SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

養老天命反転地11

2008年05月02日 | Weblog
 さて、我々はこれから荒川修作の頭のなかに構築されている「多層的迷宮」の内部の探検に挑むわけだが、何が起こるかわからないので事前の準備は十分にしておいたほうがいいだろう。装備は登山用具の専門店で買い揃える。食料と水は3日分くらいあればいいだろうか。どう考えても圏外だろうから携帯電話は必要はない。もしものときは覚悟を決めるだけだが、それでも威嚇のためのモデルガンは持っていくことにしよう。だがその前に、うさぎ跳びや腕立て伏せ等のトレーニングをしておいたほうがよさそうだ。ガイドブック『建築する身体』の170ページには、こんなことが書かれている。かなりキツそうだぜ。

>人は、自分の残ったすべての指を多層的迷宮のなかに入れることによって、自分の身体を迷宮のなかへ進め、押しつける。―しかしそれじたいでみれば親切な―迷宮のなかを這っていくのである。身体は、前側にあるいは反対側にみずから折れ曲がり、いくつかの角でただちにそれじたい動き、障害物の周りで首を傾け、異なるカーブの一部では頭を前にだし、胴体が引き入れられる。こうして人は、大股で足を進め、他の位置では腿を折り、ふくらはぎと腿がふれあっている。一方の肩は、胸の側へ曲がり、他方の肩は背側へ曲がる。人は、肘で押し分け、肩で押し、また肘で押し分け、全身で押し、そして引く。さらにそれ以外に、繰り返し獲得すべき骨や肉へと入り込み、少しずつ動き、詰め寄り、割り込むような収縮の動き、そしてあふれるほどの肉のなかで、椅子をとおしてみずからを隠す。これらは人が、建築的身体の多様な軌道をみずからにあたえ、自分の軌道に突き当たったときに生じることである。