
この際ですから、長年の懸案事項を片付けようということで、ついに重い腰を上げ、ピアノを
引き取ってもらうことになりました。もうずっと前から何度も議題には上がっていながら、
「またでいいか」と結局いつも後回しにしてきたんです。どこの業者に頼んでいいかよくわからず、
面倒ですし、壊れているわけではないのでちょっともったいないような気がしたのも確かです。
甥っ子たちのうち誰かがピアノを習って…という「もしも」が頭をよぎることもあり、なかなか
思い切れずにいたんですね。
その当時妹が習うために購入したもので、それからざっと50年近くは経っていると思われます。
私は見よう見まねで「ねこふんじゃった」が弾ける程度、それもうん十年前の話ですから、今だと
「チューリップ」か「カエルの歌」がかろうじて弾けるかどうか。もしもピアノが弾けていたらねえ…
人生変わっていたのかしら。
ヤマハ製のアップライトピアノ、ずいぶん古いので引き取ってくれるかどうかも微妙でしたが、
期待していなかった売値もつきました。この家ができたとき、ほかの家具が何も入っていない状態で
優先して搬入されたので、今となっては、はたして無事運び出せるのかを心配したのです。
しかしそれは杞憂、ダイニングセットを動かしたほかは特別配置換えなど必要なく、両側から
ベルトのようなのを引っかけて肩からぶら下げた引き取り業者のふたりが、難なく運び終えました。
チャ~ン
チャ~ン
チャチャ~ン
おしまい。
いい第二の人生をおくってほしい、それだけです。