もう日本人宇宙飛行士と特定してニュースにするほどのこともないのではと思うほど、近年では常に誰かが宇宙に行っている気がする。そうは言っても、まだ宇宙に行った日本人は20人に満たないのか。本書を読んでそう思った。
宇宙に行ったジャパニーズ・アストロノーツへのインタビュー記事。ミッションの内容については殆ど触れておらず、宇宙から見た地球をどう感じるかとか、帰還後に人生観が変わったのかとか、そうした感覚的な部分、もしくは哲学的な部分に集中したインタビューはとても興味深い。
面白かったのは、宇宙飛行士にも「世代」という感覚があり、2,3のグループに分けられると彼ら自身が考えていること。「宇宙に出張へ行く」感覚と言うのは極めて贅沢で、取りようによっては不遜にも聞こえるが、きっとそれはチョイチョイと飛行機旅行をしている自分に年配の方が抱くかもしれない感覚と同じようなものなのかもしれない。
さすがに宇宙へ行く機会はないと思うが、本当に真っ暗だと言う宇宙の闇、その中にぽっかりと浮かんで見える青い地球の姿は、どれほど優れた映像ではなく自分の目で見てみたい。
2023年8月31日 自宅にて読了