何年ぶりだろうか、久しぶりに千葉の路上に立った。まわりの景観は乱雑なビル群ばかりで興味はない。仕方ないから下を向いて歩く。そう、いつものマンホール探しだ。それも中心市街地から外れた所だ。そのほうが、繁華街の雑踏より落ち着いていられる。
歩道面のタイル模様をそのまま反映させてまわりに合わせているマンホールに出会う。同じ趣旨だろうか、汚水の漢字と市章マークを四角内に納めた。上側に位置合わせの▲マーク、下側に二つの「PULL・ひく」の表示がある。
繁華街では地が白・黄緑・青などカラフルなものが多かったが、中心地から外れた所ではノンカラーばかりだった。やっぱり。「汚水」が漢字、真ん中には「市の鳥・コアジサシ」「市の樹・ケヤキ」、周りに「ハスの花」を配置したマンホールにまず出会う。中央には「千葉市」の市章。これは、1126年、今の中央区に本拠を置いた鎌倉武士団の千葉常重の家紋「月星紋」を採用している。
千葉氏の武士団が今日の千葉の礎となったことから、「月星紋」と千葉の「千」を融合させてデザイン化している。見ようによっては、人間が手裏剣などの武器を格納して全身で平和を維持しているようにも思えたが、それは思い過ごしのようだった。
いっぽう、中央には「コミュニティ」マークのマンホールを発見。円は市の6つの区を表し、人・モノ・情報の先端的発信をイメージしている。上段に野鳥、下段に大賀一郎博士が2000年前のハスの種を市内検見川で発見し、発芽にも成功したのを記念してハスの花を一つ据えている。「雨水」がひらがな、鍵穴が2個。
こちらは、中央にコミュニティーマークを配置。ひらがなで「雨水」と刻み、鍵穴は1個。中央に野鳥とケヤキ。「市章」はカットされている。同じように見えたマンホールも微妙に違うのが見どころでもある。蓮の花12個を周りに配置、中央のケヤキの葉はコーヒーの豆のように見える。
全国的に採用されているJIS規格模様のマンホールもあった。汚水の「汚」の字が見える。同心円が合計で6本となる。鍵穴が2個。JIS規格の円には穴もなく凹もないので、滑りやすい仕様だ。つまり、同じデザインの中でも古い部類に属すると思われる。
ついには、コンクリート製角型の雨水枡もひょっこり発見。「雨水」と市章マークの市章だけの古いデザインに歴史を感じる。人の顔にも見えるが、いかにも初期投資に追われたした痕跡でもある。二つの取っ手がついているが、ゴミが詰まっていて開けるのが大変そうな代物だ。