鑑賞3回目は、よくライブを聴きに行くベーシストの方と。元は吹奏楽部部長かつドラムメジャーだったと言うことで、本作には「吹奏楽部あるある」で共感する部分が多々あるとのこと。
開始早々「Omens of Love」に合わせて次々と移ってゆく部活のワンシーン、登場人物すべてに名前がありと特技などまで設定されていると言う奥の深さは「部活にモブなどいない」と言う強いメッセージか。その一方でトランペットやオーボエ、コントラバスなどずば抜けて上手いキャラクタが設定され、そのバランス感覚が興味深い。
同じように、本編ではあまり描かれていないが、本作序章では部活に対する姿勢も楽しい部活か、勝つための部活かの分かれ道が描かれた。特に運動部など、大会やコンクールのある部すべてに共通する命題に本作は「勝つための部活」を選んだわけだが、物語の最後で「それは正しかったのだろうか」と言う振り返りがあるのか、先のことながら気になる。むろん正解などないだろうが。
鑑賞後は居酒屋に席を移して一杯。いっそう楽しめた夜だった。
2023年8月29日 丸の内ピカデリーにて