9月25日(月) 晴れ時々くもり
帰路の航路はずっと穏やかだった。旅のお供は、森村誠一著「青の魔性」。表題作ほか八編収録の
短編集。高校生の頃読んだはずだが、最後の『鉄筋の猿類』のほかはまったくストーリーを覚えていなかった。
表題作の『青の魔性』などはややオカルトじみていて、森村さんがこんな怪奇っぽいのを書いていたことに
新鮮な驚きを覚えた(一度読んでいるんじゃあ…)。
“NEVER GIVE UP!” 野生の証明が再映像化されたら、もちろん今度も健さんが主役だ!
(松平健さんね) そのときこの割引券がたぶん使えるはず。
ビンゴ大会は、往きと同様参加人数の割りに景品が多いので、今度こそと意気込んだ。しかし今回も
当たりはいいのにそろわない、なぜなら、IとGの列がほとんど開かないのだ。トリプルリーチまでいって、
最後はBの列が5個そろってようやくビンゴできた。結局、IとGの列には頼らなかったってわけだ。
そのときにはすでに7,8人はあがっていたと思うので、あまりいい景品は残っていないだろうなと
期待せずにいると、なんと「オーセントホテル小樽・オリジナルクッキー」がまだ残っていて、まんまと
手に入れることができた。一応これ、2位の景品だ。司会者が言葉巧みに「クリアファイルが一番人気
商品なんですよ」と誘導してくれたおかげで、本当にそれを選んだ人がいたのかもしれない、感謝だ。
でも、私が密かに狙っていたのは、「はまなすオリジナルバター飴」であった。別にコレクター気質が
疼いたわけでなく、往きの「あかしあ」のミニチュアとそろったら受けるのになと思った、それだけのことだ。
先にゲットした人がいたらしい。司会者の「思い出に残るようなお品を選んでください」という言葉に
はめられたのかもしれないな。クリアファイルの話共々、これって司会者のギャグのはずなんだけど、
旅慣れしていないというか、ビンゴ慣れしない方々の中には、真に受けた人もいたみたい。
穏やかな日没。太陽がそのまま海に吸い込まれるのって意外に少ない。
私がこの航路を利用し始めてだいたい四半世紀が過ぎた。当時は海を眺めていても漂流物を目にすることは
ほとんどなくて、外洋って本当にきれいなんだと思ったものだ。ところが昨今、ゴミらしい漂流物を目にする機会が
かなり多くなった気がする。これがたまたまの偶然や季節的なものでないとしたら、相当海が汚れて
きているということなのだろうか? この間、中国をはじめとする近隣諸国の発展は目覚しく、生活レベルの
向上と共に、ゴミの排出量も増えた結果かもしれない。もちろんすべてを他人事にはできず、日本人の
モラルの低下がはなはだしい影響もあろう。
私があと何年元気で、この航海を続けられるかは神のみぞ知るところではあるが、せめてその間は、
できるだけ美しい海を保ち続けてほしいと思うのは、決してわがままな願いではないだろう。
この日はトラックも少なかったようで、車両甲板はガラ空きだった。いつもこれくらい空いていたら、
車の出庫もスムーズなのだが(ただし、新日本海フェリーの経営が心配され、それはそれで困る)。
バイクの下船に続いて、車の一番乗りは私のようだ。無事自宅まで帰りついて、そこでようやく旅が終わる。