すぎなみ民営化反対通信

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杉並区が説明会、あんさんぶる⇔荻窪税務署交換、児童館移転・桃井第二小学校改築で説明義務果たさず

2014年11月02日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
説明会開催についての不十分な案内・周知にもかかわらず百名の住民が参加
 11月1日(土)杉並区の「区立施設再編整備計画の個別施設に関する説明会」が旧若杉小学校体育館で持たれました。区民に対する事前の案内・周知は、広報すぎなみ10月11日号の最終頁の小さな欄と区の公式HPだけで、知らない方や見落とした方がほとんどというものでしたが、区が設定した定員席100は満席、大勢の住民が参加しました。
 区の「個別の整備方針の説明」は、
 ①旧若杉小跡地の当面の整備方針
 ②(仮称)天沼3丁目複合施設(荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟について)
 ③桃井第二小学校の改築について
の三つの事項に関するものです(下記写真は区の「説明会次第」)。



 目立たない案内・周知や冷たい雨という悪天候にもかかわらず、大勢の住民が参加したのは、▲前掲②の「荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟」の問題とは、区として施設利用者や住民から「説明会を開いて説明せよ」という要求が何度も出ているにもかかわらず、いまだ一度も説明会が行われておらず、いつ説明会を持つのかも具体的には明示されないままに、あんさんぶる荻窪(※児童館をはじめとした福祉拠点・地域コミュニティ拠点となっている)と荻窪税務署・公務員宿舎等用地の交換が独り歩きで進められていること・・・このような区の一方的進め方に対する疑問、不安、危機感、意見を持っている方々が、(「あんさんぶる荻窪との交換」の文言がなくても)「荻窪税務署等用地・・・」を見逃さなかったからにほかなりません。
 加えて、▲前掲③「桃井第二小学校の改築」(「改修」ではなく「改築(建替)」です!)がこの数か月の間に地域と住民にとっては「寝耳に水」の形で唐突に出てきたからです。
 ところで、児童館を中心とした福祉施設拠点・コミュニティ拠点であるあんさんぶる荻窪の意義と役割を知っている方々にとっては、前掲のように区が表記していても、②と③の問題は、中身は分けられない一体の問題です。区も、当然ながら、②と③が、そういう構造、関係にあることは百も承知しています。区が計画し実施しようとしているのですから。
 いずれにしても、こうした経過からも、当然、説明会での質疑はこの前掲の②③に集中し、発言を求める挙手は相次ぎ、すべて質問の趣旨は明快で、区に対して、端的に具体的に納得のいく説明を求める、それだけの理由があるものでした。率直で切実な質疑に対して区から誠実な応答が行われるのかどうか、非常に重要な説明会でした。
 

説明会での区の説明責任
 区の説明会は、本来ならば、区が意図し、進めている計画と方針について、説明責任を果たそうとすれば、 まず、何よりも、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の交換」についての経過と理由の説明、()それを実施する場合に生じるアンサンブル荻窪に現にある児童館をはじめとした施設・事業・機能をどう保障するのか、その道すじと中身(実体)の説明、()児童館機能の移転先と区が考えている桃井第二小学校が、児童館の施設・事業・機能の保障にとって完全に十分に条件を満たすものであるのか、その具体的内容について、地域と住民に対する説明を尽くすべきものです。区は「児童館の機能、役割は存続し継承され充実する」とまで、このかんことあるごとに言ってきたわけですからなおさらです。

説明会は実際にはどのように行われたのでしょうか

 
 上記は、区側の出席者の席次表です。田中良区長こそ出席していませんが、また区議会本会議並とまでは言わないまでも、区としては相当、体重をかけて臨んできたことだけはよくわかります。区にとっても、それだけ大きな位置をこの説明会はもっているという判断からでしょう。
 しかし、それは、説明会に参加した住民、質問に立った方々が求めている、納得がいく、審らかな「具体的経過と理由の説明」で説明責任を区が果たすために、政策経営部長、企画課長、施設再編整備担当部長を先頭に関係部課長が列席したというものではまったくありませんでした。区が、議会の議決もないままに、水面下も含めて、住民の知らないところで現在進めている計画を“説明会の開催”で住民に追認させる、「予めの区の計画の実施の結論ありき」の名ばかり説明会をボロを出すことなく強行するために区がとった布陣でした。このことは説明会に参加した住民や質問に立った方々が直に実感した所のはずです。
 以下、今回の記事では、説明会がどのようにもたれたかを象徴する幾つかを説明会に参加していない皆さんにもお伝えし、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換」「あんさんぶる荻窪北児童館等を区はどうしようとしているのか」「なぜ桃井第二小学校の改築(建て替え)が突然出てきたのか、改築中の桃井第二小学校に荻窪北児童館を移転するのか」等々の良識に照らしても常識的にみても不可解で不透明なままのひとかたまりの「施設再編整備」の全体像の周知の糸口とする次第です。
【予め質問は3分に制限、途中からは1分で打ち切り】 
 これには、とりわけ質問に立って1分に制限され、発言を打ち切られた方も、参加し質疑応答の内容に関心を集中して聴いていた方も、驚き、進め方と区の姿勢に疑問や不信を抱かれた方がほとんどだったと思われます。現に、「もっと続けさせろよ」「質問言わせてよ」と司会(区)の説明会の進め方、強引な質問制限・打ち切りに抗議や批判の声が各所で上がりました。質問者はどなたの場合も重複もなければ、一方的な意見表明もありません。具体的に問いただしたい対象(事実・事項)、聴きたい根拠と理由があっての質問や区の応答で出た事実に対する新たな再質問ばかりです。極めつけは、途中から始まった「1分への制限」「打ち切り」です。「1分で終えろ」というのは何も言わせない、訊かせない(質問はさせない、「その質問には答える気はない」)というに等しいことです。確かに、区は「15時半から会場(体育館)は別の使用予定がある」とは予め告げてはいましたが、「1分で終われ」「そこまでです、ハイ、終わりです」というのは、もはや説明会における質疑応答とはいえません。説明会の予定時間を超える質問事項があり、質問者がいる以上、引き続き、新たに十分に時間をとって、日時を定めてあらためて説明会を行う、というのが説明責任を負っている区のとるべき措置ではないでしょうか。閉会に対して、「また説明会を開くんですよね」という趣旨の声が複数上がったのも当然です。
 重複もないのに、質疑事項が多くなり、質問者が絶えない、質疑時間が長くなるのは、質問者(住民の側)のせいではありません。そうなるのは、元はと言えば、区がこれらの再編整備計画と推進を地域と住民の知らないところで、どんどん進め、その結果、経過も理由も内容もまったくわからない状態に住民と地域が置かれてきたからです。だから、「寝耳に水」で知らされた区の方針に疑問や説明を求めたい事項が、説明会の場で堰を切ったように続出するのです。
 区は、説明会でしきりに「百数十回説明会を持ち、区民のみなさんの意見をお聞きしながら、ご理解をいただきながら進めてきた。今後も皆さんのご意見をうかがいながら、ご理解を得ながら進めていきたい」」と繰り返し弁明し、また、仄聞するところ、あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換での国との協議の場では「説明会で住民の理解を得ている」と国に対して報告しているようですが、今回の事項とは別の住民説明会も数えるほどしかおこなわれておらず、区が行ってきたのは実際には町会への説明だけです。町会長に説明すれば、それが住民への説明会を行った、ということになるのでしょうか?
 【「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」についての説明はなし
 そして内容的には、説明会の最大の特徴は、いまだ交換の本契約も確定していない「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」を解決済みの既定の前提であるかのように扱い、この「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」問題についての経過も理由も説明をいっさい行っていないということです。何よりも、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換」に関する住民説明会はただの一度も行われていません。
 だから、いかなる意味でも、区が説明責任を負っている説明会の直接のテーマ、前掲②「荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟」にしても、前掲③の「桃井第二小学校の改築にしても、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」の経過と理由の説明抜きには区民(地域と住民)にはわからない問題だということです。
 ▲「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」の問題がまずあって、その結果、▲あんさんぶる荻窪に現にあり、現に沢山の職員が働き、現に沢山の子どもたちや住民が利用している施設・場所の移転問題が発生し、▲その移転問題で、荻窪北児童館という杉並区内で最大の児童館の移転先として桃井第二小学校の改築工事を行うという、設計から現校舎の除却・解体、施工(校舎建て替え及び外構)、完成まで最低でも五年以上を要する大工事とそのかんの桃井第二小学校の代替校舎や校庭代替、児童館が移転できるのかどうか等々の大問題が出来しているのです。それも―水面下のことは住民も地域も知る由もありませんから―、住民と地域にとっては、このわずか数か月の間に降って湧いたような話なのです。
 【『区は緻密な検討で計画していないのではないか。あまりにも軽く扱いすぎる。納得のいく見解を聴きたい』の根拠ある質問にも誠実な回答なし】
 ここに紹介した質問は、あんさんぶる荻窪の設計と新築に直接に精通し、建築の専門的検討の裏付けも持っている方が区の「あんさんぶる荻窪への税務署移転」について問いただした重みのある質問です。「あんさんぶる荻窪は、税務署に不可欠な長年月間にわたる膨大な保存・収納書類、大がかりな電子機器類系統の総重量にあたるような重量負荷を伴う入居施設を想定しておらず、施設利用者の人数とプラスアルファ程度の事務所機能程度の軽量の負荷で構造設計されており、建築常識的にも荻窪税務署が移転した場合にその重量負荷に構造的に耐え得るようなものではまったくない、反対です。今日は納得がいく説明をすべきです」という趣旨のものです。しかし、この「真剣に検討して立てられた緻密な計画ではない。あまりに軽くみている」と危険性を指摘した非常に重要な質問に対しても、区は「耐震構造上の問題はない」の通り一ぺんの一言ですませました。
【「桃井第二小学校改築後の荻窪北児童館の移転」ではなく「改築工事中の仮設校舎に移転」!】
 誰もが驚かされたのは、区があんさんぶる荻窪からの荻窪北児童館の移転については、移転先である「桃井第二小学校の改築工事完了後」ではなく、「改築工事中に校庭に立てる仮設校舎の中に移転」と考えていることです。改築工事については、区が説明会で配布した資料では平成29年度~30年度(2017年度~2018年度)の二年間です(下記写真は、その桃井第二小学校改築の工程表)。仮設校舎は校庭に建設としていますから、校庭はありません。学校敷地内は大規模な工事中です。この環境下で、仮設で、二年間、児童館の子どもたちは過ごせというのです。こういう仮説を子どもの居場所にするという着想、それが計画になってくるということ自体に、常識では信じられない思いです。


 区は一方では、「交換になるとした場合、あんさんぶるに児童館はいつまでいられるのか」という質問には「平成29年度内」(2018年3月まで)と答え、「移転先が完成するまで、あんさんぶるにいられないのか」という質問に対しては「改修工事をやってますからそこに児童館が残っているということは(安全・安心面からも)できません、あり得ない」という趣旨の答えです。あんさんぶる荻窪の税務署移転のための改修工事と校舎を除却し建て替える建築工事とではわけが違います。改修中のあんさんぶるに児童館が残ることができないこと、あり得ない話なら、大工事中の危険、騒音・粉じん・重機や建材・鋼材山積、搬出入車両出入りも頻繁な環境下で仮設で過ごすのは、もっと「あり得ない話」ではないでしょうか。
 このやりとりを聴いていて、あきれるというより、ぞっとしました。感じるのは、区は、「施設再編整備」とか「交換」「移転」という問題を、建物(ハコ)の問題、入れ物、場所の問題としてしか考えていない、現在の学校や児童館に現にいる人(子どもたち、職員、親たち含めて利用者)の問題など眼中にないということです。区は「子どもたちの教育環境や放課後も含めた健全育成の向上を図るために良いと総合的に判断した」と資料の「(桃井第二小学校改築の)計画に至った経緯」でも説明会でも説明していますが、言っていることとやろうとしていることが真逆ではないかと感じるのは私たちだけでしょうか?
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 区の掲げているスケジュールによれば、今年度には「(桃井第二小学校)改築検討懇談会の設置、運営、改築検討(改築コンセプトの策定)」とされています。
 順番が違うのではないでしょうか?大本のあんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換については住民と地域に対する説明は何らまったく行われておらず、国との交換契約も厳密には締結=確定しているわけでもありません。このままでは、児童館の子どもたちをはじめとしたあんさんぶる荻窪の膨大な利用者の犠牲、あんさんぶる荻窪を福祉拠点、地域コミュニティ拠点として築き上げてきた職員と地域・住民の努力・意思・意向の無視・きりすてのうえに、無責任な計画が進みかねません。

あんさんぶる荻窪の荻窪北児童館は杉並で最大の児童館 
児童館総利用者数 5万7675名/年間
学童クラブ利用児童数 1万4585名/年間

     (いずれも平成25年度(2013年度))

 ★カテゴリー追加「あんさんぶる・児童館・桃井第二小学校問題」の特報の開始について
   
 記事カテゴリーの「杉並の児童館廃止と施設再編整備について」とは別に、特化した新たなカテゴリーとして『児童館が大変!あんさんぶる⇔税務署交換で』を立てて、《この問題をわからないようにしている区の進め方と説明》を《よくわかる解説》でコメントして追っていく予定です。
 子どもたちにとっても、親御さんにとっても、職員のみなさんにとっても、地域のみなさんにとっても、杉並の地域で最大と言ってよいくらいの「いまが大事な問題」です。にもかかわらず、本当のことがほとんど周知されていません。ぜひ一緒に考えてください。区が本当のことを地域と住民に伝えようとしていない現在、調べ、知り、伝え合うのは私たち自身の協力と努力の作業によるしかありません。そのささやかな一助としての杉並・地域版の特報をお伝えする予定ですのでよろしくお願い申し上げます。全家庭、全地域、全職場での周知と意見交換、討論が必要です。
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