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50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

子どもを巡るネット犯罪、フランスでも・・・

2008-02-24 02:19:03 | マスコミ報道
最近気になる話題のひとつが、英国・ウェールズ南部の小さな町、ブリッジエンドで起きている若者による連続自殺。昨年1月からですでに17人。15歳から27歳の若者たちの早すぎる死。警察等はお互いの関連性を否定しているようですが、さて、どうなのでしょう。日本でも自殺サイトで知り合った人たちの集団自殺が後を絶たないようですし・・・ブリッジエンドでも自殺した若者の少なくとも10人が同じソーシャルネットワーキングシステムを利用していたという報道もあります・・・若者とネット利用。

フランスでも、インターネットの影響を心配する父兄が多いようで、その調査結果が22日のフィガロ紙に紹介されていました。



6歳から17歳までの子どもを持つ父兄にアンケートをし、801人から回答を得たそうです。その内65%がネットの好ましくない影響を恐れ、52%は子どもたちが年齢に相応しくないサイトへアクセスしているのではないかと心配しているそうです。ポルノ、小児性愛、自殺、拒食症・・・さまざまな誘惑が待ち構えているネットの世界。フランスのマス・メディアはあまり社会面的出来事を細かく紹介しないので、詳しくは分からないのですが、子どもの写真や名前を集めては公開したり、ネットを通して子どもを実際に呼び出すようなことも起こっている・・・ネット犯罪に取り組む団体によると、今年になってからだけでも30件前後のネット上での小児性愛事件がすでに報告されているそうです。しかも子どものネットへのアクセスは増える一方で、父兄たちはさらに気が気でない状況になっているようです。


(イメージ写真で、内容とは関係ありません)

77%の父兄が自分の子どもがネットサーフィンしていることを知っており、しかも毎日アクセスしている子どもは、15-17歳で65%、6-17歳全体でも31%に達しているそうです。こうした問題に取り組んでいる団体関係者曰くは、問題は親の目の届かないところで、子どもが勝手にさまざまなサイトにアクセスしていることだとか。つまり、親の監督が不十分・・・今でもお尻をぶったり、しつけには厳しそうなフランス社会ですが、それでも忙しい親が多いのかネット利用に関しては自由放任になっている家庭が多いようです。

さらに、好ましくないサイトへのアクセスを制限しようにも、親よりも子供のほうがコンピューターやインターネットに詳しい場合が多く、どうしたものかと悩んでいる父兄も多いとか。確かに、コンピューターやインターネットの普及はフランス、いわゆる先進国としては遅かったですものね。そこで、アクセスを制限できるソフトに頼るわけですが、そのソフトがまた信用できない・・・ソフトのこともよく分からないけれど、でも信用できない、という親が多いそうです。61%の親が、もっと性能の良いものが必要だ! なんとなくフランス人らしいなと思えてきますね。新しいものへの懐疑、あるいは、新しいものを作った側が提示する対策への不信感、特に「有料」への嫌悪感・・・どこの国にも、愛すべき点はありますものね。


(これもイメージ、内容とは関係ありません)

では、解決策はないのでしょうか・・・有害サイトを訴えたり、啓蒙キャンペーンなどを行なっている団体関係者が言うには、親子の対話に勝るものはない。要は、親と子の会話が十分で、親が有害サイトへのアクセスがなぜいけないのかをきちんと説明し、かつ時々はそうしたサイトへアクセスしていないか様子を見てみることが大切だということのようですね。コンピューター・ソフトよりも、親子の対話・触れ合いを。機械というハードよりも、ソフト、親子の関係が希薄にならないようにすることで解決できる! ただし、子どものネットへのアクセスを全面的に禁止するのはよくないとも言っているそうです。どうしてか・・・全面禁止すれば、親の目の全く届かないところでこっそり見るようになり、問題をいっそう見えにくく、解決しにくくするだけだから。

新しい科学技術の誕生は、人間社会に新たな問題をひき起こします。でも、それを解決するのも、人間の叡智。人間の考え付いた技術ですから、人間に解決できないわけはない・・・そう思いたいのですが、さて、どうでしょうか。

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ワインで、ちょっと一息。

2008-02-23 02:40:08 | マスコミ報道
ちょっと一息入れるとき、そばに寄り添うものは・・・コーヒー、紅茶、タバコ、日本茶、甘いもの・・・ワインという人は、ちょっと少ないかもしれませんが、でも、休日の午後なんかには良いかもしれないですよね。そのワイン、今日は、ワインで一息ではなく、フランス・ワインがちょっと一息、という話題です。

ワインといえばフランス・ワイン、という時代はもはや過去のものになってしまったというくらいに、フランス・ワインは逆風に晒されていました。国内での消費減退・・・若い人を中心にワイン離れが起きていて、1960年代に比べると今や消費量が半分になっているという資料もあるくらい・・・

国内市場の冷え込みに拍車をかけるように、輸出も伸び悩むようになっていました。以前からのアメリカに加えて、チリ、オーストラリア、南アフリカなど南半球からの輸出が急増。しかも、ユーロ高。フランスのワイン農家は、いやおうなく減反に踏み切らざるを得なくなっていたそうです。

それが、2007年には輸出が伸びた。フランス・ワインに一条の光が!

18日から南仏・モンペリエで始まった“Salon Vinisud”(南のワイン展)の模様を紹介する19日のマタン・プリュス紙です。このイベントには、フランス南部をはじめモロッコ、イスラエルなど地中海沿岸諸国のワインメーカーが自慢のボトルを出品しているそうですが、出展社数も1,600から1,700ほどと多く、昨年の輸出が良かったことから参加者の顔には笑顔も見られ、活況を呈しているそうです。


同じく19日のフィガロ紙ですが、もう少し詳しく伝えています。去年のフランス・ワインの輸出額は対前年で7.7%伸び、67億5,000万ユーロ(約1兆800億円)に達したそうです。ただ、地域ごとのデコボコは大きいようで、ボルドー・ワインは6.03%増、シャンパーニュ・ワインは量で4.19%アップ、額で11.11%増加、しかしボージョレは9.86%の減少だったそうです。前からの日本に加え、中国からの需要も加わったボージョレは将来が明るいとか昨年言われていたように記憶しているのですが、結果は・・・分からないものですね。お隣の国ではもうボージョレに飽きて、ボルドーとかに移行してしまったのでしょうか。でも日本では、相変わらずボージョレ人気、根強いようですよね。愛着が強い国民性があるのか、あるいはボージョレの輸入・販売業界の宣伝がうまいのか・・・

一方、イベントの行われているモンペリエのあるラングドック・ルシオン地方のワインは、輸出量で11.6%も減ったそうですが、額では改善したとか。この地方だけでもここ3年で35,000ヘクタールものブドウ畑を減反したそうで、構造不況とか言われていたそうですが、輸出額が持ち直したことで、ようやく不況のスパイラルから脱せそうだと一息ついているとか。

フランス・ワインの強さの一つはバラエティの多様性だそうで、市場の70~80%を占める3~15ユーロほどのワインに豊富な品揃えをしている。しかもこの価格帯のワインが中国の輸入するワインの90%を占めているそうで、今後一層ワイン消費の伸びそうな中国市場で、フランス・ワインがシェアを伸ばせるのではないかと、期待しているとか。

減反によって生産量は減っているのに、輸出が伸びる。結果として生産農家やメーカーが得る収入単価は上昇しているそうで、笑顔がこぼれているようです。

天候不順だといっては心配し、逆にでき過ぎたと言ってはこれまた心配・・・さらに消費者の好みに変化があり、さらに、さらに、国際化の名のもと、外国からのワインも流入してくる・・・昔写真で見た、笑顔の深いシワの中に本当に暖かそうな人柄が滲み出ているワイン農家のおじさん、おばさんたちにとっても、気の休まることが少なくなっているのかもしれないですね。たとえわずか一条の光であっても、今はその顔に微笑が戻っているかもしれません。せめて、休日に一息つくときには、ワインでも、いかがですか。それも、日本のワイン農家の皆さんには申し訳ないですが、フランス関連のブログをお読みなのも何かの縁、できれば、フランス・ワインを!

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先見の明は、フランスにあり!

2008-02-22 02:02:21 | マスコミ報道
ご存知のように、いま原子力発電に、以前にもまして注目が集まっています。もちろん、将来的に風と光という自然のエネルギーだけで全ての電力を賄おうというフランス南部・ペルピニャンのような試みもありますが、一般的には、火力・水力・原子力の比重が高いですね。そうした中で、原子力が注目される訳は・・・


18日のフィガロ紙です・・・「原子力へ目覚める世界」。この記事も触れていますが、原子力発電にスポットが当たっているのには、いくつか理由があります。

ひとつは、原油価格の高騰。原油価格の急騰は止みそうになく、物価上昇の主要要因のひとつにもなっていますね。産油国の思惑、新興国を中心とした電力需要の増加・・・そこで、発電量当りの単価が安い原子力発電へいっそう熱い眼差しが向けられる。電力源の多様化へ。

また、産油国の石油後への対応も背景のひとつですね。有限な資源・原油に頼ったままでは、いつか資源大国の看板も降ろさざるを得ない。そこで、資金に余裕のあるうちに対策を・・・石油後へ向けた産油国のエネルギー対策として、原子力への期待が高まっているようです。

そして、環境問題。原子力発電は温室ガス効果、ひいては温暖化の一因となる二酸化炭素を放出しないそうです。数値目標など排出規制が厳しくなる二酸化炭素・・・環境対策も原子力発電へという動きに拍車をかけているようです。

ということで、時代は原子力。フィガロ紙の記事も言っていますが、まさに隔世の感。ちょっと前までは安全性を危惧され、各地で反対運動が起きていた原子力発電。それが、今や多くの国が原子力発電へと舵を切り始めている・・・毀誉褒貶、栄枯盛衰は人の世の常。白眼視されながらも原子力発電に尽力してきた技術者、企業、そして国にとっては、やっと堂々と日の目を見ることができる!

その国の筆頭ともいえるのがフランスなのだそうです。記事の表にもあるように、フランス国内の消費電力の80%弱が原子力発電によるもの。リトアニアの80%に次いで世界で2番目に高い割合になっています。この資料によると、日本は35%程度、韓国30%強、ドイツ30%強、イギリス30%弱、アメリカ20%、ロシア15%程度、インド・ブラジル・中国といった新興国はまだわずか数%です。

稼働中の原子炉の数でも、記事のデータによると、フランスは58基でアメリカの164基に次いで2番目の多さ。他に多い国は、日本30基、ロシア30基、イギリス27基、カナダ20基など(日本原子力産業会議の数字とは隔たりがあるようです)。

こうした数字が語るように、フランス国内においては、原子力発電の開発が進んでおり、技術的に優位にあるそうです。従って、多くの国が原子力発電にシフトしていくことは、大きなビジネスチャンスになるわけですね。そこで、サルコジ大統領は就任以来、外国を訪問する際には原子力関連企業のトップも同伴させ、売込みを図ってきました。世界最大の原子力産業複合企業Areva(アレヴァ:三菱重工業が提携)、そしてそのArevaに競合しつつ部分的に協力関係にあるEDF(フランス電力)、EDFの競合会社Suez(シュエズ)、発電所の建設に豊富な経験を持つBouygues(ブイグ)、タービンに強いAlstom(アルストム:TGVなどの車両メーカー)・・・しかし、フランス企業同士が競合しないよう共同出資の別会社を作るなどの動きもあるようですが、反対意見もあり、国の保護政策の強いフランスらしく、最後は政府の決定に委ねられそうです。

現在稼動中の原子力発電所は、世界中で438ヵ所。そして、建設中が30ヵ所、計画中が159ヵ所、要望が出されているのが61ヵ所と今後ますます増えそうです。フランスにとっては、大きな主力産業のひとつになりそうですね。いつか時代は回ってくる・・・先見性のなせる業とこの記事も言っているようです。

翻って、われらが日本は・・・この記事に唯一名前が登場したのは、東芝。東芝の子会社・Westinghouse(ウェスティングハウス)がArevaの最大の強敵で、最近も競合の結果、契約をひとつ勝ち取ったと紹介されています。でも、Westinghouseはもともとアメリカ企業。東芝が買収したわけですから、日本自前の企業ではない・・・しかし、安全性をはじめ未解決の問題も多い原子力発電。地震の多い風土の中で安全性を高めてきた日本の技術には原子力発電の安全性に貢献できる点も多いのでは、と素人なりに密かに思っているのですが・・・技術立国、頑張れ、日本!

*ネットが繋がっている内に、というわけで、今日はいつもより早い更新です。

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6年ひと昔。

2008-02-21 05:55:19 | マスコミ報道
10年ひと昔、とよく言われますが、時代の変化が早くなっている今日、ひと昔はどのくらいなのでしょうか。これはあくまで感覚なので、人によって異なるでしょうが、20日のメトロ紙は6年ひと昔といっているようです。どうして、6年か・・・創刊6周年なんだそうです。な~んだ、と笑わないで下さいね。創刊時と比べると、いろいろなことがひと昔前に思えるようです。


20日付の第一面ですが、左端のコラムがその6周年企画で、中面では同じデザインで社会、政治、文化、スポーツなど各欄の担当者が6年前を振り返ってコラムを書いています。第一面では、2002年2月18日に創刊されたフランス・メトロ紙は、常によりよい編集を、より読者に近い視点での記事をと心がけてきた結果、今ではフランス国内12都市で発行され、毎日200万人以上の読者を獲得している。販売網ではナンバー1であり、ここ3年は黒字を計上している・・・こうご挨拶というか、自画自賛しています。

さて、では6年前、どのようなことがいろいろな分野で起きていたのでしょうか・・・

<フランは死んだ>
死んだのはフランであって、フランスではありません、間違わないでくださいね。1999年1月から銀行間取引などに使われ始めていたユーロが、紙幣・コインとして人々の暮らしで使われるようになってのが、2002年1月。使用開始から数週間たって、メトロ紙の創刊に合わせて調査をしたところ、フランス人の三分の一がフランが消えるのは寂しいと答えたそうです。特に女性では49%、一方男性は29%。普段買い物をする機会の多い女性のほうが愛着が強いのでは、と記事は言っています。また使い慣れた高齢者ほど愛惜の情が強い。65歳以上では、44%がフランを惜しんでいたそうです。しばらくは、新聞の記事でも、ユーロ表示の後フラン換算も併記していたようですが、今ではユーロのみがほとんど。でも、スーパーのレシートには、今でもフラン換算が見られます。では、先のソシエテ・ジェネラルの損失額、50億ユーロをフラン換算するといくらになるでしょうか・・・興味のある方は、計算をどうぞ。

<大統領選挙、目算外れ>
2002年は大統領選挙の年でした。その7年前の1995年には、保守のシラク氏と社会党のジョスパン氏が大接戦。僅差でシラク氏が大統領に選出されたのですが、その後国民議会選挙で社会党が勝利し、ジョスパン氏は首相に。首相としての実績を基に、今度こそはとシラク氏との再戦へ社会党が準備を整えていたのですが、このときもう一人の元気のいい候補者が。2月時点では支持率が10%もなかったにもかかわらず、決選投票に進むのは自分だと公言してはばからない、極右・国民戦線のル・ペン氏。実際、第1回投票で上位2人に残ったのは、シラク氏とル・ペン氏。第1回投票で敗れ去ったジョスパン氏はあまりのショックに、政界引退を表明。そして、第2期シラク政権へと向かったのでした。

<狂牛病パニック>
フランスではじめて狂牛病による牛の死亡が確認されたのが2002年2月17日。メトロ紙創刊の前日ですから、当然創刊日の一大ニュース。件の牛が死んだのは数週間前だったそうですが、確認に時間がかかり、2月17日に確認されたそうです。しかも、人にも感染する恐れありと報道されたため、フランス中がパニックに。日本でも、ある一定の時期イギリスやフランスなどに滞在した人の献血を受け付けないとか、今でもその影響は続いていますよね(私もその一人です)。パニックは収まったものの、この事件を契機に、加工食品の安全性が検討されたり、成長ホルモン剤を投与された牛による人間への影響などが問題になったりしています。

<アフガンからイラクへ>
2001年9月11日の後、世界の注目はアフガニスタンへ。空爆が始まったのが10月7日で、アフガニスタン暫定行政機構が誕生したのが12月22日。次は、イラク・・・メトロ紙創刊号で掲載したというインタビューでライス長官は、バクダッド攻撃は差し迫っていないと述べていたそうですが、同時にブッシュ大統領が諸悪の根源はフセインにありみたいなことを言っていることにも言及。そして2003年3月19日には、フランスをはじめ多くの国々の反対にもかかわらず、イラク戦争が始まる。メトロ紙の記事曰くは、今や第二のベトナム戦争。今年のアメリカ大統領選挙の大きな争点のひとつにもなっている・・・

<無料紙反対>
無料新聞・メトロ紙の出現には、マスコミの労働組合も含め、多くの人々が反対したそうです。曰くは、情報が無料になれば、その価値を失う、ジャーナリズムが価値を持たなくなる・・・19世紀以降、新聞社の経営は購読料と広告の二大収入源が頼りだったのですが、購読料を廃止しては、どの新聞も同じような論調になり、新聞の個性が死んでしまう、と心配する向きも多かったとか。しかし、すぐル・モンド紙も無料新聞を検討し始めたとか噂されたようですが、後にマタン・プリュス紙との提携という形で、その噂も確認されたようです。


(こうしたスタンドが市内各所にあり、簡単に手にすることができます)

<交錯した運命>
フランスを代表する二人のサッカー選手の運命・・・モナコのチームでは、センター・フォワードとウィングというポジションで共存したトレゼゲとアンリ。それが、代表チームではなかなか機能しない。モナコを離れた後、トレゼゲはイタリアのユベントスで、アンリはイギリスのアーセナルで、ともにセンターフォワードとして大活躍(アンリは今シーズンからスペインのバルセロナへ)。同じポジションに慣れ親しんだ二人の選手が代表チームで一緒にプレーすると、お互いの良さを消しあってしまう。その例が、2002年の日韓ワールドカップ。二人とも得点を挙げることができず、フランス代表も早々と敗退。それ以降、代表チームでアンリはレギュラー、トレゼゲは控え、さらには控えに不満を示したため、代表チームからお呼びがかからなくなっています。それにしても、日韓ワールドカップから、もうすぐ6年・・・

<アステリックス>
世界で3億5,000万部以上も売り上げているというフランス・マンガ(BD)のアステリックス。古代ローマ、ガリアが舞台のマンガですが、実写映画としても制作されており、『アステリックスとオベリスク』が1999年。そして2002年1月30日に封切られたのが『ミッション・クレオパトラ』。観客も笑い、批評家も十分に笑いを堪能したようで、このギャク、駄洒落にあふれた作品は、前年の『アメリ』以降の自国映画人気もあいまって(もう7年になります)、興行的にも大成功。笑いと採算が両立することを証明したそうです。そして、今年、『アステリックス、オリンピックへ行く』が公開されています。これまた出だし好調で、多くの観客が映画館へ押しかけています。

<スターアカデミー>
明日のスターを夢見る人たちを一ヶ所に集め、数ヶ月に及ぶ勝ち抜き戦で優勝者を決める、リアリティ・テレビとも言われる人気番組が始まったのも6年前。今年が第7回目。TF1が金曜日のプライム・タイムに決勝まで毎週放送している番組で、優勝者にはプロの歌手としてのデビューが約束されているようです。過去の優勝者には、2枚のアルバムの売り上げが150万枚にも達したJenifer Bartoliなどがいます。しかし、7回目ともなると、少々飽きられるのか、視聴率は息切れ。今では、いつまで続くのかが話題になっているそうです。

・・・6年ひと昔。懐かしい出来事や話題がありますね。6年前、皆さんは、どこで、何をしていましたか。そして、時代の変化がさらにスピード・アップしている今日、次は5年ひと昔。5年後、皆さんはどこにいて、何をしているでしょうか・・・

(今日は、ネット回線の故障。日本語環境のネット・カフェからの更新です。いつ回復しますやら・・・一晩ダメでしたが、21日朝には自然と回復。でも、数日夜繋がりにくくなっていたので、今夜は・・・)


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教師を採点!

2008-02-16 05:14:18 | マスコミ報道
“Controle continu”・・・フランスの語学学校に通ったことのある人にはうんざり、思い出したくもないコトバかもしれませんが、「コントロール・コンティニュ」、つまり平常点評価のことです。定期的に行なわれる小テストや授業中の態度などで評価されるものですが、この平常点評価を教師にも実施しようという案が、話題になっています。


5日のメトロ紙です。文部大臣に提出された案には、面接、指導の評価、残業時間など多くの評価項目で教師の勤務状況を査定しようという改革が盛り込まれているそうです。

1972年以降、フランスでは教師の評価は二つの方法によって行なわれているそうです。ひとつは、勤務状況など総務的な項目を中心に学校長が評価するもので、これが40点満点。もうひとつが、監査官が4年ないし7年ごとに教師が実際に行なっている授業を視察して、その教師の教え方を評価するもので、これが60点満点。合わせて100点満点の評価になっているそうです。しかし、評価の間隔が開いていることや、そして何よりも評価自体が年功序列だったり(フランスといえども閉じられた狭い社会ではこうした意識があるようです!)、採用時の試験の点数に基づいていたりで、実情に合っていないと不評なのだそうです。しかも、教師の86%が負担が増えていると感じており、また三分の二が教師としての仕事に遣り甲斐がないとこぼしているそうです。因みに、民間企業の管理職では、40%が働き甲斐がないと感じているとか。日本では、どうなのでしょう。

さて、こうした現状から、改革! となるわけですね。


中面で、詳しく紹介しています。もっとも大きな話題が、生徒による教師の評価。いつもは試験の点数を付けられている生徒たちが、逆に教師の指導方法に点数をつけるというもので、第一面の見出し、「教師に平常点評価」となるわけです。この見出しをつけた編集担当者もきっと、コントロール・コンティニュが嫌いだったのでしょうね。即、見出しに使っていますものね。

アメリカではかなり広く行われているという生徒による教師評価、日本でも高知県(小・中学校)、東京都(高校)、埼玉県(高校)などが行なったそうで(今でも継続されているでしょうか)、大学では500以上のところで実施しているとか。教師がかなり権威的という印象のあるフランスで、果たしてうまく機能するでしょうか・・・

どのような評価基準で採点するのか、地域や学校によって規準にばらつきが出るのではないか・・・いろいろな危惧が提示されているようです。この教師評価案について、メトロ紙の記事は、学校が民間企業のようになる、教師はサラリーマンのように評価される仕事になってしまう、と言っています。

では、肝心の教師や生徒たちの反応は・・・高校で聞いたようですが、
・単に点数をつけるだけでは、どこが良くてどこが悪いのか分からないのではないか、採点するより、30分でも良いから教師と生徒、一対一の面談をしてくれたほうが良い(生徒)
・教師を客観的に評価する立場にない(生徒)
・すでに総務的な面から学校長の評価、指導方法などについては監察官からの評価をもらっているので、これ以上の評価はいらない(教師)
・・・どうも戸惑いがあるようですね。

教師評価以外にも、有給の研修などを含めた教師の勤務時間の再構築、教師の質の向上を目指した継続的な研修制度や新規採用者の専門性の高度化(修士号取得者を中心になど)、教師の疎外感を解消するために監察官とのより頻繁な接触・支援・・・いろいろと改革案が盛り込まれているようです。

文部省も、この改革案を一気に成立させてしまおうというわけではなく、この案を基に、教育の現場や教員組合としっかり協議を重ね、2009年秋の新学年から実施していければと言っているようです。

さて、学校では生徒による教師の評価、企業では部下による上司の評価・・・既存の上下関係がなくなり、並列、あるいは個人個人がプロフェッショナルとして評価される時代になっているようです。でも、やっと評価する側になれると思ったら、制度が変わって、部下や生徒に評価されてしまうとは・・・という人もいるかもしれないですね。世代によっては、一生評価される側という不運な人たちも・・・

多くの国でいろいろな改革が行なわれています。時代が大きく変わろうとしているようです。しかし、「それでも変わらないものがある」・・・『屋根の上のヴァイオリン弾き』でテヴィエがこんな台詞を言っていたかと思いますが、口では変わらないものがあると頑固親父は言うものの、心では時代は常に変わっていくものだと分かっている・・・「変化」とどう対面し、受け入れていくのか、それでも変わるべきでないと思うものはどう主張していくのか・・・なかなか答えが見つからない課題ですね。

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TGVからAGVへ。

2008-02-07 04:43:17 | マスコミ報道
フランス版新幹線TGVの新世代が、その製造元であるアルストム社(Alstom)から5日に発表になりました。サルコジ大統領が直々に出席。夜のニュースでもトップニュース。原子力、兵器、航空機に次いで、高速列車も国を挙げて世界へ売り込もうというわけですから、力が入るはずです。


その新世代(第4世代だそうです)を公式発表より一日早く紹介した4日付のフィガロ紙です。

今までTGVの名で親しまれてきたフランスの高速列車、新しい型から名前も一新するそうです。TGV(Train a Grande Vitesse;高速列車)からAGV(Automotrice a Grande Vitesse;高速自走電車)。どこが違うかというと、今までのTGVは先頭の車両が後続の客車を引っ張る「動力集中方式」、AGVでは各車両にモーターが取り付けられている「動力分散方式」。それぞれの車両にモーターがあるところから、Automotrice(自走式電車)になったのでしょうね。

この変更により、今までよりもスピードも上がり、しかも静かで、より快適に。つまり乗り心地が格段によくなるそうで、先頭車両にも客席を設けることができるので、より多くの乗客に快適な旅を提供できる、と言っています。また、環境にもさらに優しい。同じ速度ならAGVの消費電力はTGVより20%少ないとか・・・こうした新しい列車で、ドイツのシーメンスなどとの競争に打ち勝ち、世界にフランスの列車技術を広げたい。しかも、すでにイタリアでは列車を運行する会社と契約が成立しており、AGVはまず2010年以降にローマ・ナポリ間で走り始めるそうで、フランスで実際にお目見えするのはフランス国鉄が正式に発注すれば2014年。そして、2020年までにはすべての車両をTGVからAGVに切り替えたいそうです。


(5日にお目見えしたAGV。6日のフィガロ紙から)

AGVのもひとつの特徴は、フレキシブルであることだそうで、使用する国・企業の要望に対応すべく、スピード性能も、客車の編成台数も自由に変えられるそうです。こうした利点を生かして、世界に売り込もう! というわけですが、そのターゲットは、記事の地図に出ているように、EU諸国、北アフリカ、中近東といった地理的に近い地域、そして、新興国と言われるインド、中国、ロシア、ブラジルなど。さらには、飛行機の限界に気づき、列車を見直し始めたと言われるアメリカやカナダ。しかし、国際化のご時勢、競争は熾烈。ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア・・・昨年はフランス国鉄のイル・ド・フランス地方(パリ近郊)の新型列車の入札で、アルストム社は地元フランス企業でありながらボンバルディア社に一部の納入をとられてしまったほどですから、国を挙げてといっても安閑とはしていられませんね。

・・・と、ここまで記事を中心にご紹介してきたのですが、どこにも新幹線の「し」の字も、日本の「に」の字も出てきません。おかしいと思いませんか。以前、TVGが試験走行でスピードの世界記録を更新したことをお伝えした際に若干調べたのですが、AGVの採用した「動力分散方式」というのは、別名「新幹線方式」と言われているほどで、日本が進化させた技術(オリジナルがどこかは、ちょっと分からないのですが)。今までは、コストも安いTGV方式(動力集中方式)とパワーがあり山の多い地形や短距離運行などに利点のある新幹線方式(動力分散方式)がその販売拡大を巡ってしのぎを削っていたのですが、突然、フランスが動力分散方式に移行してしまうわけですから、その背景などの説明もあってしかるべきかと思うのですが、全く紹介されていません。あたかも、アルストム社が独自により優れた列車技術を開発したような書き方です。しかも、競争相手は、シーメンスとボンバルディア。まだ決定していない多くの国の路線でも、あたかもアルストムに決定しているような地図の表記。ま~、中華思想の国、有色人種など眼中にない人が多い国とはいえ、ちょっと度が過ぎてやしませんか、と文句のひとつも言ってやりたいのですが、何しろ、素人、情報もネット上で(主にWikipediaなどで)得たものだけに、100%の確信があるわけでもなく、一人、ぶつぶつと不満を言っております。

実際はどうなのでしょう、日本の報道にも、読者、つまり日本人が喜ぶような書き方があったりしますから、絶対にTGVが技術的には新幹線の軍門に下ったとは言い切れないのですが、もし詳しい方がいらっしゃれば、教えていただきたい・・・愛国心が仏仏と(おっと、違いました、沸々と)湧き上がってしまったという、読後感なのでした。

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ファースト・レディというより、プリマ・ドンナ。

2008-02-06 04:39:55 | マスコミ報道
サルコジ大統領がついに、かねて噂の、というかみんな知っていた通りカーラ・ブルーニさんと結婚しました。日本でもずいぶん報道されていたようですね。もちろん、地元フランスでも・・・


4日のフィガロ紙。2日にエリゼ宮で式を挙げた翌日、一緒にヴェルサイユ宮殿敷地内の公邸から出てきた新婚の二人を第一面で紹介しています。元スーパー・モデルにして、今や人気のシンガー・ソングライターというカーラさんて、どんな人なのでしょう。もうちょっと詳しく知りたい・・・何しろ、フランスの大統領夫人、言ってみればファースト・レディなのですから。


同じ日のフィガロ紙が詳しく紹介してくれています。その記事によると・・・

1968年12月23日、イタリアのトリノ生まれ。フルネームは、Carla Bruni-Tedeschi(カルラ・ブルーニ=テデスキ)。実家は、大手電線メーカーのオーナー社長にして、旧家。子ども時代を一族所有のお城(le chateau de Castagneto Po;カスタニェート・ポー城)で過ごしたそうです。父のアルベルトは、単に実業家というだけではなく、作曲もし、また美術作品の蒐集家としても有名。母マリーザは、ピアニスト。音楽や美術品に囲まれた子ども時代だったのでしょうね。私とは、雲泥の差・・・関係なかったですね。しかし、3番目の子、カーラさんは本当の父の愛を知らずに育った・・・ここに彼女の傷つきやすい心の元があるのかもしれませんね。どうして、愛されなかったのか・・・彼女の本当の父は別にいた。母親が恋人のブラジル人(名前も公表されていて、Maurizio Remmert氏)との間に儲けた子だったのです・・・このあたりの事情は、姉で俳優・映画監督のValeria(ヴァレリアさん)が自作の映画で触れているそうです。今回の結婚にイタリアは熱狂。イタリアの議員が議場でシャンパンを抜いたり大騒ぎをしていましたが、カーラさん、半分はブラジル人だったんですね。

資産家を狙ったテロなどが横行するイタリアに嫌気がさして、一家でパリへ移ったのが1973年。カーラさんは5歳だったそうで、パリ16区に住み、教育はパリで。夏休みは、ジスカール=デスタン元大統領の別荘などにも近い高級避暑地で過ごしたそうです。お嬢様育ちですね。そしてクラシック音楽や絵画以外に、青春時代のカーラさんを熱くしたのが、ポップスやロック。あるバンドのギタリストに夢中になったり・・・青春は美しく、叡智にあふれ、そして内向的だった、そうです。

美術と建築の勉強を諦め、19歳でファッション・モデルに。モデルにスカウトされたのは、モデル・エージェンシーがカーラさんの定期の写真を見かけたのがきっかけだったとか。人生は、ひょんなことからコースが変わって行きますね。身長178㎝と背が高く、プロポーション抜群。しかも、高く張り出した頬骨、アーモンドの形をした猫のような目、卵型(うりざね型)の完璧な輪郭という美形・・・すぐさま売れっ子モデルとなり、1987年からの10年ほどで、数千万ユーロ(1,000万ユーロが約16億円)も稼いだそうです。しかし、同時に、男好きという噂も。恋人といわれた男性は、日本でも紹介されているとおりで、有名人がたくさんいますね。その中の一人、哲学者との間に子どもをひとり儲けています。

1996年に当主アルベルトが亡くなると、一家には多くの問題が。カーラさんも精神分析医の助けが必要になったようですが、この精神的困難さを克服するために始めたのが、音楽。歌うだけでなく、自ら作詞・作曲。歌を作ることによって癒されたようです。それからは、歌手、カーラ・ブルーニへ。今まで出したシングルやアルバムも大ヒット。この夏に3枚目のアルバムが出ることになっているようです。しかし、大統領夫人になってしまっては・・・

母親のマリーザさんは、娘は大統領夫人になっても、詩を書き、曲を作ることは続けるだろう、それが彼女には必要だから、と言っているそうです。


イタリア人であること、歌手であること、しかもたぶんその歌手を続けるだろうという事から、4日のメトロ紙はファースト・レディならぬプリマ・ドンナ誕生と謳っています。

さて、カーラさんとサルコジ大統領との出会いは、昨年11月。あるディナーの席で一緒になったそうです。そこから一気に結婚まで。ただし、大統領選挙でカーラさんが支持したのは、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル女史。常に左派陣営を支持してきたそうで、政治的には同床異夢になるようですね。若く、美しく、感受性に優れた芸術家で、成功もしており、教育もしっかり受けており(仏・伊語以外に英語、スペイン語にも堪能だそうです)、それでいて、ロックン・ロールが好きで、独立心が強い・・・全く新しいファースト・レディの登場だといわれています。最初のお披露目は、来月のイギリス訪問。ウィンザー城でエリザベス女王との会見。どんなスタートを切るでしょうか。

改革、過去との断絶を唱えるサルコジ大統領がプライヴェートで示した新しいフランス像。うまく機能していくでしょうか、国民の反応は・・・ますます目が離せませんね。

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60代、頑張る。

2008-02-05 05:08:17 | マスコミ報道
フランスの歌手の昨年の収入ランキングが発表になりました。


1月28日のフィガロ紙です。栄えある1位に輝いたのは、ミシェル・ポルナレフ。1970年代に『シェリーに口づけ』や『愛の休日』などの大ヒット曲を飛ばした、フレンチ・ポップスのスター。ここ30年はロサンゼルスに居を構え音楽活動を続けていたようですが、フランスとアメリカのさまざまな違いなどから自律神経失調症などを煩い、あまりパッとしませんでした。それが、去年、突然、新曲を出し、コンサートツアーも。フランスで大きな話題となり、パリのベルシーだけで14回ものコンサートを。30年前までと同じ大きなサングラスに独特のヘアスタイル。昔のままのポルナレフで復活しました(といっても、写真をよく見ると、せり出したお腹はいかんともしがたく・・・)。コンサートに、CD、DVDなどの売り上げやその他のマーケティング活動で、〆て571万ユーロ(約9億1,000万円)の所得。堂々の1位です。

2位はジョニー・アリディで、302万ユーロ(約4億8,000万円)。例年1位になることが多いようですが、今年は復活したミシェル・ポルナレフに首位の座を明け渡しました。フレンチ・ロックの王様、いまだ健在です。

3位以下には、フランス人に今最も愛されている有名人のヤニック・ノアが3位、同じく好感度トップ10に入っているミシェル・サルドゥが7位、去年久々にアルバムを出し、シャンゼリゼのイリュミネーション点灯も行なったヴァネッサ・パラディが9位。

しかし、こうした顔ぶれを見てみると、ベテランが頑張っていますね。ポルナレフは1944年生まれ、アリディが1943年。サルデゥは1947年・・・いずれも60歳代です。まだまだ現役、それもバリバリの現役です。そして、功なり名を遂げれば、もうひとつ加わるのが勲章・・・ですが、人によっては、お上のくれるものは拒否する、あるいは勲章は現役引退の勧めだからと辞退する人もいるでしょう。しかし、今年、勲章をもらった人もいます。


1日のフィガロ紙です。また右端にミシェル・ポルナレフ。彼がもらったのは、レジオン・ドヌール勲章。昨年の復活と、大統領選でのサルコジ氏支持のお礼的な意味もあるのでしょうか。

1月31日に発表になった今年のレジオン・ドヌール勲章受勲者、他には・・・有名人では、フランス人に愛されるトップテンに入っていたシスター・エマニュエルが100歳にして受勲、イタリア女優のクラウデイア・カルディナーレ(1938年4月生まれですから、今69歳)、ファッション・デザイナーのジャン・ルイ・シェレル(1935年生まれ)、調香師のジャン=ポール・ゲラン、写真家のウィリー・ロニス(1910年生まれ)、元サッカー監督のギー・ルー(1999年に続く2度目の受勲)、ペルー人実業家のイヴァン・シガネール=アルベニス・・・アルベニスって名前、どこかで聞いた記憶ないですか。セシリア前サルコジ夫人の母方の姓。そう、兄弟だそうです。自ら行動する大統領らしく、叙勲の人選にもサルコジ色が濃く出ているのかもしれないですね。

ナポレオンによって制定された、今でもフランス最高の栄誉といわれるレジオン・ドヌール勲章。今回の受勲者の特長は・・・


同じく1日のフィガロ紙ですが、女性化の時代。この権威ある勲章も、ついに男女平等になったそうです。今までは男性のほうが多かったようですが、今回は男女同じくらいの人数に。これも、男女平等にというサルコジ大統領の意向が反映されているそうです。右寄りの国民運動連合(UMP)を支持母体としていますが、男女平等には強い関心を持っているようです。やはり、母親片親に育てられたという子ども時代の影響によるものでしょうか。因みに、レジオン・ドヌール勲章を受勲した外国人は1,500人ほどいるそうですが、その約1割が日本人だとか。長く緊密な日仏関係を物語っているようですね。

現役としても他を圧倒するような活躍、そして受勲・・・フランスの60代は本当に元気です。日本人も・・・まして、50代、まだまだこれからです。

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ジャパン・デー。

2008-02-02 05:10:54 | マスコミ報道
こちらの新聞に目を通していると、時として日本関連の話題が同じ日にいくつも取り上げられていることがあります。日本スペシャル・デー、といったところでしょうか。以前にもご紹介したことがありますが、1月30日もそんな日でした(記事等はフィガロ紙から)。


①盆栽
生け花をやっているフランス人は多いようで、パリ日仏文化会館などで時々展示会をやったりしています。でも、盆栽は・・・盆栽を栽培したりしているフランス人は多いのでしょうか。いるにはいるでしょうが、さて、どのくらいいるのでしょう。

その盆栽に「美」を見出している人といえば、日本贔屓のシラク前大統領。


今年は日仏交流150周年、何かとイベントの多い年になりそうで、日本に興味のあるフランス人は、今から楽しみにしているようです。そうしたイベントのひとつが、5月から6月にかけてヴァンセンヌの森で開催される皐月の盆栽展。芽吹くところから花の盛りまで、低い植栽の変化をじっくり楽しめる・・・素晴らしい展示会になるのは間違いなし、とシラク氏も太鼓判だそうです。

150周年に関していろいろアドヴァイスをしてくれたらしいシラク氏。長年にわたって日本とは親密な関係を築いてくれていましたので、大統領就任中に記念の年が迎えられれば良かったのでしょうが。そのシラク氏がもっとも楽しみにしているという盆栽展。日本人の縮み志向の具体例に持ち出されたりしたこともありますが、その小さな世界にまさに「日本の美」が凝縮されている、と見る人も多いようです。さて、フランスの人たちには、盆栽、どう映るでしょうか。


②明治安田生命保険
新聞やテレビのニュースでも連日トップニュースになっているソシエテ・ジェネラルの不正行為問題。社長の責任は・・・辞意を理事会に提出するも拒否され、任に留まると社告でも発表していたのですが、サルコジ大統領から責任を指摘され、30日に再度理事会を招集。しかし、理事会は、続投を再確認。


経済面で、理事会の構成メンバーが紹介されていました。16人の理事の中に一人、アジア人(右下の端です)。名前を見ると、明治安田生命保険の松尾憲治社長です。ソシエテ・ジェネラルの監査役のようですが、どうしてここに・・・明治安田生命はソシエテ・ジェネラルの株主。それも、2.97%の株を持っている3番目の大株主なのだそうです。日本では、報道されていましたでしょうか。ネットで文字検索したら、出ていなかったのですが・・・

ソシエテ・ジェネラル社長のダニエル・ブトン氏。1950年生まれの超エリート。1974年にエリート養成所ともいえる国立行政学院(ENA)を卒業し、最年少で財務監査官に。財務官僚として陽のあたる道を歩み、1991年にソシエテ・ジェネラルの役員に。93年にアメリカ流にいえばCOOに。そして97年にCEO。10年に亘ってソシエテ・ジェネラルに君臨してきたわけで、その間には東欧諸国への進出なども果たし、2007年5月には、自社株を過去最高の株価に引き上げたそうです。

そのブトン氏の続投を決定した理事会で、日本の明治安田生命はどのような意見だったのでしょうか。日本企業では、欠席・委任状なんて事がよくありますが、今回は・・・


③1.5%
社会党の重鎮、ドミニク・ストラス=カーン氏が専務理事を勤める国際通貨基金(IMF)が2007年と2008年の主要国の経済成長率予測を発表しましたが、アメリカ、ユーロ圏に次いで日本も三番目に紹介されていました。


サブプライム問題や資源価格の上昇などで、昨年10月時点での予測を引き下げた国が多くなっているようです。日本も1.7%から1.5%へ。引き下げ幅が最も大きかったのは中東欧ですが、ユーロ圏も0.5%引き下げられています。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本も多少加わって、弱い経済の輪を形成しそうだとか。

一方、新興国や途上国は、あまりサブプライム問題などの影響も受けず、好調さを持続するようです。中国は二桁成長。インドも好調。人口の多い新興国は内需がしっかりしているからでしょうか、右肩上がりを続けるようですね。世界全体では4.1%、新興国と途上国だけだと6.9%の成長が予想されているとか。その内、こうしたリストにも、インドやブラジル、ロシアも加わってくるのでしょうね。中国は、もう加えられています。G8や蔵相会議なども新しいメンバーを加えることになりそうですね。ダボス会議で意気消沈していたアメリカと意気軒昂な新興国。多極化が進行して行くのでしょうか・・・


④日本企業も元気です!
最後は広告。ニコンのカメラです。

デジカメは日本企業のシェアが非常に高い。日本経済がどうとかいっても、やはり日本は現場が頑張る国。それぞれの企業が生き残りをかけて頑張っています。片やフランスは、原子力、兵器、航空機など強みのある分野で政界、財界、企業が一体となってセールスを展開しています。リビアで、アルジェリアで、モロッコで、インド、中国で・・・そして4月には、原子力関連で共同歩調をとるべく、フィヨン首相と財界が日本へ行くようです。日本以外はサルコジ大統領が率先して行っていたのですが・・・G8で夏に北海道に行くので、今回は首相で、ということでしょうか。いずれにせよ、国挙げてのセールス。イギリスでも確か最高のセールス・ウーマンは女王とか言われていますね。しかし、日本では多くの場合、企業独自。政財官一体となった展開は、日本では何かと難しいのでしょうか・・・


・・・ときどきある「日本の日」。今回は盆栽と経済という、特に関係のない話題が4つ揃いました。いろいろ言われたり、自ら経済一流国の看板を下ろしたりしても、フランスからは日本はまだまだ元気に見えるようです。

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独身者は○、同性カップルはX。

2008-01-30 05:32:19 | マスコミ報道
独身者は良くて、同性のカップルではダメなものって、いったい何だと思いますか。


23日のメトロ紙ですが、いきなり「家族革命」という見出しです。何が革命的かというと、ヨーロッパ人権裁判所が、同性愛のフランス人女性から出されていた養子を認めるようにという訴えを認めたからです。フランスでは、同性愛カップルに養子は認められていない。しかし、独身なら養子を迎えることができる・・・どこか変ですよね。そこで、風刺漫画になるわけです。「あなたたちは同性カップルだから、養子は迎えられない」という当局に対し、「私たちには性的関係はない」と言い返しています。カップル関係ではなく、同性の独身者同士がたまたま同居しているだけ・・・これなら養子を迎えられるわけです。う~ん、やはり、変。様変わりしている現実に、法が対応できていないですよね。硬直してしまった司法、というイメージに繋がってしまいそうですね。

今回の判断は、同性愛カップルの権利拡大をめざす団体にとってはまさに朗報。フランスでは同性愛カップルの結婚が認められていないので、そのカップルが養子を迎えるのも認められない、という解釈のようですが、実際にはパリやリールなどではかなり寛大な対応がなされているようで、養子・養女と暮らす同性カップルも増えてきているそうです。

しかも現実はさらに複雑になってきている・・・同性カップルにも、別れはある。そのとき、養子はどうするのか・・・頭が痛くなってしまうような問題ですが、フランスでは実際に起こっています。こうした場合は、異性カップルの場合と同じように、二親の間で交互に養育することができるそうです。

現実は小説より奇なり、なんていうと当事者の方々から叱られそうですが、家族にさまざまなカタチが生まれています。以前ご紹介しましたように、片親世帯が増えていますし、再婚、あるいは再々婚の両親とその子どもたち。兄弟といっても血の繋がりはない。また、同性カップルの養子、さらには別れた同性カップルの片方に引き取られた片親家庭・・・


ヨーロッパ人権裁判所の判決が出た直後、同性カップルの結婚とその養子受け入れについてアンケートを行なったそうです。写真は、その結果を伝える28日のメトロ紙。

「同性カップルに、より寛大な反応」という見出しが語っている通りで、同性カップルの結婚については54%が賛成、反対は45%。その養子縁組については賛成47%、反対52%。同性カップルが養子を迎えることにはまだ反対のほうが多いのですが、社会学者曰くは、「ほんの数年前なら、同性カップルに養子を是認するのは三分の一程度しかいなかった。それが、半数近くに増えたのだから、これは大きな社会的変革だ」、ということです。

調査結果は、年齢別、支持政党別にも切っているのですが、年齢別では、年齢が上がるほど拒否反応が強いようです。最も受け入れが高いのは、いずれも25~34歳のブループ。支持政党別では、左派支持層のほうが圧倒的に是認する人が多く、右よりの人ほど反対のようです。保守的政治路線を支持する人は全てにわたって保守的ということなのかもしれないですね。

社会学者はまた次のようにも言っています。今や家族は二つの要素からなっている。カップルと子どもたち。しかもそのカップルはとても壊れやすくなっている。自らの幸せを求めて、いとも簡単に別れてしまう。子どものために我慢するよりは、自らの幸せを求める。従って、カップルが同性同士でも当事者たちが幸せならそれで良いのではないか、と考える人が増えてきており、54%という支持はさらに増えるだろう。しかし、こと子どもたちとなると、子どもの幸せにとって親が同性カップルなのはいいのかどうか、と考える人も多い。なぜなら、子どもの成長には男女の親がいたほうがいいという、19世紀の伝統的心理分析がフランスでは今でも残っているからだ。30年ほど前に離婚が増えた頃、同じような論争があった。しかし、その後も離婚は増えているが、子どもの成長に男親と女親がともに不可欠だという結論は出ているのだろうか。再び、この問題を論じるべき時だ・・・

異性の両親、片親、そして同性の両親・・・子供たちにとってはどのカタチが良いのでしょうか。個人的には、カタチよりは、その育て方、愛情の深さなのではないかとも思うのですが、それは日本的情緒の世界の話なのでしょうか。きちんと子どもたちを追跡し、家族のカタチの影響を分析してくれるでしょうから、その結果を待ちたいと思います。しかし、家族、そのカタチ、どこまで変わっていくのでしょうか・・・

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