キング・クリムゾンやELP(エマーソン、レイク&パーマー)などで活躍されたグレッグ・レイクさんが
お亡くなりになられたそうです、心からご冥福をお祈りいたします。それで昨夜は、彼の代表作である
『クリムゾン・キングの宮殿』と『展覧会の絵』を聴いてお酒を飲みながら、ひとりで追悼させて
いただきました。
彼はベース(あるいはギターも)の腕前もさることながら、やはり一番特筆されるべきはその麗しき
ハイトーン・ボイスでしょう。私はあまりにも無機質なハイトーン・ボイスは好みませんが、彼の歌声は
憂いというか情緒を感じさせる上に強い説得力もあり、聴いていてすこぶる気分がいいんですね。
キング・クリムゾン史上もっとも「うまい」リード・ボーカルではなかったかと思います(個人的には
ジョン・ウエットンもかなり好きですが)。残念なのは、デビューアルバム発売後のアメリカツアーのあと
すぐに脱退して、ELPを結成してしまったこと(2枚目のアルバムにも一部だけ参加してはいます)。
彼がもう少し長くクリムゾンに在籍していてくれたらと夢想しますが、その後クリムゾンは
試行錯誤を繰り返しつつ、やがて『太陽と戦慄』から始まる黄金期の三部作を完成させるのですから、
今となってみればグレッグの脱退は、必然だったのかもしれません。彼は彼で、移籍したELPで大成功を
おさめますしね。
しかし彼ほど声変わりしてしまったシンガーもそういないかも? 後年、彼のあの透きとおるような
クリスタル・ボイスはものの見事に消え去り、図太いだけの「おっさん声」になったのにはとても驚かされ、
衝撃でした。元々ポッチャリ体系だったのが太りすぎたため? あるいはタバコや酒、おくすりの
効き過ぎかしら? 今さら詮索しても仕方ないですね。遺された彼の全盛期の素晴らしい歌声に
今夜もまた酔いしれましょうよ。
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