7月10日(月) 晴れのち曇り
単純な「晴れ」マークひとつだけにはなかなかならない今回の夏の北海道。
大気の状態が不安定なのは確かで、毎日どこかしこでにわか雨が降っている。
(昨日は紋別方面で警報級の大雨となっていた)
本日も早朝は晴れ渡り、山も良く見え、美瑛富士上空の朝焼けがまずまず
美しかった。しかし全体に霞がかっている気配で、日が昇ると雲が増え始め、
昼前にはほとんど山は見えなくなってしまった。
そんなこんなで、天候不順というかっこうの逃げ口上を味方に、本日もお気軽に
望岳台でナキウサギ観察だ。ここだと、仮に天候が急変しても、10分くらいで
車まで逃げ帰れる。
この日もマックス7名程度と込み合わず、自分のペースで撮影できた。今日も
元気いっぱい例の子ナキがハッスルしてくれたが、私はあえて彼でなく、別の個体を
被写体に狙ってみた。彼ほどサービス精神旺盛なナキウサギはそうそう見当たらず、
撮影回数は大幅に減ってしまったが、別の個体がイワブクロを食するところを観察
できた。うまく写せていたらいいのだけれど。
今回、続けざまに同じ撮影地点へ通うような形になったことで、いわゆる「常連」
らしき方々複数と撮影を共にする機会があった。常連さんらはほとんどが皆顔見知りの
ようで、お互いを名前で呼び合うところも数多く見受けられた。中には、地元民で
あることをいいことに、何度も通っていることを殊更強調し、貴重な瞬間をとらえた
写真を写せていることを自慢げに話す人もいた。そら、基本、撮影機会が多くなれば
なるほど、比例していい写真が増えていくのが普通で、それをあたかも自分の腕前の
ように上から目線で語られるのがとても苦痛だ。それが嫌なこともあり、動物写真に
かかわらず、常連がたむろしそうな駐車場から至近の撮影ポイントはなるべく避ける
ことにしている私だが、実際問題、そんな自分に都合のいい撮影場所ばかりでないのが
実情だ。可能な限り常連らしい方々とは積極的に交わらないようにしているけれど、
ポイントが極めて狭い場合など、そうも言っていられないことも多い。
しかし、常連さんらとの交流は悪いことばかりでなく、ベテランの撮影者からは
貴重な情報や撮影指南を得られることもあり、端から接触を拒むのも考えもの、
もったいない気もする。たまたま見識が一致して、話が盛り上がり、一緒に行動する
ことで思わず充実した撮影セッションになることも多々ある。このあたり、紙一重だ。
この日も、最後に合流してお話した常連さんとは意見が合いそうで、お話し中に
子ナキが出てきたので、結果、同じ個体を一緒に撮影することになった。自分では
できるだけ自然に振舞っているつもりでも、知らぬ間に一匹オオカミを気取り、
バリアを張りながら極力他人との「接触拒否オーラ」を放っている私の姿は、
他の撮影者からは不気味な存在に映り、「社交性、協調性のない奴」として認識されて
いるだろうから、もしかしたらお互いさまなのかもしれない。