参議院議員選挙を待たず巨大な政治的激動に
一週間にも満たないここ数日間での出来事は、これから二ヶ月余の後に訪れ今後に歴史的意味を持つことになるといわれる7月参議院議員選挙を待たずして、既に巨大な政治的激動情勢の到来を告げ知らせています。
★4月23日 事業仕分け・第二弾開始
★4月25日 「普天間」問題 沖縄で9万人の県民大会
★4月26日 鳩山首相 友愛政経懇話会事件で検察審査会「不起訴相当」議決
★4月26日 国労臨時大会で国労が政府「解決案」受け入れを決定
★4月27日 小沢民主党幹事長 陸山会事件で検察審査会「起訴相当」議決
★4月28日 鳩山首相「小沢幹事長の続投」を表明
★4月28日 鳩山首相 「普天間」で、①2006年日米合意の名護市辺野古移設の現行計画の「杭打ち桟橋」工法への修正と②鹿児島県徳之島へのヘリコプター部隊の分散移転(米軍1000名移転)の2案の組み合わせを「最終案」として示唆。
昨年衆院選で自民党支配を打ち破り、80%の圧倒的支持率で政権をスタートさせた鳩山首相が「普天間基地の移設先」問題の「5月末決着」で完全に破たんし、支持率20%台に急落し、民主党トップの小沢幹事長が「政治とカネ」疑惑で検察審査会の「起訴相当」議決で検察の再捜査が開始されようとしています。政権浮揚の起死回生の切り札とされていた4月23日に開始された事業仕分け第二弾は、参議院議員選挙を前にしての政権と政党の二枚看板の窮地を打開するような政治的劇場効果を生み出すことに効を奏していません。昨年衆院選民主党圧勝と政権発足時には今年7月参議院選挙での民主党参議院単独過半数に向けて一瀉千里で突き進むことだけが念頭のすべてであった小沢民主党・鳩山政権は、最大の危機にあります。
鳩山首相=「普天間移設案」と小沢幹事長=「続投」の意味
重要なことは、鳩山首相が沖縄県民・徳之島島民をはじめとする労働者人民の怒りを逆なでするように名護市辺野古沿岸移設案プラス徳之島ヘリ部隊分散移設案で突っ走ろうとしており、鳩山首相と民主党執行部が90%近い「小沢幹事長辞職すべし」の世論調査結果に正反対の「小沢幹事長続投」方針を表明して「小沢参院選指揮」で参議院選挙情勢に突っ込もうとしているという問題です。
核心は、小沢民主党・鳩山政権には他の選択肢を考えようにも一切そのような方途も体制もまったくないということです。断崖絶壁のところで行動しているということです。言いかえれば、どんなに有権者、労働者人民の怒りを逆なでしかきたてるようなやりかたであっても、現に政権を握っている「権力政党」としての正体をむきだしにした攻撃に突き進むしかないということです。
むろん、ここで述べた「権力政党としての正体をむきだしにした攻撃」とは、「鳩山首相の『普天間』での『公約』違反・失政の責任をとっての退陣の要求」や「『政治とカネ』で『起訴相当』議決を受けた小沢民主党幹事長に対する国会での責任追及」で参院選情勢を有利に進めようとする野党にその矛先が向けられているわけでもなければ、その野党的追及をかわすためのものでもありません。
小沢民主党・鳩山政権との労働者人民の怒りの激突こそ情勢の核心
小沢民主党・鳩山政権は沖縄県民を先頭とする労働者人民の怒りによって断崖絶壁に立たされているということ、普天間基地を撤去・閉鎖せよ、人民が生きていけない日米安保をなくせ、民意を根本から踏みにじり労働者人民に敵対する民主党政権をたおせ、この労働者人民の怒りの圧殺者として小沢民主党・鳩山政権の今般の一連の攻撃があるということにほかなりません。
私たちがはっきりさせなければならないのは、民主党政府が「普天間『最終案』」や「小沢幹事長続投」でやろうとしていることは、安保体制をなくすまでやむことなく開始された沖縄・安保をめぐる労働者人民の怒りの決起の暴圧であり、労働者人民の怒りと闘いの圧殺、民主党独裁を軸にした労働組合圧殺・大政翼賛会的政治支配の実現だということです。民主党が、歴代自民党政権が鎮圧・解体・一掃することができなかった名護市辺野古沖・新基地建設阻止を先頭とする沖縄県民の闘い、解雇撤回・職場復帰の不屈の国鉄1047名闘争に対して、この時期に「普天間『最終案』」、「1047名問題の『金銭解決』『政治決着』」=国労の解散・連合への合流の攻撃に出てきたことを満身の怒りをこめて弾劾しなければなりません。
日米安保体制・米軍基地支配をなくすたたかいの帰趨は基地で働く基地労働者の決起に収斂され、そこにかかっています。民主党が推進しようとしている公務員労働者大量削減・民営化、道州制・憲法改正との闘いは、労働組合の闘いにかかっています。小沢民主党・鳩山政権は連合による労働運動解体・圧殺を通して、自民党支配ではできなかった国家改造をやりとげる階級的使命をもって登場している資本家政府以外の何ものでもありません。参議院議員選挙情勢の核心で進行しているのは、この民主党資本家政府との労働者人民の絶対反対、民主党政権たおせの非和解的対決構造だということです。