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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

丹沢のタヌキの糞

2019-05-25 18:20:38 | 研究
2019年5月18日に丹沢の鍋割山に行きました。目的はシカの糞を採集してもらって分析したのですが、現地を見ていなかったので、シカの影響を自分の目で確認することです。険しくて休み休み登りましたが、標高1000メートルくらいのところでタヌキのタメ糞を見つけました。
 

タヌキのため糞

見ると、明らかにちょっと違うものがあります。シカの毛と思われるものが見えるものや、何かの骨が見えるものもあります。


色々な糞がある

 そうなると拾わないではいられません。常備しているポリ袋と割り箸を取り出して拾うことにしました。


糞を拾う

 5個を持ち帰って水洗したところ、確かにシカの毛が入ったものがあり、ネズミと思われる細かい毛がたくさん入ったものもありました。骨はどうやらカエルのもののようで、ネズミやヒミズなどとは違うものでした。一番頻度が高かったのは甲虫で一部にはオサムシとわかるものがありました。


丹沢のタヌキの糞からの検出物

果実や種子はほとんどなく、冬から春にかけての糞は動物中心のようでした。東京西部では冬でも果実が多く、早春の一時期は果実と哺乳類・鳥類が出ますが、春になればまた果実が多くなります。そう思うと、丹沢湖では、もしかしたらシカが低木を食べてしまってタヌキが食べる果実が乏しくなっているということもあるのかなと思いました。調べたのが5個ですからなんとも言えませんが、ちょっと興味をそそられました。
コメント (1)
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