goo

長文が書けない!

2006-04-28 05:06:00 | 学校
ソルボンヌの授業で、よく作文を書く宿題が出されます。私も含め多くの日本人が、「もっと長い文章を書きなさい、って言われるんだよね、困った。」とこぼしています。

これは何もフランス語力がないために長く書けない訳ではなく(全くないわけではないところが、悲しいのですが・・・)、長文を書き慣れていないせいではないかと思います。

「要点を要領よくまとめて」とか、「結論は何だ、早く言え」とか、「問題・解決・その後の予測をA4・1ページにまとめろ」とか、日本社会って、結構せっかちで、結論をさっさと言わせようとしますよね。しかも、社会だけでなく、学校でも、短文を書く練習はしますが、長文を書く練習が殆どなかったような気がします。

一方、欧米では、結論まで導いていく論旨の展開力が問われるようで、周りが反論できないようにロジックをしっかりと積み上げていく。その結果、長文になる。そうした長文に慣れた教師たちから見れば、途中があいまいで、いきなり結論を言っているような日本的作文は、いまいち評価しにくいのではないでしょうか。

プロセスあっての結論か、さっさと結論か。こんなところにも、日本と欧米、彼我の違いがあるようです。もちろん、どちらがいい悪いというのではなく、違いがあるということです。(あっ、そう言えば、早く結論を!という社会だから、日本には結果論者が多いのでしょうか?)

でも、こんな言い訳でごまかしても点数は上がりません。しっかり長文を書く練習をしましょう。50歳からでは練習しても変わらないような気もしますが、遅くてもやらないよりはまし、とも言いますからね。
goo | コメント ( 2 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
 
 
フランス人にとっても同じこと (Robert le Jardinier)
2006-09-08 21:33:09
首尾一貫した論述が難しいのはフランス人にとっても同じことです。大学生の答案を見れば一目瞭然ですよ。とにかく長く書かなければと思うのでしょう、丁寧に問題部分を書き写してから、「この問いに答えるのはたいへん難しいが、以下のようなことを考えることができる」などと初めてすでに半ページが埋まってしまっている、なんてことはざらにあります。ある程度自由に自分の考えを表現できるのは人口比の5パーセントにも満たないではないかと思ってしまうことも多々あります。日本でもフランスでも、社会生活で長文を書く必要のある人は大変限られますから、しかたのないことでもあります。
 
 
 
長文 (take_uu2004)
2006-09-08 23:33:11
Robert le Jardinierさん



「ある程度自由に自分の考えを表現できるのは人口比の5パーセントにも満たない」といった、貴重で面白いご意見、ありがとうございました。



ソルボンヌのフランス語文明講座には、ご存知だと思いますが、多くの国から生徒が来ています。あくまでその中の比較で、フランス人学生との比較ではないのですが、やはり一般論としては、日本の学生は、欧米の学生に比べると長文が苦手なようです。もちろん長くればいいというものではない、肝心なのはその質だ、というご意見もあるでしょうが、きちんと例証しながら論旨を展開していく、というのが、どうもアメリカとか西ヨーロッパ出身者に比べると弱いようです。弱いというか、作文の構成、展開の仕方が違うのだと思います。どちらが良いというのではなく、異なっており、採点する教師は欧米流なわけですから、評価が低くて困った、という日本の学生が身近に多かったですね。

長文で、しかも質も申し分ない、というのはどこでも稀なのでしょうし、フランスの大学生の間でもそうなのでしょうが、実体験に即して、外国語としてのフランス語を勉強に来ている人たちの間では、上記のような事がいえそうだ、というご紹介までです。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。