11月3日(金・祝日) 曇りのち雨(一時激しい雷雨)
東川の図書館で、企画展「このミステリーがすごい!」をやり始め、二十冊程度の受賞作品が
一堂に会し展示されていた。私は基本この手の文学賞の受賞作品であるかどうかにはあまり
こだわりはなく、受賞作を追いかけて読む習慣はない。しかし、さすがにこれだけ一度に
集められた機会を逃す手はなく、何か一冊と思って物色してみた。
これが意外なほど見たことも聞いたこともない作品ばかりで(いかに賞の結果に普段興味が
ないかってことだろう)、唯一わかったのは海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」のみ
だった。確かこの作品は、ドラマだったか映画だったかで映像化されていたはずだ、それで
知っていたのだと思う。
迷ったが、この前「名探偵のはらわた」って別の著者の作品が大変面白かったのが頭にあり、
名探偵つながりで、「名探偵のままでいて/小西マサテル著」を読んでみることにした。
たまたま手にしたこの作品は、展示されたうちでは最新受賞作らしく、試しに地元和歌山の
図書館で借りるとなると、この時点で予約55人待ち!状態であった。私が知らなかった
だけで、超人気作、話題作らしく、読み残した続きを地元でってわけにはいかないようで、
ここで一気読みするしかなかろうと腹をくくり一心不乱に読み進めた。
作品構成は、短編を組み合わせた連作のように展開され、孫娘(小学校教諭)が持ち込む
事件を、レビー小体型認知症を患う元校長の祖父が安楽椅子探偵として次々謎を解き明かす。
事件には殺人も含まれるが、全般軽やかな流れで、解決後もさわやかな印象を残す場合が
多かった。ところが終盤、ヒロインの同僚や本人に危機が迫るようになると事態は急変、
一気に緊迫度が増してくる。が、探偵役はあくまで淡々と冷静に犯人を追い詰めていく。
ヒロインは最後、彼女の前に現れたふたりの男性からひとりを選ぶことになるのだが、
その恋の行方、結末は読み手にゆだねられる。途中ヒントは与えられていたかもしれず、
私はそれを見過ごしたのか、答えを煙の向こうに浮かべられなかった。これからお読みに
なる方々は、その点にも注意を凝らすと、より深くこの作品を楽しめるに違いない。
お昼は笹一で「味噌野菜ラーメン+ミニチャーハンセット・1250円」。
お腹を満たしてラストスパート、最後まで読み切るぞ!!
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