この前の休み、ガラッと玄関を開けたら、6、7羽の鳥がいっせいに飛び去りました。
サルスベリの木にネーブル・オレンジをさしたえさ場に野鳥が集まっていたようです。
手持ちの干からびたミカンも底をつき、やはり古びてあまりおいしくないネーブルを
これが最後のつもりで与えたものでした。
メジロが三羽、そして飛び去って遠くの木にとまったシルエットから判断すると
ヒヨドリも三羽いたようです。さらに未確認ですが、その中間くらいの大きさの鳥が
少なくとも一羽いたようで、今までにこんなにいっぺんに集まったことは
なかったんじゃないかな?皆で最後の晩餐を名残惜しく楽しんでいたんでしょうか?
そして今日、すっかり干からびて皮だけになったネーブルを片づけてしまいました。
久しぶりに畑仕事、次の植え付けの準備をしていたのですが、「ここはどこ?」
山中にいるのかと錯覚するくらい多くの鳥のさえずりが聞こえてきます。
えさ場にきたものの、人間がウロチョロしているので近づけず、遠巻きに
眺めていたのかもしれません。
しばらくすると一羽のメジロが大きな声で独唱を始め、美しい声がひとしきり青空に
響き渡りました。「これまでえさをくれてありがとう!」感謝の歌声と思いたいけど、
たぶん、「腹減った~飯食わせ~」との催促の声だったのでしょう。
そのうちあきらめたのか、いずこへか飛び去ってしまいました。
暖かくなり、えさも多くなってきたんじゃない? そろそろ山にお帰り。
そして、お互い生き延びたら、来年また美しい鳴き声を聞かせておくれ。
♪ 空を飛ぶ鳥 落ちるな せめて子供が飛べるまで
浮浪れ 汚れて ひとりぼっちで
西へ帰る 小さな翼
空をゆく風 止まるな せめてあいつが帰るまで
できる事なら優しい顔で
そっと空を赤く染めて
今の僕には何もできず 泣くに泣けぬ夕暮れ
手を振り 手を振り あいつに言おうか
もしも明日が晴れたら もしも元気があったなら
呼んでみてくれ 泣いてみてくれ 耳を澄まし聞いている
(空を飛ぶ鳥/詩:山木康世)