猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

「老いの才覚」を読んで感じたこと

2011年02月12日 | Weblog

いま、曽野綾子さんが書いた「老いの才覚」を読んでいる。

読んでいて思ったことは、

「これからの高齢者は、否が応でも”自立”せざるを得ないのではないか」ということだ。

大方のいまの高齢者は年金受給を前提として、

「定年後は好きなことをやって過ごしたい」と思っているはずだ。

しかし、現実は高齢社会となって生産人口が減り、経済が停滞して税収も落ち込んでおり、

国の赤字は増え続けている。

となると、年金財政は苦しくなって、今まで通りの支給は出来なくなってくると思う。

現在、高齢者世帯で家計を「公的年金と恩給」で賄っている世帯は70%なので、

年金が少なくなったらどうなるだろう?

この本に書いてある「自律」とか「死ぬまで働く」などは、年金が少なくなれば、そうせざるを得ない。

将来、年金だけで生活できないことがわかっていれば、

若い時から貯蓄をするだろうし、収入の範囲で生活をするだろう。

結果的には昔に戻って、各人が”自立と自律”をせざるを得ないことになって行くような気がする。

そういう意味では、若い人ほど「老いの才覚」を読んで欲しい。