50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

巨大なバゲットを、見上げよう!

2008-03-15 01:52:39 | マスコミ報道
フランスパンの代名詞のような、バゲット。その巨大なものを、もしかすると、見ることが出来るかもしれません! どれほど巨大かというと、297m・・・297メートルです! ミリメートルやセンチメートルではありません。297メートル! そんなバゲットをどうやって作るのでしょう。


(12日のメトロ紙です)

ラ・デファンス地区のさらなる開発のシンボルとして、新たな高層タワーを建設しようという計画があるそうです。そのデザインコンペの最終選考に残った5案が発表になりました。トロフィーのようなもの、一皮剥くと素敵なビルが見えるといったアイディアがありますが、その中でもやはり目を引くのが、右から二番目、バゲット形のデザインです。どう見てもバゲットにしか見えませんよね。カタチも、色も。良くぞ最終選考に残ったという気がしますが、そのコンセプトなどが13日のフィガロ紙に、紹介されていました。


建築家の名は、ノーマン・フォスター(Norman Foster)。1935年生まれのイギリス人で、世界的な仕事を数多く手がけているそうで、最近では北京の新国際空港を手がけたそうです。インタビューに答えながら、いろいろ語っています。

まずは、バゲット、いや失礼、このラ・デファンス新タワーのコンセプトは・・・立地が歴史のある街と新しい街の交差するところだけに、伝統的な意匠とダイナミズムを両立させ、また、らせん状に伸びる段差部分のお陰で全フロアに自然の陽光を取り入れることが可能になっている。つまり、自然も大切にした設計思想になっているそうです。

このタワーが完成すると、8万平方メートルのオフィスと16階のホテルになるそうです。オフィスだけでは、昼だけの街になってしまう。ホテルと共存することによって、昼夜を分かず、人のぬくもりのある街になるそうです。でも、こうしたオフィスとホテルの共存した建物って、多くの国にすでにありますよね。フォスター氏自身、他の国でも建設済みだそうですが、わざわざ記事の中で紹介しているということは、フランス人記者には珍しかったのかもしれないですね。

ラ・デファンス地区に関しては、ここは先端的のビジネス街として開発され、世界的に有名で、ここをモデルにした街が世界でたくさん出来ている。しかし、それがゆえに、後から出来た開発地区は、より先進的になり、結果的にラ・デファンス地区はもはや後塵を拝するカタチになってしまっている。かつてフランスは多くの国々にとって、憧れ、羨望の的だった。それをもう一度取り戻すチャンスとしたい、つまりルネッサンス、その起爆剤にラ・デファンス地区の再開発がなってほしいと述べています。ということは、意地悪な見方かもしれませんが、フランスの栄光、今いずこ、とこのイギリス人建築家は言っているのかもしれません。何しろ、イギリスの再開発の成功例をしっかり紹介していますから。

そして、ビジネスだけの街から、商業施設もあれば娯楽施設もあり、住居施設もある、そうしたミックスされた街になるべきではないだろうかと言っています。もしかして、その人間の街の象徴が、バゲット?

そして何よりも、公共交通機関の整備が欠かせないとアドヴァイスしています。パリは素晴らしい街だが、郊外には問題を抱えた街が多い。それは、各エリアが孤立しているから。連携を取った開発にはなっていず、それぞれが勝手に作り出された街で、しかも公共交通機関さえ満足には整備されていない。フランスには世界に冠するTGVがあるのだから、パリ郊外の公共交通事情を香港レベルまで改善すべきだ・・・パリ郊外の公共交通機関の整備、この建築家氏にはかなり遅れていると見えているようです。建築家は、ビルひとつ建てれば良いというのではなく、都市開発、街づくりに関する視点もしっかり持っているようですね。

そして、個人的には、何よりも、この大きなバゲットをラ・デファンス地区で見てみたい! 設計案の最終決定は4月末に発表になるそうです。どの案になるか、楽しみ・・・ぜひ、バゲット案に!

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2 コメント

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Unknown (まきたん)
2008-03-17 07:22:06
バケット型ビル見てみたいです♪しかもノーマン卿のビルとなればなおさらですね。わたしの出身の名古屋にもオフィスとホテルが一体になったビルが何年か前に名古屋駅にできました。ちょうど写真の一番左のビルのようなビルです。駅やターミナルもこの時一新され、デパートも加わったことで名古屋の人の流れが変わったのをよく思い出します。
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正直 (take)
2008-03-17 18:01:41
まきたんさん

実は記事の中にはどこを探しても「バゲット」の文字は出てきません。でも、正直に、素直に見れば、バゲットに見えますよね。でも、有名建築家の作品だということで、誰もバゲットみたいだ、とは言えないのかもしれないですね。言えるのは、子どもと、私のような門外漢の外国人くらいでしょうか。
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