、昭和30年(1955)に帰化状態にあるのを確認されて以来、近畿地方・四国を中心にして全国に広まりを見せている。(GKZ植物事典より) 

 

 

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エリンギウム・ディラタトゥム Eryngium dilatatum

2022-11-28 10:33:23 | ポルトガルの野の花

セリ科、Apiaceae、ヒゴタイサイコ(エリンギウム)属、地中海沿岸地域原産、

学名:Eryngium dilatatum、別名:Eryngium bourgatii、Eryngium amethystinum、

英名:Mediterranean Sea Holly、Panical Blau、Amethyst Eryngo、Italian Eryngo、Amethyst Sea Holly、Sea Holly Perennial、

葡名:Cardo-azul、Cardinho-azul、

2014年6月3日、23日、2015年5月6日、6月23日、7月5日、2017年6月9日、2020年6月25日、7月31日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

エリンギウム・ディラタトゥム Eryngium dilatatum の花。草丈は50cmほど。花の直径は3cmほど。エリンギウム・マリティマムが砂地に生育しているのに対しこれは石灰岩の岩場と赤土に自生しているのをよく見る。

 

薄色に咲き始めだんだん濃くなる。

 

小さな株でもたくさんの花を付けている。

 

 

 

鋭い棘に覆われたエリンギウム・ディラタトゥム Eryngium dilatatum でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の eryngion(=ハアザミ)に由来しているようである。種小名は、「広がった」の意。

エリンギウム・ディラタトゥムは、セリ科の多年草である。本種は、地中海沿岸地域で、比較的乾燥していて、カルシウム分をより多く含む土壌地帯に自生する野草である。直根性で、越冬時にはロゼットを作る。茎は堅牢で直立し、草丈は30~50㎝程度となる。茎は紫色を帯びており、希に上部で分枝をする。全体的に鋭い刺がある。葉は楕円形で、1~3回程度深裂する。各裂片は更に裂けて、各裂片の縁部には鋸歯を持ち、その先端部は刺状突起となる。葉の表面では葉脈部位が白色となりよく目立つ。6~9月頃、葉の変形した放射状に突き出た苞の上に薊に似た青紫色で径3㎝程度の頭花を付ける。(GKZ植物事典より) 

 

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アステリスクス・アクアティクス Asteriscus aquaticus

2022-11-27 10:42:02 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、アステリスクス属、地中海沿岸地域原産、1~2年草、

学名:Asteriscus aquaticus、

英名:Aster Golden Star、Golden Starwort、Seaside Ox-eye Daisy、

葡名:Asterisco-de-água、Pampilho-aqutico、Pampilho-água、

2014年5月4日、6月12日、2015年5月5日、2016年6月5日、9日、2017年5月21日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

アステリスクス・アクアティクス Asteriscus aquaticus の花。花の直径は 2cm ほど。

 

 

海に近い岩場や崖に群生。

 

草丈は 10~20cm ほど。

 

岩の間の石ころが流れてくるところにも。

 

アステリスクス・アクアティクス Asteriscus aquaticus でした。 

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の aster(=星)を語源とし、花弁が放射状であることから。種小名は「水生の、水中にある」の意。(海浜性ではあるが、かなり内陸部にまで自生が見られる。)

アスタリスクス・アクアティクスは、キク科の1~2年草である。学名に aquaticus とあるが、海浜植物であり、語源の項とも重複するが、かなり内陸部の岩礫質な土壌にも適応して自生する野草であり、概して海浜近くの原野や路傍に群落を構成することが多い。海浜植物の特徴として本種も全草が白色の細毛が密生する。草丈は10~70㎝程度となる。茎は直立し、概して上部で二叉に分かれる。茎の下部は木質化するが、全体的には赤味を帯びており、軟質である。葉は狭楕円形で、全縁、円頭で、基部は葉柄状に細まり茎に互生する。茎最上部の葉は特に大きくなる。4~6月頃、花茎の先に径15~18㎜程度で鮮黄色の頭花をつける。花は黄色い舌状花が周囲に、黄色い筒状花が中央部にと、キク科特有の構成となっている。舌状花の尖端は、切れ込みが入り、3裂する。(GKZ植物事典より) 

 

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エピロビウム・ヒルスツゥム Epilobium hirsutum

2022-11-25 09:53:08 | ポルトガルの野の花

アカバナ科、Onagraceae、アカバナ(エピロビウム)属、多年草、

ユーラシア大陸~アフリカ北部に広く分布するが、絶滅危惧種とされているらしい。

学名:Epilobium hirsutum、

和名:オオアカバナ(大赤花)、

英名:Harig Wilgenroosje、Great Willowherb、Cherry Pie、Great Willowherb、Great Hairy Willowherb、Hairy Willowheb、Codlins and Cream、

葡名:Epilóbio-eriçado、Epilóbio-de-flor-miúda、Epilóbio-erioçado、Erba-dos-estolhos、

2014年7月30日、2015年7月25日、8月1日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2015年8月1日、アレンテージョ地方で撮影、

 

エピロビウム・ヒルスツゥム Epilobium hirsutum の花。10年も前に写真を撮っているが、その後、なかなか出会えなかった花で、セトゥーバル周辺でもあまり見かけない。

 

十文字のめしべが特徴的。草丈は70~100cmほど。花の直径は1,5cmほど。あまり見かけないけれど、あれば大株で自生していることが多い。

 

写真の右に写っているように、長いさやが弾けて種を四方に飛ばした後の姿。

 

畑の脇や水路の付近など水分の多いところに自生。

 

緑の中に明るいピンクが映えるエピロビウム・ヒルスツゥム Epilobium hirsutum でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、大形のアカバナの意から。属名は、ギリシャ語の ion(=スミレ)と epi(=上)lobon(=鞘)の3語の合成語であり、この属の植物は紅紫色の花が茎頂につく様子から。種小名は「多毛の」の意。

オオアカバナは、アカバナ科の多年草である。名前の通り、アカバナの大形種であり、草丈は1~1,5m程度となる。全草が学名に示されるように多毛である。茎には、軟細毛と腺毛とが混在密生する。葉は長さ4~12㎝程度の楕円形~長楕円状披針形で、縁部には粗い鋸歯を持ち、先端部は鋭頭となり、基部では葉柄を持たず茎に互生する。葉の両面には軟細毛がある。7~8月頃、径2~2,5㎝程度で紅紫色の4弁花をつける。花弁の先端部は2浅裂する。花柱は4大裂する。花後には長さ4~12㎝程度の果実をつけ、外皮には軟細毛と腺毛とが密生する。国際自然保護連合レッドリストでは絶滅危惧軽度懸念種(LC)に指定している。我が国の環境省RDBでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。(GKZ植物事典より) 

 

 

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パンクラチウム・マリティムン Pancratium maritimum

2022-11-24 09:57:26 | ポルトガルの野の花

ヒガンバナ科、Amaryllidaceae、パンクラチウム属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Pancratium maritimum、

英名:Sea Daffodil、Sea Lily、Sand Daffodil、Sand Lily、Lily of St. Nicholas、Borthern Marsh Orchid、

葡名:Cebola-das-gaivotas、Cebola-do-mar、Lilio-das-areias、Narcisso-das-areias、

2014年7月7日、2017年6月16日(花)、2014年10月10日(種子)、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

パンクラチウム・マリティムン Pancratium maritimum の花。

 

草丈は30cmほど。

 

 

 

ビーチから少し入ったところにも大株でぽつりぽつりと。強い太陽に照らされて白い花も黒い花影を作る。

 

10月ごろ、ビーチではずしりと重たい実が弾けて、周りに落ちていた。ビーチに咲くパンクラチウム・マリティムン Pancratium maritimum でした。 

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名はギリシャ語の panlratos(=耐久力のある)を語源としている。種小名は「海辺の、海岸の」の意。

パンクラティウム・マルティムムは、ヒガンバナ科の多年草である。本種は、原産地の項に記した地の海岸地帯で、概して砂の中に埋もれた葉や球根を持ち、海岸や砂丘に育つ野草である。地下に球根を持ち、長さ40㎝程度で剣型の葉を根出する。葉の縁部は全縁、先端部は尖り、基部では、球根或いは花茎を抱く。開花時には葉の先端部は枯れていることが多い。7~10月頃、花茎の先に、長さ15㎝程度で白色の盃状花をつける。花径は6~8㎝程度で、花冠が12裂しているように見えるが、花弁と萼片とが2重に重なり合っているからである。更にその外側に6個の苞葉が放射状につく。本種は、開花時には強い芳香を放つ。芳香は特に夜間に強い。本種は、今日、アメリカ・バーミューダ諸島・アゾレス諸島では帰化状態にある。 (GKZ植物事典より)

 

 

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ジェナリア・ディフィラ Gennaria diphylla

2022-11-23 10:32:06 | ポルトガルの野の花

 

ラン科、Orchidaceae、ジェナリア属、地中海西部沿岸地域原産の多年草、

学名:Gennaria diphylla、異名:Coeloglossum diphyllum、habenaria cordata、

英名:Twe-leaved Gennaria、Twin-leaved Scrub Orchid、葡名:Genária、

2014年3月17日、2015年2月5日、2016年1月19日、2月1日、22日、25日、2020年2月22日、27日、2021年2月14日、3月3日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

ジェナリア・ディフィラ  Gennaria diphylla の花。1800年にポルトガルのセトゥーバルで発見されて、世界で最初に記述された。

 

花の直径は5ミリほど。花の色は黄緑色。草丈は15cmほど。葉は心形で2個。

 

花期は2~5月。

 

ポルトガルの道路脇の斜面などに自生。

 

群生していても目立たない地味な花。松の根元で群生して咲くジェナリア・ディフィラ  Gennaria diphylla でした。 

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、イタリアの植物学者 Patrizio Gennari への献名。種小名は、「二個の葉を持つ」の意。

ジェナリアー・ディフィラはラン科の多年草である。草丈は15㎝程度となる。葉は心形で、先端部は尖り、基部では茎を抱き、間隔を置いて茎に2個互生する。2~5月頃、茎上部に総状花序を出し、径5㎜程度で黄緑色の花をつける。本種は、我が国で赤松林の中に普通に見られるシュンラン等と同様に、松林の樹下で半日陰の地に自生が見られる地生ランである。(GKZ植物事典より)

 

 

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アキレア・マリティマ Achillea maritima

2022-11-22 09:55:32 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、ノコギリソウ(アキレア)属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Achillea maritima、

英名:Cottonweed、葡名:Cordeiros-da-praia、Atnásia-maritima、

2014年7月3日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

 アキレア・マリティマ Achillea maritima の花。

 

青い空に映える。海水浴場付近の砂地に自生。

 

白い砂に銀色の植物。

 

 

 

砂浜に自生するアキレア・マリティマ Achillea maritima でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名に見られるアキレアとは、ギリシャの医師アキレウスが最初に薬用植物として用いたと言う伝説による。種小名は「海辺の、海岸の」の意。

アキレア・マリティマはキク科の多年草である。本種は、原産地の項に記したかなり広い地域の沿海地に自生の見られる野草である。草丈は40㎝程度となる。地下茎でよく繁殖をし、群生状況となる。茎も葉も白色の細毛に覆われ、銀色に見える。茎下部は木質化する。葉は楕円形で、全縁、鈍頭、茎に互生する。6~9月頃、茎頂に複散形花序をつけ、径8~10㎜程度で黄花の集合した頭花をつける。 花柄はとても短い。(GKZ植物事典より) 

 

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アトラクチリス・グミフェラ Atractylis gummifera

2022-11-21 10:46:40 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、(ウラボシ科)、アザミ亜科、アトラクチリス属、地中海沿岸地域原産、

学名:Atractylis gummifera、

和名:カーリーナー・グミフェラ、

英名:Distaff Thistle、Stemless Atractylis、Pine Thistle、葡名:Cardo-do-visco、

2010年9月19日、2014年9月8日、2015年8月19日、26日、2016年8月28日、9月17日、2017年9月7日、2020年9月28日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

硬い赤土に花開くアザミ。とげとげの葉はカラカラに干からびている。すっかり枯れてしまった葉の上に花が咲く。直径6センチほどの花、高さ4センチほどだが、茎は全然なく、枯れた葉の上にごろんと咲く。

 

有毒。誤って食べたら、吐き気、嘔吐、上腹部で腹部の痛み、下痢、不安、頭痛と痙攣(しばしば昏睡が続く)のような症状が出る。

 

 この個体はまだ葉に緑がわずかに残っていた。

 

この花はすごく変わっている。綿毛が先にできて、その中から蕾が出てくる。

 

かなり咲き始めた状態。

 

右が咲き始めた花で、左が咲ききった状態。とても変な花、アトラクチリス・グミフェラ Atractylis gummifera でした。 

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、フランク国王カール大帝のフランス語名 Charlemagne の名に因んでいる。彼が自分の軍隊の兵士達をこの属の植物を使って疫病から守ったという伝説から。種小名は「ゴムを生ずる」の意。

カーリーナー・グミフェラはキク科の多年草である。本種は、地中海沿岸地方の非常に乾燥した土壌に見られる野草である。地中に太い根を持ち、永年耐えることの出来る厄介な植物であり、加えて更に毒草でもある。根からは独特な粘液質な物質を出す。英名に Stemless atractylis とあるが、ほとんど無茎かあっても茎はほんの僅かである。代わりに、根出した葉は、長さ15~40㎝程度の楕円状で、羽状に深裂する。本種は、原産地では6~10月頃開花するが、開花時には掲載した写真に見られるように、葉は枯れてしまっている。乾燥地であるために、開花に必要な水分を花に送り届けるために、葉は枯死してしまうらしい。だが、驚いたことに、その枯死した葉の羽状に深裂した葉の先端部は、非常に鋭い刺状突起で花を守っていることになる。花は径3~7㎝程度で、花色は、桃色・紫色・桃紫色である。花後には痩果をつけ風で飛散し増殖する。(GKZ植物事典より) 

 

 

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カルドウス・テヌイフロルス Carduus tenuiflorus

2022-11-20 09:59:39 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、ヒレアザミ属、1~2年草、西アフリカ、南西ヨーロッパ地域原産、

学名:Carduus tenuiflorus、

英名:Slender Thistle、Slender-flower Thistle、Sheep Thistle、Shore Thistle、Winged Plumeless Thistle、Winged Slender Thistle、Winged Thistle、

葡名:Cardo、Cardo-anil、Cardo-azul、

2014年4月7日、5月4日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2015年6月13日、2016年6月16日、ベイラ地方で、2018年5月15日、アレンテージョ地方で撮影、

 

咲き始めの花。高さは30~100cm。

 

道端に一面に咲く棘とげの花。

 

茎も葉も全身が鋭い棘に覆われている。

 

花は1cmほどで、可愛い。

 

高山の尾根にも咲いていた。カルドウス・テヌイフロルス Carduus tenuiflorus でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名はギリシャ語の kardos(=刺)を語源としている。種小名は「細い花の、薄い花の」の意。

カルドウス・テヌイフロールスは、キク科の越年草である。本種は、原産地の項に記した地で、日当たりの良い原野や路傍等に自生の見られる野草である。茎は直立し、草丈は2mを超えることもあるという。茎には翼があり、長さ数センチに及ぶ刺が周囲を覆っている。葉は、長さ10~20㎝程度の全体的には長楕円形であるが、縁部が深裂し、各裂片の縁部には鋸歯があり、それぞれの先端部には鋭い刺がある。つまり、茎も葉も鋭い刺に覆われていることになる。下部の葉は大きいが、茎葉は上部に行くほど小さくなり、やがて茎葉は見られなくなる。その代わりに、茎には上述の通り翼がつくことになる。この翼は、葉が退化したものと推測される。5~7月頃、茎上部に総状花序を出し、径2㎝程度で桃紫色(希に白花種もある)の花を密着させて数個つける。花の下の苞に相当する部位にも鋭い刺が多数ある。花後には、幾分硬質の冠毛をつけた種子が風で飛散する。本種は、今日、マクロネシア・南アフリカ・印度・オーストラリア・南米・北米等では帰化状態にある。(GKZ植物事典より)

 

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ティムス・カルノスス Thymus carnosus

2022-11-19 09:36:32 | ポルトガルの野の花

シソ科、Lamiaceae、イブキジャコウ(ティムス)属、イベリア半島地中海沿岸地域原産、常緑小低木、

学名:Thymus carnosus、

英名:Portuguese Thyme 、

葡名:Tomilho-das-praias、Tomiljo-vulgar、Tomilho-das-dunas、

2014年7月7日、2015年6月23日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2019年6月17日、エストレマドーラ地方で撮影、

 

ティムス・カルノスス Thymus carnosus の花。

 

花の大きさは3ミリほどの小さな花だが、寄り集まって良い香りを放つ。

 

英名では「ポルトガルのタイム」、ポルトガル名では「砂浜のトミリョ(タイム)」

 

草丈は30センチほど。ハーブ、薬用、精油として活用されている。

 

砂地や赤土に生きる香草、ティムス・カルノススでした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名はギリシャ語の thyein(=芳香を放つ)から。種小名は「柔らかい、多肉質な」の意。

ティムス・カルノススは、シソ科の常緑樹である。イベリア半島沿海地の砂浜に自生する小灌木である。樹高は30~40㎝程度となる。茎も葉も多分に軟質で多肉質である。厚身のある葉は長さ5~7㎜、幅1~2㎜程度の卵形で、全縁、裏面には柔毛が密生する。6~7月頃、茎頂に集散花序を出し、白色で径3㎜程度の唇形の花を多数密着させてつける。花の下には、茎葉よりも幾分大き目の苞葉が花を支えるようにつく。開花時には芳香を放つ。国際自然保護連合(IUCN)レッドリストでは、本種は「準絶滅危惧種(NT)に指定されている。 (GKZ植物事典より)

 

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キルシウム・パルストレ Cirsium palustre

2022-11-18 10:24:02 | ポルトガルの野の花

 

キク科、Asteraceae、アザミ属、ヨーロッパ原産、1年草、

学名:Cirsium palustre 、

和名:キルシウム・パルストレ、

英名:Marsh Thistle、European Swamp Thistle、葡名:Cardo-palustre、

2011年6月10日、2016年6月13日、7月16日、ポルトガル、ベイラ地方で撮影、

 

キルシウム・パルストレ Cirsium palustre の花。草丈は60~150センチ。牧草地、路傍、荒地などに自生。

 

1年草。

 

秋~春に成長し、開花時期は夏から秋。

 

花には棘がないが、茎には鋭い棘がある。

 

キルシウム・パルストレ Cirsium palustre でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャの医師ディオコリデスが cirsos(=静脈)を広げるのに用いたヒレアザミ属(Caruduus)の薬草の名であったが、草姿が似ているので転用されたものという。種小名は「沼沢地を好む」の意。

キルシウム・パルストレは、キク科の多年草である。本種は、ユーラシア大陸に広く分布するアザミである。学名に示されるように、概して沼沢地や河川などの湿り気の多い地に自生の見られる野草である。全草に白色の細毛が覆う。草丈は0,5~2m程度まで及ぶ。茎は直立するが、ほとんど分枝をしない。茎の周囲には小さな刺で覆われている。茎は赤味を帯びている。根出葉は全体に刺を持った紫色の葉がロゼットを作る。茎葉はほぼ線状で、柄茎に互生する。6~9月頃、茎頂に円錐花序を出し、10~20㎜程度で桃紫色の花を多数つける。花後には平板な楕円形で光沢のある種子をつけ、先端部に羽毛をつけ、風で飛散する。本種は、アメリカやカナダでは帰化状態にある。ニュージーランドやオーストラリアでも帰化状態にある。(GKZ植物事典より)  

 

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エロディウム・キクタリウム Erodium cicutarium

2022-11-17 10:52:52 | ポルトガルの野の花

フウロソウ科、Geraniaceae、オランダフウロ属、ヨーロッパ~西アジア原産の一年草、

学名:Erodium cicutarium、

和名:オランダフウロ(和蘭風露)

英名:Stork's-bill、Oval Heron’s Bill、Alfilaria、Red-stemmed Filaree、Pin Clover、Pin Grass、Wild Musk、Common Storksbill、

葡名:Bico-de-cegonha; Repimpim 、

2014年7月31日、10月11日、23日、12月15日、2015年1月13日、27日、2018年5月1日、9日、2020年6月9日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

エロディウム・キクタリウム Erodium cicutarium の花。

 

海岸の砂丘や草原、道ばたなどに生え、高さは15~45センチになる。葉は2~3回羽状複葉で、小葉は細かく分裂。

 

2月から5月ごろ、小さな藤色の5弁花を咲かせる。花後、花柱は5センチほどに伸びる。

 

英名、葡名の由来は種子が尖っていてコウノトリのくちばしの形を連想させるからだという。ヨーロッパやアフリカ、西アジアに分布。

 

エロディウム・キクタリウム Erodium cicutarium でした。

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の erodios(=アオサギ)を語源とし、種子の形状がアオサギの嘴に似ていることから。種小名は、「ドクゼリ属(Cicuta)に似た葉の」の意。

エロディム・キクタリウムはフウロソウ科の多年草である。本種は、原産地の項に記したかなり広い地位に分布し、概して比較的乾燥した牧草地や砂地に自生する野草である。草丈は10~15㎝程度で、茎は地を横走しやがて斜上し、上部で良く分枝をする。茎の周囲に葉白色の細毛が覆い、先端部は概して赤味を帯びている。葉は長さ5~18㎝程度の楕円状であるが、5~12個に深裂し、茎に互生する。7~10月頃、長い花茎の先に桃紫色で5弁の花をつける。花径は1~1,5㎝程度で、花弁の基部では濃色となることが多い。本種の種子の先端部には特殊な螺旋構造の付着物があり、地面が湿り気を帯びると地中に突き刺さるようになっている。(GKZ植物事典より)

 

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ケントランツス・カルシトラパエ Centranthus calcitrapae

2022-11-16 09:59:47 | ポルトガルの野の花

オミナエシ科、Valerianaceae、ケントランツス(ベニカノコソウ)属、地中海沿岸地域原産、

学名:Centranthus calcitrapae、

英名:Annual Valerian、Pink Valerian、Cut-leaved Valerian、葡名:Calcitrapa 、

2010年4月22日、29日、2015年4月27日、28日、5月7日、2016年6月5日、2018年5月5日、9日、10日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2018年1月24日、アレンテージョ地方で撮影、

 

4月~7月開花。

 

高さ30~40センチほど。

 

花色は白やピンク色の花を咲かせ、ピンク色の花はベニカノコソウやレッドバレリアンと呼ばれる。ハーブとしても利用されており、若葉をサラダにしたり、花はポプリに利用されたりする 。

 

オミナエシは黄色花で秋の七草の一つだが、これは春から夏にかけて白からピンクの花を咲かせる。

 

小さな花が寄り集まって。草丈も高く寄り集まって咲くが、他の花に圧倒されて目立たない地味さ。ケントランツス・カルシトラパエでした。

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名はギリシャ語の kentron(=距)と anthos(=花)の合成語から。種小名はラテン語の calcatrippa(=アザミ)と calyx(=かかと、踏む)の合成語からでゲルマン語の trap(バネ仕掛けで動物を捕らえる罠)の意。

ケントラントゥス・カルキトラパエはスイカズラ科(←オミナエシ科)の1年草である。全草無毛。茎は中空で、草丈は30~80㎝程度となり、基部から良く分枝する。基部の葉は、長さ0,5~7㎝、幅0,4~3㎝程度の楕円形で、縁部には鋸歯があり、葉柄が伴ない茎に対生する。茎葉は、長さ10㎝程度の楕円状で、羽状に深裂する。3~7月頃、茎頂に大きな円錐花序を出し、白色~淡桃色で筒状の小花を多数つける。花冠は5裂する。本種は、開花時に芳香を放つ。花後の果実は茶色に熟し、白色の羽毛状の細毛がつく。 (GKZ植物事典より)

 

 

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ウルギネア・マリティマ Urginea maritima

2022-11-15 09:27:16 | ポルトガルの野の花

ユリ科、Liliaceae、ウルギネア(カイソウ)属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Urginea maritima、

和名:カイソウ(海葱)、シーオニオン、

英名:Sea Squill、Sea Onion、European Squill、Red Squill、

葡名:Cebola-alballã、Cebola-do-mar、

2014年9月2日、10月2日、10月10日、2015年8月19日、2016年9月17日、2017年9月7日、2018年9月16日、2020年9月28日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2018年9月25日、アレンテージョ地方で撮影、

 

大西洋を望む崖の上に咲く。ウルギネア・マリティマ Urginea maritima 。ユリ科の植物カイソウ(海葱) Urginea maritima Baker などの生薬が強心作用を示すことは古くから知られていた。(世界大百科事典、第2版より)

 

重さが2kgにもなる巨大な鱗茎(タマネギのようなもの)をもっている。そのため英語で"sea onion"と呼ばれ、和名も「海のネギ(海葱:かいそう)」となっている。ただし、全草が有毒。

 

ハマユウに似た葉を根出する。葉が枯れた後、高さ1m以上になる花茎を伸ばし、白色の花を多数総状につける。

 

紀元前からエジプトやギリシャでは薬用植物として利用されてきた。大きな肉質の鱗茎を細かく刻んで乾燥したものが生薬「海葱」。この鱗茎には強い強心作用のあるステロイド配糖体が含まれていて、利尿、去痰、催吐、強心に用いられる。しかし、強い毒性もあり、100gでヤギやヒツジが死ぬといわれている。毒性を利用し殺鼠剤として用いられたこともある。鱗茎が赤いタイプと白いタイプがあり、主に薬用とされるのは白い鱗茎のもの。日本では、観賞用として栽培されることがある。 (日本新薬、植物図鑑DBより)鱗茎のある高さが1,8m近くにもなるユリ科の植物で、夏の乾季、まだ辺りに何もない時に白い、直径1cm位の花を総状花序に つける。イスラエルではハッツァーブの名で親しまれている。

 

新芽。アラブ人たちは、この花がたくさん咲いた年は雨が多いという言い伝えをしていた。(www2.seisenより)古代ギリシャでは、大変貴重な薬としてぜんそくや皮膚病などに使用されていた。血液の循環を良くし、痛んだ皮膚の状態を改善する役割を持っている。(ジョアビバ、広告サイトより)

©2022  MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は海辺に自生し、草姿がタマネギに似ているから。属名は、ギリシャ語 drimia(=刺すような臭い)を語源としており、この属の鱗茎を傷つけると異臭を放つことからと言う。種小名は「海辺の、海岸の」の意。

カイソウはキジカクシ科(←ヒアシンス科←ユリ科)の多年草である。概して地中海沿岸地帯に自生する。その鱗茎の形状から、各国でも「海のタマネギ」と呼んでいる。草丈は2m程度に。基部に大きな鱗茎を持ち、その重さは2kg程度になるという。葉は、幾分多肉質な剣状で、表面には光沢があり、先端部は尖り、基部は茎を抱く。7~8月頃、50~150㎝程度の花茎を立ち上げ、上部に総状花序をつけ、白色の6弁花をつける。 西洋社会では、古い時期からこの植物の毒性を利用して殺鼠剤として用いられて来た。また、薬用としても活用されてきた。(GKZ植物事典より)

 

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