ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

201. アゼイタオンの露店市

2023-11-01 | 風物

 セトゥーバル半島内では毎月第1日曜日にはアゼイタオンの露店市が開かれる。第2日曜日はピニャル・ノヴォの露店市。第3はコイナ。第4はモイタ。第1と第2日曜日には必ず行く。どちらも規模が大きくて敷地も広いのでかなり歩く。へとへとになるが、良い運動になってすっきりする。

 どちらもジョアオの店でお昼を食べる。人気のある店なので早く行かないと席がなくなるから、11時半ごろには行く。フランゴ・アサード(鶏の炭火焼き)か、エントレメアーダ(豚の三枚肉)の炭火焼き、たまにはショコフリット(巨大モンゴイカの唐揚げ)を食べたいのだが、聞いたところによると猫のばあいイカやタコを食べると腰を抜かすというので、人間も老人になると同じように腰が抜けることになるだろうと、注文禁止。セトゥーバルはショコフリット発祥の地らしく、専門店では旅行者が列をつくっている。

 ということで、隣のテーブルのショコフリットを横目で見ながら、エントレメアーダのサンドイッチをかぶりつく。これもなかなか美味い。焦げ目の付いた三枚肉がこれでもかというほどたっぷり挟んである。

 

エントレメアーダ、ビッファナとペレ・デ・ポルコ(豚皮)などを炭火で焼いている。この豚皮はみんなよく食べているが、ゴムのようで、一度食べたら私はもう結構。

 

開いた鶏ををカッカと起こした炭火で自動回転台で焼く

 

チキンの炭火焼きは丸ごと一匹をハサミで食べやすい大きさに小分けして出てくる。それにサラダミスタ(ミックスサラダ)と山盛りのバタータフリット(フレンチフライ)、おまけに味付けしたアロース(ライス)、これも山盛り。二人で食べてもだいぶ残るので、フランゴアサードは持ち帰る。

 

民芸陶器。ほとんどがアレンテージョ地方で作られた陶器。

 

アレンテージョ地方の絵皿

レゲンゴスのサン・ペドロ・デ・コルバル村には道の両側に20軒ほどの陶器屋が並んで、自作の陶器を売っている。それぞれ個性があって面白い。

 

花屋には色とりどりの鉢植えがならんでいる。このごろは洋ランやサボテンも売っていて、人だかりがしている。

 

露店市の服屋。いままでは山積みになった中から客があれこれひっくり返して選ぶのだが、このごろは店によってはブティック並の展示になってきた。

 

ワイン作りの過程で出るブドウの搾りかすと水で自家用のアグアデンテ(蒸留酒・焼酎)を作る道具。40~50度の強い酒ができる。ポルトガルでは自宅で酒を造ることは自由だ。

 

チョリソとチーズを売る店

 

珍しい鳥。初めて見たが名前がわからない。

 

手前の地味なのがメスだろうか。

 

こちらも初めて見た鳥

 

優しい顔をしたインコ。露店市を歩いている人の肩に止まっているのを時々見かける。

 

ウサギは食用とペット用が売られているが、驚いたことにリスも売っていた。ストックホルムやフランスなどでは野生のリスをよく見かけるが、ポルトガルで野生のリスは見たことがない。

 

 アゼイタオンの露店市では珍しい鳥や動物を売っているので、出掛けるのが楽しみだ。時にはワシントン条約違反ではないの?という珍しい鳥も見かける。

 

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200. セトゥーバルの帆船祭り

2023-10-01 | 風物

 港に帆船が入って来た。3本マストの大型帆船、あれはサグレス号に違いない。

セトゥーバル港に入港するサグレス号。後ろはトロイア半島とビーチ。そして大西洋の水平線。(我が家のベランダから撮影)

 

 今年はセトゥーバルの開港100年にあたるので、そのお祝いで帆船が続々と集まって来た。

 1930年に港の工事が始まり、100年間の港の変遷の様子が写真で展示。昔は漁船などは帆船だった。

パンフレットの表紙は1933年ごろのセトゥーバル漁港。

 

波止場入り口には立派なゲートが作られて、港の歴史を示すパネル解説と無料のパンフレットがおいてあった。

 

接岸したサグレス号

 

ドッカドペスカドーレス(漁師の港)の競り市前に着岸したサグレス号

 

大勢の見学者が詰めかけた。サグレス号に乗船する人々。後ろにサン・フィリッペ城が見える

 

北の港ヴィラ・ド・コンデからやって来たカラベラ船

 

入港して帆をたたみ始めるカラベラ船

 

カラベラ船の甲板は丸く傾斜があって歩きにくかった。

 

波止場では海軍が巨大な柱を作ってボルダリング競技、子供たちが恐る恐る挑戦していた。

 

9月25日に入って来た3本マストの大型帆船、遠くにトロイア半島

 

9月30日に入ってきた2本マストの帆船。手前にアヌンシアーダ教会

 

コロナ禍でしばらく開催されていなかった帆船祭りも2023年9月に再開された。

ポルトガルを代表する帆船サグレス号も相変わらず優雅な姿を見せてくれたし、合計6隻の帆船、感激だった。

 

 

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199. 日本食材

2023-09-01 | 風物

 ずっと前から願っていたことだが、私の住むセトゥーバルに日本食材が買える店ができたらいいなと思っていた。中華食材店でも日本食材は数多く売られている。キッコーマン醤油、味噌、寿司海苔、ワサビなどだ。日本食材店というものがなかなかないから中華食材店に売られている日本食材には重宝する。もし日本食材専門店があったとしても日本食材店では値段が高い。

セトゥーバル中心部とセトゥーバル港。左上の緑はボンフィム公園(我が家のベランダから撮影)

 

 リスボンには数件の中華食材店があるのだが、クルマで買い出しに行くと駐車場がどの店にもない。以前は店の前に路上駐車をしていたのだが、警察の取り締まりがきつくなり、マルティン・モニッツの地下有料駐車場に停めて階段を昇り中華食材店までたどり着きようやく買い物をしていた。買い物袋はけっこう重たくなり、店から駐車場まで持って戻るのに疲れ果てた。

 セトゥーバルからリスボンまで買い物に行くには高速料金やヴァスコダガマ橋の料金を払う。

 セトゥーバル半島とリスボンの間にはテージョ川が流れていて、その間には二つの橋がかかり、そのどちらかを渡らなければならない。橋の料金は行くたびにわずかずつ値上がりしていて、しかも料金はリスボンに入る時に往復料金を強制的に取られる仕組み。その代わり、リスボンから出ていくときは支払い無料。変な仕組みだ。

 二つの橋は長さがぜんぜん違う。ヴァスコダガマ橋は全長17キロもある。もうひとつの4月25日橋と比べて数倍以上の長さだ。料金の安い4月25日橋からリスボンに入って、帰りはヴァスコダガマ橋から出たら、安上がりだ。でも4月25日橋にたどりつくまでがややこしいから、いつのまにか往復ともヴァスコダガマ経由になっている。

 だからセトゥーバルでなくとも、橋の手前セトゥーバル半島内に中華食材店が出来たらいいのにな。と以前から思っていた。

 さて中華食材店で何を買うかと言ったら、まずキッコーマン醤油、トーフ、大根、油揚げ、インスタントラーメン「出前一丁」など。

 でもこのごろは大型スーパーでキッコーマン醤油やインスタントラーメンなどは売られているから、少し割高だけど買ったりする。トーフはバイオの硬いトーフだがドイツ系のスーパーでいつでも売られている。でもトーフとはほど遠いものだ。硬いというよりガチガチ。ドイツ人にとってのトーフは植物性のチーズのイメージなのだろう。あまり美味しいとは言えないけれど、しかたなく買っている。

 我が家ではニラとパセリを北側のベランダでプランター栽培している。どちらも野草のように元気に育っている。しかし今年は4か月も帰国していたので、ポルトガルに戻って来た時はさすがにカラカラに枯れていた。これは回復できないだろうなと諦めかけていたが、枯葉を取り除いて水やりを続けているうちに緑色の葉っぱが次々と出て来て、いまではしっかり収穫できて役に立っている。野菜炒めやサラダなどに入れて、無農薬だから安心して使える。

 海外に住んでいるとたまには日本食が恋しくなる。殆どの食材をポルトガルのスーパーで買っているが、時には日本食材を使って味噌汁や鍋料理などをしたくなる。そういう時にお助けになるのが中華食材店で売られている日本食材だ。

 それがとうとうセトゥーバルにも一軒できたので、嬉しい。リスボンに住んでいる弘子さんが教えてくれた。彼女は乗り放題バス券を購入しているので一ヶ月40ユーロでリスボン市内や近郊、セトゥーバルまでも乗り放題だ。

 弘子さんはクルマもお持ちだが、リスボン周辺公共交通機関乗り放題券ライフを楽しんでおられる。「武本さんたちは半額の20ユーロなのだから絶対にお得ですよ。是非、買いなさいよ」と勧めてくれる。リスボンを中心にしてシントラやセトゥーバルまで広範囲のバスや列車を利用することが出来る。それでセトゥーバルにバスや電車でやってきて、ウォーキングツアーに参加したり、タイ式マッサージに行ったりされている様だ。

 絶対にお得なのは判る。もし私たちがそれを使う様になれば、元を取ろうと毎日の様に出歩くことになるのだろう。健康にも良い。でも家に居て絵を描くことが仕事なので、あまり出歩いてばかりいると仕事にならない、とも思う。

 私たちはこのごろ家に引き籠りがちで、セトゥーバル市内はめったに歩き回らないのでそんな中華食材店ができたなんて知らなかった。すばらしいニュースだ。

 弘子さんとセトゥーバルのメルカドでお会いする約束をした。リスボンからセトゥーバル駅まで列車で来られる。それからメルカドまで歩かれるわけだけれど、途中、ボンフィム公園の脇を通って来られるそうだが、そのボンフィム公園の側に中華食材店が出来ていた。と興奮気味に教えてくれた。そこは以前から中華雑貨店だったらしいが、食材店に代っているらしい。

 弘子さんはリスボンなので、近くに中華食材店があるのでいつでも日本食材は買うことが出来るのだが、私たちの為にそのボンフィムの中華食材店内をひと回りし、確かめてくれたらしい。「小さいお店だったけれど豆腐や醤油などひと通りの品物は揃っている様ですよ」。

 さっそく行ってみると、中華食材店だが日本食品や韓国食品まで置いてある。それとポルトガル人用に日用品やポルトガル食料もある。ミニスーパーメルカド、日本のコンビニというところだろうか。

 とりあえず豆腐とモヤシ、大根、胡麻油、餃子の皮を買った。店の周りは公園なので駐車場はたくさんある。平日は有料だが、土曜の午後からと日曜日は無料。店は年中無休。

 これからはリスボンに行かなくてもいつでも買うことが出来る。弘子さんに感謝。MUZ

 

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198. ポンボおばさん

2023-08-01 | 風物

 我が家の下の部屋に引っ越して来たのが、ポンボ(鳩)おばさん。入居してくる前の2年間、下の部屋をリメイクするために工事に次ぐ工事で、騒音がひっきりなしに続いた。

 最初、横柄な態度で気が向いた時しか仕事をしようとしない工事人もだんだん気弱になって、しまいには次々と注文を出すポンボおばさんの言いなりになった。

地面に撒かれた餌を探す鳩たち

 

 一方、周りのものはたまったものじゃない。やっと騒音が終わったとホッとしていたら、ある日またぐわーと始まった。2階に住んでいるマダレナおばさんは階段で出会うと、顔を引きつらせて「気がくるいそうだわ」とうめいていた。

 これは大変な人が引っ越して来たものだ。

 ポンボおばさんは一人暮らしらしい。家族の様な人は誰も見かけない。彼女は70歳ほどに見えるが、みたところ頑丈そうだ。乗っているクルマはポンコツ。我が家のシトロエンとどっこいの古いクルマ。後ろの座席には杖が置いてある。クルマのバンパーはガタっと落ちそうで、それを無造作に紐で縛り上げている。見た目や他人の目をいっさい気にしないようだ。

 ある日、私たちが買い物から帰って来ると、ロビーで一階のマリアさんとポンボおばさんが立ち話をしていた。階段に水のボトルと買い物袋が置いてあるので、ヒトシが手伝おうとすると、「いいのよ、自分でできるから」と笑いながら断って来た。マリアさんもうんうんと頷いているので、そのままにした。4階建てのこの建物はエレベーターがないので、買い物をまとめてすると、わが家のある4階まで運びあげるのが大変なのだが、3階に住んでいるポンボおばさんは一人でどうするのだろうか。

 このごろなぜかたくさんの鳩が集まってくる。そして我が家のベランダの手すりにべっとりと糞をしているので、あと始末が大変だ。クルマの屋根にも無数の鳩の糞。出かける前に糞掃除をするのが一仕事。

 ベランダから屋根を見ると、たくさんの鳩がずらりと並んでいる。なにかを待っている様子だ。するとポンボおばさんの風呂場の窓からばらばらと勢いよくパン屑がばらまかれ、下の道に落ちて行った。屋根に止まっていた無数の鳩が勢いよくパンくずに群がり競争で食べている。小さな雀も何羽かいて、自分より数倍も大きい鳩の隙間をぬって要領よくパン屑をかすめ取ってどこかへ飛んでいく。運んだ先でゆっくりと食べるのだろう。

 ある日、ロビーに張り紙が出された。張り紙は他にも3箇所に貼ってあった。それによると、鳩が増えたら伝染病に感染する恐れがあるという。一羽の鳩が一人の人間を殺すという。恐ろしいことだ。張り紙にはその症状の写真入りで載っていた。

 ある日、マンションの管理会合があった。住民全員参加だ。お向かいのローマンさんはポンボおばさんに面と向かって「鳩に餌をやっているのは我が家の窓からも時々見えているよ。どの家も糞掃除が大変じゃないか。僕は日用大工店で鳩除けの剣山を買って来て屋上に取り付けたけれど、鳩が増えすぎて追いつかない。ヒトシはおとなしくてなにも言わないけれど、彼が一番困っているのだよ」と口角飛ばして言ってくれた。

 ここまでされたらポンボおばさんも観念するだろう。ところが~。

 ある日、クルマから出て上を見上げると、ポンボおばさんの北側のベランダに鳩が群がっている。ポンボおばさんが窓から身を乗り出してにこにこと笑いながら鳩に餌をやっている。その手には一羽の鳩が乗り、直接餌を食べている。そうなると可愛くてやはり止められないのだろう。

 あの強烈な写真入りの張り紙を一向に気にすることなく、ローマンさんからの苦情もどこ吹く風、幸せそうなポンボおばさん。手摺の縁には鳩の飲み水を入れた小皿が三つ置いてあるのが見えた。

 そこまでするか、ポンボおばさん!

 我が家では毎朝ビトシが汗水流してベランダ手摺の糞掃除。私はどこ吹く風。

 

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197. 暑い、暑い、そして熱い

2023-07-01 | 風物

 この頃毎日蒸し暑い。じっとしていても汗がべっとり出てくる。まるで日本の梅雨のようだ。

 それでも扇風機も点けないし、ましてやクーラーなど我が家にはない。扇風機はあるのだが、長時間点けていると部屋に熱気がこもるようで、使えない。扇風機のモーターが熱を発散して熱くなるのだ。日本製の扇風機ではこんなことは考えられない。そこでタオルをしっかり絞ってモーターの上に乗せて熱を冷まそうとしたのだがすぐに乾くのでばかばかしくなった。このごろはもっぱらうちわを片手に暑さを凌いでいる。そんなことで過ごせるのも日本に比べて湿気が少ないせいだ。気温は30~40℃となって日なたはカンカン照りでも木陰に入るとスーと涼しい。

 先日も暑いなか、出掛けた。コルーシェという町。以前に一度行ったことがあるのだが、その時は白い霧が街をすっぽりおおって町の様子が分からなかった。階段で上から降りてきた老婦人が「ここは美しい町ですけど、この霧では何にも見えませんね。残念ですけど」と言いながら通り過ぎた。今回はくっきりと晴れ渡っているから、その心配はない。

 町に入る時に大きな川があり、二度も橋をわたった。コルーシェは川に沿って開けた町なのだ。二つ目の橋を渡ってすぐに右に曲がると大きな駐車場があり、そこにクルマを置いた。

コルーシェの闘牛場

 駐車場の周りは闘牛場の建物と市場があり、そこに来る人たちのための無料の駐車場らしかった。その点、セトウーバルは急に駐車料金を取るようになり、何処に行くにも小銭を用意しておかなければならない。町にでかけるのが鬱陶しい。 

 駐車場を出て道を渡ると右側に長い屋根の付いたところがあり、その中にタクシーが一台とまっていた。タクシーの待機場所のようだ。よそでは見たことのない建物で、猛暑対策だろうか。とにかく陰があったら暑さは凌げる。

 道の陰から陰を選んで、歩いていった。まだ昼前なのに歩いている人は少ない。開いている店も少ない。カフェだけが営業中で、中は人であふれていた。

 以前来た時にお昼を摂ったカフェも営業中だが、まだ昼食には早すぎるし、それに他のレストランもあるはずだからと思って歩く。

 少し行くと見覚えのある広場にでた。市役所の駐車場で、料金はここも無料。次々に車がやってきては帰って行く。まわりにはカフェが2軒。広場の端に大きな木が一本立っていて、ベンチもある。ここで休憩。カンカン照りの広場なのにこの木影はまるでオアシスのように涼しい風が吹いている。

 そこからまた歩き始めた。元繁華街らしかった道にはほとんど店がない。まわりは立派な建物が建っていて、軒下には燕がたくさんの巣をかけている。親鳥が忙しく餌を運ぶ様子が見えるが、ヒナの姿が見えない。

 そこを過ぎると一軒のレストランが目に付いた。メニューを見ると、高級レストランのようなので止めた。やはり以前入ったカフェしかなさそうだ。

 今来た道のひとつ下の道を歩いてそのカフェを目指した。もう混んでいるだろうと心配していたのだが意外と空いていて、一番奥のテーブルに座った。昼のメニューを頼むと、ソッパとチキンのカツ。それにサラダとライスが付け合わせ。女性客がほとんど。近所の事務所勤めの人達だろうか。私たちが会計をするころにはほぼ満席になっていた。

丘の上に経つ教会

 

 いったん車に戻って、丘の上の教会を目指した。教会から町全体が見晴らせる。美しい町だ。川べりで泳いでいる少年たちも見えた。

 二つの橋を渡って街の外に出た。

 アルコシェッテを目指して少しスピードを上げた。途中でラジエーターの過熱を知らせる赤いランプがついてしまった。おかしい!

 つい先日同じ故障で修理工場に持って行って新品のラジエーターに取り換えたばかりなのに。

 危険を知らせる赤ランプの数値がじりじりと上がる。モンティージョに着いた時、目についたガソリンスタンドにとびこんだ。急いで冷却水のふたを開けると、沸騰した水が噴水のようにふきあげてまわりに飛び散った。スタンドに備え付けの水を入れても入れてもどんどん入る。やっと水位があがらなくなったので、どこか修理工場がないかとさがしたが見当たらず、とりあえず家に帰ることにした。

 今日は蒸し暑い一日だったが、最後は熱い熱い日になってしまった。

 

 

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