すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

12月14日投票の衆院選は「アベたおせ」の選挙。主戦場は東京8区(杉並)、45万有権者に訴える

2014年11月30日 | 2014年12月衆院選でアベたおせ
2日告示、14日投票
全杉並の45万有権者のみなさんに「アベたおせ」の大投票行動をよびかけます



今回の選挙の争点はただ一点、「アベをたおせ」です

  自民党、公明党、政権与党がマニフエストを発表しました。民主党、共産党はじめ全政党がマニフエスト、政策集を発表しています。これらの政策やメディアの衆院選報道を見て、たくさんの人々が早々と、「棄権」を決め込みはじめています。昨年12月特定秘密保護法案採決強行、今年7月1日の集団的自衛権行使容認・閣議決定があり、お年寄りの誰もが軍靴の足音を感じ、多くの若者が徴兵制への不安・危機感を抱いている中で、歴史の分岐点にいまあるというのに、なぜ選挙の「棄権」が戦後最大になるとまで言われているのか。これをひっくり返すのが杉並(東京8区)の闘いです。
  メディアが予測する「史上最低投票率」に関して言えば、単刀直入に言って、問題はハッキリしています。どの政党も、戦争の道、「命よりカネ」のアベ政権と自公政治に対して、私たちの積もりに積もった怒り、生きさせろの叫び、うめきとひとつになって、身体を張ってでも「たおす」と言いきって闘う気概も態度も示さない政党ばかりだからです。しかし、杉並(東京8区)はそうはなりません。
 アベがアベ政治に対して「この道しかない」「国民の信を問う」と大ダンビラを切ったことに対して、いま求められている対案は、ああだこうだのマニフエスト対案ではなく、「アベをたおす」「アベ政治のすべてに絶対反対、アベ政治をを断ち切る」「自公政治と財界をぶっとばして世の中を変える」以外にありません。
誰が見たって、その真向からの「アベたおせ」の気概こそがいま必要なのです。


  実際には、アベ政権、自公政権与党、財界は、この「アベたおせ」の大地に満ち満ちている怒り、みんなの喉先で沸騰しつつあり、今にも噴出しかねない、この私たちの怒りを一番恐れています。先日のニュースでみなさんは既にご存じでしょうが、自民党がNHKと民報各局に異例の「公正中立報道の要請」を行っています。狙いは、「朝日バッシング」、「朝日たたき」に続くメディアへの恫喝にありますが、11月18日、TBSの番組に出演したアベは、アベノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れた後、  「これ全然、声が反映されてません。おかしいじゃありませんか」(アベ) と「抗議」しています。アベは「解散総選挙に対する意見」をネットに載せた「子どもの投稿」に激甚に反応し、アベ自身のブログで口をきわめて非難しています。

   ここに示されていることは何か。アベは、列島隅から隅まで湧き上がっている私たちのアベ政治への怒りに戦々恐々、いつひきずりたおされるかも知れぬ恐怖で、内心右往左往しているということです。「アベノミクスを継続させねばならない。やっとチャンスをつかんだんです。この政権の決断への信を国民に問いたい」と言い切ったアベに、たくさんのアナリストが「日銀の追加金融緩和近し」と言っています。要は、事ほど左様にアベを「危うし」とみて、財界と日銀(黒田)は、衆院選の真っ最中にあっても「追加金融緩和」で大量のマネーを供給し株価を吊り上げてでも「アベ政権」「自民党政治」の後押しに躍起になっているということです。

 はっきりさせましょう。追いつめられているのは、アベです。戦争と「命よりカネ」のアベ政治たちきろう、自民党(自公)政治をたたきのめそう、ということです。

東京8区=杉並が、福島の怒りと命の叫びに「どうせカネ目でしょ」と言い放った石原のぶてる(自民党現職)を絶対ゆるすなの闘いで、衆院選最大の主戦場になっています!

 杉並(東京8区)は、この「アベたおせ」「アベ政治たちきろう」の先頭に立つ決定的な対決構図でこの衆院選を迎えました。

 第一に、何よりも、この杉並(東京8区)の有権者は、「アベ政治のすべてに絶対反対」と言いきり、「アベをたおす」「アベ政治を断ち切る」と身体を張って挑戦する鈴木たつお氏という立候補予定者を持っているということです。福島きりすての東京オリンピック返上を掲げて2月都知事選を闘った鈴木たつお氏(闘う弁護士)です。鈴木たつお氏の都知事選挙戦については当サイトでは特報でお伝えしています。(カテゴリー2014年都知事選でごらんください。⇒http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/c/1a0c187f317020c7eac0ea2ec347aacd )

  私たちがうめき、苦しみ、怒り、何とかしたいと必死になっているとき、その思いと怒りを体現し、「アベをたおせ」「生きさせろ」とゆいいつ希望の大旗を掲げ、オール与党国会に乗り込んで私たちとともに声をあげ、私たちのために働き、私たちに本当のことを伝え、共に闘おうという挑戦者が、2012年12月の山本太郎氏(山本太郎氏は2013年7月参院選で当選)に続いて立ちあがったということです。45万杉並有権者は、この戦争と「命よりカネ」のアベと闘う武器をこの衆院選という歴史の分岐点、転換点で手にしているということです。アベ・自民党相手に、民主党・共産党では無理、ダメだとあきらめ、「棄権」を決め込んでいた人々にも、自分自身の怒りの1票でアベ・自民党をぶっとばすチャンスがここにあるということです。



 第二に、私たちがたおしたいと思っている相手の自民党(自公)の立候補予定者は、「どうせカネ目でしょ」の石原のぶてるだということです。福島第一原発事故と放射線被ばくに苦しみ、怒りの抗議と命の叫びをあげている福島に対して、耳を疑うような「どうせカネ目あてでしょ」と言い放った石原のぶてるのこの暴言を私たちは誰も忘れてはいません。
  原発再稼働に対して全国から首相官邸前・国会前にかけつけて声を限りの「再稼働反対」の命がけの抗議を行ったのべ数百万の老若男女に対して「反原発・脱原発は集団ヒステリー」と悪罵をなげつけたこの石原のぶてる暴言を、原水禁運動の発祥の大地の怒りと良心の記憶を身体に刻んでいる私たち杉並の労働者住民、3・11福島原発事故直後の情報統制・「政治休戦」の大重圧をぶちやぶって4・10高円寺原発やめろデモにたちあがった1万5千人の若者は絶対に許しはしません。「被ばくさせない!」-この杉並で、「福島を見殺しにするな」「川内原発再稼働反対・全原発廃炉」「被ばく労働をなくす」と言い切って、鈴木たつお氏は挑戦しています。

 第三にこの挑戦者・鈴木たつお氏と衆院選の闘いは、アベと財界に大打撃を与え、オール与党区議会と御用組合支配のもとで田中杉並区政(自公民与党)の区立施設再編整備=区立施設の廃止・売却・民営化、クビきり・低賃金非正規化、どこもかしこもブラック企業化、貧困と福祉きりすて・地域破壊をすすめる「杉並のアベ=田中区政」をぶっとばすまったく新しい闘いを区内の職場・地域にまきおこすということです。

  知らない人は知らなくても不思議はありませんが、直に知っている人はみんな知っているはずです。この杉並には、いま政財界を牛耳り、アベの最大の指南役、財界の最大の盟友となっている葛西敬之(JR東海会長)が「影のドン」として邸宅を構えていることを。
  私たちの住み、働き、子育てし、老後を過ごす、この杉並に、◆「戦争が起きれば、景気は回復する」とウソぶき、◆「表層の民意(反原発・脱原発)は時がたてば霧散する、深層の民意(財界)に従え」と野田民主党政権の大飯原発再稼働強行を後押しし、◆「特定秘密保護法は国家に対する国民の義務の規範となる」と言い放ち、◆アベの地球儀俯瞰外交、原発・インフラ・武器輸出の最大の指南役・応援者となり、◆200人の国鉄労働者を自殺に追い込み、国鉄分割・民営化を強行した張本人であり、いままたJRの外注化の扇動者として指揮をとり、◆アベの地方創生特区、地域まるごと民営化、再開発バブル・地域破壊を唱導し、◆2020年東京オリンピックの次の最大国家目標はリニア新幹線2027年運行開始であると「原発」に比肩する超危険開発を安全無視と列島地域破壊でおしすすめることを決定し、◆極右の「中国・韓国」敵視論をぶちまけている・・・私たちにとって「アベたおせ」と並び掲げるべき「葛西たおせ」の葛西敬之がいます。
  アベたおせの東京8区・杉並の衆院選を巡る闘いは、この葛西・財界に大打撃を与える闘いになります。「命よりカネ」のアベ=葛西がおしすすめる戦争と貧困化を断ち切る、その怒りの爆発をこの杉並から先陣を切りましょう!

   国会の「論戦」や区議会の「質疑」は「国会から戦争が始まる」「区議会から大量クビきり・福祉きりすて・地域破壊がはじまる」と言われてもいまひとつわかりにくくても、それはやはり、真実です。しかし、一人の絶対反対の議員を持てば、すべて具さに明らかになります。私たちの働く職場、地域、福祉のメチャクチャな惨状に目を向けましょう。長時間残業、過労死、低賃金、「代わりはいくらでもいる」と豪語して当たり前のように行われる使い捨て、貧困者はもとより普通の人々でも手が届かない「カネで買う介護・福祉」と孤独死、一番保育が必要な非正規共働き世帯が子どもを預けられない保育の民営化、子どもの居場所を取り上げ、地域の紐帯をズタズタにして廃止する児童館廃止、・・・・これらすべての現実をもたらしている新自由主義の「成長戦略」「アベノミクス」の元凶、たどれば行き着くアベの共犯者が葛西です。



  ◆ いま杉並で最大の問題になっている児童館廃止、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換、荻窪駅西口JR用地売却・再開発ビル建設、廃止後のあんさんぶると再開発ビルを結ぶ大型デッキ構築、田中区政の利権がらみ、ゼネコン・大土地所有者・大企業・銀行根がらみ一体の「荻窪の南北分断解消、荻窪再開発」も、◆区立施設や区有地の廃止・売却ー民設民営化、企業誘致も、◆区職の正規労働者、非正規労働者への仕打ち、区内の民間職場に横行している血も涙もない「命よりカネ」「安全崩壊」のすべての現実は、私たち自身が何としてもひっくりかえさなければ生きていけない現実です。
  この背後に、本人の自覚無自覚は別にせよ、「アベ」がおり、「葛西」がいます。自民党の極ワル・麻生財務相と杉並区・田中良(リョウではなくワル)が昨年11月13日、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換」で合意し「最終合意」と称して、11月杉並区議会全員協議会で田中区長が報告し、ただの一人の抗議もなく共産党も無所属区民派も含め区議会議員全員が「区立施設再編整備計画」に唱和し、田中区長は「既定方針」として今、あんさんぶる荻窪にある区内最大の児童館(荻窪北児童館)を「桃井第二小学校移転、改築工事中でも仮設に学童を二年間放り込む」と言っています。反対の声をあげる議員は杉並区議会にはただの一人もいません。しかし、児童館職場と住民が闘いにたちあがっています。おかしいことはおかしいからであり、反対すべきは反対あるのみだからです。

  どうやってひっくりかえすのか?職場と地域にまともなことをまともに言いきり、力を合わせて闘う労働組合、団結体、地域の拠点をつくることです。国会と区議会に絶対反対の議員を私たちがもつことです。
 荻窪郵便局でスキルダウンで年収40万円カットを通告された郵政の非正規労働者が声をあげ、組合をつくって経営側との闘いに立ちあがった瞬間、そのすべての不当労働行為は撤回に追い込まれました。
  この杉並に本拠を置く東京西部ユニオンの鈴木コンクリート工業分会は、組合役員を狙い撃ちにした経営側の3名の雇い止め不当解雇に完全勝利和解をかちとり、職場復帰をかちとり、今後不当労働行為を一切行わない約定を交わさせるという非正規職の労働争議史上、画期的な地平をきりひらきました。職場に労働組合をつくって団結して闘えば勝利できるということを実証したのです。


  東京西部ユニオンはこの衆院選で「アベたおせ」の挑戦者・鈴木たつお氏とともに、「アベたおせ、労働者が社会に主人公だ」を掲げて闘うと表明しています。
  アベ政権、政財界、田中区政と真向から闘う舞台、私たち労働者住民、45万有権者が怒りを解き放ち、闘って希望をきりひらく、それが衆院選です。私たちはひっくり返す武器を持っています。思いっきり積年の怒りを爆発させて、「アベたおせ」「カネ目発言者ゆるすな」「生きさせろ」の1票大行動に立ちあがりましょう。


鈴木たつお氏の主張を公式ホームページからの転載で紹介します
①「労働者 ・ 学生 ・ 農民 ・ 市民の行動で、 憲法改悪と戦争を必ず阻む !」
http://suzutatsu.main.jp/?p=1347
②「集団的自衛権行使は絶対させない! 沖縄・辺野古新基地建設阻止! 三里塚農地取り上げを許さない」
http://suzutatsu.main.jp/?p=1360
③「労働者は奴隷ではない。民営化・外注化反対、非正規職撤廃! 労働組合をよみがえらせる
http://suzutatsu.main.jp/?p=1372
④「福島を見殺しにするな。川内原発再稼動絶対反対・全原発廃炉へ」
http://suzutatsu.main.jp/?p=1379
⑤「医療・介護・年金を奪うな!生活破壊の消費税は全廃させる」
http://suzutatsu.main.jp/?p=1393
⑥「現代の治安維持法=特定秘密保護法・盗聴法に反対、公安警察による弾圧を許さない。無実の星野文昭さんを取り戻そう」
http://suzutatsu.main.jp/?p=1401
★鈴木たつお11・27記者会見
http://suzutatsu.main.jp/?p=1382


鈴木たつおとともに歩む会/鈴木達夫公式ホームページを紹介します。

 直に鈴木たつお氏の主張を聴いてください。「アベたおせ」をはじめとした鮮明なアベ政治を断ち切るスローガンののぼり旗、ピンクの上衣の若者街宣隊を駅頭で見かけたら、それが鈴木たつお街宣です。街宣予定等、日々の報道は上記HPでご確認ください。
http://suzutatsu.main.jp/


              
12・1ふざけんなアベノミクス☆もうガマンできない!
安倍・石原・自民党たおせ阿佐ヶ谷デモがあります

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホントのことがわかるイラスト:杉並区による児童館廃止。何が「継承」?!どこが「発展」?!

2014年11月23日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
 特報・杉並版(地域・児童館版)わかりやすい具体的解説(4)

 予定を変更して、イラストで訴えることにします。というのも、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換」「あんさんぶるに今ある杉並最大の児童館(荻窪北児童館)の存亡」「荻窪北児童館の機能移転のための桃井第二小学校建替」について、杉並区が区民に対して真実を隠したまま、「施設としての児童館にとらわれることなく、これまで杉並区の児童館が培ってきた機能や役割を継承・発展させていくもの」と言いふらし、非常に多くの人々が何となくおかしいと思いながらも「継承・発展」の口先キャンペーンの前に重大問題でありながら態度を決めかねているからです。

 「何が継承か、どこが発展か、冗談じゃありません!子どもたちが自分の居場所と感じることができる、そのかけがえのない児童館がなくなる!周知は急務です」という読者の方からのメールもいただきました。このやむにやまれぬ思いこそ、いま田中区政が公にはどこでも決定されていないのに「既定方針」であるかのように強行している「児童館廃止・区立施設再編整備計画」をひっくり返す原点ではないかと思います。微力ですが、記事の発信・報道を洗い直し、今回は、「特報・杉並版(地域・児童館版)よくわかる具体的解説(4)」の予定を変更して、イラストでお伝えすることにしました。

何が「継承」?!どこが「発展」?!
私たちは、自分の居場所がなくなる残酷物語を子どもたちに味あわせるわけにはいきません


【杉並区の説明】
「これまでの児童館の枠組みを新たな枠組みに再構築し、施設としての児童館にとらわれることなく、これまで杉並区の児童館が培ってきた機能や役割を継承・発展させていくものです」



>『私、こないだ説明会で区の考えてること聞いちゃったのよ。あんさんぶるの児童館、桃井第二小学校を改築してそこに移転するっていうんだけど、区は新しい校舎できる前に移転する、工事中でも仮設があるから大丈夫、子どもの居場所は心配いらないって説明してるのよね。工事って二年間続くんでしょ、二年間、工事中の現場にかよわせて、仮設に子ども置いとける?あれ聞いて、びっくりしたのよ。これは、区は子どものこと、まったく考えてないんだなって。区は児童館の役割とか機能は継承、発展と説明してるけど、ちゃんと、ひとつひとつ、今の児童館がどういうことになるのか、子どもの居場所がどうなるのか、いま考え直さないと後からとんでもないことになるんじゃないかって・・・


区が言っている「継承・発展」、これのどこが継承?どこが発展?ひとつひとつ考えていくと、私たち住民と地域、職員がつくりあげてきた児童館を全部なくすってことではないでしょうか?
「移転」と言ってもあるのは放課後子どもたちを囲いとじこめておくだけの「学童クラブ」という名の「放課後子ども収容場所」だけです。


   児童館で過ごしてきた子どもたちにとっては、自分の場所と思える居場所がなくなるということです。「学童クラブ」と書かれたコーナーに押し込まれるだけ。
   児童館のように自分の居たいところに行ってみんなと一緒に遊んだり、一人で遊んだり休んだり、職員に相談に乗ってもらったりという場も機会もありません。そして小学校では、「授業中だから」「ここは学校だから」という理由で、「あれもダメ」「これもダメ」、「ここはダメ」「あそこもダメ」のダメ尽くしです。
  
   児童館には、遊戯室や図工室、音楽室、図書室、休憩場所、庭や体育館があり、見守ってくれる職員がおり、友だちが遊びを通してでき、また子どもたちの輪に入って打ち解けられない子どもでも一人で遊んだり、絵を描いたりして、つらい思いを我慢しなくても過ごせる時間と場所、居場所があります。遊びと交流、それが誰にも保障されるフリー(自由に選択できる)スペース、オープンスペースです。その自分が実感できる居場所があるかどうかは子どもたちにとって、毎日毎日暗い重たい曇り空のもとで過ごすのか、たとえ色々なことがあっても楽しく明るい気持ちになれる時間と場所が持てるのか、というくらいに大きいものです。
 
   ところが、区が言う「継承・発展」とか「継承・拡充」とかいう「小学校への機能の移転」は、どうなのでしょうか?
  児童館の子どもたちが、「児童館から小学校に移らされる」ことによって直面すること、親御さんが知ることは残酷、悲惨に過ぎると言っても何ら言い過ぎではありません。

  以下は、杉並区の学校長はじめ当局(中には子どものことを案じて心を痛めている方もいるでしょうが)は、ハッキリと言葉には出さずとも必ずそういう状態になると思われることばかりです。「体育館は使えるのか」とか色々聞いても、今は、言葉を濁しているのですが、既に学校内で学童クラブをしているところでは起きていることです。

●「ここは学校です。遊び場じゃないんだから。授業やってるんだから静かにしなさい


⇔わいわい楽しく伸び伸び遊びまわっている自由な空間が児童館です。遊び場をなくしたら、子どもの居場所はなくなってしまいます。


●「遊戯室はありません」

⇔この一事を持っても児童館の機能は継承されたりなんかしません。児童館では他のスペースだってそうですが、とりわけ遊戯室は、子どもがおもちゃで遊んだり、ゲームをしたり、イスで休んだり、一番不可欠なものです。

●「音楽室は学校の授業や部活で使います。それに遊びに使わせたら、やれ太鼓だ、やれ何だと楽器で大きな音出して面白がって遊ぶからダメです。おもちゃみたいに楽器や設備で遊んで、壊されでもしたら困る。使わせません」

⇔児童館ならばほとんどのところで遊戯室、図工室とともに必ずあるスペースです。

●図工室は使わせません。子どもの遊びに使わせたら、子どもはお絵描きのつもりでもあちこち落書きされるし、粘土や絵の具で汚されたら後が大変」


●「図書室は使わせるわけにはいきません。勉強や読書のためにあるんです。子どもに自由にさせたら、子ども同士でおしゃべりしたり、本をとりあいしたりして喧騒を極めるし、本を棄損されかねません」


●「赤ちゃんを泣かせないでください。教室では授業やってるので」
信じられないです。

●「体育館は使えません。使わせません


●「おやつ?何考えてるんですか。ここは学校ですよ」
⇔これって、「ここは児童館じゃないんだから」と言わんばかりじゃないですか!

●「中高生やよその学校の子どもはそもそも学校には入れません」

⇔杉並の児童館が培ってきた、とても大きな意味があるのが中高生の放課後居場所になっていることであり、自由な居場所になっていることから、小学生の子どもたちの遊び相手にもなって、それが中高生にも子どもたちにも有意義な人間的交流になっています。

【児童館】   
❤遊戯室(庭や運動場がない荻窪北児童館には体育室もある)、❤図工室、❤音楽室、❤図書室、❤乳幼児室(コーナー)
 【児童館】
《学童クラブ》《一般児童の放課後居場所》《乳幼児親子居場所》《中高生居場所》《地域コミュニティの行事》
【児童館】 
子どもたち・若者・多世代交流、地域の居場所(地域コミュニティ)
           
    杉並区が言う「継承・発展」
           
移転後の小学校では?   
 ❤遊戯室(庭や運動場がない荻窪北児童館には体育室もある)❤図工室❤音楽室、❤図書室、乳幼児室(コーナー)・・・(※運動場だって使わせない可能性がある。)
移転後の小学校では?
《学童クラブ+一般児童の放課後居場所》《乳幼児親子居場所》《中高生居場所》《地域コミュニティの行事》
移転後の小学校では?  
子どもたち・若者・多世代交流、地域の居場所(地域コミュニティ)


   これは(子どもたちも含め)職員、利用者、地域・住民が培ってきた児童館事業そのものを、「新しい枠組み」と称して全部なくすということではないですか?「継承」なんてこれっぽっちもない、ましてや「発展」なんてまったくの嘘っぱちじゃないですか?子どもたちから児童館を取り上げる、親御さんから子どもの放課後の居場所を取り上げる、地域と住民からコミュニティ拠点を取り上げるということはないですか?もっとも残酷、悲惨な目に逢うのは、児童館という自由な居場所を取り上げられ、放課後も学校の一室にとじこめられる子どもたちです。児童館では、子どもたちは、いずれ将来社会を担う子どもたちの健やかな、伸びやかな成長を願う親たち、職員、住民の温かい“子どもたちの居場所”づくりと手助け・協力・支援がコミュニティをつくりだしました。杉並区の施設再編整備と称する児童館の解体、小学校への移転では、子どもたちが元気になれる居場所とすべての要因を取りあげ、子どもたちはただただ放課後の管理の対象として収容所と化した学校にとじこめられ自由も楽しさも明るさも奪われるのです。

杉並区「ゆうキッズは児童館から保健所に移す」
⇔保健所は感染症で救急車も来るところ。赤ちゃん、乳幼児の居場所として考えることそのものがおかしいのです。児童館は、母親にとっても母親同士で交流でき、また親身になって職員が相談に乗ってくれる福祉拠点でした。


  児童館は少なくともいまの児童館でなくてはなりません。共働きやパート就労世帯がどんどん増すばかりの今、そして現に、学童保育・児童館事業への(区が言う)「需要」が増していくばかりの今、必要なのは、ますます子どもたちの居場所としての児童館を、児童館として増設することであり、間違っても、児童館事業を廃止し児童館をなくし、子どもたちを小学校にとじこめることではありません。
みなさん、ぜひ一緒に考えてください。これは曖昧にはできない問題です。子どもたちのことを考えたら、一歩も譲れない問題です。子どもたちは人間です。国や自治体、ましてや首長の都合、田中良区長の野望や強欲のおかげで、居場所をなくすなどということがまかり通っていいはずがありません。議会は区が「廃止」を「継承・発展」と言い換えて以来、ずっとこの田中区政の児童館廃止・小学校への移転の動きを黙認・放任しています。おかしいことはおかしいのです。間違っていることは間違っているのです。私たち自身が、声をあげなくてはなりません。自分自身の今後の毎日と将来に大変なことが行われることに対して、子どもたち自身には声をあげるすべがありません。これはお母さん、お父さん、地域が、町が、職場が、私たち大人が声をあげねばなりません。子どもたちの居場所を守り、児童館職場を守り抜いて懸命にがんばっている職員のみなさんとともに声をあげましょう。


   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

区の実行計画にもなかった桃井第二小学校改築、田中良杉並区長の独断強行はでたらめ・危険・無責任!

2014年11月19日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
特報・杉並版(地域・児童館版)わかりやすい具体的解説(3)

桃井第二小学校の老朽化事情で出てきた話ではありません。「荻窪税務署」の現在の「あんさんぶる荻窪」への誘致・交換、そのために「あんさんぶる荻窪」にある荻窪北児童館の廃止と桃井第二小学校への機能移転を急がねばならないという区の都合、外部的事情から浮上した無責任な話です!



写真は2014年11月1日の旧若杉小学校で行われた説明会で区が配付した資料に出ている桃井第二小学校改築の「スケジュール(予定)部分)

◆ 建物にも改修時期、耐久期間や更新時期の問題があります。「首都直下型地震」や「短時間集中的局地豪雨」など新たな防災対策の問題が、大きな問題になっていることにも留意が必要。私たちは建物老朽化に対して改修や改築をいちがいに否定するものではありません。しかし、いま問題になっている桃井第二小学校改築工事はそういう問題ではありません。この数カ月、にわかに持ちあがった区の「桃井第二小学校改築計画」については、そういった老朽化建物の更新、耐震改築の脈絡から真剣に具体的調査や建物診断が行われ、その緻密なな検討の議論の上に、出されてきたというようなものではありません。今日の記事はこの問題を取り上げます。
 ◆ そもそも、桃井第二小学校の改修や改築の計画は、半年前、今年(2014年)の春に策定され発表された区の「実行計画」にも入っていませんでした。ところが「実行計画」で優先対象とされていた杉並第四小学校、杉並第八小学校、高円寺中学校、杉並第一小学校等の築50数年の学校を押しのけて、忽然と、桃井第二小学校が最優先対象として「改築」方針が打ち出されました。桃井第二小学校は来年2015年には築50年になりますが、それでも「実行計画」の当初3年間の実施計画の対象としては考えられていなかったことは、今回の桃井第二小学校改築の問題を検討するうえで重要なファクタ―です。まさか区は「実行計画」での当初3年間計画対象校の選定やその前提としての区内全校の老朽化判断、耐震性判断を何の根拠もなしに恣意的に行っていたわけではないでしょう。区は区なりの判断デ―タなり一定の専門的検討があってそのように計画していたはずです。だから「こういう順番で行きますよ」と優先対象校を筆頭に改修・改築等の計画の一覧表を作成し、概ねの順番を公表していました。
  ところが、急きょ、桃井第二小学校の改築がここ数カ月のかんに、まさに急きょ決められた。これは、老朽化や耐震性の問題で重視すべき新たな具体的事情が桃井第二小学校で発生してそうなったのではなく、まったく別の次元、桃井第二小学校にとっては外部的事情から、区の一方的な都合で決められたものというしかありません。事実、そうなのです。
◆ 区の側の一方的都合、外部的事情とは何か?
 あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換が2018年度を目途に行われるという覚書が区と国の間でこの7月9日には締結されています。

(写真は、2014年7月9日締結のあんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換契約に向けた「覚書」の第4条、第5条の部分を撮影。)
 これまで「交換合意」先決で他の問題は全部そっちのけにし、脇に置き去りにされ軽視・無視・放置され、まともに検討されてこなかった荻窪北児童館(交換でなくなってしまう「あんさんぶる荻窪」の二階にある)をどうするか、という問題が当然にも持ちあがった。児童館は「あんさんぶる荻窪」の最大の施設であり、中心施設だからです。この児童館の問題について区は、交換合意、交換契約にむけた国との交渉・協議を渋滞・混乱させかねないネガティブ要因としてできるだけ議論にならないように腐心してきたという経過・実情がある。しかし、「覚書」締結でスタートした以上は、国に対してもごまかしはきかなくなった
 では区が児童館の機能を移転するとして、移転先と区が想定している桃井第二小学校にそれを受け入れられる余裕、余地があるのか、・・・・どう考えても当初簡単に考えていたようにちょっとやそっとの改修では無理、この際改築するしかない・・・後ろは「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換の目途として2018年度と切られている・・・・国は、2018年4月には明け渡された「あんさんぶる荻窪」での内部改修工事の着工をこれ以上待てないタイムリミットにしている。区としては、桃井第二小学校の改築は、即断強行しかない
◆ こうした玉突き構造(①⇒②⇒③)で、桃井第二小学校単体の事情・理由からではなく、外部的な事情・理由から決められたとみて間違いありません。「老朽化」や「耐震性」で急を要すると判断して桃井第二小学校の改築を最優先したのではまったくありません。
◆ 改築とは建替えのことですから、「いずれは近いうちに改修」くらいにまだ先の話と思っていた桃井第二小学校と同校がある荻窪五丁目地域、同校で働く教職員、同校に子どもを通わせている家庭・保護者にとってこれは本当に大変な激変です。

当初から改築を前提に検討してきたわけではない桃井第二小学校を別の理由で急きょ「改築(建替え)」方針に切り替え、それも2018年度を目途と後ろを切られて突貫作業で行うというような計画では、まともに考えれば想定すべき重要で深刻な問題も完全にスポイルされることは間違いありません!

建物や内部の図面上、パソコン画面上の設計や施工の工程表の作成は机上の仕事で簡単にできることです。しかし、工事の現場は紙の上やパソコンの画面の上ではない。工事は、現在の桃井第二小学校という具体的な現場で、5百名を超える子どもたちが学び、遊ぶ場所で行われるのです。どうやら田中区長や区中枢は、単なるタイムテーブル上のつじつま合わせと「大きなハコ(入れもの)」をつくる程度の問題としてしか考えていないようです。
そこで抜け落ちているのは非常に大きな問題です。
少なくとも二つの大きな問題領域があります。

(1)子どもたちの安全問題と教育環境、居場所の問題

一つは、「新校舎完成後ではなく前半と後半にわけての建替え工事の間、仮設校舎で生徒も放課後学童も二年間を過ごす」ということ、あるいはそれに先立って行われる仮設校舎の建設中や現校舎の前半・後半に分けた解体・除却中の授業・学校生活のこと、放課後の子どものこと、それがまったくイメージされていない、そのかんの子どもたちのことが、まったく考えられていないのではないかということです。
◆ 学校の改修・改築工事の場合には、一般の大規模改修・改築工事で求められる労働安全性の確保、周辺環境面の配慮に加えて、それ以上に次元が違う完璧な安全が求められる。具体的には子どもたちの安全の無条件確保の問題です。学校工事とは子どもの安全確保なのです。このことは学校の工事を手がけている設計事務所や建築会社も言っていることです。単に現場を遮蔽フエンスで囲うとか安全通路を確保するとかガードマンを配置するから大丈夫とかいうことでもなければ、区が今回の桃井第二小学校改築問題で言っているように「子どもは仮設校舎の中にいるから安全」ということでもまったくありません。工事中の現場である学校に子どもがいるということそれ自体が危険なのだということが全然わかっていません。
  ◆ ここで一番言いたいのは、●鋼材や建材や生コン、工具・建築機械、廃材、土砂その他を搬出入する車両が頻繁に出入りする、●ユンボ、コンクリートミキサー車、クレーン車等が各所で作業する、●除却・解体で出た廃棄物の山、足場材の山、具材の山、杭打ち工事、鉄骨工事、コンクリート工事、配管工事・・・・、●粉じん、騒音、振動・・・・これら大規模工事で私たちがよく目にしている工事現場となる学校の状況を具体的にイメージして、そうした工事が行われる環境のまっただ中で、子どもたちが授業を受け、放課後も過ごす、登下校するということ、そこでは日常的に危険がゴロゴロしていること、安全確保、子どもの問題をどこまで具体的に考えているかということです。あえて言いますが大工事中の学校は、戦場のようなものです。事故の危険という意味でまさにそうだし、こどもへの精神的心理的な影響、保護者の心配という意味でもそうです。
   また、同時に学校の教職員や「機能移転」と称して仮設の中に移らされる学童・放課後児童の担当職員にとってもすさまじい労働強化になります。普段、授業や休み時間、放課後の子どもの遊びや交流、登下校で目を離さず見守ること自体、大変な仕事ですが、工事中の学校でのこととなれば大変さはその比ではありません。区はガードマン(警備員)を増やすから大丈夫などと言いださないでください、工事が行われるのは子どもが過ごす学校なのです。
  ◆ これは単純に安全対策を具体的にどう講じるかという問題にとどまるものでもありません。学校で行われる工事、とりわけ小学校の工事とは、子どもの安全、子どもの問題がすべてだ、そういう根本的な認識が区にあるのかどうかという問題です。事故の危険の問題は非常に大きい、だがそれにとどまらない。そういう事故や危険と背中合わせの環境下で工事中の二年間もの間、仮設校舎で授業を受けさせ、学校生活を過ごさせる、そこが放課後も子どもたちの居場所となる、その深刻な子どもたちの心身の健康への影響・打撃を考えたことがあるのかということです。
  ◆桃井第二小学校に子どもを通わせている保護者、児童館に子どもを預けている親御さんの身になって考えて下さい。区の幹部の人々は、自分の子どもが今回の桃井第二小学校改築計画のような環境の中で朝から夕刻まで過ごすことになった場合を考えてみるべきです。
  ◆11月1日の説明会で出された「児童館から桃井第二小学校に移る子どもたちの居場所はどうするのか、工事が完了し新校舎ができるまで移転とはならないのではないか」という質問に、「仮設校舎が居場所になるので大丈夫」と平気で区は回答しました。区はこの安全問題、環境問題、居場所問題を本当に何とも思っていないのです。これはまともじゃない。耳を疑うような対応でした、信じられない思いです。「児童館移転問題も考慮しての改築だと言うなら、せめて新校舎が完成し居場所が確保されるまで、あんさんぶるを使わせるということは考えないのか」という住民の意見に対して区の担当者は「贅沢なこと言うな」と言い放ったという話が伝えられていますが、要は、「もう決めたことだから、従え。新しい校舎ができるまでそれくらい我慢しろ」という考えなのです。

(2)地質・地盤構造の問題
  二つは、新校舎建設の建築工事でこの桃井第二小学校が今建てられている場所の地質・地盤、支持層の問題です。田中区長と区中枢はやれ「防災」だ、やれ「耐震改修」だ、やれ「災害対策」だと言っている割には、この桃井第二小学校の立地の地質・地盤、支持層の問題についてまったく無自覚・無関心です。
  ◆  区がいま策定している「桃井第二小学校改築」計画や工程表・工期想定では、建物新築におけるこの場所の地質・地盤の支持構造のぜい弱性の認識・自覚に厳しく立脚した綿密な詳細な調査・試験、それに基づく真剣な専門的検討、工法調査、諸対策研究、検査、審査等にどれだけの期間と労力が注がれ積み重ねられねばならないか、まったく視野においていないのではないでしょうか。この現在の桃井第二小学校が立地する場所の地質・地盤の支持構造のぜい弱性からいえば、工事全体の中で、比重で言えば、上物(建物)の構造設計やその中身(配置・内装・美観)の意匠の問題はこの改築工事の全体の中では半分以下の比重しかありません。最大の比重は、建築物建設に際してのこの地質・地盤に踏まえた構造設計、基本設計、実施設計であり、その前提としての綿密厳密な調査であり、検査、審査です。とりわけ杭打ちと支持層に係る領域の問題です。区がいま出している改築計画はどう見ても、今の校舎を解体し、そこに新しい校舎を立てるだけの簡単な工事だ、今までの校舎がここまで持ったのだから何も問題ない、旧くなったものを壊して新しいものを立てるという建替えだけだ、土地の上のハコを新しいハコに置き換えるだけの単純な工事だという程度に簡単に見ているとしか考えられません。
  ◆ 11月19日朝日新聞夕刊に載っていた「マンション傾斜」事件での横浜市、熊谷組の「地形認識に甘さ」を報じる記事は、この桃井第二小学校改築工事を考える場合に教訓とされるべき戒めとして重視する必要があります。支持層(強固な地盤)まで杭が届いておらず、盛り土や堆積土の層で杭はとどまっており、47本の杭のうち15本が支持層に届いていなかったと、このマンション建設工事での「掘削が浅いのに支持層に届いたと誤認した」その甘さを指摘しています。

写真は上記の朝日新聞記事

  ◆ 桃井第二小学校の場合はどうか?

以下に挙げる三つの図面の写真をごらんください。

すぎなみガイドマップ(保存マップ)の桃井第二小学校の立地(便宜《図①》という。


国土地理院 標準地図 明治前期の低湿地(黄色部分)(便宜《図②》という。

杉並区洪水ハザードマップ(杉並区危機管理室防災課)(便宜《図③》という。)
※「浸水した場合に想定される水深の目安」・・・△斜線:浸水が昭和56年から平成22年にあった箇所。△青:2m以上5メートル未満(2階の軒下まで浸水する程度)。△水色:1m以上2m未満(1階の軒下まで浸水する程度)。△緑色:0.5m以上1m未満(大人の腰までつかる程度)。△黄色:0.2m以上0.5メートル未満(大人のひざまでつかる程度)

  ◆現在の桃井第二小学校は、決して堅固な地質・地盤による支持層構造、支持強度の上ではなく、脆弱な地質・地盤構造の上に立地しているという事実は、工事に際しては認識の前提とされるべきものです。
  ◆ 《図③》は2005年の集中豪雨で善福寺川周辺域で発生した洪水による浸水状況を基に、杉並区が同種洪水・浸水発生の場合を想定して作成したハザードマップです。桃井第二小学校は(あんさんぶる荻窪もそうですが)、////の斜線部(1981年から2010年までの間に浸水があった箇所)で、1階軒下まで浸水があった1m以上2m未満の浸水、大人の腰までつかる程度で0.5m以上1m未満の浸水が予測される場所です。善福寺川流域は上流から下流合流点までしばしば洪水・浸水の被害が発生している場所だということ、桃井第二小学校立地もまさにそういう場所だということをまずハッキリさせる必要があります。今年発生した短時間局地的集中豪雨は単に河川の氾濫・洪水による浸水被害だけではなく、土壌が軟弱な地質やもともと傾斜地だった場所に造成された地盤で土砂災害が起きていることを全国千数百箇所の被害で示しています。こうした危険性を視野に入れて桃井第二小学校の改築工事は計画されねばならないはずです。だがここで指摘したいのはこの洪水・浸水対策の問題だけではありません。もっと基本的な問題、地質・地盤、支持層の問題です。
  ◆《図②》は、そもそも現在の桃井第二小学校の地盤は、どういう場所なのか、ということを見る上で《図③》以上に重要な前提にされるべきものです。黄色の《低湿地》という点が重視されねばならないのです。
  この現在の桃井第二小学校のある場所というのは、武蔵野台地の谷のひとつである善福寺川の川べり、武蔵野段丘上(武蔵野面)に位置しており、地質は、表層は武蔵野ローム層に覆われ、このローム層の下層にローム質の粘土層、さらにその下が武蔵野礫層とよばれる砂礫層となっています。この武蔵野礫層からは杉並区内の河川の源となる湧水が善福寺池をはじめとして湧き出ています。砂礫層そのものは透水性がよく、構築物の支持層としては概ね良好ですが、その上のローム層・粘土層は不透水性が強く、構築物の支持層としてはきわめて脆弱です。強調した「低湿地」はこの砂礫層の上のローム層・粘土層という地質のせいでそうなっているということです。
従って、この場所での建設工事においては、掘削調査工事によって、△掘削孔内の水位をはかり、支持層にまで打ち込んだ杭が届いているかどうか、△過重に堪え得る建築基準法が定める5トン/㎡以上であるかどうか、過重で沈下しないかどうか等の地耐力テストを面積比密度が高いきめ細かいポイントで仔細にテストし、地盤の強さ(N値)を計算・検証しながら、建築物の設置、工事設計を練り上げねばならないわけです。桃井第二小学校を最初に建築したときから49年を経過しています。地下水の流動性、気象変動、周辺での地下水揚水量の増加等々を考えれば、本当に「イチ」から掘削調査を広範囲に実施し、試験し、検証し、計算し、計画はたてられねばならない場所なのです。
  ◆ これは、設計、建築の専門的プロ、経験と実績がある企業にやらせるから大丈夫だという話ではありません。区が、桃井第二小学校改築工事とは、どういう工事かというところで、この問題を真剣に考えているかどうかという問題です。しかし、区が急きょ計画発表した「桃井第二小学校改築」の経緯からして、そして、まず「2018年度完成」の後ろだけがある考え方からして、こうした地質・地盤、支持層の問題、脆弱な地盤における難工事の問題を念頭に置いた計画とはとうてい思えません。
  ◆ 区が進めていることは、あまりにも無責任ではないでしょうか?これでは、ろくなことにならないのははっきりしています。

  ◆ 上物(新校舎の美観、その中にどういう教室やどういう設備、どういう多目的ルームが配置されるか、という面)に目を奪われてはなりません。「上物」というだけで言えば、この「改築計画」を通すために、区はいくらでもカネを使うでしょうし、何でも充実した意匠の提案も受け入れるでしょう。桃井第二小学校改築懇談会はそういう「上物」「内装」に限られた範囲に想定されているはずです。「改築計画」は支持層(強固な地盤)に支えられ、耐力度の堅固な建築物を建設するという改築そのもののためではなく、別の目的のためにたくらまれているからです。


何で、こういうことが起きるのか?―震源地は田中区長の「荻窪駅南口再開発」(「街づくり」)のための「あんさんぶる荻窪」の「荻窪税務署」との交換


 これ(下の写真)はJR田町駅西口デッキの写真です。正面が西口、約80m、西口から京浜第一国道までの間に設置・構築されています。荻窪駅南口再開発推進・街づくりを掲げる発展協議会が、「荻窪税務署があんさんぶるに移転して、荻窪駅南口は、あんさんぶる荻窪と荻窪駅西口JR用地の再開発ビルまでの大型デッキで田町駅のようになる」と言っているようです。田中区長は「南北分断の解消」、荻窪駅中心の街づくりを強調しています。


  荻窪駅南口の前の今の補助131号線の一方通行でさえ、南口は危険な状態です。そこに大型デッキまで構築して、混雑・渋滞をつくりだすような「にぎわいの街づくり」は住民と地域が望む街づくりでしょうか?たとえ「千客万来」のにぎわいをもたらしても道路が拡幅され、高層ビルや大型ビルが林立するような荻窪駅南口再開発は地域破壊そのものです。荻窪税務署のあんさんぶる移転は、国に田中区長が「街づくりのために協力してほしい」と頼み込んだところから始まった話です。今は「特別養護老人ホーム建設」のために、あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署交換と言われていますが、当初は、国に「街づくりのため」「再開発のため」と田中区長は言っていたのです。「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換には、児童館廃止をはじめとした区立施設の廃止・売却・民営化の施設再編整備計画とともに、このゼネコン・大地主・利権集団・大企業が深々とつながっている田中区長の再開発・まちづくり計画がからんでいます。
  30億円もの巨額を投じて建設され、まだ築10年のあんさんぶる荻窪、実際には職員と利用者、住民と地域の力で福祉拠点、地域コミュニティ拠点となり高い評価を区内でも得ているあんさんぶる荻窪を、荻窪税務署と交換するという、まるっきり理由がわからない田中区長の「決断」は、この利権がらみの大がかりな再開発構想ぬきには考えられません。そのために年間利用者総数5万7675名、学童クラブ年間利用児童総数1万4585名の荻窪北児童館の廃止と「機能移転」と称する追い出し、桃井第二小学校への移転、桃井第二小学校の急改築ということが、どこでも何もまだ決まっていないのに「既定方針」として強行されようとしています。手をこまねいているわけにはいきません。

  次回の「特報・杉並版(地域・児童館版) (4)」では、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換、荻窪北児童館廃止・移転問題、桃井第二小学校改築問題に続いて、このような形で強行されている田中区長の区政の進め方、区政展開の手法について、お伝えしたいと思います。
『こんなことアリか!区の条例案が通った時には移転も交換もほとんどすべて終わっている!』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特報・杉並版(地域・児童館)わかりやすい解説(2)の続き  

2014年11月14日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
 (お知らせ)
前回記事があまりに長大なため、二分し、記事後半の(4)以下を今回記事にしました。この記事の二分に際して、何箇所か元記事を補正加筆しています。
《前回からの続き》

(4)なぜ、区は荻窪北児童館の問題を「覚書事項」に入れようとしなかったのか?

・・・「覚書」で触れられない事情が区の側にあった!・・・・
  
  5月21日の「覚書について」では、「2 覚書締結の時期」として「平成26年7月を目途とする。」と書いています。この点は、待ったなし、後はないリミットという点として、7月9日の「覚書」締結の三者会議での議論の予めの前提として確認されていたに相違ありません。
  国はもともとは現在の荻窪税務署があるその場所で荻窪税務署の建替えを行うつもりで準備に入っていました。国は耐震構造上、現在の老朽化した税務署では問題があり、早急に建て替える必要があると改築(建て替え)を急いでいたのです。それに待ったをかけて、「街づくりのために」という理由で国の協力を求め、あんさんぶる荻窪との交換の話を持ちかけ頼みこんだのは区(田中良区長)の側でした。区から国に申し入れ交渉を重ね、何とか麻生財務相と田中区長との間での「合意」にこぎつけ(2013年11月13日)、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」の交換への具体的協議に入りましたが、もともと国自身で現在地での建替を急いでいた国が、交換を頼みこんできた区に対して交換を「早く」「一刻も早く」と急かせるのは当然です。
  この国が「急ぐ」のとはまったく別のベクトルからの理由ですが、区(田中区長)も「区立施設再編整備計画」と「荻窪を中心とした街づくり」に政治生命をかけている二期目の田中区政の目玉ですから、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に向けた「覚書」の締結については急いでいました。つまり、田中区長の側では、当初乗り気でなかった国が「交換」で合意したわけで、国のその気が変わらないうちに、「覚書」をとって交換を確かなものにしておきたかったのです。
  このような経過があって、前述したように、あんさんぶる荻窪には児童館があり、その児童館をどうするのかは、この交換問題を左右するような大問題であるにもかかわらず、「児童館は廃止、小学校等への機能移転で再編整備」の安直な「区立施設再編整備」の計画・方針で、荻窪北児童館の問題はいつでもなんとでもなるとタカをくくっていた区は、ここではまず「覚書」締結で「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換をレールに乗せることが先決、それが最優先とばかりに、7月を目途の「覚書」締結を待ったなしとしたのです。
  ここから、荻窪北児童館の「機能移転」先と区が予定する桃井第二小学校への受け入れの根回しもまだ進んでいない区側の実情もありましたが、それも無視し、「覚書締結」を自己目的として、7月9日に突き進んだわけです。荻窪北児童館の問題や移転先の問題を国との会議で不用意に報告して「覚書締結」が停滞する羽目にならないように、すべて後回しにすることにしたのです。もし、荻窪北児童館問題、移転先問題が「覚書」締結協議の場で議論の俎上に上ったら、そして荻窪北児童館と利用者はじめ関係者が了解しておらず、まだ移転先の根回しもできていない、となれば、区の側から是非にと頼みこまれて建替えを交換に転換したのにどうなっているのか、まだもたもたしている、国は一刻を争っているというのに、そういうことなら、国としては「交換」はなかった話にしたい、交換話から国は降りるという話も出かねない、下手をしたら最悪の場合には移転を急ぐ国がしびれを切らし、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換が破談になりかねない・・・・ここは区としては、「覚書事項」の検討・協議では、荻窪北児童館問題・移転問題については、「覚書」とは切り分け、「覚書」締結で交換契約へ向けた手順と目途を確定し、それから、もたついて手つかずで後回しにしていた面倒な問題に対する対策を考えるのが「賢明」と田中区長の側では判断したのだと思われます。判断回路はこのように働いたとみてまず間違いありません。

  これは一方的な決め付けでも、勝手な推測でもありません。このような判断回路と経過が本当にあったからこそ、それは5月21日の「覚書に向けて」に現れ、その結果として7月9日締結の「覚書」にも「あんさんぶる荻窪の最大施設である荻窪北児童館」のことが「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に向けての「覚書」であるのに全く出てこないという奇怪で不可解な「覚書事項」の記載となって現れているのです。そして、何よりも、その後、「三文オペラ」のドタバタ劇のように進んだこのかんの経過が裏書きしています。施設再編整備計画の第一次実施計画では三箇所の児童館が「モデル実施」として対象にされていたが、荻窪北児童館は第一次実施プランには入っていません。それがにわかに発表された。学校整備計画の優先順位に位置づけられてはおらず、第一次実施プランにも入っていなかった桃井第二小学校の改修が突然に急浮上し、しかも荻窪北児童館の学童クラブの移転のために「改修」ではなく「改築」(建替)を行う、という改定計画が発表された。策士が策に溺れた結果、こういう羽目に陥ったともいえます。


(5)児童館の存在と意義に対する田中区長のまったくの無知無理解

  しかし、これは区と田中区長が「覚書締結」を優先した政治判断の問題というより、児童館の存在、意義、内容を実際にはまったく知らず、その大きさについてもまったくわかっていなかった区と田中区長の根本的な無知無理解の問題です。「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換には、児童館について少しでもわかっていれば(いくらなんでも、ためらいやひっかかりというものが普通はあるものなのに)、田中区長の場合には、何のためらいもひっかかりもなくどんどん前のめりに進むことができたという田中区政そのものの問題です。(この田中区政の野心・動機ゆえの問題については、後述します。)
   あんさんぶる荻窪の2階には、児童館利用者総数・年間5万7675名、学童クラブ利用児童総数・年間1万4585名の荻窪北児童館があるということなど田中区長はもちろん知らなかったでしょう。行ったこともないでしょう。そこでの子どもたちや乳幼児親子の様子、利用者(親御さん)の安心と信頼、住民の交流、職員のがんばり・・・この一部でも見ていたら、あんさんぶる荻窪を税務署と交換するとか、児童館をなくすとか工事中の桃井第二小学校の仮設校舎に学童を移し、工事の間二年間そこで過ごさせてもかまわないなどという無責任でデタラメなことをできるはずがありません。

(6)二期目の田中区政で顕著に表面化してきていることとの関係、つながりで考えてみる

  「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題、「覚書」締結の経過と内容を見る場合、この問題が将来の杉並がどうなるか、私たち住民と地域がどうなるかに大きく関係する様々の動きと結び付いている点について、しっかり見まわす必要があります。見えてくるものがあります。順不同ですが、以下の点です。
   ① 「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換は、田中区政が一期の終盤で二期田中区政への目玉とするべく打ち出した「区立施設再編整備計画」の大きな柱です。荻窪北児童館にとどまらず、児童館全館が廃止、売却・転用・複合化・多機能化の対象になっています。「児童館は施設にとらわれることなく機能を小学校等に移転し継続する」とは「児童館をなくし、学童等は小学校等に放り込む」ということです。この手のことを区立の全施設に適用して、施設・事業をことごとく、スクラップ&ビルドしようとしています。「スクラップ&ビルド」とは施設の「建物」のスクラップ&ビルドとともに、「人(職員:労働者)」のスクラップ&ビルドとして行われます。職員を解雇し、民設民営で非正規職に置き換えます。区立施設の廃止・売却、民設民営は、福祉の崩壊、生活の破壊、安全の崩壊、地域の破壊・衰退に直結しています。田中区政による区立施設再編整備で確実に儲けるのは、それに伴う工事を受注するゼネコンであり、民営化・非正規化で儲ける民間企業と派遣会社です。
    「施設再編整備」と並んで田中区政のもとで「都市再生部」が発足し「街づくり」「再開発」が進められようとしています。
  荻窪駅西口のJR用地の買収によって再開発ビルが建てられようとしています。「街づくり」推進の発展協議会は、この西口再開発ビルから、あんさんぶる荻窪までの大型デッキが構築されると喧伝し、田町のようになると言っています。田町や立川のような駅周辺にわたりJR中央線をまたぐ巨大デッキが荻窪駅の場合に果たして構造設計上や工事計画上可能なのかどうかは別として、田中区長が「中野や吉祥寺のように荻窪駅中心の地域再開発」と今年度の区議会第一回定例会での所信表明で具体的に表明したことや常日頃から「荻窪南北分断の解消」を掲げていることも重要です。
   またこうした動きと関連して、JR中央線線路沿いの「補助131号線の使用形態(一方通行)の現状維持」を求めた区民意見に、「将来的に周辺交通状況に変化が生じた際には地域の方々の意見を聞きながら『相互通行』について検討する」と、これまで反対意見があまりにも大きく言及することも憚られてきた131号の「相互通行」への変更の可能性を回答していることも重要です。  
   あんさんぶる荻窪まで西北口側から大型デッキを構築するとか、131号相互通行とかがにわかに生々しい形で浮上しているのは、「あんさんぶる荻窪」に荻窪税務署が移転することを前提にして持ちあがっている話です。税務署への車両アクセスの必要性が発生し、それを機に「相互通行」、「双方向通行」となれば、必然的に「用途地域」の規制は緩和に向かう、そのことで高層ビル、大型ビルの建設も可能になる、こういうバブル再開発の計画として、実は、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換が仕掛けられたのではないかという疑念と不安が荻窪駅南口住民の間で広がっています。
   田中区長が「荻窪駅周辺の再開発」を「街づくり」「都市再生整備」のテーマに掲げていることと併せて考えると、これこそが荻窪税務署を「あんさんぶる荻窪」に“引っ張った”真の理由、動機ではないかと思えてなりません。「街づくり発展」を標榜する土地所有者の強欲や商機到来とばかり水面下で動く不動産、ゼネコン、利権集団の動きが本当に、このかん生々しく表に出てきています。誰のための「再開発」でしょう?これは地域破壊以外の何物でもありません。田中区長は、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換と荻窪駅周辺再開発・街づくりはまったく関係ないと問われるたびに強調しているようですが、疑念・疑惑はひろがるばかりではないでしょうか?火のないところに煙は立たないのです。
    この②の点と関係して、「荻窪税務署跡地への特別養護老人ホーム」はダミーだという見方も広まっています。というのは、国の担当者からも、「当初は、いま言っているような特別養護老人ホーム建設のことは全く言っていなかった。杉並区の街づくりのために、というのが交換を持ちこまれた時の理由だ」という話が出てきているからです。区が言う「特別養護老人ホーム建設」も民営でやると具体的に言明しており、それが高齢者住民にとっては高値で手が届かないものとなることは必至ですが、上記のバブル・利権目当ての本体である地域再開発の狙いをかくすために仕組まれたダミーだとすれば、これは「詐欺」以外の何物でもありません。
  
  その他にも、同種の動きはいっぱいあります。ここでお伝えしたかったのは、こうした動きの渦の中心、ヘソ、震源、引き金の位置に、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題があるということです。驚くくらい、全部つながっているのです。

  ●区が7月9日締結「覚書」で荻窪北児童館にまったく触れず、7月9日に向けた「覚書について」(5月21日)でも、予め、そのことを決めていたことは重大です。荻窪北児童館のことが焦点化すれば、「2018年度を目処に交換・所有権移転」というタイムリミットに間に合わないことが表面化し、国との「合意」が破談になる可能市があり、そうなれば「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換で田中区長がめざしている構想・野望・絵図そのものが吹っ飛びかねない。だから、そうしたのです。
  ●区が、いま、バタバタと桃井第二小学校の改築を決定し、新校舎工事中の仮設校舎に荻窪北児童館の学童クラブを「機能移転」し子どもたちを最低でも二年以上そこで過ごさせるという常識では到底考えられないことをやってでも、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換にこぎつけたいと躍起になっているのも、こうした田中区政の構想・野望・絵図の成否がかかっている、田中良区長の政治生命が懸っているからにほかなりません。
  ●区は、桃井第二小学校改築検討懇談会を設置し、改築基本コンセプトをそこで策定すると11月1日の説明会で明らかにしています。いま行われているのは、区による懇談会参加メンバーの人選です。田中区政の前記「荻窪再開発」に賛成する推進派だけで懇談会を組織しようとしているといわれています。そうしないと区が立てた行程表が崩れまさに「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換が頓挫しかねないからです。
  ●ここから見えてくるのは何でしょうか。「おかしいことはおかしい」と、私たちが、一連の問題に声をあげれば、荻窪北児童館問題=「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題も、児童館廃止・施設再編整備計画問題も、荻窪再開発・街づくり(地域破壊)問題も、私たちが田中区政が進めている流れを断ち切る、流れを変えることができるということです。まだ何も決まっていません。決めるのは区ではなく、私たちです。この問題には、杉並という地域で生き、働き、住まい、暮らし、子育てし、老後を過ごす私たちの将来が懸っています。

前回も合わせて大変長い記事になってしまい、恐縮しています。最後まで目を通していただきありがとうございました。
次回の特報・杉並版(地域・児童館版)(3)は、桃井第二小学校改築問題について予定しています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉並区が今年7月9日に国と締結していた「覚書」(「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換)の全文

2014年11月10日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
7月9日、杉並区(田中良区長)はどこでも決まっていない荻窪北児童館の廃止を前提に、あんさんぶる荻窪で最大の施設である児童館の問題を検討・協議事項から外して、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換」の覚書を国と締結していた!

   ・・・・特報★杉並版 わかりやすい具体的解説(2)
 
情報開示請求で存在と内容があきらかになった
7月9日の「覚書」の全文の転記・掲載による周知

              覚     書                             
 国  関東財務局(以下「甲」という。)、国  東京国税局(以下「乙」という。)及び杉並区(以下「丙」という。)は、第3条第1項各号に掲げる財産に係る交換について、次のとおり覚書を締結する。

(基本方針)
第1条 甲、乙及び丙は、第3条第1項各号に掲げる財産の交換契約締結に向け、互いに
協議し、協力することを確認する。
 2 第3条第1項第2号に掲げる「あんさんぶる荻窪」に移転する、乙の「荻窪税務署」の円滑な移転に向け、互いに協議し、協力することを確認する。
 3 第3条第1項第1号に掲げる財産のうち、丙が交換契約締結前に建設する施設の円滑な施工に向け、互いに協議し、協力することを確認する。

 (交換に向けた調査)
 第2条 丙は、本覚書の締結以降、甲及び乙が荻窪税務署の移転に係る必要な手続を行うため、「あんさんぶる荻窪」に関する調査(当該建物及び敷地への立ち入りを含む。)を行うことを了承し、協力する。
 2 甲及び乙は、本覚書の締結以降、丙が施設の建設に係る必要な手続を行うため、「荻窪税務署」及び「国家公務員宿舎跡地」に関する調査(当該建物及び敷地への立ち入りを含む。)を行うことを了承し、協力する。

 (交換予定物件)
 第3条 交換を予定する物件は、次のとおりとする。(詳細は別紙のとおり。)
 (1) 甲が交換を予定する物件(以下「渡財産」という。)
      名 称  「荻窪税務署」及び「国家公務員宿舎跡地」
      所在地  東京都杉並区天沼三丁目190番1  外)
 (2) 丙が交換を予定する物件(以下「受財産」という。)
      名 称  「あんさんぶる荻窪」
      所在地  東京都杉並区荻窪五丁目168番1  外
 2 交換契約締結時において渡財産と受財産の評価額の差額が見込まれる場合には、甲、乙及び丙が協議し、対応を決定するものとする。

 (交換契約の締結)
 第4条 本件の交換契約締結は、平成30年度を目途に行うものとし、交換契約締結日は甲丙協議のうえ決定するものとする。

 (所有権の移転)
 第5条 交換財産の所有権は、交換契約締結時にそれぞれ移転するものとする。

 (交換財産の貸付)
 第6条 甲は、渡財産のうち交換契約締結前に丙が施設を建設するために必要な範囲(以下「貸付財産」という。)について、この覚書締結後、別に定める日から所有権移転の日の前日までの間、丙に有償で貸し付けるものとする。
 この場合において、貸付財産の範囲は、別に甲、乙及び丙において協議のうえ定めるものとする。
 2 甲は、貸付財産において、丙が施設を建設するための土地の改変について許可するものとし、丙は建築工事の施工にあたっては、あらかじめ甲及び乙と協議するものとする。
 3 丙は、交換契約締結後に丙の所有となる荻窪税務署について、その機能があんさんぶる荻窪に移転するまでの間、乙に有償で貸し付けるものとする。
 この場合において、乙が借り受ける財産の範囲は、別に乙及び丙において協議のうえ定めるものとする。
 4 甲は、交換契約締結後に甲の所有となるあんさんぶる荻窪について、その機能が貸付財産に丙が建設する施設に移転するまでの間、丙に有償で貸し付けるものとする。

 (物件の引き渡し)
 第7条 渡財産の引渡しは、次のとおりとする。
  (1) 甲は、貸付財産を貸付期間の初日に丙に引き渡しするものとする。
  なお、渡財産上の「国家公務員宿舎跡地」の建物については、甲が平成27年度末までに解体するものとする。
  (2) 前号の貸付財産を除く土地及び「荻窪税務署」の建物については、荻窪税務署の機能が「あんさんぶる荻窪」に移転した後、現状で引き渡しするものとする。ただし、具体的な引渡条件について、乙及び丙により事前に協議を行うものとする。
 2 受財産については、あんさんぶる荻窪の機能が貸付財産に丙が建設する施設に移転した後、現状で引き渡しするものとする。ただし、具体的な引渡条件について、乙及び丙により事前に協議を行うものとする。

 (使用許可)
 第8条 乙は、受財産の「あんさんぶる荻窪」の地下1階に所在する荻窪南第二自転車駐車場について、引き続き丙が自転車駐車場として使用することを認め、有償により使用許可するものとする。
 なお、使用許可の範囲等は、乙及び丙で協議するものとする。
 2 丙は、前項の自転車駐車場以外に受財産の一部の使用許可を受けようとする場合には、あらかじめ乙と協議するものとする。

 (その他)
 第9条 本覚書に定めのない事項については、今後、甲、乙及び丙が協議して、その取り扱いを決定するものとする。
 2 本覚書事項の定めについて疑義が生じた場合又は本覚書事項により難い特段の事情が生じた場合には、その都度、甲、乙及び丙が協議して、その取り扱いを決定するものとする。

 この覚書締結の証として、本書3通を作成し、甲、乙、丙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

平成26年7月9日

 甲 (国  関東財務局)
        東京都文京区湯島4丁目6番15号
         関東財務局東京財務事務所長     鞆田 周一   印
 乙 (国  東京国税局)
         東京都千代田区大手町1-3-3
                    東京国税局長    藤田 利彦   印

 丙 (杉並区)
         杉並区阿佐谷南1-15-1
                       杉並区長    田中  良   印


別紙
第3条 交換を予定する財産は、次のとおりとする。
(1)甲が交換を予定する物件(以下「渡財産」という。)
      所在地                       区分   数量    
名 称  「荻窪税務署」 
      「天沼第二宿舎跡地」、「荻窪寮跡地」
  ①東京都杉並区天沼三丁目190-7        土地   3,149.42㎡
  ②東京都杉並区天沼三丁目190-1        土地   3,182.42㎡
                      土地合計            6,331.90㎡
  ③東京都杉並区天沼三丁目190-7        建物   2,061.96㎡

(2)乙が交換を予定する物件(以下「受財産」という。)
      所在地                       区分   数量    
名 称  「あんさんぶる荻窪」 
  ①東京都杉並区荻窪五丁目168-1        土地    897.94㎡
  ②東京都杉並区荻窪五丁目169-1        土地    874.21㎡
                      土地合計            1,771.45㎡
  ③東京都杉並区荻窪五丁目15番13号        建物   6,982.87㎡



「覚書」の解説、核心点の批判

「覚書」では、国(関東財務局及び東京国税局)と杉並区の三者の間で、この「覚書」が各条で掲げる事項の実施について「荻窪税務署」と「あんさんぶる荻窪」の交換契約の締結に向け協議し協力することを確認し、取り交わした三者の合意事項について三者が記名・押印して締結しています。「覚書」は、覚書事項の履行に関して三者に対する拘束力を「覚書」に持たせている約定書・契約書として作成され、三者によって合意され締結されています。

さて、これから解説とコメントに入るわけですが、こう思います。みなさんが感じている「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換はどう考えてもおかしい。」、「しかし、あまりにも見えないことが多すぎ、知られてもいない。区の広報を見ても決まったことのように書かれているだけで何がどうなっているのか、どうなっていくのかわからない。」「本当のこと、本当のところを知りたい。」・・・この問題意識が一番大事だと思います。それに対する答えを与えてくれる具体的な手がかりとなっているのが、この「覚書」という“密約”の存在とその内容だと考えています。
ここで、あえて“密約”という言い方をしているのは、7月9日に区と国が「覚書」を作成・締結する時点では、私たち住民に積極的に公表しようとは区は考えていなかった、できればまだ伏せておきたいと思っていた、隠しておこうと思っていたという意味で、この「覚書」はやっぱり、“密約”というのがふさわしいと思うからにほかなりません。

(1)あんさんぶる荻窪の児童館のことがこの「覚書」には書かれていない!

今回の記事では、のっけから、いかにも難解そうな全文をそのまま紹介しました。けれども、「覚書」に書かれていることを逐条的に、その字義を解説しても、解説する側も解説される側もいまひとつピンと来ない。これは何なんだ?!  「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換をめぐるこの根本的な疑問、この一点に向けた解説、周知こそが必要です。 それは、書かれている字句や字義で、この「覚書」を追うのではなく、この「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題で私たちが一番疑問や不安、関心を持っている具体的な問題、あんさんぶる荻窪に現にある具体的な施設の問題から、この「覚書」を眺めたときに、《解》は直ちに得ることができます。
  この「覚書」にはあんさんぶる荻窪にある最大の施設である荻窪北児童館のことが書かれていない!この「覚書」をごらんになった方、とりわけ、あんさんぶる荻窪やそこにある児童館を利用している方々、そこを職場に仕事をしている職員の方々、あんさんぶる荻窪、荻窪北児童館は地域にとって欠かせない、そういう居場所、交流の場所だと実感している地域の住民の皆さんは、このことに気づく、このことがわかるはずです。「覚書」に書いてあることより、「覚書」に書かれてはいないこと、触れられていないことのほうに、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に関する本当のこと(核心点)がある のです。

(2)とはいえ、解説なので、「覚書」にはどんなことが書かれているか、一通り確認

何が書かれているか?「覚書」に書いてあるのは、
▲2018年度(平成30年度)を目途に、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」を区と国が交換する契約を締結し、所有権を移転する。それに向けて区と国は互いに協議し協力する。(第4条、第5条、第1条の第1項・第2項) また区がこの交換契約締結前に国の「公務員宿舎跡地」に」建設する施設の施工に向けて、区と国は互いに協議し協力する。(第1条第3項)
▲この交換契約締結後で現在の施設で残るのは、あんさんぶる荻窪地下一階の一定のスペースで有償で国の使用許可を得て区が借り受けて使用する荻窪南第二自転車駐車場だけで、この自転車駐車場を除いて現在の「あんさんぶる荻窪」はすべてそこに移転した荻窪税務署が専有し使用する。現在の「あんさんぶる荻窪」は自転車駐車場を除いて、まるごと荻窪税務署となるということ。(第4条、第5条、第7条第2項、第8条)
▲この「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換契約締結、所有権移転に向けて、それに先だって以下のことが行われる。
①2015年度(平成27年度)末(2016年3月)までに現在の「国家公務員宿舎跡地」(「天沼第2宿舎跡地」「荻窪寮跡地」)にある建物は、国が解体する。(第7条第1項(1)後段)
②この①の完了後に、区はそこで国から有償で借り受けた貸付財産における土地改変と新庁舎建設の建築工事を行う。(第7条第1項(1)前段、第6条第1項・第2項)
③新庁舎建設完了後、現在の「あんさんぶる荻窪」から、新庁舎に移転する各施設は、交換契約締結・所有権移転日の前日までに新庁舎に移転する。この新庁舎に各施設が移転するまでの間、各施設は現在のあんさんぶる荻窪を国から借り受けた貸付財産として有償で使用することになる。(第7条第1項(1)前段、第6条第4項)
④あんさんぶる荻窪から、荻窪南第二自転車駐車場を除くすべての施設が、交換契約締結日(所有権移転日)の前日までに移転した後、荻窪税務署が現在の「荻窪税務署」から移転し、現状引き渡しで「あんさんぶる荻窪」に入る。(第7条第2項)
⑤自転車駐車場以外で現在の「あんさんぶる荻窪」の一部の使用許可を区が受けようとする場合は予め荻窪税務署と協議せねばならない。(第8条)【※但し、区は11月1日説明会で、「桃井第二小学校の改築工事で新校舎が完成するまでの間、児童館の継続使用を認めてほしい」との質問に対して「荻窪税務署としての改修工事も行われることであり、児童館の継続使用はあり得ない」と答えている。この質疑からして、荻窪税務署に対して区は「予め使用許可を受けるべく協議を求める」という考えはまったく持っていない。】
▲「覚書に定めがない事項」、「覚書事項に疑義が生じた場合」「覚書事項には拠ることができない事項が生じた場合」における取り扱いについての国と区との協議(第9条)

「覚書」に書かれているのは、この程度のことです。


  なお、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換契約の締結に向けての「覚書」であるから、交換後のこと、具体的には荻窪税務署が「あんさんぶる荻窪」に移転を完了し、所有権が移転・交換してから行われること、具体的には区が計画として公表している荻窪税務署の解体後の跡地に「特別養護老人ホーム」を建設することは、この「覚書」には当然書かれていません。区が交換後に荻窪税務署ならびにその跡地に特別養護老人ホームをつくろうとつくるまいと、交換契約締結・所有権移転の対象外の事項であるから、国には、あずかり知らないことだからです。
  横道にそれるように感じる方もいるかもしれませんが、この点に関連して、見過せないのは、この7月9日の「覚書」締結に向けて、「覚書について」と題する5月21日付けの準備文書が存在し、そこでは「1  覚書の内容について」で「⑤区は荻窪税務署解体後の跡地に特別養護老人ホーム等を整備する。」と書かれていることです。「覚書」では前記の通り「特別養護老人ホーム」のことは書かれていません。区は、「特別養護老人ホーム」を「覚書事項」に盛り込んでおきたかったが、国が「覚書事項」の範囲外・対象外として、区が「特別養護老人ホーム」を「覚書」へもぐりこませることを認めなかったという経過を窺わせるものです。
  後で詳細に見ていきますが、区は、交換契約締結前には解決しておかねばならない問題でありながら、児童館の職員からも利用者・住民からも反発・反対の声があり、区として「廃止し機能を移転する」予定の荻窪北児童館の移転先と目算している桃井第二小学校についても学校側の受け入れもその環境整備もまだ手つかず、桃井第二小学校側への根回しもほとんどできていない段階で、不用意に荻窪北児童館とその移転の問題を、国との「覚書」に際して検討・協議すべき事項として議論になるのは得策ではないと判断した。だから、前掲の5月21日付け「覚書について」の文書でも、荻窪北児童館のことは「覚書の内容」から外しています。それで何も問題は生じない、どうせ、廃止するのだし、交換契約締結まではまだ時間もあるのだから反発や反対議論についても移転先・桃井第二小学校に受け入れさせるための根回しについても、どうにでもなると、タカをくくって、この問題を非常に軽くみていたに相違ありません。
  最初に「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」の交換契約締結の目的ありきで、こういうことを自分の都合で平気で行うことができるというのが今の区です。そういう区が「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換を議会と住民に認めさせるための「決め手」理由として一方的にこれまで発表している「税務署跡地への特別養護老人ホームの建設」を、交換契約締結の範囲外・対象外であるにもかかわらず、自分の都合で「覚書」に潜り込ませようとしていたのです。ここに浮き彫りになっているように、「目的のためには何でもあり」、「自分(区)にとって都合がいいように何をやってもいい」というのが区の考え方であるという点については、「覚書」をみる場合にも、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に向けた今後の区の動きをみる場合にも、注意しなければならない、重要な確認点ではないかと思います。


(3)「荻窪北児童館のことが書かれていない」とは?「覚書」に則して、この点をみると・・・ 
 
  「覚書」では、前掲の通り、第7条第2項で「受財産については、あんさんぶる荻窪の機能が貸付財産に丙が建設する施設に移転した後、現状で引き渡しするものとする。」と書いてあります。
  ★7月9日の「覚書」に向けて作成された5月21日の「覚書について」では・・・・
  前記引用の5月21日の「覚書について」では「③区は『あんさんぶる荻窪』の機能を庁舎棟に移転し、施設を国に引き渡す」と、より単刀直入に書いています。(庁舎棟:「国家公務員宿舎」の建物を国が解体した後に、区が建設する新庁舎のこと。国に引き渡す施設:「あんさんぶる荻窪」のこと。)この「覚書について」では「2 覚書締結の時期」として「平成26年7月を目途とする。」と書いています。

  「覚書」も「覚書について」も、見てお分かりのように、「あんさんぶる荻窪」は国にまるごと引き渡されるのであり、そこにある施設・機能は移転して、(荻窪南第二自転車駐車場以外は)全部なくなるのです。
  なお、5月21日の「覚書について」では「『あんさんぶる荻窪』の機能を庁舎棟に移転し」と書かれていますから、「覚書」の前記の第7条第2項も、区の荻窪北児童館の廃止、機能の移転」について知らない人で、この「覚書」を読んで、荻窪北児童館も天沼3丁目の新庁舎に移転すると思っている方がたくさんいても不思議はありません。
  ところが、区は「児童館は廃止」(※注・・・直接「廃止」と当初言い、大反対の抗議が起きてから「廃止」の文言を引っ込め、「児童館はなくなるわけではありません。事業、機能は継承され充実する」と言い変え、今では「児童館の施設にとらわれることなく、機能を移転し、機能は存続・継承・拡充」と言い変えようと、これらはすべて「児童館の廃止」で何ら変わりありません。)と言い、「学童クラブと放課後居場所事業は小学校に移転」、「ゆうキッズ(乳幼児親子居場所事業)は保健センターに移転」と、再編整備計画、実施計画で言っています。そして、「荻窪北児童館については学童クラブは桃井第二小学校に、ゆうキッズは保健所に移転」と具体的に考えています。
  7月9日の「覚書」締結後のことですが、区から2014年7月に説明用資料として出された「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地交換までの手順」と題するイメージ図があります。それによれば、「あんさんぶる荻窪の機能等を新庁舎等へ移転」とタイトルがついたイメージ図では、あんさんぶる荻窪から、◆福祉事業所、◆社会福祉協議会、◆成年後見センター、◆消費者センター、◆就労支援センターが新庁舎移転となっています。荻窪北児童館は桃井第二小学校と保健所に機能移転となっています。自転車駐車場と防災倉庫があんさんぶる荻窪に存続となっています。
 (この就労支援センターは阿佐谷の杉並産業商工会館から施設再編整備計画であんさんぶる荻窪に移転してきたものがさらに天沼三丁目の新庁舎に移転ですから、区の都合でまるで「たらいまわし」同然でこれも酷い話ですが)、ここに明らかなように、「覚書」で「あんさんぶる荻窪」から「荻窪税務署の公務員宿舎跡地に新設される新庁舎に移転するのは、前掲の5施設(◆印)のことです。「あんさんぶる荻窪」に存続するのは自転車駐車場と防災倉庫です。「あんさんぶる荻窪」の最大施設である荻窪北児童館については、7月9日締結の「覚書」にも、それに向けて準備された5月21日の「覚書について」でもまったく触れられてはいない、ということです。

  これが、「覚書」には荻窪北児童館のことが書かれていない ということです。これは誰がみても誰が考えても絶対におかしい。もし「書いてある」と区が説明し強弁するのであれば、それは「平成30年度を目途に交換契約を締結し、その締結日に所有権が移転する」という箇所だけです。荻窪北児童館については、「あんさんぶる荻窪2階」を国に引き渡して、所有権移転の前日までに出ていけ、ということしか書かれていないのです。

  新庁舎に移転する施設については、移転先が明示に明記され、移転するまでの間のあんさんぶる荻窪の使用が明記されているのに、荻窪北児童館については移転先のことも、移転先に移転できる条件・環境が整備され移転するまでの間、あんさんぶる荻窪を使用することに関することもまったく書かれていないのです

 


このまま記事を、今回記事として続けると大変長い記事になってしまうので、いったん、ここで切り、この続きは別記事とします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いま杉並の児童館が危ない!あんさんぶる⇔荻窪税務署交換で! 7・9『覚書』で何が合意されたか?

2014年11月09日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
区が住民と地域にわからないように進めている「あんさんぶる荻窪」⇔「荻窪税務署」の交換と施設再編整備。児童館廃止が前提、私たちを無視・除外したとんでもない“密約”(「覚書」)があった!
 
特報★杉並版(地域・児童館) わかりやすい具体的解説(1)  
 さっそくですが今回から始めます。相当長いですが、お付き合いいただくこと、どうかご容赦ください。

【1】 何がいま問題になっているのか?
 今年(2014年)7月9日、国と杉並区の間で、あんさんぶる荻窪にある最大の施設である荻窪北児童館の問題に蓋をして、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換契約に係る「覚書」は取り交わされていました。「覚書」の情報開示請求と開示によって、私たちの知らないところで、荻窪北児童館の廃止を前提に、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換が合意されていること、その詳細がわかりました。


 ★ 先日(11月1日)の旧若杉小学校体育館で開かれた区の住民説明会で、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換のためには、たとえあんさんぶる荻窪にあり評価が高い児童館であろうと、その荻窪北児童館を、小学校の改築・建て替え計画の急改定によって桃井第二小学校に、それも新校舎完成後ではなく、新校舎建設工事中の仮設校舎に移転し子どもたちをその仮設校舎で二年間も過ごさせるというのが、区の計画と方針であることを知りました。
  荻窪北児童館は、平成25年度(2013年度)の統計によれば、児童館総利用者数は年間5万7675名、学童クラブ利用児童数は年間1万4785名を数え、区内最大の児童館です。職員の皆さんと住民・地域の協力で、児童館を中心に地域福祉拠点、地域コミュニティ拠点として育て築いてきた「あんさんぶる荻窪」。にもかかわらず、なぜ今回の交換でその中心・柱であり、利用者と住民・地域に喜ばれ、子どもたちの遊び場・居場所、多世代の交流の場となっている荻窪北児童館をなくそうとするのか?区の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換の結論ありきの頑なな強行姿勢、何ゆえにそのような計画・方針に固執するのか、その理由も示さないことに、私たちは危機感をおさえることができなくなりました。

 ★ その不安と危機感の中で、この「覚書」の存在と内容を知りました。これは地域・職場のみんなで知り、共有すべき!―やはり、ぜひとも周知すべきであると思いました。「覚書」を読み、難しくわかりにくい用語で「覚書」に書いてあるその具体的内容・意味が理解できたとき、ハッキリ見えてきたものがあります。

 ★ 結論から申し上げれば、前記の11月1日の説明会でなぜ区は「結論ありき」の頑なな姿勢を区がとり続けているのか、その理由も「覚書」でわかりました。区は「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換の計画と方針に関しては、当初からずっと一貫して、あんさんぶる荻窪にある児童館の問題は軽視・看過し、無視し、きりすて、放置し忘却していた。それで済む、それで片付く、どうせ施設として廃止するのだから、とタカをくくっていたに相違ありません。そのことが「覚書」を通してハッキリしました。
  では、このかんの経過―唐突に、11月1日の桃井第二小学校改築工事の説明会を告知し、区がその説明会の場で説明した桃井第二小学校改築とそこへの児童館の移転は、児童館の問題に対して区が認識を新たにし重視する姿勢に変ったからでしょうか?違います。この児童館問題を何とかしないと、区が田中区政・二期目の最大課題として実現すべき「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換そのものが頓挫しかねない、区としては何としてもそれを回避したい、そのために、これまでここ数年間の学校の再編整備計画にも入っていなかった桃井第二小学校の改築を急きょトップダウンで決定し、荻窪北児童館の移転先として建替を進めようとしているだけです。荻窪北児童館の意義や役割、その大きさを区があらためて理解し直したから当初の計画・方針が変わったのではないのです。
  区が認識を改め姿勢を変えたのであれば、校庭もなく、粉じん・騒音・震動、重機作業、搬出入車両の頻回な出入りの工事現場のまっただ中にある、それも仮設校舎で二年間も子どもたちを過ごさせるという常識では考えられない計画・方針を住民説明会で平気で説明できるはずがありません。児童館の子どもたち、その保護者(利用者)、住民、地域のことなどまったく眼中になく、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換をすべてに優先して進めるという、この区の姿勢・考え方は、当初から一貫しており、今も何ら変わっていないということです。

 ★ このまま手をこまねいて、区の計画・方針で進めさせていいわけがありません。何とかしなければなりません。区は、住民と有識者を交えた桃井第二小学校改築に関する懇談会で改築コンセプトを策定していくと言っています。しかし、違うのではないでしょうか?荻窪北児童館の移転先としての「桃井第二小学校改築」を既定の前提にすることはできません。たとえ7月9日の「覚書」で「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換が、国と区の間で「合意」されていたとしても、区と住民の間での合意などまったく行われていないからです。
  田中区長は昨年(2013年)11月19日の杉並区議会全員協議会で、麻生財務相と区長で「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換は「最終合意」したと報告しています。
「・・・・・・当初は11月初旬の公表、説明を予定しておりましたが、先日マスコミ報道がありましたとおり、この間、国との財産交換の協議が進行しており、去る11月13日に私が麻生財務大臣とお会いして最終合意に至ったため、公表、説明がこの時期にずれ込んだという経緯がございます。」(全員協議会記録 http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/kaigiroku/zenkyou/zenkyou251119.pdf)。
 これはマスコミにも流し、広報すぎなみにもそのことを掲載させていますが、これが「既定」だとか、「合意」の「周知」などと言えないのは当たり前です。「最終合意」って何ですか?「最終合意」というとあたかも「全部決まった」かのように聞こえ、またそういうアナウンス効果を狙って区長も意図的に「最終合意」と発表したのでしょうが、単に田中区長が麻生財務相に繰り返し執拗に懇願し頼みこんでやっと「合意」こぎつけた、それをこれまで説明もせず意見を聞いても来なかった議会や住民に対して、「決まった」と一方的に「報告」し、宣伝しているだけの話です。
 人の口には戸は立てられません。区役所庁舎であろうと、地域であろうと、どこであろうとそこで行われたことで区にとって都合が悪いことであればなおさらでしょう。事実というものはその事実が現にあった以上は、たとえ誰にも伝わらないだろうと関係者が思っていても、いずれは表面化するものです。以下に明らかにすることも決して些細な出来事に関する単なる風評として無視して片づけることはできないものです。
 11月1日の説明会の場では、今年7月に七町会から「桃井第二小学校の早期改築を求める要望書」が区長にたいして提出されたので、区として桃井第二小学校改築を決定し計画を改定したと、あたかも区と七町会の合意の上で計画を改定したかのように区は報告しています。しかし、広く漏れ伝わっている事実というのはそんなものではないようです。要望書の内容に関する七町会長の事前の協議・合意もないのに、既に出来上がっていて町会長記名(署名)まで印刷されている、後は捺印するだけの「要望書」に対して、区長の前で既に捺印されている筆頭者以外の6人の町会長全員に否や応やもない、問答無用、有無を言わせず捺印させたというのが実際あったことだと言われています。あらかじめ印刷され筆頭者の捺印が既にあり、他の6人の町会長が捺印するだけだったと言われているその「要望書」なるものについては区が作成した自作自演だという話まで出ておりその疑いも十分に推測される、そのあたりが実際のところでしょう。そもそも仮に七町会長と区との「合意」があったとしても、また町会長の町会への影響力が大きかったとしても、町会長と町会、町会と住民はイコールではありません。「要望書」と区の「桃井第二学校改築」決定(計画改定)をめぐる事実経過がこのようなものである以上、なおのこと、こんなものは区の「桃井第二小学校改築」の「決定」を正当化するものには到底なりません。
  また、今年8月には、田中区長は区議会与党、自民党・民主党・公明党の会派幹事長クラスと桃井第二小学校改築・児童館移転、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換は区の既定方針通り推進ということで合意したとのことですが、それが計画・方針のゴーサインになっていいはずがありません。通常使われている政治用語で言えば、区長が与党会派に根回ししたというだけの話です。

 ★ このような裏話の事実をめぐるああだこうだの議論以上に、私たちにとって大事で、ここで明らかにしなければならないのは次の問題です。何よりも、「桃井第二小学校改築」問題の前提には「(あんさんぶる荻窪にある)荻窪北児童館の桃井第二小学校移転」問題があり、その前提には「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題があるということです。この一切の大本であり、入口にある「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題については、しかも、住民に対する説明会はいまだ一度も行われていないのです。私たちを抜きにしてこんなに重大な問題が、すべて「既定の計画・方針」であるかのように既成事実化されていくことには到底納得できません。まして児童館の職員はじめあんさんぶる荻窪で働いている人々、児童館はじめあんさんぶる荻窪の利用者は、みんな、あんさんぶる荻窪がなくなり、荻窪北児童館がなくなることに対して、存続を願い、訴えている以上なおさらです。

【2】 あんさんぶる荻窪の児童館に関する周知と7・9「覚書」の内容の周知が必要です! 


  私たちにとって、いま、一番必要なことは、児童館、荻窪北児童館をなくしていいのか、なくなってもいいのか、という問題、荻窪北児童館の存在、意義、役割、その大きさについて、抽象的にではなく、具体的に地域、区内に周知し、話し合うことであり、実際に進められている区の計画・方針について、区は児童館をどうしようとしているのかをハッキリさせ、私たちの態度を明確にすることではないでしょうか。
  区が言う「児童館という施設にとらわれることなく機能を充実させ発展させていく」とか「児童館は施設としては廃止されるが、その機能は小学校に移転して継承され充実をはかる」などという言葉をもてあそぶ詭弁に等しい抽象的なコトバによる説明に対して、ああだこうだの解釈議論を行うことではなく、具体的に現実を知ることです。
皆さんに知っていただきたい「覚書」、そこに書かれていることは、区が児童館をどう考えているか、それがわかる重要な判断の手掛かりになります。
  そういう「覚書」だからこそ、「あんさんぶる荻窪」⇔「荻窪税務署」交換契約の基本方針合意書、素案に当たるものとして、本来なら区の側から住民に対して積極的に発表し周知をはかり理解を得る努力を払うべきものでありながら、そうしないで、伏せられてきたのではないでしょうか。区は、計画の意図、全貌と核心を隠して進めて来た、区にとってはそうする必要があったということです。

  そのために、ここでは、まず、① あんさんぶる荻窪にある荻窪北児童館について周知する、紹介することから始めます。② そのうえで「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に関する区と国が締結したこの7・9「覚書」で、あんさんぶる荻窪二階の荻窪北児童館はどのように位置づけられているか(どれほど無視され切り捨てられ、位置づけられていないか)を具体的に検証しながら一緒に考えてみたいと思います。
「覚書」は、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換契約に係る基本方針の合意・契約文書の形式で締結されている確認書ですが、具体的に現にあんさんぶる荻窪の中にある荻窪北児童館をはじめとした個別の施設がどうなるかという問題、区が施設をどうしようとしているかという問題として整理するとハッキリします。

【 次回の特報★杉並(地域・児童館)版の「わかりやすい解説(2)」では、2014年7月9日付けのこの「覚書」の全文をそのまま転記して掲載し、その骨子の解説も添えて皆さんとともに考えてみたいと思います。今回の「わかりやすい解説(1)」では、最大の問題となっているあんさんぶる荻窪の児童館(荻窪北児童館)について周知をはかりたいと思います。】


【3】あんさんぶる荻窪には、児童館利用者総数・年間5万7675名、学童クラブ利用児童総数・年間1万4585名の荻窪北児童館があるということをあなたはご存知ですか?
                 
  区の公式ホームページの施設コーナーに載っている、このあんさんぶる荻窪の写真は夜間にとったものらしく紹介には、何となくスッキリしませんが、前掲した日中の写真でや地図、これからお伝えすることで、あんさんぶる荻窪やその二階にある荻窪北児童館について知らない方は、イメージを持ってください。
 JR荻窪駅西南口徒歩3分、地下鉄丸ノ内線荻窪駅西口徒歩3分、荻窪駅南口バス停徒歩4分という交通に便利な位置にあります。

  杉並は全国の学童保育でも最も熱心で先端モデルといわれるくらい、児童館は地域に根ざして施設の質量、内容でぬきんでた評価を受けていますから、区内の他の児童館関係者にもあんさんぶるの荻窪北児童館のことはよく知られているはずですが、それでも、地域の施設であり、とりわけ荻窪北児童館はあんさんぶる荻窪の建物の中にある施設ということもあって、荻窪5丁目や桃井第二小学校、当該地元地域や利用者以外には、意外と知らない方の方が多いのではないかと思います。ここでは、当該利用者や地元地域以外の区内の方や区外・全国の人々にも今回起きている「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題、荻窪北児童館の存続・廃止問題、荻窪北児童館の桃井第二小学校への移転問題について考えていただくために、できるだけ具体的にお伝えしたいと思います。

  ● あんさんぶる荻窪の二階に、今回最大の焦点になっている荻窪北児童館があります。一階には福祉事務所、三階には消費者センター、四階には環境情報館、五階には社会福祉協議会、成年後見センター、ボランティア・地域福祉事業支援センターの各施設・事務所があるほか、集会室・図工室・教室・遊戯室(体育室・レクリエーション室)、情報コーナーが配されている多目的複合施設ビルです。地下一階が荻窪南第二自転車駐車場、地下二階が管理者用駐車場となっており、ビル最上部は、屋上庭園と外階段のスロープが備わっています。このあんさんぶる荻窪については、計画段階から住民参加の建設が重視され、建物・設備のデザイン・意匠・配置にも施設を利用する利用者、地域の意向と希望が反映した形でつくられ、そこで働く職員や各施設の利用者、計画段階から住民意見を提出してきた人々は、「全国ピカ一」と言っています。

  ● 特に重要な点は、荻窪北児童館を中心に据えていることから、子どもたちと保護者の安全・安心と子どもたちの居場所・遊び場のスペース確保に最大のウエイトを傾けたつくりかたと建物構造・配置の使い方に心を砕いていることです。この地域は西は環状8号線、北はJR線沿いの一方通行の道路規制がされているとはいえバス、車の通行で混雑する駅前道路に面しており、近くには幼い子どもたちが安全に行き来して遊べる公園はありません。近くに公園等の遊び場がないこの地域の特殊性をあんさんぶる荻窪内の体育室と屋上庭園、二階から屋上まで外階段で行けるスロープにすることでカバーして、子どもたちの遊び場やイベントも体育室と屋上を使って解決してきたこと、そのように、児童館と利用者と地域が連携して創意と工夫を凝らして子どもたちの遊び場問題を解決してきたことは非常に大きいと思います。

(児童館の見取り図)

(体育室)

(あんさんぶる荻窪・屋上庭園)

(あんさんぶる荻窪、2階から屋上への外階段のスロープ、横にはベンチ、夏には横にビニールプールが置かれ、格好の子どもの水遊びの場になっています。)
 4階のすぎなみ環境情報館のビオトープは、池を中心に屋上や壁面などのみどりと合せて様々な生き物が生息できる空間をつくりました。

(環境情報館のビオトープは、池を中心に屋上や壁面などのみどりと合せて様々な生き物が生息できる空間をつくって、生物やその幼虫、水生植物が観察でき子どもの自然学習の場になっています。)
 
 体育館や遊戯室は子どもたちがのびのび思いっきり遊べる遊び場とともに地域の行事や若者の交流の場としても有効に活用されてきました。


(中高生企画によるイベント)
 
 ● 職員の皆さんと利用者(保護者)や地域住民の協力と意見交換をベースにした運営の工夫、たえざる改善には、正月を除きほとんど無休という点も含めて、とても大きな熱意と努力が払われてきたことと思います。

  それは児童館で過ごす子どもたちの楽しさいっぱい、元気いっぱいの溌剌とした様子、親御さんの安堵・安心感をみればだれにもよくわかります。

(エントランスホール。おやつの場所やボードゲームの遊び場にもなります。)
  それだけではありません。貧困で食事もままならない小中学生に対しては5階で無料の弁当サービスがボランティア団体の方々によって行われ、塾に通う余裕がない家庭にはボランティアで無料学習塾が持たれています。駅前の塾に通う子どもたちは、学校帰りに児童館で時間を調整しています。児童館にあるゆうキッズ(乳幼児親子居場所事業)は午前中のプログラムを終えた後、弁当を児童館や屋上庭園やスロープベンチで親子でひろげ、児童館は親子の憩いの場と親子同士の相互交流の場所となっています。

(ゆうキッズ)

(乳幼児図書室)
  駅から至近であることから障害のあるお子さんたちも通うことができています。

 これらの営々たる取り組みとその集積、その結果が、児童館年間利用者総数5万7675名、学童クラブ年間利用児童数1万4585名(いずれも2013年度統計)という数字、区内最大の児童館となっているのです。
 またこのような児童館の存在、子どもたちの充実、保護者の信頼、親子相互の交流、地域の協力、すべてを担いきっている職員のがんばりと誇りの中でつくられてきた気風ともいうべきものが、あんさんぶる荻窪にある各施設や集会室等を気軽に利用できるものとし、たくさんの区民の集い交流する福祉拠点、地域コミュニティ拠点として、あんさんぶる荻窪全体をつくりだしてきたのです。

  ● 区長はじめ、区経営の中枢にいて「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換を推進している人々は、コトバでは「子どもの未来」「子どもの将来」「明日への希望」「子育て支援」「地域コミュニティ」ということをさかんに多用します。
  しかし、一度でも、いまここで記したような児童館で行われていること、そこでの子どもたちの様子、親御さんの安心、地域の交流、その場面に居合わせたことがあるでしょうか?そういう実際の児童館の現場、あんさんぶる荻窪の地域コミュニティ空間を覗いてみたことが一度でもあるでしょうか?それを懸命に支え、てんてこ舞いの忙しさの中でも笑顔を忘れず、子どもたちの自由で健やかな成長を手伝い、責任を持って頑張っている職員のみなさんの姿に一度でも接したことがあるでしょうか?この児童館に子どもを通わせている親御さんや親子でゆうキッズに通っている親御さんの、確かな「居場所」に対する安心感や信頼の大きさに一度でもむきあったことがあるでしょうか?
  ● この児童館とあんさんぶる荻窪を2018年度には廃止し、ゆうキッズについては保健所に移し、学童クラブと放課後居場所については、桃井第二小学校に「機能移転」すると称していることが、何なのか、どうなるのか、ぜひ皆さん、想像してみて下さい。ここでいま紹介した児童館とあんさんぶる荻窪がまるごとなくなってしまうのです。
  「児童館はなくなるわけではない。その役割も機能も継承し、拡充する」「児童館という施設にとらわれることなく、機能を充実させ発展する」というのが区の説明です。
  荻窪北児童館の実際の姿、あんさんぶる荻窪の実際の姿と、このように説明している区があんさんぶる荻窪を廃止し、荻窪北児童館を桃井第二小学校に移転し、それも改築工事中の二年間、仮設校舎に移転するとしている、そこで直面する慄然とするような現実の姿を思い浮かべ、見比べて下さい。子どもたちのことを考えても見てください。このまま区の進めるままに手をこまねいていたら、その慄然たる現実は、想像ではなく本当に現実になってしまうのです。あんさんぶる荻窪・荻窪北児童館がなくなったときには、それからではもう取り返しがつかないのです。しかし、条例にもなっていない、どんなに「覚書」で国と区は合意したと言っても、まだ何も具体的には詰められていない今なら、まだ間にあいます。本当のことを知り、伝えあい、いま進められていることを何とかできるとすれば、流行りの若者の言葉でいえば、まさに「今でしょ!」、今なのです。これは私たち大人の責任です。

 7月9日の「覚書」はこの慄然とするあんさんぶる荻窪廃止、荻窪北児童館廃止を取り決めた合意締結書にほかなりません。「覚書」は、直接具体的に「荻窪北児童館」を名指した記載こそしていないが、2018年(平成30年)3月までに荻窪北児童館はいまのあんさんぶる荻窪から出ていかねばならない、子どもの居場所としての施設である児童館はなくなる、ということを田中良杉並区長と国の関東財務局長、東京国税局長の署名・捺印の合意締結文書として、確認しているのです。



特報・杉並版(地域・児童館版)の次回(2)ではこの「覚書」全文を紹介し、解説します
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11・2全国労働者集会に5700名 - 国際連帯、労働者の団結で戦争絶対阻止、安倍政権たおそう

2014年11月03日 | 安倍政権批判-原発・改憲・戦争・貧困
 戦争と民営化の安倍政権をたおそう!  
―世界の労働者人民と連帯する日本の労働者階級の歴史的責務

  7月1日の集団的自衛権行使容認・閣議決定を転換点として私たち労働者と全人民にとって巨大な歴史選択の時代が始まっています。戦争する国に突き進むアべ第二次改造政権は、アベノミクスの破たんと二閣僚の辞任、それににとどまらぬ「政治とカネ」・スキャンダルの相次ぐ発覚で断崖絶壁で瓦解が急速に劇的展開を遂げ、アベたおせは、いまや天の声、地の声になっています。
 アベ政権は、最末期のあがきとして、モルヒネ漬け頼みに過ぎない量的金融緩和でデフレ崩落と国家の破滅の危機を欺罔し、すべての犠牲を私たち労働者と国民に暴力的に転嫁すること、その強行に躍起となっています。いま現に、食っていけない、生きていけない労働者の生きさせろの命の叫びを踏みにじって、労働者派遣法無制限大改悪による生涯派遣、生涯非正規を臨時国会で成立させようとしており、ないところから血が流れてもむしりとる大増税を強行しようとしています。

(上は、19月31日日銀黒田総裁「追加量的金融緩和」記者会見)

(上は、臨時国会で政府が強行しようとしている労働者派遣法改悪の概要)

そして、アベとトップラインで結びつく財界・葛西(国鉄分割・民営化強行の元凶、3・11福島原発事故後に大飯原発再稼働の強行の財界意思の表明者、2020年東京オリンピック後の最大の国策としてリニア新幹線強行を推進している張本人)がウソぶく「戦争が起きれば景気は回復」の意思を体して、東アジアはじめ世界中で戦争をする日米新安保ガイドライン締結、世界中への武器輸出に突き進んでいます。この腐りきり、許しがたいアベ政治を何が何でも断ち切りましょう。このアベの改憲・戦争政治との闘いは国(国家)との闘いそのものです。アベをたおす力、この国を牛耳る資本家政府にとって代わる力は、私たち労働者の団結にあります。戦争を止め、平和をたたかいとるのは労働者階級の責務、1%にも満たない資本家による搾取と収奪、そのもたらしている99%の人民の際限なき貧困をたちきるのは、社会を動かす主人公としての労働者の団結、労働組合の力です。

         (律動:Fundraising/KCTU’s Dance Troupe)

 私たち労働者は、
 ●今こそ闘う労働組合を全国の職場に!
 ●国鉄1047名解雇撤回!
 ●JR外注化粉砕・非正規職撤廃!
 ●戦争と民営化の安倍政権をたおせ!
 ●福島の怒りを先頭に全原発廃炉へ!
を掲げて、全国と世界の職場、地域から、11月2日、日比谷野外音楽堂の全国労働者集会に参加し、全人民の未来を開く労働者自己解放・全人間解放の決意と誓いを交わしました。この事業に終わりはありません。闘いは11月2日をもってはじまったのです。


(10・1外注化反対ストライキをうちぬいた国鉄千葉動力車労働組合の田中康宏さん)

(9・11郡山車両センター包囲の先頭に立った国労郡山工場支部の橋本光一さん)


(今秋、東京地裁で屋い止め不当解雇撤回・職場復帰の完全勝利をかちとり、職場に労働組合をつくり団結して闘えば労働者は必ず勝てることを示し全国全世界の非正規労働者に希望と勇気、共感を呼び起こしている東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本さん・・・・
 報告動画・転載紹介⇒http://www.youtube.com/watch?v=LpzVtbpm6S4 )

国際連帯ー全世界の労働者はひとつにつながっている


(百人を超えるクルド人をはじめとした滞日在日外国人労働者のみなさんの登壇)


(アメリカ・ロスアンゼルス統一教組 UTRA のセシリーさん。彼女はアピールを「がんばって!」で結びました)


(韓国民主労総ソウル本部のイヒョンチョルさん)

未来懸った闘い


(福島診療所建設委員会呼びかけ人の佐藤幸子さん)

すべてを奪い返そう

(無実の政治犯・1971年沖縄闘争で獄中40年の星野文昭さんのつれあい、星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さん)

 特筆すべきことは、みなさんも連日のテレビニュースでご存じのように、瓦解の危機に立たされ、私たちの怒りに震撼させられているアベ首相や菅官房長官や黒田日銀総裁の顔が困憊しきり、歪みひきつりがちなことに比べ、11・2日比谷野外音楽堂に結集・参加した人々の顔は明るく朗らかで、溌剌としており、元気いっぱいだということです。確かに闘いは始まったばかりです。さまざまな困難、さまざまの試練は幾重にもあるでしょう。しかし、始まっている時代は、団結して闘い続ければ勝利の道は開けるということ、全国各地の職場に労働組合をつくり、闘う労働組合を中心(砦)に地域に新自由主義のありとあらゆる地域破壊・福祉きりすて・生活破壊・安全崩壊に対する膨大な怒りと一体となって闘いぬくなら、「強大」なようにみえる権力に私たちがとってかわることはできるということです。この道をしっかりと進んでいきましょう。1%勢力やその随伴者に未来はありません。未来は私たちのものです。

★週明け審議入り!労働者派遣法無制限改悪法案ぜったい反対!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉並区が説明会、あんさんぶる⇔荻窪税務署交換、児童館移転・桃井第二小学校改築で説明義務果たさず

2014年11月02日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
説明会開催についての不十分な案内・周知にもかかわらず百名の住民が参加
 11月1日(土)杉並区の「区立施設再編整備計画の個別施設に関する説明会」が旧若杉小学校体育館で持たれました。区民に対する事前の案内・周知は、広報すぎなみ10月11日号の最終頁の小さな欄と区の公式HPだけで、知らない方や見落とした方がほとんどというものでしたが、区が設定した定員席100は満席、大勢の住民が参加しました。
 区の「個別の整備方針の説明」は、
 ①旧若杉小跡地の当面の整備方針
 ②(仮称)天沼3丁目複合施設(荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟について)
 ③桃井第二小学校の改築について
の三つの事項に関するものです(下記写真は区の「説明会次第」)。



 目立たない案内・周知や冷たい雨という悪天候にもかかわらず、大勢の住民が参加したのは、▲前掲②の「荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟」の問題とは、区として施設利用者や住民から「説明会を開いて説明せよ」という要求が何度も出ているにもかかわらず、いまだ一度も説明会が行われておらず、いつ説明会を持つのかも具体的には明示されないままに、あんさんぶる荻窪(※児童館をはじめとした福祉拠点・地域コミュニティ拠点となっている)と荻窪税務署・公務員宿舎等用地の交換が独り歩きで進められていること・・・このような区の一方的進め方に対する疑問、不安、危機感、意見を持っている方々が、(「あんさんぶる荻窪との交換」の文言がなくても)「荻窪税務署等用地・・・」を見逃さなかったからにほかなりません。
 加えて、▲前掲③「桃井第二小学校の改築」(「改修」ではなく「改築(建替)」です!)がこの数か月の間に地域と住民にとっては「寝耳に水」の形で唐突に出てきたからです。
 ところで、児童館を中心とした福祉施設拠点・コミュニティ拠点であるあんさんぶる荻窪の意義と役割を知っている方々にとっては、前掲のように区が表記していても、②と③の問題は、中身は分けられない一体の問題です。区も、当然ながら、②と③が、そういう構造、関係にあることは百も承知しています。区が計画し実施しようとしているのですから。
 いずれにしても、こうした経過からも、当然、説明会での質疑はこの前掲の②③に集中し、発言を求める挙手は相次ぎ、すべて質問の趣旨は明快で、区に対して、端的に具体的に納得のいく説明を求める、それだけの理由があるものでした。率直で切実な質疑に対して区から誠実な応答が行われるのかどうか、非常に重要な説明会でした。
 

説明会での区の説明責任
 区の説明会は、本来ならば、区が意図し、進めている計画と方針について、説明責任を果たそうとすれば、 まず、何よりも、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の交換」についての経過と理由の説明、()それを実施する場合に生じるアンサンブル荻窪に現にある児童館をはじめとした施設・事業・機能をどう保障するのか、その道すじと中身(実体)の説明、()児童館機能の移転先と区が考えている桃井第二小学校が、児童館の施設・事業・機能の保障にとって完全に十分に条件を満たすものであるのか、その具体的内容について、地域と住民に対する説明を尽くすべきものです。区は「児童館の機能、役割は存続し継承され充実する」とまで、このかんことあるごとに言ってきたわけですからなおさらです。

説明会は実際にはどのように行われたのでしょうか

 
 上記は、区側の出席者の席次表です。田中良区長こそ出席していませんが、また区議会本会議並とまでは言わないまでも、区としては相当、体重をかけて臨んできたことだけはよくわかります。区にとっても、それだけ大きな位置をこの説明会はもっているという判断からでしょう。
 しかし、それは、説明会に参加した住民、質問に立った方々が求めている、納得がいく、審らかな「具体的経過と理由の説明」で説明責任を区が果たすために、政策経営部長、企画課長、施設再編整備担当部長を先頭に関係部課長が列席したというものではまったくありませんでした。区が、議会の議決もないままに、水面下も含めて、住民の知らないところで現在進めている計画を“説明会の開催”で住民に追認させる、「予めの区の計画の実施の結論ありき」の名ばかり説明会をボロを出すことなく強行するために区がとった布陣でした。このことは説明会に参加した住民や質問に立った方々が直に実感した所のはずです。
 以下、今回の記事では、説明会がどのようにもたれたかを象徴する幾つかを説明会に参加していない皆さんにもお伝えし、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換」「あんさんぶる荻窪北児童館等を区はどうしようとしているのか」「なぜ桃井第二小学校の改築(建て替え)が突然出てきたのか、改築中の桃井第二小学校に荻窪北児童館を移転するのか」等々の良識に照らしても常識的にみても不可解で不透明なままのひとかたまりの「施設再編整備」の全体像の周知の糸口とする次第です。
【予め質問は3分に制限、途中からは1分で打ち切り】 
 これには、とりわけ質問に立って1分に制限され、発言を打ち切られた方も、参加し質疑応答の内容に関心を集中して聴いていた方も、驚き、進め方と区の姿勢に疑問や不信を抱かれた方がほとんどだったと思われます。現に、「もっと続けさせろよ」「質問言わせてよ」と司会(区)の説明会の進め方、強引な質問制限・打ち切りに抗議や批判の声が各所で上がりました。質問者はどなたの場合も重複もなければ、一方的な意見表明もありません。具体的に問いただしたい対象(事実・事項)、聴きたい根拠と理由があっての質問や区の応答で出た事実に対する新たな再質問ばかりです。極めつけは、途中から始まった「1分への制限」「打ち切り」です。「1分で終えろ」というのは何も言わせない、訊かせない(質問はさせない、「その質問には答える気はない」)というに等しいことです。確かに、区は「15時半から会場(体育館)は別の使用予定がある」とは予め告げてはいましたが、「1分で終われ」「そこまでです、ハイ、終わりです」というのは、もはや説明会における質疑応答とはいえません。説明会の予定時間を超える質問事項があり、質問者がいる以上、引き続き、新たに十分に時間をとって、日時を定めてあらためて説明会を行う、というのが説明責任を負っている区のとるべき措置ではないでしょうか。閉会に対して、「また説明会を開くんですよね」という趣旨の声が複数上がったのも当然です。
 重複もないのに、質疑事項が多くなり、質問者が絶えない、質疑時間が長くなるのは、質問者(住民の側)のせいではありません。そうなるのは、元はと言えば、区がこれらの再編整備計画と推進を地域と住民の知らないところで、どんどん進め、その結果、経過も理由も内容もまったくわからない状態に住民と地域が置かれてきたからです。だから、「寝耳に水」で知らされた区の方針に疑問や説明を求めたい事項が、説明会の場で堰を切ったように続出するのです。
 区は、説明会でしきりに「百数十回説明会を持ち、区民のみなさんの意見をお聞きしながら、ご理解をいただきながら進めてきた。今後も皆さんのご意見をうかがいながら、ご理解を得ながら進めていきたい」」と繰り返し弁明し、また、仄聞するところ、あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換での国との協議の場では「説明会で住民の理解を得ている」と国に対して報告しているようですが、今回の事項とは別の住民説明会も数えるほどしかおこなわれておらず、区が行ってきたのは実際には町会への説明だけです。町会長に説明すれば、それが住民への説明会を行った、ということになるのでしょうか?
 【「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」についての説明はなし
 そして内容的には、説明会の最大の特徴は、いまだ交換の本契約も確定していない「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」を解決済みの既定の前提であるかのように扱い、この「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」問題についての経過も理由も説明をいっさい行っていないということです。何よりも、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換」に関する住民説明会はただの一度も行われていません。
 だから、いかなる意味でも、区が説明責任を負っている説明会の直接のテーマ、前掲②「荻窪税務署等用地に設置予定の複合施設棟」にしても、前掲③の「桃井第二小学校の改築にしても、「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」の経過と理由の説明抜きには区民(地域と住民)にはわからない問題だということです。
 ▲「あんさんぶる荻窪⇔税務署等用地の交換」の問題がまずあって、その結果、▲あんさんぶる荻窪に現にあり、現に沢山の職員が働き、現に沢山の子どもたちや住民が利用している施設・場所の移転問題が発生し、▲その移転問題で、荻窪北児童館という杉並区内で最大の児童館の移転先として桃井第二小学校の改築工事を行うという、設計から現校舎の除却・解体、施工(校舎建て替え及び外構)、完成まで最低でも五年以上を要する大工事とそのかんの桃井第二小学校の代替校舎や校庭代替、児童館が移転できるのかどうか等々の大問題が出来しているのです。それも―水面下のことは住民も地域も知る由もありませんから―、住民と地域にとっては、このわずか数か月の間に降って湧いたような話なのです。
 【『区は緻密な検討で計画していないのではないか。あまりにも軽く扱いすぎる。納得のいく見解を聴きたい』の根拠ある質問にも誠実な回答なし】
 ここに紹介した質問は、あんさんぶる荻窪の設計と新築に直接に精通し、建築の専門的検討の裏付けも持っている方が区の「あんさんぶる荻窪への税務署移転」について問いただした重みのある質問です。「あんさんぶる荻窪は、税務署に不可欠な長年月間にわたる膨大な保存・収納書類、大がかりな電子機器類系統の総重量にあたるような重量負荷を伴う入居施設を想定しておらず、施設利用者の人数とプラスアルファ程度の事務所機能程度の軽量の負荷で構造設計されており、建築常識的にも荻窪税務署が移転した場合にその重量負荷に構造的に耐え得るようなものではまったくない、反対です。今日は納得がいく説明をすべきです」という趣旨のものです。しかし、この「真剣に検討して立てられた緻密な計画ではない。あまりに軽くみている」と危険性を指摘した非常に重要な質問に対しても、区は「耐震構造上の問題はない」の通り一ぺんの一言ですませました。
【「桃井第二小学校改築後の荻窪北児童館の移転」ではなく「改築工事中の仮設校舎に移転」!】
 誰もが驚かされたのは、区があんさんぶる荻窪からの荻窪北児童館の移転については、移転先である「桃井第二小学校の改築工事完了後」ではなく、「改築工事中に校庭に立てる仮設校舎の中に移転」と考えていることです。改築工事については、区が説明会で配布した資料では平成29年度~30年度(2017年度~2018年度)の二年間です(下記写真は、その桃井第二小学校改築の工程表)。仮設校舎は校庭に建設としていますから、校庭はありません。学校敷地内は大規模な工事中です。この環境下で、仮設で、二年間、児童館の子どもたちは過ごせというのです。こういう仮説を子どもの居場所にするという着想、それが計画になってくるということ自体に、常識では信じられない思いです。


 区は一方では、「交換になるとした場合、あんさんぶるに児童館はいつまでいられるのか」という質問には「平成29年度内」(2018年3月まで)と答え、「移転先が完成するまで、あんさんぶるにいられないのか」という質問に対しては「改修工事をやってますからそこに児童館が残っているということは(安全・安心面からも)できません、あり得ない」という趣旨の答えです。あんさんぶる荻窪の税務署移転のための改修工事と校舎を除却し建て替える建築工事とではわけが違います。改修中のあんさんぶるに児童館が残ることができないこと、あり得ない話なら、大工事中の危険、騒音・粉じん・重機や建材・鋼材山積、搬出入車両出入りも頻繁な環境下で仮設で過ごすのは、もっと「あり得ない話」ではないでしょうか。
 このやりとりを聴いていて、あきれるというより、ぞっとしました。感じるのは、区は、「施設再編整備」とか「交換」「移転」という問題を、建物(ハコ)の問題、入れ物、場所の問題としてしか考えていない、現在の学校や児童館に現にいる人(子どもたち、職員、親たち含めて利用者)の問題など眼中にないということです。区は「子どもたちの教育環境や放課後も含めた健全育成の向上を図るために良いと総合的に判断した」と資料の「(桃井第二小学校改築の)計画に至った経緯」でも説明会でも説明していますが、言っていることとやろうとしていることが真逆ではないかと感じるのは私たちだけでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 区の掲げているスケジュールによれば、今年度には「(桃井第二小学校)改築検討懇談会の設置、運営、改築検討(改築コンセプトの策定)」とされています。
 順番が違うのではないでしょうか?大本のあんさんぶる荻窪⇔税務署等用地交換については住民と地域に対する説明は何らまったく行われておらず、国との交換契約も厳密には締結=確定しているわけでもありません。このままでは、児童館の子どもたちをはじめとしたあんさんぶる荻窪の膨大な利用者の犠牲、あんさんぶる荻窪を福祉拠点、地域コミュニティ拠点として築き上げてきた職員と地域・住民の努力・意思・意向の無視・きりすてのうえに、無責任な計画が進みかねません。

あんさんぶる荻窪の荻窪北児童館は杉並で最大の児童館 
児童館総利用者数 5万7675名/年間
学童クラブ利用児童数 1万4585名/年間

     (いずれも平成25年度(2013年度))

 ★カテゴリー追加「あんさんぶる・児童館・桃井第二小学校問題」の特報の開始について
   
 記事カテゴリーの「杉並の児童館廃止と施設再編整備について」とは別に、特化した新たなカテゴリーとして『児童館が大変!あんさんぶる⇔税務署交換で』を立てて、《この問題をわからないようにしている区の進め方と説明》を《よくわかる解説》でコメントして追っていく予定です。
 子どもたちにとっても、親御さんにとっても、職員のみなさんにとっても、地域のみなさんにとっても、杉並の地域で最大と言ってよいくらいの「いまが大事な問題」です。にもかかわらず、本当のことがほとんど周知されていません。ぜひ一緒に考えてください。区が本当のことを地域と住民に伝えようとしていない現在、調べ、知り、伝え合うのは私たち自身の協力と努力の作業によるしかありません。そのささやかな一助としての杉並・地域版の特報をお伝えする予定ですのでよろしくお願い申し上げます。全家庭、全地域、全職場での周知と意見交換、討論が必要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする