日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

爆薬(分子模型)

2007-04-12 | 分子模型図鑑

「青い目をした人形は

 アメリカ生まれの爆薬だ」

「あなたがわたしにくれたもの

 フランス生まれの爆薬だ」

というわけで

セルロイドの原料であるニトロセルロースが

爆発的に燃焼するということを話した

ニトロセルロース(再掲)

Photo_107

綿火薬・無煙火薬として使用された

日本でも太平洋戦争末期には

民間から布団を供出させて

ニトロセルロースを作り

砲弾の装薬に使用したそうだ

 

日本人が初めて火薬・爆薬にであったのは

13世紀:元寇の時だ

蒙古軍が襲来して「てつはう」

撃っている絵が社会の教科書にも出ている

それから19世紀まで

火薬といえば黒色火薬の事であった

 

硝酸カリウム(硝石)

Photo_108

黒色火薬は上記の硝石に

硫黄・木炭をまぜたものだ

硝石は小便の中のアンモニアを

微生物が醸すことで生成される

窒素の周りを3個の酸素が囲んでおり

火薬の中では酸素供給源の役目を果たす

文字どおり爆発的に燃焼できる訳である

 

ピクリン酸

Photo_109

日露戦争時

日本に勝利をもたらした下瀬火薬

ベンゼン環に

さっきの硝石のようなものが3つくっついている

この窒素に酸素2個がくっついたものを

ニトロ基というので覚えておこう

 

ニトログリセリン

Photo_110

グリセリンを硝酸で処理したもの

ノーベルが発明した

液体の爆薬で扱いにくいので

珪藻土にしみこませるなどして

ダイナマイトとして利用されている

 

トリニトロトルエン(TNT)

Photo_111

ピクリン酸に似ている

ピクリン酸は酸だったので金属を侵した

改良のため作られた火薬

TNT何トン分というのが

爆発力を示す尺度となっている

 

ペンスリット

Photo_114

プラスチック爆弾の爆薬

ニトロ基が4つもついている

実に強力そうだ

 

ヘキソーゲン(RDX)

Photo_112

TNTに代わる高性能爆薬として開発

 

オクトーゲン(HMX)

Photo_113

これも最新の軍用爆薬

 

ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(HNIW)

Photo_115

現在最も強力といわれる爆薬

ニトロ基を6個も持っている

効果を身をもって知りたくはない・・・

 

ニトログリコール

Photo_116

最強の爆薬の後に

しょぼそうなものがでてきたが

このニトログリコールは

ダイナマイトやプラスチック爆弾など

形を変えられる爆薬には

全てに入っているのだ

強力だからではない

爆発物探知機マーカーに

「これは爆弾ですよ」と知らせるために

「可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約」

で入れることになっているのだ

しかし どんなテロリストも

「可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約」

を守ると信じていいのだろうか

そんなわけはない

なんだか悲しい条約ではある

さて

爆発しそうな化合物を 

分子模型で見わける自信はできただろうか

次回はまた糖類に戻る

「血液型を決める糖鎖」

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