マツムシソウ科、Dipsaceae、ナベナ(ディプサクス)属、イベリア半島原産、2年草、
学名:Dipsacus comosus、
和名:オニナベナ(鬼続断)、ラシャガキグサ(羅紗掻草)、
葡名:Cardo-penteador、Cardo-penteador-de-folhas-recortadas、Dipsaco folhoso、
2015年7月20日、2016年8月27日、2017年6月11日、2018年5月23日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、
ディプサクス・コモスス Dipsacus comosus の花。
乾燥した野原や牧草地、荒地などに生育。
花の大きさは10センチほど。花が咲いている個体を今回初めて発見した。頭花は卵球形で、花は頭花を巻くようにリング状に咲き始め、その後、上下に咲き広がっていく。
開花期:4月から9月。これはまだ蕾の状態。種小名の comosus は房になっているの意。オニナベナは高さ 2m にもなる越年草で、ヨーロッパや西アジアに分布。
属名の Dipsacus は Dipsa (渇き)と cus (適応や関係などを表す接尾語)から名づけられた。これはオニナベナの葉が対生で、葉の付け根が茎の部分に癒着してくぼみができ雨水が溜まることに由来。この水は民間療法では眼の疾患に効果があると考えられていた。根も炎症の治療や胃の強壮に用いられたようだが、現在ではほとんど使われていない。(日本新薬植物図鑑より)
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(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の dipsa(=喉の渇き)を語源としており、本属の中に、葉の基部が杯状になっていて、水を蓄えるようになっている植物があることからと言う。種小名は「長い束毛のある」の意。
ディプサクス・コモサスはスイカズラ科(←マツムシソウ科)の二年草である。本種は、原産地の項に記したようにイベリア半島固有種の野草である。概して開けた草原地帯で幾分湿り気の多い地に自生する。草丈は3m程度となる。茎には刺状の剛毛が密生する。混出葉は長楕円形で、縁部は羽状に不規則に深裂し、ロゼットを構成する。茎葉は、長楕円形で、縁部は不規則な鋸歯状の波形となり、先端部は円頭、基部では茎を抱き、茎に対生する。5~9月頃、10㎝程度で卵球形の頭花をつける。花序には、白色~淡桃色の筒状花が多数つく。花冠は4列する。花序の下には刺状の長い苞がつく。(GKZ植物事典より)