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「The昭和」と言わないで

2022年11月11日 | 【海外校 アメリカ地区】

 こんにちは、駿台ミシガンです。

 今日は11月11日、わんわんわんわん、犬の日です。てまえ、犬派としては、この日にブログ担当になった幸いを、大いに喜びたいと思っています。

 ところで、犬はワンワンと鳴きますが、これはわが国だけのことで、ここ米国において犬は「Bow Wow」と鳴くようです。山口仲美『犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い』(光文社新書、2002年)によると、犬の鳴き声は我が国では「ひよ」と表記されていたそうです。濁点表記が一般的になったのは中世末期から近世初頭ですから、古代日本の犬の鳴き声は「ひよ」か、あるいは「びよ」(「ぴよ」ではなさそうですよね)だったといいます。場所によっても、また時間によっても、異なった受け止められ方がされるわけです。

  一般的に国と国、地域と地域といった空間的なものの違いを指す語を「異文化」というのですが、「異文化」は空間的な文化の差異を指すだけではなく、「びよ」「ワンワン」のように時間的な「異文化」もあります。これがたとえば古文の学習をやっていたりすると(文字通り)痛感し、自明のこととして受け止められますが、日常生活の中だと忘れがちであるようです。「価値観の違い」だとか「The昭和」だとか言って、他者の意見を等閑に付してしまう。

 帰国生は、「異文化理解」という術語をよく使います。たとえば受験の際の志望理由書や自己アピールなどでも「異文化理解」は頻繁に登場する語です。そうした「異文化理解」をしている君たち帰国生は、空間的なそれとともに、時間的な「異文化理解」についても大いに頼りにされていると思ってください。広い世界のなかで、世代を超えて考え、だいじにしていけることこそが、「異文化理解」なのです。

 そして、君たち自身のなかにもまた、「異文化」はあります。過去から未来へ、君たちはどんなふうに変わっていくのでしょうか。さきの志望理由書や自己アピールでは、そうした自分自身をしっかりと見つめて、未来へのまなざしを持つ「異文化理解」の申し子たる君たちがいることが、期待されているのです。

     駿台ミシガン国際学院 S.T


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