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50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

パリ国際大学都市

2006-05-28 02:55:54 | 学校
27日、ソルボンヌのフランス語・文明講座の終了試験がありました。

初級1が150人、初級2が400人、中級が500人、上級1が400人、上級2が150人(それぞれ概算)で、あわせて約1,600人の試験になるので、特別な試験会場で午前・午後に別れて行われました。

会場は、RERのB線で南へ、Cite Universitaire(大学都市)の次の次にあるLaplaceという駅のすぐそばにあります。

上級の試験は、文法・語彙が1時間、ディクテ(書き取り)が30分、レジュメと作文で1時間半の合計3時間でした。レジュメと作文のテーマは、「多様な言語を守る必要性」でした(英語に負けてなるものか!?)。文法を中心に相変わらず難しかったですね。

今日の試験が50点満点。これに、語学のクラスで時々行われている試験の平均点が20点、それに口頭試問と発音のクラスの点数が合わせて30点。合計100点で、50点取れれば合格です。でも、難しいんですよ。結果は来月中旬です。

試験の後、2駅のところにあるパリ国際大学都市のレストランで昼を食べてきました。写真が、その中央管理棟みたいな建物です。この中に、図書館、劇場、プール、銀行などが揃っているそうです。

この国際大学都市、1920年に発案され、さまざまな国の学生・研究者へ住居をはじめ学問に専念できるよう多くのサービスを提供しようと1925年にオープン。現在38の建物(多くが外国館)があり、約5,500人が暮らす街になっています。若かりし頃、ここに暮らした日本人研究者も多いそうです。

日本館は、薩摩次郎八氏が私財を投じて作らせた建物で、1929年の開館。広い日本庭園と藤田嗣治の絵が来場者の目を楽しませているそうです。さまざまな国籍を持つ住民同士が交流できるよう、それぞれの館では自国の居住者を70%以下に抑えているとか。

しっとりと落ち着いたいい街でした。(ただし、レストランの食事は、パリ市内の同じ学食(CROUS)にくらべると、ちょっと残念。でも、土曜日の昼で利用者がいつもより少なかったせいかもしれませんし。まっ、2.7ユーロ(380円)ですから、贅沢は言えません。)

ステーショナりー

2006-05-19 03:53:44 | 学校
“災難は続けてやってくる。” 格言のようですが、私が勝手に言っているだけの言葉です。

しかし、実際、続けて起こってしまったんですね。先週のデジカメに続いて、今週は筆記用具入れ。火曜日のコンフェランス(講義)の際、出欠表に出席のサインをした時は、きちんとあったんですね。それが、家に帰るとかばんにない。階段教室で置き忘れたか、帰りにスーパーのレジに並んでいた際、背負っていたデイパックに後ろから手が伸びたか。

翌日、階段教室を調べたり、総務の人に聞いても、見つからない。滞仏の長い人の話だと、置き忘れたものは絶対に戻ってこない。誰かが持っていってしまうんでしょうね、受付に届けるなんて事は、絶対に期待できない。

教訓:置き忘れをしないように! デイパックの開け口近くには、貴重品は絶対に入れておかない!

ステーショナリーには全くこだわりがないので、なくなったモノ全てでも1,000円にならないくらいですが、気分的によくないですよね。

中に入れていたのは、黒のボールペン、予備の替え芯、赤のボールペン、シャープペンシル、ホワイト、マーカー、消しゴム。予備がなくすぐ必要なものをさっそく買ってきました。写真の品が、それ。全部でいくらだと思いますか?ボールペンはBICのもの、ケースは中国製。7.2ユーロです。約1,000円。ただしケースが高く、ボールペンだけなら2.6ユーロ。安いでしょう(9本セットで370円)。

使い始めましたが、品質も全く問題ありません。こちらに来る前、いろいろな市販の留学情報を読んだのですが、そのなかにフランスのステーショナリーは質がひどいので日本から持っていった方がいい、という情報が何ヶ所にも出ていました。でも、そんなことはありません。もちろん、こだわりのある方(例えば、伊東屋のものしか使わないとか)はお気に入りを持ってきた方がいいでしょうが、それほどでもなく、PILOTやBICのボールペンや3Mの商品で構わないのであれば、全く問題ありません。

ノート類の紙質ももちろん、全く問題なし。以前、紙質とその国の文化レベルは比例するという話を聞いたことがありますが、その説が正しければ、フランスは問題なくて当然ですね。またテープ、POST IT、のり等も日本にある国際的ブランドはそろっています。

読むのと住むのでは大違い。あ~勘違い、という巷の情報が結構ありました。そのうち、留学を考えている方のためにまとめてみようと思います。

校内暴力、責任は?

2006-05-17 01:59:15 | 学校
写真はちょっと前、語学の授業で使った新聞記事のコピーです。

パリ郊外(イヴリンヌ県)の高校で起きた事件。18歳の少年(フランスでは18歳で成人ですから、実名が出ています)が、教室で教師に殴る蹴るの乱暴をはたらいた。ここまでならこんな大きな記事にはならなかったのでしょうが、なんと、もう一人がこの狼藉の模様を携帯電話のカメラで撮影し、なおかつインターネットで流した! それで、問題になっています。

この問題についてクラスでいろいろ話していた際、どこに問題があるのだろうという話題になりました。

①家庭、特に父親の責任が大きい。しっかりした家庭教育が必要だ。
②学校に問題がある。教師が生徒を抑えなくてはいけない。
③少年の社会的背景に問題がある。社会で解決すべきだ。

さて、それぞれどこの国の人の意見でしょうか?

①アメリカ=やはり、といった感じですね。まずは、家庭。その中でも父親の存在感が大きいのでしょうね。
②ヨーロッパ=学校内の問題は学校で、ということでしょうか。責任分担がはっきりしているのでしょうね。
③日本=社会の問題なのだから、みんなで解決しよう。でも、実際に改善するのは誰?

やはり、お国ぶりが出るのでしょうか。数人の意見ですから、その国を代表する意見になっていないかもしれませんが、私には、なるほど、それぞれの地域の価値観、対応の仕方が出ているなと思えて、興味深かったですね。

ソルボンヌ階段教室

2006-05-10 05:31:53 | 学校
今日(9日)、美術史の試験がありました。講義(コンフェランス)なので、階段教室で行われるのですが、その階段教室、今までご紹介していなかったことに気づいたので、今日は30分も早く教室へ行き、こっそり写真を撮ってみました。

まだ早いので学生も少ないですが、満席になると220~230人収容でき、しかも欧米の人は階段や通路に座ってメモを取るのが好きなので、そういう人も含めると、250人くらい入れます。

各学期の初めには、この教室が満員になります。通路までいっぱいになります。しかし、徐々に減っていき、試験を受けるのは三分の二程度(150~160人?)、授業も少ない時には半分くらいしか埋まらない日もあります。語学の授業が大変で、講義まで手が回らないというのが主な理由のようです。

そのほかにも、教師のフランス語が理解できなくて興味が持てないとか、学生ビザ取得のため登録しているので、他にやりたいことがあるとか、いろいろ付き合いが増えて時間がない、あるいはアルバイト(学生ビザですと一定時間アルバイトできます、ただし学校は一切関知しません)が忙しくてとても顔を出せないなど、理由もいろいろあると思います。でも、せっかく質の高い講義、出れば何か学べるのではないかと思います。

でも、滞仏の目的も人それぞれ。後悔しないようにすればよいことだと思います。

因みに、美術史の試験は、絵のスライドを見せられ、その作者とタイトルをそれぞれ五者択一で答える問題が15問(そのうち10問を自分で選んで答える)、示された絵の作者・タイトルを基に、その絵の特徴、美術史上での位置づけなどを文章で答えるものが3問。授業ではやったとはいうものの、一般的にはそれほど有名ではない絵もあり、結構難しかったです。

レ・ミゼラブル

2006-05-05 04:59:20 | 学校
昨日、私がフランスが好きな理由の一つに、『レ・ミゼラブル』を上げましたが、今日(4日)、ソルボンヌの授業で、その映画を見ました。

「フランスの映画と文学」という講義で、毎週1本、原作が有名な名作である映画を見ています。たまたま今週が、ビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』でした。

この名作何回も映画化されていますが、見たのは、ジャン・ギャバン主演で作られた1957年の作品。テクニカルカラーの映画で、泰西名画といった趣もありますが、なんと言ってもジャン・ギャバンの存在感が秀逸です。

ジャン・ギャバンのことを大根役者という人もいるようですが、一緒に映画を作った、確かジャン・ルノワール監督だったと思うのですが、眉をちょっと上げただけで感情表現のできる、稀有な俳優だ、と言っています。

確かに、華があるわけではないですが、存在感はすごいですね。しかも、優男の多いフランス人にあって、その風貌はとても個性的です。しゃべるフランス語にしても、男でも甲高い声で語尾をいちいち上げる人が多いなかで、実に渋い。甲高い声の優男ばかりに囲まれていて、突然ジャン・ギャバンみたいな男を見ると、なぜかほっとしてしまいます。毎日三食フランス料理ばかりのなか、たまに食べる日本料理みたいなもの。そんなことを感じてしまう私は、本当はフランス不適応なのかもしれません。

因みに私をフランスに引っ張り込んだ『レ・ミゼラブル』は、「少年少女世界の文学」とかいったシリーズ名で出ていた本の一冊で、『ああ無情』というタイトルでした。小学校4,5年のころに読んだ筈ですので、もう40年も昔のことになります。いや~、もうすぐ半世紀ですね。改めて年齢を思い知らされてしまいます。

テスト、始まる。

2006-04-29 04:53:49 | 学校
ソルボンヌ・フランス語文明講座の春学期の試験が始まりました。

スタートは、コンフェランス(講義)の試験。早い講義は、復活祭の直前にやったところも若干あるようですが、大部分は今週から。冬学期までは、講義も語学のレベル別に分かれていましたが、今学期からは合同になり、かつ出席もとるようになったため、講義の試験方法が大きく変わりました。

しかも、どう変わったかが、教師によって異なる。さすが、個人主義の国! どこまでも徹底しています。26日にやった"Paris"(パリ)という講義の試験は、語学のレベルに関係なく全員同じ問題で、しかも全問三択だったそうです。27日に私が受けた"Litterature et Cinema Francais"(フランスの文学と映画)という講義の試験は、初級・中級・上級別に試験問題が分かれていて、それぞれ三択と文章で答えるものが組み合わされていました。(写真が、その問題用紙)

文学とシネマの講義は、毎週1本の映画(原作が名作)を見、原作の説明が書かれた1枚の資料をもらうだけ、と講義自体はラッキー!なのですが、試験問題は映画&原作の内容をしっかり理解していないと答えられないようなものもありました。

上級の質問
1.Percevalは本当の恋をすることができるのか?
2.L'Avare(守銭奴)の登場人物Maitre Jacquesとはどんな人物で、その性格からどんな意味を持つ普通名詞になったか?
3.Don Juan(ドン・ジュアン)の石像は何を象徴しているのか?(三択)
4.Le Pere Goriot(ゴリオ爺さん)の登場人物・Eugene de Rastignacはどんな役割を果たしているか?
5.タイトルになっている"La Chartreuse de Parme"(パルムの僧院)とはどんなところか?(三択)

ま~、語学中心のコースとはいえ、卑しくもフランスの大学が行うコンフェランスですから、授業は興味を喚起するもので、自分で深く勉強しなさい、ということなのでしょう。でも、受身の授業に慣れてしまっていると、ちょっとつらいかもしれません。

この後、いろいろな試験が5月27日まで断続的に続きます。それが50歳のおじさんにはどんなに大変かは、前学期の様子を1月にしつこき書きましたので、興味のある方は1月から2月上旬を見てください。(同じことの繰り返しにならないように、今後はできるだけ試験以外のテーマで書くようにします。)

体力・気力勝負の1ヶ月が、また始まりました。

長文が書けない!

2006-04-28 05:06:00 | 学校
ソルボンヌの授業で、よく作文を書く宿題が出されます。私も含め多くの日本人が、「もっと長い文章を書きなさい、って言われるんだよね、困った。」とこぼしています。

これは何もフランス語力がないために長く書けない訳ではなく(全くないわけではないところが、悲しいのですが・・・)、長文を書き慣れていないせいではないかと思います。

「要点を要領よくまとめて」とか、「結論は何だ、早く言え」とか、「問題・解決・その後の予測をA4・1ページにまとめろ」とか、日本社会って、結構せっかちで、結論をさっさと言わせようとしますよね。しかも、社会だけでなく、学校でも、短文を書く練習はしますが、長文を書く練習が殆どなかったような気がします。

一方、欧米では、結論まで導いていく論旨の展開力が問われるようで、周りが反論できないようにロジックをしっかりと積み上げていく。その結果、長文になる。そうした長文に慣れた教師たちから見れば、途中があいまいで、いきなり結論を言っているような日本的作文は、いまいち評価しにくいのではないでしょうか。

プロセスあっての結論か、さっさと結論か。こんなところにも、日本と欧米、彼我の違いがあるようです。もちろん、どちらがいい悪いというのではなく、違いがあるということです。(あっ、そう言えば、早く結論を!という社会だから、日本には結果論者が多いのでしょうか?)

でも、こんな言い訳でごまかしても点数は上がりません。しっかり長文を書く練習をしましょう。50歳からでは練習しても変わらないような気もしますが、遅くてもやらないよりはまし、とも言いますからね。

ランチ事情。

2006-04-08 02:04:29 | 学校
8日から、ソルボンヌのフランス語・文明講座は2週間の復活祭休暇に入ります。全13週の春学期も8週が終了。ちょうど疲れが出るころなので、ありがたい休暇です。

休暇を前に、学校生活に関する話題を何か・・・。そうだ、ランチの状況をご紹介しましょう。


まずは、週2回ほど利用しているBrioche Doreeのランチセット。バゲットのサンドイッチにケーキ、コーラ、コーヒー(ココア)が付いて7.5ユーロ。すぐ食べられておいしいのですが、糖分の摂り過ぎには注意。バゲットサンドだけ(3.5ユーロ)を買って、歩きながら食べるのもパリっぽくていいですが、ゆっくりしたい人はトイレもある店内で。


どうしても時々食べたくなるのが、中華。店内で食べることもできる総菜屋さん(traiteurs)をよく利用しています。魚白身のピリ辛炒めに、牛肉とたまねぎを炒めたもの、そしてチャーハン。これで、6.2ユーロ。チャーハンを白いご飯にすると1ユーロほど安くなります。

もちろん、マクドもよく利用します。ビッグマックセットが5.5ユーロ。フィレオフィッシュセット+チーズバーガーで5.95ユーロです。


安くあげたい時は、これ。Resto U(大学食堂)。市内に何ヶ所かありますが、ソルボンヌから近いのは、RERのPort-Royalの駅を上がってすぐ目の前にあるResto U。2.7ユーロで前菜2品とメーン一品が選べ、パンがつきます。食券は1枚でも、10枚つづりのカルネでも買えます。ここは、昼食時と夕食時に開いており、しかも学生だけでなく一般の人も利用しています。

同じResto Uと言っても利用方法は場所によってさまざまで、完全に大学キャンパスの中にあり、外からは入りにくいところや、実は単なるサンドイッチ屋さんだったり、いろいろです。さすが個性の国。でも、うまく利用すれば、経済的です。

陽気なアメリカ人は、どこへ行った?

2006-03-31 05:15:25 | 学校
語学のクラス(月~金、12:00~14:00)、私も含め若干の出入りがあり、今は24人の筈です(出席をきちんと取らないので、たぶんこんな程度だと思います)。国籍による内訳は、日本4人、韓国1人、アラブ首長国連邦1人、ハンガリー2人、ギリシャ1人、インド1人、コロンビア1人、イギリス1人、カナダ3人、アメリカ9人(たぶんあっていると思います)。


(授業開始2~3分前の状況)

静かなクラスです。冬学期は、みんな和気藹々とやっていました。授業の前後もよく話していましたし、仲が良かったですね。今でもすれ違えば、や~、元気、どうしてる、などと気軽に声をかけています。

それが、どうも今学期のクラスは静かなんですね。どうしてなのだろうと観察していたのですが、どうも、多数派のアメリカ人の態度が影響しているようです。


(授業が始まったところです)

殆どみんな現役の大学生で、仏語を第一外国語として長年やっていますから、確かによくできます。ソルボンヌのフランス語・文明講座で最も多いのはアメリカ人なんだそうですが、上級になるほど多い。しかも、春学期ほど多い(1学期だけ授業を受けて、その後夏休みをヨーロッパで過ごす人が多いそうです)。でも大学から一緒に来ているからか、授業の前後も自分たちだけで固まっています。ほかの国からの人(特にアジア人)とはあまり話しません。

なんか、フランスにフランス語の勉強に来たので、外国人と話しに来たのではないとでも思っているのではないかと、勘ぐってしまいたくなるほどです。

こうしたアメリカ人学生の特徴は、私たちのクラスだけでなく、ほかのクラスでも似たり寄ったり、あるいはもっとアメリカ人だけで固まっているそうです。あの、陽気でオープンなアメリカ人はどこに行ってしまったのでしょうか。

確かに、雰囲気も繊細っぽい人が多いですね。アメリカでフランス語をやっているのは、ヨーロッパの文化、フランスのエスプリにあこがれる、感受性豊かな人、シャイな人が多いのでしょうか。マッチョっぽい人はいません。あるいは東部エスタブリッシュメントの出身ばかりなのでしょうか。そういえば、白人ばかりですね。中南米系(ラテン系)すらいません。

冬学期のイギリス人のほうが、気さくで付き合いやすかったですね。今まで持っていたイメージが全く変わってしまいました。そういえば、先学期は、アメリカ人は1人しかいませんでした。

でも、これも発見。新しいことに気づくのは、楽しいものです。

試験も、個性的!

2006-03-28 05:01:48 | 学校
先週、春学期の期末試験スケジュールが渡されました。

フランス語の方は、冬学期と同じで、最後の週の土曜日(5月27日)に、文法・ディクテ(書き取り)・レジュメ・作文が3時間であり、その前(たぶん25日または26日)に、Orale(口答試験)があることになります。

変わったのが、文明講座。当初、語学の担任は、コンフェランス(講義)は出席を取るようになったので試験はないと言っていたのですが、質問に答える形の試験を行うようです。

これは大変、とほかの講義を取っている人たちに状況を聞いたところ、冬学期と同じく最後に試験を行うという講義もあれば、途中に試験をやると言っているところもあります。しかし私が取っている二つの講義(フランス芸術史、フランスの文学と映画)は、まだ何も言われていません。

どうするんでしょう。特に、文学と映画の方は、名作を映画化したものを見るだけの講義(楽で、楽しい!)ですから、どんな試験をやるんでしょう。因みに、今までモリエールの『L'Avare・守銭奴』『Don Juan・ドンジュアン』、バルザックの『Le Pere Goriot・ゴリオ爺さん』などを見たのですが、どれかひとつを選び、原作と映画の違いについて書け、とかいう試験になるのでしょうか。これなら、冬学期と同じです。現場は混乱しているようです。

ここで、思い出したのが、あのカルロス・ゴーン氏の台詞です。曰く、「日本人は、目標を与えると、さまざまな工夫をしながら、確実に、効率的に遂行するのは非常にうまいが、戦略作りが下手だ。」

なるほど、言えているかも知れません。では、逆にフランス人を評するとどうなるか。私曰く、「一握りの超エリートは戦略作りが非常にうまいが、それに基づき実行していく現場が、良く言えば個性的、悪く言えば、自分勝手、いい加減で、計画がきちんと遂行されない。」

いろいろな窓口で、担当者によって言うことや要求される必要書類まで異なり、うんざりしている外国人が多くいます。どうも、今回のソルボンヌのコンフェランス試験の変更についても、同じ轍を踏んでいるような気がします。上の人が今までの問題を解決すべくきちんと考えたのでしょうが、現場はそれぞれに解釈して、自分のやりたいようにやる。それに振り回される学生はたまったものではありません。

ここで、提案。戦略作りのうまいフランスの超エリートと遂行能力に長けた多くの日本人が一緒に国つくりをしたら、きっとすばらしい国ができるに違いない!

しかし、現実にはできっこない!! でも、できないからこそ、この世は面白いのかもしれません。