すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

児童館なくすな!税務署来るな!地元の声が新聞に!!! 来年二月区議会「あんさんぶる財産交換」議案阻止!

2015年11月29日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

来年二月杉並区議会で・・・「交換財産」議案だって?!「財産交換」条例だって? どっちも同じ! だって、どう考えても、そうでしょう !!

ならぬことはならぬ!

児童館なくすな!! あんさんぶる荻窪渡さない!

税務署来るな!

二月1定区議会「税務署等との財産交換」議案提出の杉並区を直撃

あんさんぶる荻窪・地元から4510筆の署名

さらに全区全地域全職場からあらゆる署名と怒りと当たり前の正義の声を集めよう!

 

 特報・杉並版

(児童館・あんさんぶるー地域・職場版)

東京新聞11月28日記事を全文転載で紹介します。

以下は東京新聞の前掲記事

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廃止予定「あんさんぶる荻窪」内

児童館残して

地元住民が杉並区へ4510名分の署名提出

 

    荻窪駅近くにある杉並区の複合施設「あんさんぶる荻窪」の土地や建物と、駅から約八百メートル離れた荻窪税務署などのある国有地を財産交換し、区が取得した土地に特別養護老人ホーム(特養)などを建設する計画を巡り、同館周辺の地元住民らが二十七日、館内の荻窪北児童館を残すよう求める要望書を四千五百十筆の署名を添えて区に提出した。 (石原真樹)

 計画は二〇一三年十一月、区内に大規模特養を整備したい区と、老朽化した税務署の建て替えを検討していた国が財産交換することで合意したと発表された。国有地にある税務署と国家公務員宿舎(すでに廃止)の建物を取り壊し、作家・太宰治が住んだ民家兼アパート「碧雲(へきうん)荘」が立つ隣接の区有地と合わせて計約六千七百三十平方メートルに二百床の特養と複合施設棟を建設し、税務署はあんさんぶるに移転する。あんさんぶる内の児童館は小学校などに分散移転し、それ以外の区社会福祉協議会などは複合施設棟に移る。計画完了は二〇~二一年度の見込み。

 あんさんぶるは敷地面積約千七百平方メートル、延べ床面積約四千三百平方メートル(屋上と駐輪場除く)で、約三十億円かけて〇四年に完成。設計段階から「学童の充実」「市民が使いやすいフリースペースを」など住民の要望が取り入れられ、公募で決まった名前には「集う人が互いの個性を生かしながらこの施設を舞台に共に輝く」との願いが込められた。

 今回の計画で住民がとりわけ問題視するのが、乳幼児から中高生まで年間延べ約五万六千人(一四年度)が利用する児童館の廃止・分散だ。小学生は近くの桃井第二小学校を建て替えて設置する学童クラブ、乳幼児は杉並保健所に振り分けられ、中高生はまだ「居場所の候補地を考えている」(区の担当者)段階。同小の建て替え中は保健所に間借りするという。

 児童館は小さな子どもから高校生まで集える貴重な場だとして、この日要望書を提出した元荻北母親クラブ代表の結城千尋さん(64)は「大事な子どもの居場所を残したい」と訴える。

 ほかに、駅に近い一等地を税務署にすることへの不満や、あんさんぶるの廃止に関する住民説明会が地元で開かれていないなどとして「区の進め方が強引」との批判も出ている。

 区は「二百床の特養を建設するためには広い敷地が必要。地域包括ケアの支援機能や子どもセンターを備えた複合施設棟もそろうことが大切」と説明する。区は来年二月の区議会に財産交換の議案を提出する予定で、可決されれば計画が正式に決定する。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上、新聞記事転載終了・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   11月18日開会の4定杉並区議会の渦中、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換をめぐって、区が本会議一般質問・理事者答弁で「来年二月開会の1定区議会に「交換財産の種類・所在地・面積・金額・相手方等の議案を提出する」(11月19日吉田施設再編整備担当部長答弁)と表明し、27日に、地元住民の4610筆の「荻窪北児童館存続」を求める署名が提出されました。

区の地元無視の強行に屈しなかった地元町会はじめ住民の懸命の粘り強い闘いが切り開いた情勢

   この東京新聞報道とその記事内容そのものに反映されている通りです。「国と決めて来たこと」「特養は喫緊の最優先施策」を掲げ、あんさんぶる荻窪の地元町会さえも切り捨てるという区による地元無視の財産交換計画の強行の中で、筆舌つくしがたい脅しとだまし討ちにも我慢強く屈しなかった荻窪南口町会の取り組み、粘り強い住民の闘いによって、財産交換計画をめぐる紛争の最大の争点が、子どもの居場所・児童館の存亡であることが完全に社会的に明らかになつたということです。

   荻窪北児童館を中心に豊かな地域コミュニティ拠点として発展してきた複合施設あんさんぶる荻窪の廃止か存続か、そもそも廃止などということが自治体に許されるのか、できることなのか、という問題であることが、完全に前面・正面に座ったということです。

    2004年開設以来、子どもたち・親たち、住民と地域にとってなくてはならない地域施設・地域コミュニティ拠点として育まれ築き上げられてきたあんさんぶる荻窪の10年間の歩み、そこに体現されてきた地元の思い、誇り、愛着、意思、それらが生み出している子どもたちの輝き、かけがえのない豊かさはとてつもなく大きいものです「財産」という言葉を用いるなら、これこそ最大の「住民・地域・区民の共同財産」です。「あんさんぶる荻窪」は、単なる「建物」「土地」「財産」ではないのです。田中良区長はじめ区がまったくわかっていないのは、この点です。

    近くに子どもが安全で安心して遊べる公園がない荻窪南口の地域に住民の熱意と創意と総意を結集してつくられ、杉並最大の児童館となった荻窪北児童館とこの児童館を中心とした複合施設あんさんぶる荻窪。そこには、各施設・各機能・各設備の当初立ち上げに向けての真剣な意見交換と研究・立案からのきめ細かな設計・配慮・配意とともに、子どもたちをはじめとした利用者、分け隔てなく住民に開かれた運営の努力とたえざる改善、そこで開花した文化・交流・空間づくり(活用)によって、そのすべてが一体となってはじめて都内や全国の自治体から見学が後を絶たないような創造的な地域コミュニティ施設となったという一番大切な真実があります。

    児童館の体育室等の整備はすばらしい意匠ですが、そうした意匠にとどまりません。体育室、遊戯室、スタジオ(音楽室)、調理室、図工室、図書コーナー等の配備、あんさんぶる荻窪全館での集会室、教室、会議室の整備、ユーキッズ(乳幼児親子居場所)、中高生重点館、障害児重点館の位置付けと活用・充実、屋上園庭、スロープ、ビオト―プ、エントランスホール、建物前ひろば・・・これらすべてが、職員、子どもたち(0歳~18歳)、父母、住民の思いと意見交換、協力と交流、信頼を通して愛情を注いで豊かに創造的に活用され大切に使用され改善されてきました。そこにはどれひとつをとっても思いと夢と思い出、発見と対話がぎっしりと詰まっています。近隣の荻窪南口にある保育等幼児施設の子どもたち・職員・親たちが利用でき、児童館の卒園者が居場所として活用しボランティアとして訪れ、子どもたちの遊びや学びを手助けし、乳幼児親子連れ、若者から高齢者までが愛着をもって活用している、かけがえのないオープンスペースです。「建物」があって、「設備」があって、ただそれだけでこうなったのではありません。住民(人)、子ども(人)、職員(人)がつくりだしてきた居場所、寄る辺、拠り所、コミュニティ拠点です。

    だから、荻窪北児童館―あんさんぶる荻窪は、地元荻窪南口の誇りであり、おカネでは買えない、絶対に失うわけにはいかない「地元・地域・区民・杉並の共同財産」なのです。それは今から50年あまり前に全国に先がけて7館14人の職員がいかなるモデルもない中で寝食も忘れて無我夢中で共働きの親代わりの学童保育を試行錯誤で立ち上げ、地域住民とともに地域の支援・協力・参加を得てつくりだした草創期の児童館・学童保育の原点41の学区にまで地域に一つずつなくてはならない地域施設として着実に発展してきた児童館の精神が脈々と息づき、結晶しています。

   区内で地域に近くに公園がない区域でありながら、なぜ全国に誇れる素晴らしい児童館が生み出されたのか、類まれなるコミュニティ拠点(オープンスペース)になったのか、その公然たる秘密は、職員と子どもたち・父母たち、施設(職員)と地域(住民)が一緒になってつくりだしたという点にあります。

   この荻窪北児童館と児童館を心臓とする地域複合施設あんさんぶる荻窪の歴史と存在、役割を無視し、住民や職員や子どもたちの意見も聞かず、いきなり胸倉から心臓に手を突っ込むように、廃止し、財産交換の交換対象にするということを区は、国との間で勝手に決め、「国と決めたことだから」「特養は喫緊の最優先施策だから」と交換計画を強行しようとしているのです。

   寝耳に水の財産交換・あんさんぶる荻窪廃止に、それでも我慢強く信じられない思いで、説明を求め、あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)存続、交換計画の白紙撤回を繰り返し求め続けてきた地元に対して、それでも区は「説明は尽くした」「交換計画の実施に変更はない」「特養は喫緊で、特養と地域包括ケア・バックアップ拠点のためには、税務署と公務員宿舎の広大な土地が必要」と強弁し、「交換財産の種類、所在地、面積、金額、相手方等に関する議案を来年1定区議会に提出する」と事実上の条例案を通そうとしているのです。

   提出された4510筆の署名は、あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)の地元からの「ならぬものはならぬ」のやむにやまれぬ決起です。杉並の中心である荻窪、その南口の二つのメイン商店街のゲートに大横断幕が掲げられ、地元をあげてポスターが貼り出されている。「たかが5410筆」「たかが署名」などと無視し去ることは許されない地元地域住民からの渾身の訴えです。これは擬人化して言えば、職員と子どもたち、父母たち、地元住民、町会が50年間の児童館学童保育の歴史、公園がない荻窪に英知と苦労を結集し住民参加でつくりだされた荻窪北児童館とあんさんぶる荻窪の歴史と存在そのものが、荻窪南口が仁王立ちして怒りの大噴火で区を弾劾しているということです

   この地元の正義に対して、それでも区はあんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止、税務署・公務員宿舎跡地との交換計画を議会で決定し強行しようというのか。いま追い詰められ、窮地に立たされているのは、地元荻窪南口住民ではなく、区(田中区政)であり、これまでこのような区を黙認・容認し続けてきた区議会であるということ、田中区長と麻生財務大臣のトップ会談で合意した国にもグルになった共犯者・共謀者であり他人事のようにふるまうことは許されないこと。区も議会も、国もこの責任から逃れることはできません。

すでに満天下にあばかれている財産交換の正体

  10月20日天沼小学校「複合施設棟建築計画」説明会と開会中の4定杉並区議会で明らかになったことは何か?

★「税務署と公務員宿舎跡地の広大な土地が200床特養と地域包括ケア―バックアップ機能拠点に必要」はつくられたデマ!

   人を愚弄するもはなはだしい話ではないですか?天沼三丁目の公務員宿舎解体後の跡地に区が建てる「複合施設棟」には、あんさんぶる荻窪に現在ある「消費者センター」「福祉事務所」「社会福祉協議会」「就労支援センター」「成年後見センター」・・・要するに荻窪北児童館以外の全部の引っ越しです。

   目新しそうなものは「在宅生活を支える区事務室」に、うさんくさい目新しそうなのが「仮称子どもセンター」だけ!前者「在宅生活を支える事務室」というのは、「虐待事例対応相談」のために「高度困難者事例対応拠点」、「認知症等への在宅での対応」のために「在宅療養の後方支援」のための「訪問介護・訪問看護拠点」それも、「事務室」です。やたら大仰な拠点呼称を掲げているけれども、「ケア24」とか「区のセンター機能」とは別にそんなものつくって、何をするのよという話です。後者「子どもセンター」について言えば、「子育て支援機能」と改まって言っているけれども、あんさんぶるや児童館や本庁で全力でやっているものを無視し、駅からわざわざ遠い、それも単なる「事務室」。

   「消費者センター」については「消費者被害詐欺対策」のため、成年後見センター」については「人権擁護」のため、・・・これはもう、あんさんぶる荻窪の施設を複合施設棟に引っ越させて「包括ケア」「バックアップ機能拠点」とごまかすために屁理屈でとってつけたとしかいいようがありません。

   要するに、税務署と公務員宿舎跡地の二つを手に入れるために、「複合施設棟」という名前だけ決めたが、もともとは「新庁舎」と呼んでいて、あんさんぶる荻窪から引っ越す施設しか考えていなかった。だから、「包括ケア」「バックアップ機能」「サポート拠点」と聴いて、どんなすごい専門的医療・介護関係の関連施設が入るのかと思ってた人は、この「在宅生活を支える事務室」と猫の額みたいなスペースを図面で見せられて、「ふざけるな」と怒る以前にあきれてものが言えない。こんなものは「地域包括ケア」でも「バックアップ機能」でも何でもない。

   鋭く喝破する人は、「あんさんぶる荻窪の移転先、それも、この機に、施設再編で荻窪北児童館とゆうキッズを間引き、廃止・追い出しのうえで」という「第二あんさんぶる」と「区の施設再編がらみの移転・交換劇」だと断じている。

   片や「喫緊、最優先施策」の「特養ホーム」の税務署跡地への建設については、何と早くとも6年後の話で、「150床~200床の特養」と「地域密着型ショートステイ」と「訪問医療センター・訪問看護センター」めいたものを謳っているが、これだけの広大な面積が絶対に必要と言うからにはもっと真摯で具体的に詰め切ったプランかと思いきや、ユニット数と「ショートステイ」「訪問・・・」の言葉が独り歩きしても、それ以上の線は何も具体的に詰められていない。そもそも、特養やショートステイに、介護・看護・医療・福祉等の有資格職員や相談員、事務・給食・営繕・庶務・運転職員がどれだけ必要になるか、どんな規模の設備・機器、職員宿泊施設が必要か等々、そんなものもまったく具体的には検討も想定もされていない。むしろ、大規模な用地が必要ということのために、ユニット数も「ショートステイの充実」も「訪問・・・」も挙げられるものは全部あげているとしか思えない。また、「特養」と「訪問看護・訪問医療」「ショートステイ」が同じところになければ「包括ケア」にならないなどというのもインチキな話だ。

    要するに、天沼3丁目複合施設(「特養ホーム・ショートステイ・訪問看護・訪問医療センター」棟プラス「複合施設棟」)も「複合施設棟」」も、実態は空虚、壮大な空虚ということです。

    4定区議会一般質問で吉田施設再編整備担当部長は、「特養と包括地域ケア・バックアップ機能拠点のためには、この税務署と公務員宿舎跡地の両方合わせた広大な土地が絶対に必要」の一点張り繰り返したが、その「特養と包括地域ケア・バックアップ機能拠点」は、「広大な土地の必要性」の理由としてのみ語られるだけで、「具体的な施設設計やどういう仕組みが必要か、どれだけの職員が必要か」等はついに一言も語るところはなかった。

    区は最初から特養について民間活力、民営によると方針を明らかにしている。だから、区は「具体的な施設設計やどういう仕組みが必要か、どれだけの職員が必要か」については入れ物だけ作って、企業の好き勝手にするように丸投げすればいいとでもいうのか。つくるべき施設理念も施設が担うべき区での施設設計・事業設計の具体的イメージ、区の指針めいたものすら明示できるものがなくて、何が「特色ある特養」「何が包括ケア・バックアップ機能」か。

★「特養と複合施設棟の看板で、建設企業のカネ儲けと児童館廃止・施設再編整備」・・・これが田中区政が財産交換にこだわる真の目的!

   すべてを通してハッキリ言えることは、区は、「特養」と「複合施設棟」が「地域包括ケア」として必要だと真剣に死活的に考えて、この財産交換計画に臨んでいるのではない税務署の土地と公務員宿舎の跡地の両方、施設の建設で巨大なカネが動くことになる広大な土地が欲しかった、そのために公務員宿舎・跡地の廃止を国が決めたことを知った時に「特養に持ってこいの広大な土地」と言ってはいても、そこに「喫緊の特養を建てるための国との交渉」に入るのではなく、税務署の建替えが煮詰まるまで待ち続けたのである。

    区の問題意識、区の動機は、特養でも介護・看護・医療でも包括ケアでもなかった区の問題意識、区の動機は、唯一、「広大な土地」「6331平米の土地」だった。

 

    そして、その「広大な土地」を手に入れるために、交換対象として選んだのが、新築同然にも等しい築10年・駅近で「高値」を付けられる「あんさんぶる荻窪」であり、一石二鳥で、あんさんぶる荻窪にある荻窪北児童館をどさくさにまぎれて火事場泥棒的に廃止することによって、田中区長公約であり、区の最大の懸案である「児童館廃止・施設再編整備計画」を一気に推進するいう卑劣でダ―ティな策略ったのである。

 

★「あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)」廃止の強行、桃井第二小学校の無計画・無責任・子ども犠牲の急改築。何なんだ、これは!

    この卑劣、愚劣、ダーティとしか言いようがない財産交換でひきおこされたのは、あんさんぶる荻窪、そこにある荻窪北児童館の廃止、学童クラブ、小学生放課後居場所事業の追い出し、ゆうキッズの保健所への移転、中高生居場所の廃止だけではなかった。区は、施設再編整備計画で勝手に一方的に児童館全廃を決め、荻窪北児童館の学童クラブ、小学生放課後居場所事業の桃井第二小学校への移転を言っておきながら、最初は空き教室位で済むと思っており、次は改修で済むと軽く考えており、そんなことでは無理となるや、唐突に「桃井第二小学校の改築(建替え)」を区の実行計画を急きょ変更し、突然の建替えを決定した

     ここから、財産交換契約締結日・所有権移転日にどうあがいても、桃井第二小学校建て替え工事完了日が間にあわないことを巡って、また仮設校舎建設中の授業環境や運動場・体育館、校舎建て替え中の桃二学童の教育環境と運動場・体育館・プール棟の問題を巡って、子どもたちが数年間にわたってきわめて不安定な環境と犠牲を蒙ることをどうするのかの際限ない議論が巻き起こってきたのは当然のことだった。その都度、区が出す見解と説明、方針はクルクルと変わり、父母たち、子どもたちを不安と混乱に叩きこんでいるのは周知の通りです。現在、区は改築検討懇談会で新校舎改築の基本方針が日陰問題・騒音問題、善福寺川問題・低湿地問題がありながらもそれを無視して進めています。すべては子どもの犠牲の上に強行されようとしており、PTAはじめ父母からの怒りと危機感が湧き上がっている。

     そして、もう一つ指摘し弾劾せねばならない。この「桃井第二小学校早期改築」問題が、何と、荻窪地区町会連合会(七町会)を「児童館はまるまる桃二に移転する」という区のウソの口約束をもとにした町会長連名「早期改築要望書」提出によって推進され、しかも「あんさんぶる荻窪の財産交換を前提に」この要望書が区によって作成され、区の職員が町会長の自宅に」押しかけ、何らの説明もせず捺印を有無を言わせずとってまわって、提出に至ったという杉並区政はじまって以来の暴挙があったということです。7月17日の説明会で、すべては暴露され、確定した。何よりも、荻窪五丁目町会と南荻窪会が「話が違う以上撤回する」と要望書を撤回した。区が町会をだまし討ちにかけて、桃二建替え決定とあんさんぶる荻窪財産交換への地元の「合意」の傍証にしようとしたことは明らかだった。区は、地元荻窪南口二町会を徹底的に無視し、七町会に分断を持ちこもうと画策し、すべてが明るみに出て、区のもくろみはほとんど挫折しています。地元住民の懸命の辛抱強い闘いがそこまで区を追いつめたのです。

    これら桃二建替えによる子どもの犠牲、町会に対する無視・敵対による地域破壊、そのすべては、「広大な土地」を区が手に入れるためのあんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換計画によってひきおこされているということです。

★国と区の2014年7・9覚書の破棄、元凶の田中区長ー麻生財務大臣の「財産交換」合意破棄、財産交換計画そのものを白紙撤回せよ!

    もはや多言を要しないと思います。財産交換計画そのものを白紙撤回する以外にいかなる選択肢もありません。
    区に対して、はっきりさせなければならないことは、あらゆる意味で区に逃げ道はないということです。

   ここで特筆して指摘しておかねばならないのは、10月23日に安倍政権が「1億総活躍社会ー新3本の矢」として打ち出した成長戦略第二ステージで、安倍が「3本目の矢」として「介護離職ゼロ」、そのための「特養整備」として「首都圏90カ所の国有地への特養整備、そのための国有地の格安貸し出し」「都市部の特養整備・介護施設増設のための規制緩和として地主が土地と建物(特養)を賃貸で貸し出し」を緊急対策・基本方針として決定したということです。

   これは明かに、民間介護企業の活性化、特養・介護施設事業の全面的開放と建設・不動産関連企業のカネ儲けと大地主のぼろ儲けで「経済再生の起爆剤」にするというのが狙いです。介護職員の不足の元凶となっている民間一般給与水準より月額10万円以上開きがある超低賃金・重労働・過重労働の労働条件の抜本的改善、非正規職方針の撤回を意味するものではないところに明らかなように、今日の入所待機者問題、施設介護の絶対的不足問題を何一つ解消するものではありません。あくまで成長戦略(民間企業のカネ儲け)のために、打ち出されたアベノミクスならではのデマとだまし討ちの緊急対策です。そこに高齢者介護や福祉の観点はゼロです。安倍自身が11月6日の読売国際経済懇話会スピーチで「これは社会政策の問題ではなく成長戦略の問題」と破廉恥にも言ってのけている通りです。(この点については11月11日付及び11月13日付の当通信の記事で全面的に批判していますのでご参照ください。)

http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/d/20151111

 http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/d/20151113

   ただ、これは、田中区政にとっては、麻生太郎とタッグを組んで鳴り物入りのトップ交渉で「財産交換」という前例のない手法でこぎつけた全国に先駆けた「国有地の有効活用」にとって大きなダメージになっているということです。政府の新たな緊急対策が仮に実施されれば、杉並区が「あんさんぶる荻窪と税務署・公務員跡地の財産交換」で特養建設費で30億超、複合施設棟建設で30億円、おまけに桃井第二小学校建替えで30億円と、総額90億円以上の税金を使うことになるが、国の国有地格安貸し出しの緊急対策で特養建設となれば、はるかに安値で建てられるということになるという客観的試算値が、一般質問で複数議員から指摘され、それに対して、区の吉田施設再編整備担当部長は、「国からいまだ具体的な方針は達示がない」の1点張りで対応に窮して行き詰っていることをごまかすしかできなかった

   当通信は、安倍政権の「緊急対策」が要介護高齢者、入所待機者、その家族の思いを叶えるものではまったくないこと、国と自治体の公的責任で何が何でも無条件で介護・支援はまっとうしなければならない公立でしか、あり得ないこととして特養増設を断固要求するし、その前提として介護職員の労働条件の保障なしには高齢者の安全も安心もないことを強く指摘する。これは田中区政が「民営特養を特養増設の基本方針とする」と施設再編整備計画に明記していることからも、区の「(民営)特養増設」に反対である。

   だが、安倍政権や財界同様に、企業のカネ儲けが最大の動機である田中区政=杉並区が、区財政について事あるごとに「最小の費用で最大の効果」といいながら、政府が「格安の国有地貸し出しでの特養整備」を緊急対策として決定したと伝えられているときに、政府の緊急対策で想定される額を少なくとも数倍し場合によっては10数倍から20倍する建設費を区民の血税の出費で行うというなら、それは、そのような財産交換計画に対しては、その考え方だけでも、すべての区民・住民が区長罷免のリコールに立つ理由になる―そこまで区は覚悟せねばならないということだけは確かだ。区財政は住民の血税でまかなわれており、区長の財布ではないからである。あらゆる意味で区の財産交換計画は理由が成り立たず、白紙撤回以外にないということです。

   区は、田中区長は、この点についてハッキリさせろ。むろんのこと、私たちは、民間企業のカネ儲けとして、民間介護企業やゼネコン・建設企業、地主が潤うだけで、切実に施設介護や在宅介護を必要とし苦しんでいる高齢者と非正規介護職員を食い物にし、きりすてる施策に対しては、それが国の緊急対策であろうと田中区政の財産交換による民営特養であろうと絶対反対で、介護現場の正規非正規職員と団結し、高齢者と家族とともにたたかうのみである。田中も安倍も狙っているのは同じで、やっていることも同じ大ウソとだまし討ちなのだから。

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あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止を阻止しよう!

 

安倍政権の「1億総活躍社会―新3本の矢」の「特養増設―緊急政策」は大デマ、田中区政の「特養は喫緊、最優先施策」も同じ、その先兵だ。「特養」掲げた「あんさんぶる交換」強行を絶対許すな!

 児童館廃止を阻止しよう!施設再編整備計画にゼッタイ反対!白紙撤回!

 地域・職場・街頭から来年二月区議会「あんさんぶる廃止・財産交換条例」絶対阻止の大運動起こそう!子どもの居場所まもれ!税務署は荻窪南口に来させない!あらゆる署名運動起こそう!区職場からの声、決起が重要だ。みなさん、一緒に手を携えて、力を合わせて立ち上がろう!

★☆★☆ 情報と参考資料

★桃井第二小学校建替え工事関係で「新校舎配置計画が決定しましたというサブタイトルで『桃井第二小学校改築検討懇談会ニュース』がQ&A集付きで発行されています。近々どこかでと、重要事項の逐条批判を検討しています。桃井第二小学校建替え工事関係は天沼三丁目複合施設棟建築工事関係とともに、区の財産交換計画強行の重要な両輪をなしています。この12月冒頭にも、説明会が予定されているという話が詳細は不明ですが伝わっています。まだ教育委員会のホームページには「お知らせ」は出ていません。天沼三丁目複合施設棟の場合と同じで「まちづくり条例に基づく事前周知」としての近隣説明会、「紛争予防条例に基づく建築計画」近隣説明会が、実施計画の説明会と一体で強行されるとみて間違いありません。引き続き、粘り強く真っ当な説明責任の追及をやっていきましょう。

★これと関連して、小学校の再編整備について、区は同時並行でメチャクチャなことをやっています。時間がある方、関心ある方は参照ください。以下は区の教育委員会の公式ホームペ時から抜粋です。

 最新のお知らせ

 第8回杉並区立桃井第二小学校校舎改築検討懇談会を開催しました。 (2015年11月27日) 

高円寺地域における新しい学校づくり懇談会(第15回)を開催します。 (2015年11月24日) 

第4回杉並区立杉並第一小学校改築・複合化検討懇談会を開催します。 (2015年11月11日)

 

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区が企てる「あんさんぶる荻窪―荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」条例はなぜ無理でダメなのか

2015年11月23日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

今回記事は前回記事の続きでミニ連載の⑥ということになります

    杉並区議会4定・11月19日吉田施設再編整備担当部長は「(財産交換議案の内容に関しては)交換財産の種類・所在地・面積・金額・相手方等の議案を来年区議会1定で提出する」と強弁しているが・・・・

 特報・杉並版

(児童館・あんさんぶる―地域・職場版)

      現在開会中の杉並区議会4定で、先日11月19日くすやま議員の一般質問で、吉田施設再編整備担当部長は「(財産交換議案の内容に関しては)交換財産の種類・所在地・面積・金額・相手方等の議案を来年区議会1定で提出する」と答弁した。

【1】杉並区議会4定―11・19吉田施設再編整備担当部長の答弁の内容

       財産交換議案の内容に関する答弁としては、振り返れば、吉田部長に説明されるまでもない当たり前と言えば当たり前の話だが、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換である以上、前掲の吉田答弁のようになる。

      これは杉並区が国と2014年7月9日に締結したあんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換の契約締結に向けての覚書の約定部分にあたるものである。同覚書の第3条2項「交換契約締結時における渡財産と受財産の評価額」「差額(が見込まれる場合)」は、2015年11月区議会4定開会中の現時点では未確定だが、来年区議会1定までに確定させ、財産交換議案の提出時には、吉田答弁に言う「金額」として記載されていることになる。 

     つまり吉田部長は、「交換財産の内容ついて答弁しているが、何のことはない、同覚書の第3条の別紙に記された交換予定財産について、「交換財産」の種類」:土地、建物)、「所在地」(地番)、「面積」(数量:平米)、相手方(国)と今後加わる不動産評価額確定の「金額」と「差額」に関する議案と答弁しただけである。 

   財産交換それ自体に関して枝葉をとれば、要件としては、これが内容だ。

    覚書の第4条(交換条約の締結)に記載されている「平成30年度を目途とする契約締結日」、第5条(所有権の移転)「交換契約締結時に所有権移転」に関する契約締結の具体的な日時を除けば、来年区議会1定提出予定という財産交換議案は、その締結日に締結され発効する財産交換契約(書)そのものであり、その財産交換条例の施行日をそこにあわせただけのものであると言ってよい。 

    何のことはない、と先に言ったのは、2014年7月9日覚書=あんさんぶる荻窪―荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換契約=来年2月区議会1定提出の財産交換議案=あんさんぶる荻窪―荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換に関する条例(案)ということだ。ふざけるな、許せないということではあるが、別に今さら驚くことではない、区においては最初からそう決っていたということである。

 (※この点については、当通信は、既に、2015年11月5日記事で、覚書では、2018年度を目途に、財産交換契約を締結し所有権を移転する、それにむけた国と杉並区が行うべきこと、その手順が具体的に記されているが、覚書は、そうした手順・方法を枝葉として、とってしまえば、国の交換対象物件パッケージと杉並区の交換対象物件パッケージの財産交換、この一点が、約定事項であると指摘しておいたが、11・19吉田答弁によって、その通りとなったといえる。)

 《参考》

別紙
第3条 交換を予定する財産は、次のとおりとする。
(1)甲が交換を予定する物件(以下「渡財産」という。)
      所在地                  区分   数量    
名 称  「荻窪税務署」 
      「天沼第二宿舎跡地」、「荻窪寮跡地」
  ①東京都杉並区天沼三丁目190-7        土地   3,149.42㎡
  ②東京都杉並区天沼三丁目190-1        土地   3,182.42㎡
                              土地合計   6,331.90㎡
  ③東京都杉並区天沼三丁目190-7        建物   2,061.96㎡

(2)乙が交換を予定する物件(以下「受財産」という。)
      所在地                  区分   数量    
名 称  「あんさんぶる荻窪」 
  ①東京都杉並区荻窪五丁目168-1        土地    897.94㎡
  ②東京都杉並区荻窪五丁目169-1        土地    874.21㎡
                              土地合計   1,771.45㎡
  ③東京都杉並区荻窪五丁目15番13号       建物   6,982.87㎡

 

【2】この11・19吉田答弁の意味はきわめて重要であり重大である。

    来年2月区議会1定提出の財産交換議案は財産交換契約締結条例案そのものである。

    区は、区と国が2014年7月9日に締結した覚書通りに、「国と区のあんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換の契約を締結する」ことを来年1定区議会に議案(条例案)として提出すると11・19吉田答弁をもって明らかにしたということである。

    吉田答弁に言う「交換財産の種類、所在地、面積、相手方」に関する議案を来年区議会1定に提出するとは、言葉としては「条例案」提出とは言っていないが、「あんさんぶる財産交換」条例案ということである。これは、10月20日天沼小学校説明会では、「今後のスケジュール」で当面最大の節目が条例案の区議会提出であるにもかかわらず、それに触れなかった(※)、その「あんさんぶる財産交換契約締結条例案」提出そのものである。(※ 今年1月27日天沼小学校説明会以来、議会答弁や説明会、説明会参考資料で「来年区議会1定であんさんぶる財産交換条例案提出」としていたものを「今後のスケジュール」では何故か触れようともしなかった、引っこめていたのである。)

     このことは、区が、これまで、(既に締結している)覚書と(これから締結する)交換契約とこのかん区が実施していること及びその関係・根拠について、あれこれと説明・答弁してきたことが、すべてウソだった、ずっとウソをつき続けて来たこと、すべて区民をたぶらかす愚弄だったことを示している。

    今年2015年1月27日天沼小学校説明会では、寺井副参事は「覚書は、契約書ではない。単なる事務的実務的な手順書に過ぎない。まだ財産交換契約は決まったわけではない。国と区との交渉で協議が続いている」と説明し、「節目は2016年2月区議会、財産交換に関する条例案を議会に提出し議決承認を得る」と説明していた。後者は、その通りだが、前者は明確にウソである。区は、未だ条例案も出ておらず、その内容についても議会や説明会や区政資料で明らかにされていないのに、《覚書=交換契約=交換条例》として、覚書にそって、そこでの区と国が取り交わした約定事項を実施してきた。つまり、まだ正式には決まっても締結されてもいない財産交換契約に基づいて、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換のためのすべてを実施してきた。

    また吉田施設再編整備担当部長は、このウソをごまかし、区が実施していることを正当化するために「条例は議会の議決承認で決まるが、条例案の議決承認まで待っているのではなく、区として決定した計画に基づいて実施している」「特養ホーム増設は喫緊の区の最優先施策であり、条例を待たず、区として議決に先立って区の判断で実施している」「区長の執行権限に基づいて全て行っている」と答弁し、また「国と区の覚書に基づいている」と答弁していた。後者の「覚書に基づいて実施している」についてはそれはそれとしてその通りだが、「覚書に基づいて」と枕詞的に言うことはあっても、その覚書については、一度として、議会質疑にさらされたことも、区が区政資料や説明会の参考資料として公開したこともない。

     明らかなことは、区は、秘密の覚書、つまり最初から決っていた通りに財産交換計画を進めて来たのである。区議会における財産交換契約締結に関する条例、財産交換契約の締結という、財産交換の成立のためには不可欠な手続きが未了で、その内容もそれをめぐる国と区の交渉経過も公開されないままに、財産交換計画は進められてきたということだ。

     誤解を恐れずにあえて言えば、そもそも最初から「覚書」として(評価額及び差額の問題を除けば)「交換契約」は存在していたのであり、その既に国に対しても区に対しても拘束力を有する「覚書」として存在していた「交換契約」に基づいて、すべてが運ばれてきたのである。「覚書」として事実上存在している「交換契約」が、条例議決より優位に置かれて、あんさんぶる荻窪・財産交換をめぐる物事はすべて運ばれてきた。

     形式的な手続き上は、時間軸の流れで、来年二月開会の区議会1定提出「財産交換議案」(条例案)は、実際に交換契約が締結される契約締結時の手前であり、「条例の定め」があって「契約が締結される」という順番になっていることから、あたかも「条例に基づいて、財産交換契約締結という「適法性」の体裁を装っているが、内容に関して言えば、予め「覚書」という既に国と区が締結し明文化されている事実上の「交換契約」で既に、財産の交換から、それに絡み合った施設の廃止、設置、移転にいたるまでが決まっていたということだ。

   こう考えれば、田中区長が「国と決めて来たことだ」「もう決まったことだ」としばしば言い募り、わめきちらし、吉田部長が「覚書に基づいて実施してきた」と答弁してきたことも、そのように言い張る「根拠」もわかりやすいというものだ。   

    杉並区と区民の関係では、財産交換に関しては、それなしには手続き上あり得ないものとして今回11・19吉田答弁で明らかにされた「交換財産の種類、所在地、面積、金額、相手方等に関する議案」(財産交換条例案)が来年2月開会の区議会1定に提出されるが、その意味は、既に事実上、「覚書」として国と区との間で締結され明文化されている「交換契約」の追認にほかならない。

    だが、だからと言って、来年2月開会の区議会1定で条例案として提出し、財産交換の内容も手続きもそこで明らかになるのだからそれが議決承認されれば何も問題はないということにはまったくならない。当たり前だ。

    言うまでもなく、この国の財産と区の財産との交換の内容と手続きには、単なる建物・土地の交換にとどまらず、「公の施設」である区立複合施設としてのあんさんぶる荻窪の廃止、「公の施設」である区立複合施設としての「天沼三丁目複合施設棟」の設置の内容・手続きが含まれ、絡み合って進行する。これは「条例によってこれを定めねばならない」としている地方自治法第244条の二を潜脱し根本から違背するものである。区は、この地方自治法第244条の二を無視し続け、何の問題もないと考えているフシがあるが、財産交換についてはこれから来年二月開会の区議会1定での条例案の議決承認によって定められるのではなく、既に2014年7月9日付けの国と区の覚書によって定められているということなのだから、「条例で定めた」といえるようなものなどではないからである。

     だが、問題は、以上、縷々指摘・批判した点にとどまるものでもない。区が「財産交換」議案としている「交換財産の種類・所在地・面積・金額・相手方等に関する議案」の内容であり原基である覚書そのものが、財産交換としても紛れもなく法律(法令・条例)に違反しているということである。以下、【3】で指摘し暴露・批判する。

【3】吉田部長=区が大手を振って「交換財産の種類、所在地、面積、金額、相手方に関する議案を来年区議会1定に提出する」などと言い切れるようなものではさらさらない。

     なぜ、「交換財産の種類、所在地、面積、金額、相手方」に関する議案を来年区議会1定に提出することができない、ゆるされないのか?

      以下、交換財産(交換対象物件)である杉並区の「あんさんぶる荻窪」(建物・土地)と国の「荻窪税務署」「公務員宿舎跡地(「天沼第二宿舎跡地」、「荻窪寮跡地」)」(建物・土地)の各段階での図解、フローを交えてみていく。

      ※フロー図では左が杉並区財産、右が国の財産という原状からスタートさせ付番の順に時系列でみていく。青字が区赤字が国に所有権が帰属する。

① 原状・・・・2014年7月9日覚書以前

 あんさんぶる荻窪         荻窪税務署   公務員宿舎

[建物][土地]            [建物][土地]  [建物][土地]

 

② 覚書第7条1項(2)後半に基づく公務員宿舎の解体(2016年3月までに解体)

 あんさんぶる荻窪         荻窪税務署   公務員宿舎

[建物][土地]            [建物][土地]  [建物][土地]

 

③ 覚書第6条1項に基づき、区は国(関東財務局)から公務員宿舎跡地を所有権移転の日の前日まで貸付財産として有償で借り受け、そこに区が複合施設棟を建設する工事を施工(2016年7月着工~2017年完成)

 あんさんぶる荻窪         荻窪税務署   公務員宿舎跡地

[建物][土地]            [建物][土地]  [土地] 

      (※区の施工に必要な範囲について、区が国から有償で借り受ける「貸付財産」) 

 ④ 区が貸付財産として有償で借り受けている公務員宿舎跡地に2017年12月に完成した区の複合施設棟にあんさんぶる荻窪の消費者センター・福祉事務所・社会福祉協議会・成年後見センター・就労支援センターが移転し、荻窪北児童館の学童クラブ・小学生放課後居場所事業、乳幼児親子居場所事業が桃井第二小学校、保健所等に移転するまでの間は、覚書第6条4項に基づき、あんさんぶる荻窪については、国(関東財務局)が区に有償で貸し付ける(=区が国から借り受けた貸付財産として有償で使用する。)

あんさんぶる荻窪         荻窪税務署   複合施設棟

[建物][土地]          [建物][土地]  [土地] [建物]

     (※区が国から有償で借り受ける「貸付財産」として「あんさんぶる荻窪」を使用)

⑤ 区の前掲各施設各機能が移転後のあんさんぶる荻窪の建物を国が改修し、荻窪税務署が移転するまでの間、覚書第6条3項に基づき、荻窪税務署については、区が国(東京国税局)に有償で貸し付ける(=国が区から借り受けた貸付財産として有償で使用する。)

 あんさんぶる荻窪         荻窪税務署   複合施設棟

[建物][土地]            [建物〕 [土地]  [土地] [建物]

 (※国が区から有償で借り受けた「貸付財産」として「荻窪税務署」を使用)

⑥ 覚書第7条2項に基づき、国の荻窪税務署があんさんぶる荻窪の改修後の建物に移転を完了し、移転後の荻窪税務署の建物・土地を現状で引き渡した段階 ⇔ この状態で「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」は完了。財産交換契約締結(締結日所有権移転)

 荻窪税務署           税務署が移転後の建物  複合施設棟

[建物][土地]           [建物][土地]     [土地][建物]

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑦ 以降は財産交換契約締結後の杉並区の計画である。移転後の荻窪税務署の建物を解体、解体後、区の掲げている計画ではそこに特養ホームを建設する工事

 荻窪税務署           税務署が移転後の建物  複合施設棟

[建物][土地]           [建物][土地]     [土地][建物]

 

⑧ 2020年~2021年度に予定通り特養ホームが完成した場合

 荻窪税務署           特養ホーム       複合施設棟

[建物][土地]            [土地][建物]    [土地][建物]

               -「天沼3丁目複合施設(特養ホーム・地域包括ケア」ー

    ★前掲フローで見た国の財産と区の財産の交換は、どこが看過できない紛れもない法令違反なのか。

     国や自治体の公共用財産の交換の場合、法律上、重要な点は、次の二点である。

(1)交換の渡財産・受財産は、行政財産を用途廃止した普通財産でなければならない。

(2)交換する渡財産・受財産は、同種の種類の財産でなくてはならない。

     この点に絞って、国と区が覚書に基づいて行おうとしている交換にメスを入れる。(1)(2)の順に検証し、結論を明らかにする。

 (1) いつ、どの段階で行政財産たる「あんさんぶる荻窪」は、荻窪北児童館を中心とし福祉連関施設がひとつにまとまった複合施設である地域コミュニティ施設としての用途を廃止し、普通財産になるのか。複合施設「あんさんぶる荻窪」にある各施設(区画)もまた厳密に言えば「行政財産」である。どこで、交換の要件である普通財産にする(なる)のか―区の覚書(=事実上の「交換契約」=財産交換条例案)ではまったく不分明で、さっぱりわからない

      何よりも、来年2月の区議会1定の時点で、そのような前提は存しない。この時点でのあんさんぶる荻窪の「法律上の財産状態」とはいかなる状態か。いまだ普通財産ではない行政財産の状態である。公共用財産として「あんさんぶる荻窪」は、事業が行われ使用されている。あんさんぶる荻窪は、荻窪北児童館、福祉事務所、消費者センター、成年後見センター、就労支援センターはじめ、公共の事業・使用が行われている行政財産である。

     あんさんぶる荻窪から、これらの用途が廃止になるのは、「覚書」にのっとったとしても、2016年7月から着工される天沼三丁目複合施設棟が2017年12月に完成してから同所に各施設が「覚書」事項通り移転するときのことであり、荻窪北児童館については、明示の時期は定まってもいない。これらの分散移転によって、複合施設である「あんさんぶる荻窪」の構成がなくなるとしても、用途廃止は明示に行なわなければ、財産の交換の前提となる普通財産ではない。そして現に、交換契約締結日の所有権移転に先だって、「あんさんぶる荻窪」の用途廃止を行うということは覚書はもとより、区の行程表でも示されたことはなく、11・10吉田答弁でも、いかなる機会においても明らかにされていない。およそ、このことに関する言及はない。

     財産の交換は、行政財産である「あんさんぶる荻窪」が用途廃止し普通財産として交換の前提たる要件を満たすまでは、その要件を欠く。この段に至って、条例案で用途廃止の時期を明記するとか、用途廃止は今後決めるなどというのであれは、区のいい加減さ・デタラメ性を棚上げしたごまかしである。交換の絶対要件としての用途廃止―普通財産への移行の必要手続きに関する自覚も認識も見識もない区が、現に「行政財産」として機能している「建物」「土地」を、2年近くも先に訪れる「普通財産」状態の予定を示していさえすれば、現時点・来年2月区議会1定で、財産交換条例を通せるなどということはあり得ない。

      指摘だけしておけば、一つの区立複合施設として行政財産であるあんさんぶる荻窪の用途廃止を行うとすれば前掲フローのの時点しかない。だが、そうだとしても、ならば、普通財産に等しい状態になったあんさんぶる荻窪を国の何と交換すると言うのか。国も答えようがない。そこで「こうだ」と具体的にいえるものがあるのか。交換には交換対象物件がなくてはならない。区にはこれに答えられないはずである。国の「〇〇」と交換すると具体的に答えられるものがないからである。無理である。 ではまだでも、⑤になれば見えてくるというのは詭弁である。既に、もう、複合施設棟は出来上がっており、移転・入居も完了しているのである。

      これは、覚書に基づく(覚書そのものといってもよく、交換契約そのものと言ってもよい)財産交換条例案は、その肝心かなめの交換の絶対要件のところで、挫折し成り立たないということである。

 

 (2) 杉並区の交換財産である「あんさんぶる荻窪(建物・土地)」と国の交換財産である荻窪税務署(建物・土地)・公務新宿舎跡地(土地)の交換は、国有財産法第27条(交換)や杉並区の財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例第2条の同一種類の財産の交換という、財産の交換の絶対要件に紛れもなく違背する法令違反(法律違反、条例違反)以外の何物でもない。

   ▲国有財産法第27条1項には

「普通財産は、土地又は土地の定着物若しくは堅固な建物に限り、国又は公共団体において公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要があるときは、それぞれ土地又は土地の定着物若しくは堅固な建物と交換することができる。」とあり、

   ▲杉並区の財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例第2条には

「普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを他の同一種類の財産と交換することができる。」とある。

     他の都道府県区市町村でもほとんどが国有財産法第27条の規定にならって条例に同一種類の普通財産の交換を要件としている。

     「あんさんぶる荻窪(建物・土地)」と「荻窪税務署(建物・土地))・公務員宿舎跡地(土地)」の交換は、「建物・土地」と「建物・土地」「土地」のパッケージ交換である。これは一見して明らかなように、同一種類の普通財産の交換という、交換に関する絶対要件が全く想定してもいない法令違背(法律違反・条例違反)であることは言を待たない。

     ところで前掲フローの⑥は、一見、杉並区が企てている、「あんさんぶる荻窪(建物・土地)」と「荻窪税務署(建物・土地))・公務員宿舎跡地(土地)」の交換を成り立たせなくもないような体裁をとった「法律上の財産状態」を呈しているといえば、外観上はそのように見える。あくまで外観上、一見と言うに過ぎないが、区と国のそれぞれの交換財産の構成が「土地」「建物」と「土地」「建物」に整理された状態だからである。そうすると「土地」対「土地」、「建物」対「建物」ということで要件はクリアされると言えるのか。

     しかし、そうではないのではないか。国の交換財産の土地は「荻窪税務署」の建物が建っている「土地」と「公務員宿舎跡地」の「土地」、区の交換財産の「土地」は「あんさんぶる荻窪」の建物が建っている「土地」である。区の交換財産である「堅固な建物」(あんさんぶる荻窪)、国の交換財産は「堅固な(?)建物」(荻窪税務署)については、いずれもその建っている「土地」と一体であり、片方(あんさんぶる荻窪)は「堅固な建物」をそのまま残し活用・使用するものであり、もう一方(荻窪税務署)は「堅固な(?)建物」を交換後に直ちに解体するしかないものであり、本来なら「交換財産」としては解体・更地化した「土地」たるべきものが、たまたま、あんさんぶる荻窪との交換話が舞い込んだがために、解体せず、「堅固な建物」として維持しておくことで、同種財産交換の体裁を保とうとしただけの「堅固な建物」に過ぎない(「荻窪税務署跡地」と「公務員宿舎跡地」にしてしまったら、それこそ、「あんさんぶる荻窪(建物・土地)」と「荻窪税務署跡地・公務員宿舎跡地(土地)」の完全異種交換として成り立たない。)

     むしろ、実際には、「堅固な建物」対「堅固な建物」(「あんさんぶる荻窪」の建物と「荻窪税務署」の建物)の交換における評価額の差額のあまりの大きさ、「公務員宿舎跡地」と「荻窪税務署」が建っている「土地」の評価額の総和と「あんさんぶる荻窪」が建っている「土地」の評価額の差額の大きさから、「荻窪税務署・公務員宿舎跡地」のパッケージの総額と「あんさんぶる荻窪」の土地・建物の総額で、信じられないことだが、「総額」対「総額」での交換に安直に走って、そこでのある種の金銭総額上の大筋大枠合意から、このような組み立て手順のフローで、財産交換計画の工程表をつくったというのが真実ではないのか

     つまり、前掲フロー図で言えば、⑤のフローでの“同種交換”の前提から、⑥のフローでの交換実施にどのように運ぶかで、その手順として、まず、②で公務員宿舎を解体し、③でその公務員宿舎跡地を貸付財産として区に有償で複合施設棟建設工事を施行させ、④で完成した複合施設棟に荻窪北児童館を除くあんさんぶる荻窪の施設を移転、荻窪北児童館の各機能は桃二小と保健所等に分散移転させ、⑤で空っぽになったあんさんぶる荻窪の建物にを貸付財産として国が借り受け改修し、そこに税務署が移転しすることで、前記のような「同種交換」の体裁を整え、⑥の交換に進めるという連続した一連の交換計画を策定して、⑤から⑥へこぎつけようとした。

      本来であれば、②のように、③も④も、法令(国有財産法、杉並区条例)に基づき、個別に区と国の契約締結で建築工事も貸付と移転入居も、各施設(各行政財産)の用途変更や用途廃止も、完結して進め、その一個一個の手続きの完了・集積の上で、そこで整った⑤の要件のもとで、あらためて法令(国有財産法、杉並区条例)に基づき交換に及ぶべき筋合いのものである。だが、早く建替えに代わる荻窪税務署の移転を急ぐ国も、早く荻窪税務署の土地と公務員宿舎跡地を合わせた6331平米と言う広大な土地を手に入れ、さらに施設再編整備計画の推進上、あんさんぶる荻窪廃止(荻窪北児童館廃止)を急ぐ区も、このすべてをひとつの大がかりな一連の財産交換計画に連結・一体化して組み込み、財産交換の一つの分けられない工程表に仕込んで強行に走った。

     その結果が、実際には事実上の移転・入居や建築、引き渡しで事実上の交換が行われているのに、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署・公務員宿舎跡地の交換」の最終段階(交換契約締結・所有権移転)まで何と何の交換なのか、どこが同種交換なのか、まるで不分明でわからない、複雑な玉突き移転、ドミノ倒し的ななし崩し的移転で「交換」が進められようとしているのである。

       このような一連の連結・一体化構造での交換を「普通財産の同一種類での交換」とみなすことは到底できない。ざっと俯瞰しただけでも前掲フローの③④⑤⑥から、⑤だけを取り出して「同一種類の交換」という要件として、⑥の交換に入ることはできないはずである。そもそも、このようなフローの渦中にあって、この財産交換について法令に照らしてきちんと合理的法令上の根拠をあげて説明ができる幹部職員や理事者が一体何人いるというのか。みんな説明に窮して逃げ出してしまうだろう。

     麻生財務大臣ー田中区長のトップ交渉による合意と「財産交換」という前例がない手続きといった手法をあえて選び、「特養は喫緊」の錦の御旗を掲げて強行し続けてきたが、「功」を焦り、「事」を急ぎ、「策」を弄し、その挙げ句の果てに「策」に溺れ、区自身でも何をやっているのかわけがわからないような、説明すらできない状況に立ち至っているというのが、ほんとうのところではないか。

     あんさんぶる・財産交換問題は、地域の理解・合意・協力なしにはたちゆかない自治体行政が地元町会から大抗議・大反対運動が燃えあがり、商店街に横断幕まで掲げられるに至っているという意味でも、いざ区議会での条例化を図ろうとした矢先に「財産交換問題」が法令違背問題に転化し始めたという意味でも、杉並区・田中区政にとって命脈問題になっていると言って決して過言ではない。

 

【4】結語―元凶は2014年7月9日覚書。覚書とその締結にいたる国と区の交渉経過の全てを開示し、覚書を破棄せよ。覚書にもとづく「財産交換条例案」は無法の極み、来年二月区議会1定への提出を「条例案」もろとも白紙撤回せよ!覚書に基づく「交換契約」は無効・法令違背だ!あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換計画そのものを白紙撤回に追い込もう!

あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止を阻止しよう!

安倍政権の「1億総活躍社会―新3本の矢」の「特養増設―緊急政策」は大デマ、田中区政の「特養は喫緊、最優先施策」も同じ、その先兵だ。「特養」掲げた「あんさんぶる交換」強行を絶対許すな!

児童館廃止を阻止しよう!施設再編整備計画にゼッタイ反対!白紙撤回!

地域・職場・街頭から来年二月区議会「あんさんぶる廃止・財産交換条例」絶対阻止の大運動起こそう!子どもの居場所まもれ!税務署は荻窪南口に来させない!あらゆる署名運動起こそう!区職場からの声、決起が重要だ。みなさん、一緒に手を携えて、力を合わせて立ち上がろう!

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【※2014年7月9日締結の「覚書」全文については以下の当通信2014年11月10日記事で全文そのまま掲載・紹介したうえで暴露し批判しています。

 

http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/e/eed806bc5078203fb08e783688ef9151  】

 

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杉並区と国の2014・7・9秘密『覚書』破棄し、「あんさんぶる・税務署交換」計画を白紙撤回せよ

2015年11月18日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

今回記事は、前回記事との関係で連載の⑥となります。

特報・杉並版

 (児童館・あんさんぶる―地域・職場版)

 

11月杉並区議会の焦点

  11月18日から杉並区議会第四回定例会がはじまった。当然に幾つもの争点があるにせよ、当通信としては、以下の3点を超重視する。

「科学館条例廃止」条例ー科学館廃止条例を怒りを込めて弾劾する!

  一つは、1969年以来46年間という長きにわたって、全区の小中学校の子どもたちと学校教員、地域住民に親しまれ理科教育にとどまらない、すぐれた科学教育と学習の場となってきた清水の科学館の廃止が、今区議会での科学館条例の廃止を決定する条例で強行されることだ。年間2万人の利用者がいる類まれな施設だ。いまだ科学館廃止について知らされて驚く人が多いが、区は、既に、今区議会での条例を待たず、科学館条例がある状態で、一年前に、この廃止を「決定」し、科学館内の設備、器材・機材・教材等をhぽとんど運び出して同館を空っぽにし、そこで働いてきた職員を追い出して、「常設展示見学と講堂等の貸出のみを行っており、平成28年3月に閉館します。」とだけ館内に掲示し、「来年4月まで閉鎖」と事実上の廃館状態にし、同館で行われてきた毎夏休みの移動教室やプラネタリウム授業・体験等々ことごとく廃止し、出前授業や移動式プラネタリウムと称するまがいものに置き換え、ついには、職員全員を解雇した。「公の施設の設置・管理は条例で定める」という地方自治法244条の二も無視し、条例によらず、科学館の施設廃止と職員解雇を強行してきた。こうして実際には「完全に廃止」したものを今区議会で「条例」で後から議決承認するというこの断じてゆるすべからざる田中区政手法で、杉並区施設再編整備計画による廃止第一号とした。このやりくちと科学館廃止を許すな。

  18日田中良杉並区長名で議案提出された科学館廃止条例議案は、以下の通りだ。 

「杉並区立科学館条例を廃止する条例

杉並区立科学館条例(昭和44年杉並区条例第14号)は、廃止する。

 附則

 1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

 2 杉並区行政財産使用料条例等の一部を改正する条例(平成26年杉並区条例第11号)の一部を次のように改正する。

 第24条を次のように改める。

 第24条削除

 附則第1項第4号中「、第24条」を削る。

 (提案理由) 

科学館を廃止する必要がある。」

   46年もの間児童と教員、区民が利用し、年間2万人がいままで使ってきた、しかも他区には例がなく、全国全世界からも注目されてきた科学館、耐震改修も行われており、いかなる廃止の理由もない科学館を廃止するのにたったこれだけだ。区長や官僚は、「条例案の議案の定型とはこういうもので異とするに足りない」というだろうが、こんなふざけた条例はない。この科学館廃止を弾劾しないなら、同じように、41児童館が「児童館を廃止する必要がある」の一言で廃止されることも容認するということであり、「狭あい道路拡幅整備条例改定」条例も「現行条例は改定する必要がある」のたった1行の理由で看過し容認し、目下最大の紛争となり、地元町会あげての大抗議運動が起きている「あんさんぶる荻窪・税務署等財産交換」も「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の交換は必要である」の区の一言で屈服し容認することになるということを意味する。冗談ではない!田中区政と闘わず、この科学館廃止条例に絶対反対を表明し怒りの抗議を叩きつけないなら杉並区議会(政党・会派・議員)も何から何まで腐りきっているということだ。

 

地域破壊・再開発のための住民の私宅・私有地の強権的接収

「狭あい道路拡幅整備条例改悪案」ぜったい反対!

  二つ目は、11月7日に審査会が最終答申を出し、田中区長が「今年度内に条例を通す」と表明している「狭あい道路拡幅整備条例の改定」の条例案の問題だ。今区議会提出の条例案には搭載されていないが、11月議会では、審査会最終答申が出された以上、徹底的に弾劾しよう。

  「木密地域解消・不燃化地域化」とか、「緊急車両通行」「利便性」などもっともらしい理由をあげているが、狙いは、更地化、追い出し、再開発のためだ。田中は「タネ地はつくるもの」と考えている。仮に百歩譲って、前掲の「理由」に一定の合理的根拠があるとしても、だからと言って、現にそこに住み、所定の道路拡幅方針に応じて改修することができない住民に、「強権」を発動して、無償で拡幅にかぶる部分を接収する、そこに住めなくするなどという権限は区にはない。田中区長の以下の言辞(趣旨)を見よ。

 “憲法・法律、財産権などと言ってたらいつまでたっても道路はひろがらず、再開発ができない!都市部再開発のためには私権制限もさけられない!”(田中良杉並区長)

★★★参照:当通信の下記記事に基本的なことは既報しています。

http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/e/3d1d11fd23439826653a7dccf2cc740b

杉並区の「狭あい道路拡幅整備条例改定案」ゆるすな!児童館全廃・あんさんぶる廃止阻止とひとつの闘い  2015年01月18日 | 杉並田中区政批判

http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/e/731a9473624930141f62834422b6d178?fm=entry_awp

杉並田中区長、対象163人・回答72人のアンケートで「私有地を道路拡幅に強制取りあげ」の条例めざす!   2015年02月12日 | 激突!2015年4月杉並区議選

2015年02月12日 | 激突!2015年4月杉並区議

  この「狭あい道路拡幅整備条例改悪」条例に率先して積極的賛成を先の区議選でも表明している無所属区民派をはじめとした政党・会派・議員は、紛れもなく田中与党として、利権政党・利権会派・利権議員として登場している。

あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止に絶対反対!「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」ゼッタイ阻止!

★10・20天沼小説明会で区はこれまで10か月間言明してきた「来年2・3月区議会財産交換条例案提出」予定を「今後のスケジュール」では触れることができなかった!区は、なぜ、これまで公表・説明し続けてきた2016年2月区議会「財産交換条例案」提出予定を引っ込める破目に至ったのかを区自ら明らかにせよ。

2014年7・9秘密「覚書」だけが「明文根拠」で「財産交換計画」を強行し、条例化をはかることが実際に根本的に行き詰った以上、「覚書」を破棄せよ

★いま区がしなければならないことは、「覚書」締結事項でも条例にできるように、あれこれの解釈・改定の醜い悪あがきをすることではなく、いまだ正式には議会でも住民説明会でも区の公式区政資料等の公文書でも自ら公開していない「覚書」とそれをめぐる全経過を公開し、「覚書」締結事項がこのかん区が「財産交換」条例案の骨子としてきたものである以上、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」計画そのものを白紙撤回せよということだ。11月区議会では、この覚書問題、このままでは絶対に条例には区が運べない法律問題が必ず火を噴く。火を噴く以上は、手直しや出直しではなく、火を噴かざるを得ない、そもそもの「荻窪5丁目のあんさんぶる荻窪(土地・建物)」と「荻窪税務署(土地・建物)及び公務員宿舎跡地(土地)」のパッケージ交換とその順次先行手法そのものが、ことごとくイカサマ・違法であることが区に対する徹底追及で明かにされねばならない。

 今区議会は、「特養整備」「特養増設」を「1億総活躍社会ー新3本の矢」で打ち出し、読売・産経・日経はじめメディアが毎週その大宣伝を行っている中で開かれていることにも最大の留意と注意を払おう。「600兆円GDP」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」の三大大風呂敷デマとして、その具体的政策手段として「特養整備」「特養量産」が掲げられ、その方法として「国有地格安貸し出し」「賃貸物件として特養の土地・建物の規制緩和」が出されていることだ。

足下をすくわれて、「財産交換より、安くつく国有地貸し出しで行こう」という議論にはめられてはならない!区は「あんさんぶる財産交換で天沼3丁目特養」も「政府の緊急政策もやる」という考え(10・20説明会での区説明)だ。

  安倍が「国をあげた成長戦略」の柱中の柱として掲げる「第2の矢ー待機児童ゼロ」「第3の矢ー介護離職ゼロ・特養整備」は大ウソとだまし討ちだ。首都圏90カ所の国有地の格安貸し出しによる特養整備」や「規制緩和による地主の特養建物建設、土地・建物まるごと賃貸物件化による民間貸し出し・特養整備」でどんなに「特養」施設を「量産」しても、いまの「入所待機者解消」や「介護離職を避け得うる特養確保」には至らない。「施設(入れ物)」以前に、介護を担う職員が低賃金・劣悪労働条件そのままの現状では「人」が絶対に不足し続けるからだ。まともな労働条件なきところに特養などなし!なぜ介護職員がどんどん辞め、なぜ新たに介護職員募集に応募する人がいないのか、安倍はいっさいここに触れていないし、それは安倍が気付いていないからではなく、「介護職員の給与や労働状態などどうでもいい」ひいては「介護などどうでもいい」と本心では思っているからだ。「介護報酬を切り下げ」ている安倍政権の考え方をみよ。「しもじもの労働者世帯・勤労者世帯の介護などかえりみる必要ない」という考えがあり、「介護職員なんかどんな労働条件でもいい」という考えがあるのだ。すべては「企業のカネ儲け」だ。

   メディアの洪水のような「特養整備」「特養量産」キヤンぺーンに騙されるな。行き着くところメッセージの「アミ―ユ」やつい先日100を超す介護施設を損保ジャパン興和に一括売却した「ワタミの介護」のように虐待事件とブラック職場と化している民間介護企業と特養建設に群がり、儲けるゼネコン、不動産会社、銀行、地主を潤すだけの話であって、決して、高齢者の介護、福祉のためではない。

   安倍が打ち出したこの民間企業のカネ儲けのための「特養整備」「特養量産」に、乗っかって、「国有地廉価貸し出しで特養整備」に唱和する会派、議員、政党が、ゼネコンや地主と一緒になってフィ-バーアップしている惨状はとんでもない話だ。そこをはっきりさせろ。安倍が私たちの家族である高齢者の介護を本気で考えていると思うのかー眼をそらせず、胸に手をあて、親たち、高齢者のこと、介護職場のこと、次々と職場を辞めざるを得ない介護職員のこと、特養からブラック施設に至るまで介護現場で起きている安全崩壊の現実に目を覆うことをせず、向き合ったら、絶対に、「政府・国(=安倍)の緊急政策、第3の矢」に基づいて「特養整備」に賛成などとは口が裂けても言えないはずだ。

   とりわけ、それが、杉並田中良区長の「喫緊の特養整備」と絡み合って、「あんさんぶる問題での財産交換のやりかたより、政府緊急政策で、国有地貸し出しに依拠して特養を整備すべき」と言い出していることは到底看過できない。特養は必要だ。当然だ。しかし、国と自治体の責任で、公立の特養、介護職員の賃金・労働時間等労働条件が十全に確保され、介護施設の安全環境が確保される特養をこそ、高齢者も家族も求めている。ここをハッキリさせない「政府緊急政策」への便乗は、まさに「1億総活躍社会」、挙国一致の「成長戦略」推進の翼賛以外の何ものでもない。それは「特養は喫緊」「特養増設は区の最優先施策」を掲げた田中区政の「あんさんぶる荻窪廃止ー天沼3丁目特養」に結局は協力するものだ。ここをはっきりさせよう。

  11月区議会は超重要だ。区がどうするのか、どう答え、どうごまかそうとするのか。区議会に議員席を置く政党、会派、議員が、どういう態度と質疑、または唱和・沈黙でその姿勢・責任性を明かにするのか。ここまで煮詰まってきた、その中で、私たちは耳目を議会に集中している。そして議会がどうあろうと、どう行動しようと、私たちは私たち自身のためにどこまでも一歩も譲らず闘うということだけは、何がどうなろうと確実なことである。

 

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安倍11・6スピーチ「特養つくるから親の介護で離職するな」のとんでもない大ウソ国策は許せない!

2015年11月13日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

 

 

 特報・杉並版

(児童館・あんさんぶる=地域・職場版)

   (前回記事からの続きです。)

  10・20天沼小説明会の報告・総括で始めた小連載では今回は⑤ということになりますが、前回記事④では、保育・子育ての問題を中心に安倍の11・6読売懇話会スピーチを批判してきました。そっくり同じことが、この国が「企業のカネ儲け」がすべてで、福祉を切り捨ててやってきた高齢者政策、介護問題についてもハッキリ言えます。今回記事⑤では、前回記事の続きで、 便宜-3-として、安倍スピーチの「第3の矢」の「介護離職ゼロ」、「特養整備」を中心に批判します。

        -3-

安倍11・6読売国際経済懇話会スピーチで打ち出されている「安心の社会保障―第三の矢」は、目的である「団塊世代の親を抱えた団塊ジュニア世代の大量離職の防止(介護離職ゼロ)」からそのための政策手段である「特養整備」まで、何から何までが一点「日本経済破たん」回避のための国と企業の身勝手な自己都合と大ウソです。そこに介護・高齢者政策に対して安倍政権と国が責任をとりきる覚悟など一カケラもなし!考えているのは「企業のカネ儲け」、そのための「働き盛り世代」の労働力の確保だけ!こんな大ウソ国策は必ず破たんする!「特養整備」「特養量産」に騙されるな!

    「1奥総活躍社会」、「新3本の矢」そして、その「第3の矢」をみて、つくづく思うのは、安倍をはじめとしたこの国の政府、政財界は、自らがつくりだし、ひきおこしてきた今日の介護・高齢者政策の破たん、高齢者が置かれている現実や労働者世帯が直面している介護離職の深刻な現実について、かえりみるところが、これっぽッちもないということです。

   「これまで手がつけられないできた」(スピーチ冒頭のくだり)の一言で片づけ、これから起きてくる国にとって深刻な危機となる問題をあたかもいきなり降ってわいたような「試練」か「災厄」であるかのようにきわめて外在的に扱い、その処方箋についても、とにかく国としては危機感を燃やして「死に物狂いで取り組む」のだから、これに従え、国がこれだけのことを決意したのだから、黙って言うことを聞けといわんばかりに、自分たちの都合だけで労働者、国民に対して好き勝手なことを求めて、それなしには「歯止めはかからない」と言っていることです。、

 【1】非正規職化の国策と介護保険制度のせいでつくりだされた

   高齢者人口の増大と高齢者を支え切れない介護・支援のしくみの立ち遅れ、親の介護のために現役の労働者が仕事を辞め親の介護に専念せざるを得ないという「介護離職」の問題は、確かに深刻な問題になっています。しかし、それは高齢者の長寿命化から起きている社会問題ではありません。

   40代後半から50代の働いている夫婦がいて、高校や大学に通っていたり、就職している娘や息子がいて、年老いた親がいる・・・かつては、これは一つの典型的な家庭の姿でした。

   夫婦共働き世帯が増え、国や自治体の責任で公立で親を預けられる介護施設が身近な地域にあった時代は、それでも、労働者世帯にとって年老いた親の介護の問題が今日ほど大変な問題となり、家族がみな働きに出てやっとのことで生計を維持するしかなく、親(高齢者)が家庭にとりのこされる孤立が問題になるようなことはなかったといえます。

    ここ10年、20、30年の間に、急速に家族にとっての大きな問題、社会問題となってきたこの問題は、年月の経過や、高齢者の長寿命化だけで、今日の状況に直面するに至ったわけではありません。 何によって、この今日の状況がもたらされているのか?

    1980年代から90年代初頭のバブル経済とその崩壊、恐慌と長期大不況の中で、国も企業も「大恐慌時代の国家経営、企業経営」に、これまでのありかたを根本から転換したという問題が最大の背景にあります。大恐慌・長期大不況の時代に国と企業が生き残り、国際競争でしのぎを削って競り勝つために、いわゆる新自由主義に突き進みました。

    「何が今日の状況をもたらしたか」という設問に即して、ここでの問題を絞りますが、①国が膨れあがる国家財政の大赤字、財政危機の悪化の中で、これまで国(および自治体)の「国民に対する義務」であった社会保障、福祉を国家の責任政策から放り出し、きりすてたこと、②企業のカネ儲けのための極限的な追求として賃金・労働条件の切り下げ、その目的にかなった雇用形態として労働力の9割以上を非正規雇用・不安定雇用に切りかえ、超低賃金と総非正規職化を国をあげた国是国策として突き進んできたのです。

     こうして、家庭から「就労できない」高齢者以外のすべてを労働市場に引きずり出し、企業にとって廉価でいつでも使い捨てにできる労働力として搾取し、ギリギリかつかつの生活状態に追い込み、労働者・勤労者世帯の高齢者の介護・生活支援について言えば、介護保険制度の実施によって、国と自治体の介護責任を放棄し、サービスの売り買いと民営介護事業の手に丸投げし、介護費用の負担が経済的に困難な家庭は、親を施設介護に委ねることもできなくなりました。

     約めて言えば、いま焦点になっている40代後半から50代の共稼ぎ夫婦が親の介護の面倒をみようとすればいずれかが仕事を辞めざるを得ず、給与収入が半減することによって生計にあえぐ現実が発生し、これまでの生計の維持のために夫婦共働きを続けようとすれば介護が必要でも親をひとり家に残して働きに出続けるしかない。こういう二律背反のジレンマに叩きこまれているのです。企業・職場で大黒柱・ベテラン・基幹にあって彼らなしには企業も成り立たない位置にある40代後半から50代の現役労働者も、その企業で果たしている役割にかかわりなく、非正規職化され、生計はこれまでのようには到底たちゆかない厳しいものとなっています。施設には高額の介護費用に堪える収入や預蓄がなければ親の入所は困難であり、職を辞して親の介護を担えば、ますます生活はむずかしくなっていく。ここにあるのは、いかなる選択をしようと、二進も三進もいかない現実です。

    たとえば身体の不自由な、あるいは認知症の親を抱えている労働者世帯の場合を年頭に考えてみてください。親を一人家に残して働かざるを得ない大変さ、辛さを考えてみてください。こういう二進も三進もいかない苦しみ、悩み、煩悶、身を切られるような辛さとは無縁で、そういう心配とはおよそ無関係なところにいる人々にしてはじめて口にできる話が「国が施設をつくって親の面倒をみるから、企業のためにさらに奉公しろ」という安倍スピーチなのです。そもそも、これまで介護を施設介護も訪問介護も民間企業に委ね、「財政難」を理由に公立の特養の設置を自らは一切してこず、このかん大問題になっている「介護のワタミ」(この10月撤退、損保ジャパン日本興和に売却)や「メッセージ」(アミール)がひきおこしてきた施設での虐待や職員のはなはだしい人員不足を放置放任してきたのは国です。その国から「施設をつくる」と言われて、誰が安心して自分の親をそこに委ねられるでしょうか。

    安倍首相が、いかに私たち労働者・勤労者世帯、年老いた親を抱えて生計のために働き続けることと親の介護で葛藤している出口がない現実から、いかに無縁なところにいて、「親の介護」や「高齢者政策」をイメージしているかは、スピーチで何の引っかかりもなくベラベラと喋っている次の箇所にもあらわれています。何が「3世代同居で支え合い」だ!何が「徒歩圏内で暮らす近居を促す仕組みをつくる」「UR賃貸住宅の3世代近居の場合の近居割の大幅拡充」だ!

【2】安倍スピーチには高齢者世帯、日中独居世帯、単身高齢者の介護への言及はただの一言もなし、完全にきりすて

    ここまで、スピーチがテーマにしている事との関係で、団塊世代以上の親を抱えた40代後半から50代の労働者世帯の親の介護の問題を中心に見てきました。しかし、今日の介護、高齢者政策について触れるなら、最大の問題と言ってもいい高齢者世帯、単身高齢者世帯、同居世帯でありながら日中独居となっている世帯、老老介護や孤独死、孤立の問題を外すことはできません。ところが、安倍首相11・6スピーチには、この高齢者世帯、単身高齢者世帯、日中独居等の問題は、まったく出てきません。

   要は、安倍首相の頭の中では、高齢者世帯、単身高齢者世帯、日中独居の問題は、“いずれあと何年かたてば、この世からいなくなる人”の問題だから、介護や高齢者政策の対象領域の問題・課題にする必要はないものとして、既に対策・政策の対象としては消失している、きりすてられているということです。高齢者世帯、単身高齢者世帯、日中独居の問題など安倍首相にとってはどうでもいい、どうなろうと知ったことではないということです。ゆるしがたい!

   ここには、安倍晋三の介護、高齢者政策に対するアプローチ、考え方の正体、見方の本性があらわれています。安倍晋三という政治家にあっては、高齢者に対する介護などどうでもいいというのが本心です。介護は必要なことではないと本当は思っているのです。正確に言えば、“しもじもの労働者、貧乏人には親や年寄りの介護など無用”ということなのでしょうが。

  このことは「親の介護のために離職するな」⇒「親の介護は国が特養等の介護施設をつくるから離職しないで働き続けろ」という安倍スピーチ「第3の矢」の本旨が、「介護」ではなく、「離職ゼロ」、それも「日本経済(企業のカネ儲け)のために離職ゼロ」にあることをも露骨に示しています。したがって「親の介護で離職するおそれがある団塊ジュニア」というときも、団塊世代の高齢者への介護はほとんど切りすてられているのです。団塊世代も、高齢者世帯、単身高齢者世帯同様に、安倍においては、どうなってもいい存在として扱われているということです。

  安倍にとっては、「企業のカネ儲け」に役立たない者として高齢者とその介護のことなどに関わりあう必要はないということです。

【3】「介護離職ゼロ」が「第3の矢」のメインであり、すべて―その意味

 

    もう明らかだと思いますが、安倍首相は、「これまで手付かずで来た少子高齢化の問題に死に物狂いで取り組む」と言って、あたかも高齢者の介護の問題、親の介護で苦しみ悩む現役世代の問題に、真剣に取り組むかのようなふりをしながら、スピーチの眼目は、「2020年代に訪れる団塊ジュニアの大量離職の阻止・防止」におかれています。

 

    「介護を原因とした離職が年間10万人を超えている」、「いわゆる『団塊世代』が2020年には70歳を超え、働き盛りの『団塊ジュニア世代』が介護のために大量に離職すれば、日本経済は成り立たない。危機は目の前に迫っている。今から在宅介護の負担軽減、介護施設の整備を加速し、2020年代初頭には『介護離職ゼロ』を実現する」と安倍は言っています。

 

    要は、「日本経済(企業のカネ儲け)のためには、現役世代を親の介護のために離職させない」ということだけです。それがすべてであり、それオンリーです。別の箇所では「これは社会政策の問題ではない。成長戦略の問題だ」とハッキリ言っています。

   だが、「親の介護で離職するな」と言われている私たち労働者の側からいえば、安倍が言っていることはあまりにも虫がよすぎる身勝手な話ではないでしょうか。これまで企業が労働者に対してやってきたことは何か。企業の都合で、賃金を切り下げ、企業の都合で早期退職か非正規職かを迫り、労働者を食ってはいけない、家族を養うことも険しい状態に叩きこんできたのは誰か。会社が儲かるために、残業代ゼロで長時間労働を強い労働者をがボロボロになるまで酷使し、いいように使いまわし、使い捨てて来たのは誰か。それが、「大量離職されたら日本経済が成り立たない。危機は目の前に迫っている」とただの一人の政治家(首相)がわめきだした瞬間に「国が介護施設をつくって親の面倒をみるから辞めないでくれ」とは虫のいい話ではないか。

   それも「今までひどい目に合わせてきて済まなかった。」の謝罪もなし、「今度ばかりは非常事態だから辞めないでくれ」と懇願するでもなく、居丈高に「労働者が親の介護を理由に離職するなどというのはけしからん、日本経済の興廃がかかっているときに何事か」と言わんばかりに、「国が国を挙げて施設をつくる。四の五の言わずに、国と企業のために従え」と国策として「親の介護を理由とした離職を規制・禁止」するかのようなトーンで「介護離職ゼロ」のスローガンを掲げたのだ。それも労働者のほとんどを非正規職化していくことは前提になっている。

   安倍晋三は、この「第3の矢―介護離職ゼロ」を含めた「成長戦略の第二ステージ」を「1億総活躍社会」と言っていることに対して「戦前の1億火の玉となって・・・」の挙国一致や産業報国を想起させるという批判に打撃を受けて反発しているようだが、まさに図星であって、国策としての労働者強制動員以外の何ものでもありません。

【4】特養・介護施設の整備は掲げても、介護職員の超低賃金・過重労働の問題は無視・抹殺し放任

    で、親の介護はどうする気か?安倍首相は特養ホームを「首都圏の国有地90カ所を介護施設事業者に安く貸し出す」ことで増設すると言い、厚労省はこれを受けて、これに加えて「地主が特養を建てて、土地・建物を賃貸で法人に運営させる。直ちに規制緩和で実施する」という都市部特養整備を打ち出しています。「これなら離職しないで済む、何か文句や疑問でもあるか」とでも言わんばかりの勢いで、とにもかくにも特養ホームをあの手この手で量産するということです。

    だが、施設を量産し整備すれば、「介護ニーズ」は満たされ、「親の介護で離職する恐れがある現役世代の離職」は防止できるとでもいうのか。ここで根本的に欠落している問題、否、意図的に無視・抹殺・軽視している問題は、介護職員の人員不足の問題であり、その原因である民間一般給与水準と比べても10万円以上少ない介護職員の超低賃金と介護現場での超重労働と過重労働の問題です。【※この問題は保育園の職員不足、保育士資格を有していても標準より賃金が10万円以上低く、なおかつ大変な体力と集中力と責任性が求められることから保育園を職場として選ばない人が膨大にいるという保育士不足についても言える問題です。】

    要するに、介護職員への成り手がいないということです。「介護人材バンク」をつくるということも厚労省は打ち出したが、そんなものを作っても介護現場で働く職員の超低賃金、介護に伴う重労働、実際に一人の職員が見なければならない入所者の人数の多さ、こうした労働条件が抜本的に解決され、改善されない限り、辞める人が後を絶たない離職率の高さは解消しないし、介護職に応募する人の激減傾向は、変わるものではありません。介護の問題は、施設(「入れ物」)を作れば解決するわけではない。施設は必要でも、介護するのは人、人間、労働者です。

   

     安倍や厚労省が、現在、「空き」があっても入所を断っている特養や有料老人ホームの数がおびただしい数に上っていることを知らないはずがありません。、「空き」があっても入所を断っているというのは、もはや現状の職員数ではそれだけの人数の入所者を介護することは限界を超えているからです。介護職員不足、介護職員を募集しても集まらない現状から、規模を縮小したり施設事業から撤退するところが続出しています。その根幹に、人員不足、離職の拡大と応募の縮小、その原因に超低賃金と重労働、実態としての過重労働のまん延があります。この現実を安倍も厚労省が正視せず、隠蔽し、介護職員の労働条件の抜本的改善にはまったく手をつけようとはまったく考えてもいないのです。それは特養の増設・量産を掲げながら、反対を無視して介護報酬の切り下げを強行していることにも示されています。介護職員の賃金・労働時間・雇用形態を今の状態から変える気など、安倍や厚労省にはさらさらありません。これが介護に対する国や自治体の責任を投げ出し、介護を民間企業の食い物にした介護保険が行き着いた先です。民間企業、民営施設介護事業、民間訪問介護事業は、介護を必要とする高齢者を食い物にするとともに、介護職員を低賃金と過重労働で食い物にして、カネ儲けするのです。

   あの手この手で特養を量産することを決め、介護職員の賃金・労働時間等の労働条件の抜本的な改善を打ち出さないということは、安倍首相や厚労省の方針が、どこまでも企業のカネ儲け一辺倒で進もうとしているということにほかなりません。

  介護大手である 「介護のワタミ(施設ブランド名は「レストヴィラ)」(10月廃業・損保ジャパン日本興和)や「メッセージ(施設ブランド名「アミーユ」)で起きた死亡事故や虐待事件のことはみなさんも記憶に新たなところと思いますが、その根幹に民営介護企業のブラック施設、それをもたらした「カネ儲けがすべて」と「総非正規体制」の問題があります。それはたまたま表に出た氷山の一角にすぎません。介護職員の労働条件保障がないところに安全・安心の介護などまったくありません。

  これが「特養の量産整備」で「介護離職ゼロ」をはかるとしている、その「介護」の中身です。

  もはや安倍政権の「特養整備」はいかなる意味でも国家による詐欺としかいようがありません。 国策としてこれをやると安倍首相は言っているのです。

 

【5】あの手、この手の「特養量産」がもたらすのは、介護企業、地主、ゼネコンのカネ儲けのみ

    随分長い暴露と批判になってしまいました。安倍の「1億総活躍社会=新三本の矢=成長戦略第二ステージ」で「少子高齢化に対する死に物狂いの取り組み」の最大の特徴は、11月13日読売新聞(記事掲載の1枚目の写真)が強調している通り、「第2の矢ー待機児童解消」と「第3の矢ー介護離職ゼロ」にあります。そして、この両方に「国有地(公有地)活用」「国有地の格安貸し出し」「規制緩和による賃貸物件活用」でのあの手この手があります。8月7日の麻生財務大臣の「国有地の有効活用で地方創生・再開発の起爆剤に」の安倍首相への提言から始まって、読売、産経、日経が、今や連日報道で安倍首相11・6スピーチで全体像の骨子が出た「1億総活躍」国策のキャンペーンを行っています。フィ-バーというべきものです。

   しかし、縷々指摘し暴露・批判を通して、玉ねぎの皮をむくように、中身を見ていくと、結局、これは次の点に帰着します。これが安倍スピーチの目的であるのか、それともこれが実際に起こること(結果)なのかは措くとしても、これが推進されれば起きることとしては、以下のように言えます。

   この「特養の量産」ムーブメントでひきおこされつつあるのは、紛れもなく土地がらみ、建設がらみのカネ儲けだということです。

   ①施設の建築工事でゼネコンが儲ける。

   ②民間介護企業が国による格安の土地貸し出しや地主による土地・特養建物の賃貸でわずかの初期投資で特養をつくれ、なおかつ国や自治体の補助を得られる。

   ③地主が、50年といった長期にわたって土地と特養建物の賃貸料で潤う。

   ④今まで遊休で眠っていた国有地を使って売却によらぬ手段で恒常的にカネが国転がり込む。

   ⑤これらの動きと関連したつながりがある動きを通して、カネが飛び交い、企業も銀行も儲ける。

   ここでここ数年間にわたって「カネ儲け」のフィ-バーをおこすというギトギト、ギラギラしたものを感じているのは当通信だけではないと思います。「直ちに開始」の「首都東京での国有地90カ所の廉価貸し出しで特養整備」「規制緩和で地主の特養建設と土地・施設建物の賃貸物件化」などという一辺倒・傾斜集中型の優先方針からは、「成長戦略(企業のカネ儲け)」のための起死回生の「もう一つのオリンピック」と考えているフシが見えます。騙されてたまるか。そんなことのために、「少子高齢化」が使われ、誰もが大事なこと、喫緊のこととして考え、苦しんでいる「保育・子育て」、「介護、特養」が使われています。しかも、国策として強行されようとしています。絶対にゆるしてはならない国策詐欺です。

   杉並区・田中区政の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」は、急速な安倍政権の「新3本の矢」の中で、かすむほどになっていますが、根はまったく同根のものと言えます。

   強調して訴えたいことは、安倍の「第3の矢」にしても、田中の「あんさんぶる交換」にしても、「特養」を掲げた大ウソ、詐欺にだまされてはならないということです。田中良区長は「杉並の安倍」です。安倍首相や麻生財務大臣や田中良区長をまっこうから批判し、一歩も譲らず闘おう、絶対反対で闘おう!

 

 

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「特養整備」を掲げた国策詐欺・安倍「成長戦略Ⅱ―新3本の矢」弾劾!「あんさんぶる財産交換」も同じ!

2015年11月11日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

特報・杉並版

(児童館・あんさんぶるー地域・職場版)

なぜ、いま、杉並の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」をめぐる闘いの現場から、安倍首相の「1億総活躍社会―新3本の矢」スピーチの批判が重要になっているのか

 

   「少子高齢化問題に死にもの狂いで取り組み、『一億総活躍社会』を目指す」・・・11月6日、読売国際経済懇話会の場で安倍首相は講演し、その決意のほどをこのように表明しました。

   安部首相は、アベノミクス第二ステージとして、第一ステージの3本の矢(①「異次元金融緩和」、②「機動的財政出動」、③「成長戦略」)になぞらえて、(1)「希望を生み出す強い経済」、(2)「夢を紡ぐ子育て支援」、(3)「安心につながる社会保障」を目標にうたい、その目標に向かってあらゆる政策総動員で、「新3本の矢」を全力で放つと発表しました。安倍首相は、この(1)(2)(3)のそれぞれに、①GDP六百兆円、②希望出生率1,8(待機児童ゼロ)、③介護離職ゼロ(国有地安価貸出、首都圏90カ所特養増設)を矢で射ぬく的として明示しています。

   10月15日の読売新聞、10月24日の産経新聞に続き、この11月6日の安倍首相スピーチを受けて、11月10日には日本経済新聞が1面トップで「特養、都市部で増設促す ―賃貸物件も認める― 厚労省方針」見出しで「介護離職ゼロ」への対策を報じています。

 

   特別養護老人ホームを運営する法人はこれまでは、土地は借りられるが建物は法人自身が建て所有することが一切の前提でした。日経記事が伝える厚労省方針は、この規制を緩和し、高齢者が増え続けている東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県、愛知県・大阪府など地価が高く空き地が少ない都市部に限り、地主が特養ホームを建て、土地・建物をまるごと法人に貸し出すことで、特養増設を加速させるというものです。厚労省は、来春には運営法人の認可基準を見直す通知を出すとしています。

   10月に読売、産経が報じた国有地の格安貸出による特養増設、首都圏90カ所での特養整備の政府方針ともどもに、メディア報道を見る限り、政府主導で国をあげての国策として、「特養増設、介護離職ゼロ」に「新3本の矢」の「第三の矢」の位置付けを与えて「特養増設の加速」へと急速に動き出したと言えます。

     その本当の狙いは何か?これは、果たして、介護に苦しむ高齢者と家族、離職が後を絶たない現状が突き出している介護現場の現実とそこで苦しむ職員が、切実に求めていることに、本気で応えるものと言えるようなものなのか。

    この問題は、杉並区・田中区政が「特養ホームは喫緊、杉並区の緊急最優先施策」として強行している「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」の問題に―折も折というだけでなく、また「特養整備」や「国有地活用」が焦点になっているというだけでなく―完全に重なり合う問題です。単に重なり合っているばかりか、杉並で闘われている「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」反対の闘いの成否、帰趨にかかわる問題です。

     安倍首相は「1億総活躍社会―そこに向けての新3本の矢」を掲げ、そのための「第三の矢」として、この問題を“国策”として位置づけています。杉並の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」をめぐる紛争は、田中区政との闘いであるとともに、この“国策”との闘いです。田中区政はこの安倍の“国策”の先兵になっているということです。

 

         -1-

大風呂敷の数値目標、綺麗事のキャッチコピーではなく、「私たちを生きさせろ」の現実から議論を

     田中区長の区長二期公約も安倍首相の11月6日の読売懇話会スピーチも「少子高齢化」に対する対策・政策にあらゆる手段で挑戦すると言っています。田中区長も安倍首相も、「待機児童ゼロ・保育受け皿の緊急整備」「入所待機者解消・特養増設」への全力投球を掲げ、数値目標を掲げており、安倍スピーチでは「死に物狂いで取り組む」とまで言っています。しかし、「死にもの狂いで」と表明し、期限を定めた数値目標を掲げれば「保育や介護の待機ゼロ」や「少子高齢化に歯止めがかかる」というものではまったくありません。

     それどころか、▲なぜ、「待機児童」として保育を受けられない子どもと家庭が激増し、「入所待機」として介護が受けられない高齢者、高齢者を介護しきれない家庭が激増しているのか、▲なぜ、子育てと就労(仕事)、親の介護と就労(仕事)に苦しみ、悩む労働者家庭が激増しているのか、▲なぜ、保育に必要な保育士数に匹敵するかそれをはるかに上回る数の有資格者がいるのに、保育士数の不足の問題が解消しないのか、なぜ保育職員や介護職員の離職が後を絶たないのか、・・・・こうした現に起きている、おびただしい直接の深刻な具体的問題に対して、「死にもの狂い」の「決意」や「数値目標」、綺麗ごとの「待機者ゼロ」「増設・緊急整備」のキャッチコピーは、むしろ、実際の生々しい現実を隠ぺいし、ごまかすものでしかありません。

     安倍首相は2013年4月成長戦略スピーチでは「待機児童解消加速化」で「2017年度までに保育受け皿40万人増」を打ち出し、「あらゆる政策手段の動員」を打ち出し、「要はやるかやらないかだ」とまで言っていました。あれから安倍政権は何をしてきた、何ができているというのでしょうか。その同じ安倍首相が「死にもの狂いで取り組む」と言って「当初方針から、エスカレートし、2019年度内に保育受け皿50万人増に目標を上積み」と打ち出し、「介護離職ゼロ、首都圏90カ所介護施設整備」とこの11・6読売懇話会スピーチで言っているのです。実際の政策実践・計画達成の結果と総轄もなしに、目標値を拡大し、「取り組みの覚悟」のコトバ上の表現をエスカレートさせても、大風呂敷の空虚では子どもも親も高齢者も家族も現在の苦しみから救われません、それどころか、大規模選挙のりきりのためのその場しのぎの空手形、空叫びの詐欺と断罪されるべきことです。

    その場しのぎの空叫びと言えば、次のこともハッキリさせておきましょう。安倍首相は2014年(昨春)も、就学後の小学生児童の領域で「2019年度までに放課後子ども教室の①万箇所⇒2万箇所への倍増、学童保育の30万人分増」と打ち出し、「女性活躍社会」のキャッチコピーと一体で、「М字型カーブ」と言われる現実(小学校入学の子どもを抱えた母親の子育ての不安が就労を妨げているというデータ)を是正し、女性の就労を促進するために、学童保育の受け皿方針を決定したと言っていました。ところが、「女性活躍社会」キャンペーンと一体で取り上げていたこの学童保育受け皿の増加・拡大については、「一億総活躍社会」スピーチではただの一言も触れていない。何も進捗がないということと、全く別のことを考えている(※国は学童保育・児童館を児童福祉法・厚労省の管掌から学校教育法・文科省の管掌に切りかえ、児童館は廃止し、学童保育という考え方・制度も一掃し学校教育(放課後子ども教室)に統合しようとしている!)ということです。

     ことほど左様に、安倍晋三の言っている「△十万」のキャッチコピーは、いい加減で真面目に検討するに値しない大ウソ、大風呂敷を広げてみせることだけが目的の詐欺に過ぎません。

    安倍首相が11・5読売懇話会「1億総活躍社会―新三本の矢」スピーチで「第二の矢」「第三の矢」として位置づけている子育て・介護の問題をみても、同じことが言えます。結論的に申し上げれば、すべて、以下の三つの問題が基底にあります。

     ●「保育―待機児童問題」、「高齢者『孤立』―介護離職問題」とは、成長戦略(大企業のカネ儲け)のための総非正規化が引き起こしている問題

     ●保育の民営化、介護保険制度と介護の民営化の問題

     ●介護・保育を担う職員が生きていけない超低賃金と過重労働の問題

   この実際の現実の全てを隠蔽しています。言葉では言い尽くせない不安とうめき、出口のない辛さ、やっていけない、自分の力ではどうしようもない厳しさ、生きることの苦しみ、明日がみえない現実がそこにはあります。この国の誰のせいで、何によってひきおこされている問題なのか、そうした不安や苦しみとは無縁な安全なところにいて、そんな心配はしなくて済む連中が、世の中を覆っている現実に蓋をして掲げる目標や政策は所詮、ウソ、詐欺でしかありません

     

                      ―2―

「企業のカネ儲け」がすべての政治、総非正規職化の国策のせいでひきおこされた

    「保育―待機児童問題」、「高齢者『孤立』―介護離職問題」とここで言う深刻化する社会問題は「少子高齢化」問題同様に、単なる社会問題ではない。これは「企業のカネ儲け」だけが動機であり行動原理となっている新自由主義、そのための低賃金労働力の極限的動員、労働者の総非正規・不安定雇用化の国策によって人為的につくりだされているものだ。

    大企業と国は現に正規職で働いている労働者を非正規職に叩き落とし、家族を養っていけない低賃金から今日明日の生計のために共働き労働者世帯を激増させ、そうやってあらゆる家族・世帯から低賃金非正規労働者として労働市場に駆り出し、そうやって親の保育に欠ける子どもたちをどんどん拡大している。

   労働者世帯にとっては経済的事情から公立保育園は共働きの死活条件だったが、たちまちのうちに入所希望者数は公立保育園、さらには認可保育園の定員を上回り、公立保育園・認可保育園が入所要件として夫婦双方が常勤、一定収入を設けることが常態化するに至って、現在共働き世帯で過半にいたっている若年非正規共働き世帯はますます子どもの保育を施設保育に委ねることが針の穴を通すような困難に直面し苦しんでいる。

   この現実は誰がつくりだしているのか。待機児童激増問題の元凶は、この国の総非正規化そのものだ。統計の専門家や厚労省や自治体が「どんな受け皿をつくっても間にあわない、どこまで行ってもイタチゴッコだ」と指摘しているが、総非正規化を断ち切らない限り、「待機児童ゼロ」などあり得ないのであり、その最も険しい、厳しい苦しみに叩き込まれているのが20代~40代の若年非正規世だということだ。

   安倍は「待機児童ゼロ」だ、「受皿の数値目標のエスカレート」だ、と言っているが、「待機児童」を量産し、拡大し、保育を奪っている張本人がどの口で「死にもの狂いで少子高齢化対策に取り組む」と言っているのだ。

   子どもを安心して預け働くことができる保育の権利を完全に奪われ、不安を抱えて無認可保育や預かり保育に委ねる、宝くじ並みに厳しい認可保育園入所のために就労をあきらめ自宅在宅で内職しながら「空き」を待っている親の気持ちがお前たちにわかるか。ダブルジョブ、トリプルジョブで生計のために昼夜分かたず働きづくめで、子どもは保育室に預けっぱなし、家に子どもを引き取って帰宅しても一緒に遊ぶことも同じ食卓を囲むこともない。この大変さを見聞きしている若者がどこに結婚や子づくり・子育ての希望を持てるか。「少子化」は政財界・大企業・安倍晋三ら政治家がつくりだしているものだ。

   この「企業のカネ儲け」がすべての総非正規職化の国策がもたらしている現実に対して、何が「的は希望出生率1..8の実現、それに向かって夢を紡ぐ、子育て支援の第2の矢を放つ」だ!何が「『結婚したい』『子どもがほしい』という一人一人の願い』がすべて叶えられれば出生率は1・8に上昇する」だ!

   「新婚夫婦、子育て世帯に公的賃貸住宅の優先的入居、家賃負担を大胆軽減、妊娠・出産のさらなる負担軽減、不妊治療への支援」・・・ベラベラと安倍は喋りまくっているが、安部が本気で「死にもの狂いで少子高齢化対策に取り組む」というなら、ああだこうだの思いつきと無責任の軽口の前に、総非正規職化をやめろ、生きていけるだけの賃金をよこせ、結婚できる賃金、子どもをつくり育てられるだけの賃金をよこせ、ということだ。生きさせろ!ということだ。しかし、安倍は「一生派遣、一生貧困」の総非正規化を国策としている。何が「夢を紡ぐ子育て支援―第二の矢」だ!だから、11・6スピーチは国策詐欺だと言っているのだ。

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★そっくり同じことが、この国が「企業のカネ儲け」がすべてで、福祉を切り捨ててやってきた高齢者政策、介護についてもハッキリ言える。「安心の社会保障―第三の矢」「特養増設」は介護企業とゼネコンと地主のカネ儲け、「介護離職ゼロ」など真っ赤な嘘だ。

⇒次回に続く

(今回記事は、「10・20説明会で何があきらかになったのか」の①②③に続く小連載の便宜④とし、⑤⑥までを予定しています。)

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財産交換条例案の来年2月提出を区が撤回!撤回すべきは、国と区の「覚書」、あんさんぶる・税務署交換だ!

2015年11月05日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換

特報・杉並版

(児童館・あんさんぶるー地域・職場版)

10月20日の天沼三丁目(仮称)複合施設『複合施設棟』建築計画の説明会で何が明らかになったのか?・・・③

★10・20説明会、あんさんぶる荻窪⇔税務署・公務員宿舎跡地の財産交換条例案の2月提出を区はなぜ引っこめたのか?!

★10・20説明会をもって、後は粛々と「天沼三丁目複合施設棟」建築へ?冗談じゃない!絶対にそうはならないし、そうはさせない!

こんなデタラメなやりかたで、区も国も、あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換ができるとでも本気で考えているのか?11月18日開会の区議会を大荒れに叩きこみ、絶対反対の大運動の力で「あんさんぶる荻窪・税務署等の財産交換」そのものの白紙撤回を!

     -1-

麻生財務大臣―田中杉並区長の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」合意・・・財務省主導の「国有地の有効活用」と安倍政権「公務員宿舎跡の貸出、特養増設」の緊急政策

   今回記事と次回記事では、安倍政権が、読売新聞と産経新聞によるリークでフイーバーを画策した「公有地活用を地方創生・再開発の起爆剤に」「公務員宿舎跡の格安貸出で介護施設を」について、杉並での「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」と合わせて串刺しで批判しておきたいと考えています。

   

 国有財産を牛耳る政界のドン・麻生が黒幕 

     「なぜ?」・・・と思う人もいるかもしれませんが、この動きの震源に麻生財務大臣がいる、国の機関の施設等建物から土地まで含めた国有財産の総轄者たる財務大臣・麻生太郎が、

   ▲財務大臣の地位・権限で杉並区の区長との間で国有財産である荻窪税務署(建物・土地)と公務員宿舎跡地(土地)と杉並区の区有財産であるあんさんぶる荻窪(建物・土地)を交換する合意(2013年11月13日)を交わした。

   ▲この麻生太郎が安倍内閣の財務大臣として「財務省の出先機関の財務局が主導し、地方自治体や民間企業との協議会を設置するなどして、地域に応じた国有地の有効活用を検討していく方針」を決定し、「「国有地の有効活用は『地方創生』の起爆剤になる」として「地方創生の目玉策の一つ」としてこの8月7日に、安倍首相に「国有地利用」を提案し、了承され、政府が閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に国有地の有効活用の推進、自治体との協議、企業による新たな事業展開の促進」が盛り込まれるに至った。ここから10月15日読売新聞記事、10月24日産経新聞1面トップ記事(※当通信10月28日記事にこの二つの記事を全文掲載しています。)が報じた「国有地の格安貸出による特養の増設」の緊急政策が「1億総活躍社会」戦略の「新たな三本の矢」の「第三の矢」(※第一が「GDP600兆円」、第二が「希望出生率1・8」、第三が「介護離職ゼロ」)として「介護」(介護離職ゼロ)が掲げられるに至った。

アベノミクス・第一ステージが「第三の矢ー成長戦略」で完全に破たんしている中で安倍政権は人を愚弄するもはなはだしい「1億総活躍社会」のアドバルーンをあげて「第二ステージ」として、「新たな三本の矢」と称して「GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」を打ち出した。この「新第三の矢」が麻生の「国有地活用による特養増設で介護離職ゼロにする」という絶対にあり得ない詐欺的緊急政策だ。国策詐欺に等しいこの大風呂敷の口先政治で、キャッチコピーにした瞬間にどんなに激しく広範に猛反発が起きようとその現実も彼らの眼には映じず、誰がどう見ても何らの成算も目算もないのに、麻薬効果よろしく自己陶酔、自画自賛で悦にいって社会全体にひきおこす犠牲と混乱もいっさい顧みず、「企業のカネ儲けがすべて」に走る・・・・アベもアソウも絶対にゆるすことはできない!

▲杉並区における「国有地=税務署・公務員宿舎跡地の活用」は「あんさんぶる荻窪・税務署等の財産交換」という前例がない特異な形で打ち出されたが、麻生財務大臣と田中良杉並区長の水面下トップ交渉による「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」の電撃的メディア発表で、この「国有地活用」の種火を仕込み、先鞭をつけ、今夏今秋の「国有地活用」フイーバーに火が点いた

―そういう意味では、2年前のことだが、明かにトップランナーという位置にある。

・・・・この経過をみれば、問題は非常にハッキリして来ると思います。

     -2-

麻生・安倍が「1億総活躍社会」「新三本の矢」の「首都圏90カ所特養増設」の緊急政策でフィーバーを画策しても介護施設職員、高齢者とその家族の間では総すかんで非難ごうごう!その起点となっている麻生―田中合意の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」も2016年2月杉並区議会一定「財産交換条例案」提出断念の行き詰まり!

  串刺しで批判と前述したのは、安倍政権のこの「新三本の矢」の「第三の矢」=国有地貸し出しによる特養増設・介護(介護離職ゼロ)も、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」もいずれも破たんが目に見えているということです。

  前掲したような経緯と背景の中で、その出発点にある「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」が、田中区長・杉並区のプラン・行程の変更を余儀なくさせるような事態に直面していること、杉並ケースをトップランナーとして、この夏秋に政府の目玉政策となった国の緊急政策が猛反発で破たんが目に見えていることは、大いに痛快なことであり、このかん懸命の思いで、あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止に絶対反対―「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」の白紙撤回で闘ってきた私たちにとって、実に重大な積極的な局面といえるのではないでしょうか。

  一番追いつめられてピンチになっているのは杉並区、全国に先駆けてトップランナーのつもりが条例案も引っ込めざるを得ず、おまけに「政府が『国有地の格安貸出で特養増設』なら、財産交換するより貸出しに切り替えるべき」といった議論まで飛び出し、絶対反対の白紙撤回に加えて「白紙撤回」が急速に勢いを増しています。

  どうみても、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」そのものの白紙撤回、あんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)廃止を葬り去るために、この局面を徹底的に活用すべきと考えるのは、当通信だけではないと思います。

  区との激突の中で、あきらめず、一歩も譲らず反対をつらぬいて真っ向からたたかいぬいてきたことによって、私たち自身も予測もしなかったような形で、区や国がいかに二進も三進もいかない所においつめられているかもハッキリと見えてきたということです。

  ここでは以上の点を確認し、国(政府)の緊急政策(「アベノミクス第二ステージ」「新三本の矢」の「第三の矢」としての「公務員宿舎跡・首都圏90カ所の格安貸出による特養建設、介護離職ゼロ」)への批判は、次回④で後述することとし、まず、杉並ケースである「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」について、10・20説明会までの経過を大づかみに見ていくことで、この現在の局面について、しっかり整理したいと思います。すでにここでこの記事を読むまでもなく経過がわかっている方は、【1】~【4】は素通りで飛ばして、現在の局面にとって核心をなす後段の【5】【6】【7】に進んでください。

 【1】麻生財務大臣と田中杉並区長の秘密合意が「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」計画とその実施の起点であるという致命的な不透明性

  一昨年11月13日、麻生太郎財務大臣と田中良杉並区長は、水面下の国・区トップ交渉で、天沼三丁目の国の荻窪税務署と隣接する公務員宿舎の土地、荻窪五丁目の杉並区のあんさんぶる荻窪の土地と建物の財産交換で合意し、メディアに電撃的に発表した。

  財産交換という前例がない手法の国・区の連携と合意、センセーショナルな発表は話題性に事欠かなかったが、水面下交渉と合意へ至る経緯は伏せられたままで、合意内容と交渉経過に関わるいかなる明文の記録も合意メモも伴わない発表が、この「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」計画の出自だったということは、出自そのものへの疑惑となって、今日まで、そしてこれからの財産交換計画を規定していると言ってよい。

 【2】「国と決めて来たたこと」だから問題なくやれると田中区長はタカをくくっていた

   田中良杉並区長は、その直後、11月19日、区議会全員協議会で、この国と区の交渉による財産交換の合意を「最終合意」と報告するとともに、この財産交換によって天沼三丁目に杉並区にとって喫緊の特別養護老人ホーム増設、入所待機者解消のために大規模特養ホームを建設するとし、ここに、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換、天沼三丁目特別養護老人ホーム建設は、杉並区が一昨年9月に打ち出した杉並区施設再編整備計画の最大の目玉、田中区長公約実現への金看板になった。

 【3】地元無視、区民無視、議会無視、「はじめに結論ありき」の「基本計画」「実施計画」の推進と「建築計画」の決定

  以来、杉並区は「特養ホームの建設は区の優先施策」を錦の御旗にして、その前提をなす「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」は「既に決まったことである」かのごとき前提として、一方で、あんさんぶる荻窪の廃止に伴う現在そこにある区の施設、事業、機能の移転・廃止の計画をこれらの施設・事業・機能を地域にとってなくてはならないものとしている地域・住民・町会の意見や施設職場の意見を無視し強行し続けた。

  他方で、公の施設の設置は条例の定めによらねばならない(地方自治法244条の二)にもかかわらず、いまだ議会での議決承認もない天沼三丁目公務員宿舎跡地に建設予定の「複合施設棟」について、「基本計画」「実施計画」の説明会、杉並区まちづくり条例による「建築計画の事前周知」として「基本設計」の近隣説明会(本年5月22日)、杉並区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例による「建築計画のお知らせ」として「実施設計」の近隣説明会(本年10月20日)を強行してきた。

  この地元無視、住民無視の強引な進め方が、地元荻窪南口を先頭とする怒りと反発、反対運動の爆発をひきおこした。近くに子どもが遊べる公園がない荻窪南口にとって、7年間の交渉と住民参加でついに南口に開設した荻窪北児童館(子どもの居場所)と児童館を心臓とするあんさんぶる荻窪(地域拠点)を廃止し、この地域から奪って、そこに税務署を誘致するなど、絶対に承服できないことだからだ。

 

【4】「財産交換条例」を待たずに、「財産交換条例案議決」・「財産交換契約」締結に先行する「建築計画」の実行への着手、地方自治法244条の二の違反・潜脱の強行

   地方自治法244条の二は、地方公共団体が公の施設の設置や管理について、「計画」を策定することやそれを議会に報告したり議会の了承を得ることまでは禁じているわけではない。しかし、杉並区まちづくり条例に基づく標識設置(5月7日)「建築計画の事前周知のお知らせ」と出席者名簿まで作成する近隣住民説明会(5月22日)や杉並区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく「建築計画のお知らせ」の標識設置(10月7日)と出席者名簿作成を伴う近隣住民説明会(10月20日)は、前掲のように区が行い得る「計画」の範囲・境界の一線をどうみても超える建築基準法に言う「建築計画」そのものであって、「公の施設の設置」に関する条例の議会での議決なしには行いえない、潜脱がゆるされないものだ。

   区は、議会答弁や説明会での説明で「あんさんぶる荻窪の財産交換は条例で決まるが、条例による承認まで区が何もしないということではなく、条例が承認されたら直ちに施行できるように区として条例に先行して計画を実施している」「特養建設は喫緊の課題、最優先施策」「区長の執行権限ですべて進めている」と地方自治法244条の二を重々承知のうえで、それにおかまいなしにか、それをごまかすためかは別としても、しきりに強調して正当化してきたが、いずれにしても、区は、きわめて自覚的に、地方自治法244条の二の潜脱をおこなってきたということである。

 【5】10・20説明会で2016年区議会一定「財産交換条例案」提出方針を区は突然変更した

  だが、このかん区議会を傍聴したり区議会のライブ中継動画や速報動画を見て来た人、あるいは説明会に参加していて区の見解を聞いてきたは、これまでの区の答弁が、10月20日説明会では微妙に、しかし、明確に具体的に変更されてきていることを見逃したりはしない。

  区は、本年1月27日の天沼小学校での複合施設棟に関する説明会で、「地方自治法244条の二の「公の施設の設置は条例の定めによらねばできないはずだ」という指摘に対して、区の寺井副参事が「当然、条例案にして議会に出す」「来年2月開会の議会に財産交換条例案を提出し議会の議決承認を得る」と理事者側の答弁を行っており、同席していた白垣経営企画部長もこの点についての訂正もしていない。

  それだけではない。5月22日の天沼小学校の説明会でも吉田施設再編整備部長が同様の答弁の上で前掲のように「条例を待たず区として決定した計画を先行させる」と答弁、5月29日の区議会一般質問でも同様の答弁をしている。現在、区の公式ホームページの議事録では、なぜか、来年2月開会の杉並区議会一定にあんさんぶる荻窪の財産交換条例案を議案として提出して議決を得るとライブ中継や動画速報ではっきり答弁している箇所の文言は省略・抹消されているが、区はつい先日まで来年区議会一定であんさんぶる荻窪の財産交換の条例案提出と繰り返し明らかにしている。因みに7月17日桃井第二小学校で持たれた説明会で配布された「参考資料・3」でも「平成28年第一回杉並区議会定例会において財産交換に関する議案の提出を予定しています」と明記されている。

  10月20日の説明会での前述の「微妙な変更」とは何か?

  来年2月開会の区議会一定に提出されるのは、区がこれまで言って来た「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換の条例案」ではなく、「天沼三丁目複合施設棟の建築工事の予算案」であるということであり、6月の区議会二定での「天沼三丁目複合施設棟の建築工事の業者選定・契約の承認を求める議案」というのであり、また「用途変更の手続きをまずすぐやらねばならない」とも言いだしているのである。

   これは「財産交換」に反対してきた私たちにとっても看過すことのできない大きな変更ではないでしょうか!

  明らかに区が決めて強行してきた方針が頓挫している、区が描き説明してきた計画実施の行程スケジュールをゆるがすような、区もごまかすことができない欠陥・瑕疵があったことが表面化してきたということだ。どんな重大な事情と都合、背景があって、財産交換条例案の2016年区議会一定提出の変更(断念!)に至ったのか?

   確かだと思われることは、今のままでは「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」の条例案を来年区議会一定には出せない、今のままで、財産交換条例案を提出すれば、国と区が合意している財産交換計画そのものが吹っ飛びかねない致命的な欠陥・瑕疵があることに、区自身が気づいた、・・・こういう深刻な性格の難関に区がぶち当たっているということだ。

 

【6】「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」の条例案を来年区議会一定には出せない・・・その意味するもの

   区は、2016年2月開会の杉並区議会一定への財産交換条例案を引っ込め、天沼三丁目・複合施設棟建設に関し、2016年2月区議会一定に「建築工事の予算案」、6月の杉並区議会二定に「工事の施工業者の選定・契約の承認」としたが、天沼三丁目・複合施設棟建設の単体で進めるのであれば、公務員宿舎解体後の更地という国有財産を区への貸付財産として有償で活用し、そこに建物を建てるという単なる建築工事の問題だから、いま区がぶち当たっている難関もクリアできるとでも思っているのだろうか。そんなことはあるまい、できないことだ。そんなことは区もほとんどわかっているはずだ。

   なぜなら、公務員宿舎跡地=国からの貸付財産と言って、そこだけをとりあげてクリアしようとしても、そもそも、天沼三丁目複合施設棟の建築工事にしても、区の交換予定物件である「あんさんぶる荻窪」(建物6982.27平米、土地1771.45平米)と国の交換予定物件である天沼三丁目「荻窪税務署・公務員宿舎跡地」(土地6331.90平米、建物2061.96平米)の財産交換契約に基づく言わばパッケージ型の財産交換契約締結―所有権移転の一環として、区の天沼三丁目複合施設棟の設置があり、その財産交換契約締結への行程・手順の一過程として国による公務員宿舎解体除却後の跡地を貸付財産とあして活用してそこに複合施設棟を建設する建築工事の実施があるからだ。国有地の貸し付けを受けてそこに区が建物を建てるという単体の問題ではないのだ

(※2014年7月9日締結の国―関東財務局・東京国税局と杉並区―田中区長の覚書による。⇒この「覚書」にしてからが区民の情報開示請求で明らかになったもので、区は「覚書に基づいて」とはいっても、何を国と締結したかはいまだもって明らかにしていない!)

   どう議論を転がしても、天沼三丁目・複合施設棟の建設工事だけを財産交換条例や財産交換契約締結に先行して進めることが手続きとして可能ということにはならない。

   区は10・20説明会で、区があわてふためいているとしか受け取れない問題として、にわかに「用途変え(用途変更)をすぐやる」ということを再三言っているが、それでクリアできるような問題なのか。このへんのところが、来年2月開会の杉並区議会一定に条例案を出したら法律(又は条例)違反に明確に該当するということではないか。国や自治体は、法律や条例などいかようにも解釈・運用できると思っているフシがあるが、いま、杉並区が天沼三丁目・複合施設棟の建築工事段階につきすすもうとしている局面で、財産交換条例案の来年2月開会の杉並区議会への提出を、控え目に言えばためらい、ズバリ言えば引っ込めた問題とは、まさに法律・条例との完全なバッティングが発生しているということなのである。、

   要は、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換という本体全体に関わる致命的な欠陥・瑕疵が、現在の財産交換計画、その行程には明確に含まれている、それが、国から指摘されたか、区自身がごまかしきれなくなったかは別にしても、区がクリアしなければならない問題になっている、そこからあわてふためいている、それも、あれだけ説明会や議会での理事者答弁で「来年二月杉並区議会一定で財産交換条例案を出す」とまで言い切っていたことを恥も外聞もかなぐりすてて引っ込めるほど重大な欠陥、瑕疵があるということではないか。

 【7】財産交換条例案の議会提出の先送りではなく、「覚書」の即時白紙撤回、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」計画そのものの白紙撤回しかない!

   これは単なる手続き上の欠陥・瑕疵の問題ではない。「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」そのものにどんなにあがいてもクリアできない欠陥・瑕疵がそもそもあり、白紙撤回しかないということだ。

  「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」というとき、区は議会や説明会で、ああだこうだとその意義・内容について説明しているが、その内容の根拠となっているものは、前掲の麻生財務大臣―田中杉並区長の合意(これは明文化されていない!)、明文化されているものは、2014年7月9日、国(関東財務局・東京国税局)と杉並区(田中良杉並区長)が締結した「覚書」しか存在しない。区は区民の請求でしぶしぶ情報開示したが、、区の側からは正式に公開せず、議会や説明会では「覚書に基づいて」を枕詞として内容を説明するだけである。厳密にいえば、「覚書」の明文記載事項についての検証、審議、質疑はどこでも行われていないのだ。

【※2014年7月9日締結の「覚書」全文については以下の当通信2014年11月10日記事で暴露し批判しています。

http://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/e/eed806bc5078203fb08e783688ef9151  】

   「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」の契約締結というとき、その中身を示すものは、この「覚書」しかないのである。区が「区として決定した計画を実施している」というとき、それは、明文化されている「覚書」に従ってその覚書事項を実施しているという以外を意味しない。

   「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換」計画をこのままでは、「財産交換条例案」として提出できないということは、「覚書」の内容では条例案にはできないということである。ここは執拗に指摘し確認しておかねばならない。「覚書」そのものにこそ、区が財産交換条例案を来年二月区議会一定に出せない、根本的で致命的な欠陥・瑕疵があるということ以外の何物でもない。

   「覚書」では、2018年4月を目途に、財産交換契約を締結し所有権を移転する、それにむけた国と杉並区が行うべきこと、その手順が具体的に記されているが、「覚書」は、そうした手順・方法を枝葉として、とってしまえば、国の交換対象物件パッケージと杉並区の交換対象物件パッケージの交換、この一点が、目的であり、約定事項である。この一点そのものに犯してはならない根本的で致命的な欠陥・瑕疵があるということだ。それ以外に何があると言うのか。

   区は、2016年杉並区議会一定に、「財産交換条例案」を出せない理由を自ら明らかにする義務がある。ごまかしはもはやできないし、ゆるされない。

  

   このことは何を意味するのか。これまで「財産交換条例案」の骨格としてきた締結すべき「財産交換契約」の実際上の内容である「覚書」を撤回するしかないということである。理由は、議会や区民や専門家(法律家)から指摘し壊滅的に批判・指摘・追及するまでもなく、区自身が誰よりもわかっているはずである。そこに今頃になって気づいたからこそ、区はあわてふためき、あがいている。そうではないか。

   「覚書」別紙の「交換を予定する財産」の目録から、「覚書」に署名・捺印した区と国は、逃れることができない。

    

   これが国と区が財産交換として行う交換の内容である。ここに根本的で致命的な欠陥と瑕疵がある。違うとでも抗弁できるか。できはしない。これは白紙撤回しか残されていないし、それ以外は許されない。

    こういう破棄・撤回、反古にするしかないシロモノによって、子どもの居場所と施設職員の職場を奪い、地域拠点を荻窪南口住民から奪う!―これを、「大規模特養建設の緊急性・優先」の名のもとに、杉並区は地元を徹底して無視して進めて来たのだ。この「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」計画全体が、大ウソと騙しうちの詐欺である。

   白紙撤回以外にないのである。区に残されているのは、財産交換条例案の提出先延ばしによる破たん不可避の悪あがきではなく、恥をさらして白紙撤回することだけである。

  国も私たちの追及から自由な存在ではない、区とグルの共犯者である。区も国も「覚書」を破棄しなければならない。それを国や区が自らできないというのであれば、容赦なく区と国にもはや立ち直りなど絶対できないまで、完膚なきまでに、赤っ恥をかかせて私たちの杉並区との闘い、国との闘いで破棄させ、白紙撤回に追い込むまでである。

  区が10月20日の説明会で、来年二月開会の杉並区議会一定への財産交換条例案の提出をひっこめたということは、当然に、11月18日開会の杉並区議会四定では、この区の財産交換条例案提出方針の変更に関する追及が最大の焦点になるということです。それは当然にも、田中区長―麻生財務大臣の2013年11月13日「財産交換」合意、2014年7月9日締結「覚書」そのものの徹底追及と白紙撤回を求める闘いである。「来年2月杉並区議会への財産交換条例案の議案提出」の既定方針を区が引っ込めた、区がとん挫したということは、区の「来年2月杉並区議会への財産交換条例案の議案提出」との攻防に私たちが勝った(来年二月条例案提出を阻止した)ということだ。議論と闘いを、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署・公務員宿舎跡地」の交換そのものを葬り去る、文字通りの白紙撤回に容赦なく進めよう!

 

★あんさんぶる荻窪は渡さない!税務署は荻窪南口に来ることはできない!「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署・公務員宿舎跡地」を交換することはできない!

★杉並区と国は「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署・公務員宿舎の財産交換」そのものを撤回せよ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次回④は

これは田中区政・麻生財務省・安倍政権との闘い・・・安倍「公務員宿舎跡の格安貸し出しで特養増設、介護離職ゼロ」「公有地活用を成長戦略起爆剤に」の国策詐欺の破たんは必至

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闘う労組先頭に11・1日比谷野音に5700人!★誇らかに『非正規が闘って,勝った!』の刊行も!

2015年11月01日 | 安倍政権批判-原発・改憲・戦争・貧困

 

★《特報・杉並版・・・児童館・あんさんぶる―地域・職場版》は今回は《お休みです

      この一年間、当通信は、報道のほとんど毎回記事を当通信のフィールドである東京・杉並の最大の問題―児童館廃止反対、区立施設再編整備計画の問題、さらに突出して田中区長と麻生財務大臣の秘密合意から始ったあんさんぶる荻窪(荻窪北児童館)と荻窪税務署・公務員宿舎跡地の財産交換計画の白紙撤回・絶対反対キャンペーンに費やしてきました。当面、この編集・報道方針に変わりはありません。いよいよ決戦段階に入っているからです。

      とはいえ、今日は年1回の11月全国労働者集会、今日の記事は、時代の転換の扉をさらにこじあけた11・1集会の速報とこの集会に宿されオーラを発している労働者の団結とその底力を象徴的に表現している『非正規が闘って勝った! ―生コン運転手たちの闘いの記録―』(東京西部ユニオン編)の刊行について、紹介します。その関係でぶっ通しの『特報・杉並版(児童館・あんさんぶる―地域・職場版)』報道は今日は《お休み》とします。

●日比谷集会 開会時の写真(日比谷野音ステージ)タイトルとスローガンをごらんください。

     前掲の本『非正規が闘って勝利した!』は今日、日比谷野外音楽堂で出会った本です。すごい、すばらしい本が世にあらわれたと思っています。この本のものすごさ、すばらしさ、力は、それを生み出した「どこにでもいる普通の労働者が団結して立ちあがり、不可能に思われてきたことをやってのけ、可能にした闘い」そのものにあります。

 

●集会場で手にした本『非正規が闘って勝った!』

      この鈴木コンクリート工業分会の今も現在進行形の無限の展望を体現した感動的な闘いの記録(本)の刊行は、今日の11・1全国労働者総決起集会・国際連帯闘争とともに安倍政権と資本家連中に大打撃を与え、全国全世界の労働者、青年女性―全人民を揺り動かし奮い立たせるものです。本のタイトルが「何がこの時代に起きているのか」「いかに生きるべきか」を示しています。資本家や政治家は読んで打ちのめされるでしょうが、そんな連中のことはどうでもいい。連中以外は、みんな、労働者です。正規も非正規も、男性も女性も、高齢者も、無業者も失業者も、学生も、資本家と政治家以外は全部、労働者です。このすべての労働者に通用するメッセージがこの本のどこのページを開いても脈打っています。集会速報は「速報の速報」、短いものですから、記事末尾に記載する本をぜひ買い求めて読んでください。「新しいワールド(世界)」(“鈴コンワールド”)が貴方の中に開け広がるはずです。

 私たちはストライキでたたかう!闘う労働組合を全国の職場に!世界の労働者と連帯し、戦争と民営化の安倍政権を倒そう!

       11月2日安倍・パククネ戦争会談の前日に。今年三回のゼネストをうちぬき、た労働市場構造改革(総非正規化)と米日韓国の朝鮮侵略戦争に反対し11・14民衆総決起大会と11~12月ゼネストに向かう韓国民主労総から29名の代表団が参加。ドイツの鉄道機関士労働組合、トルコの国際労働者連帯協会、滞日・在日外国人労働者が発言。11・1全国労働者総決起集会呼びかけ3組合(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部・全国金属機械労働組合港合同・国鉄千葉動力車労働組合)を先頭に全都全国から結集した労働者とともに、「労働者の団結、ストライキと国際連帯で戦争を止める」画期的な国際連帯集会となりました。集会に、「日本で行われる反戦争・反搾取集会におくる中国鉄道労働者連合会の連帯の書」(連帯メッセージ)が寄せられています。

      11・1全国労働者総決起集会の模様、発言については、同集会呼びかけ三団体である国鉄千葉動力車労働組合が以下の「動画(速報)を同組合のサイトで発表しています。集会の基調と全体がわかります。ぜひごらんください。転載します。(←11月3日追記)

 

 

★(動画)速報 2015年 11月労働者総決起集会

http://doro-chiba.org/dc/?p=3728   (←11月3日追記)

 

 

青年労働者、学生先頭にボルテージ高くデモに繰り出す!

       安保戦争法反対国会闘争の先頭に立ち、反戦ゼネストに大学キャンパスから打って出る学生の闘いに加えられたスパイ攻撃とデッチ上げ弾圧を不起訴釈放の完全勝利でうちやぶった全学連が、京大バリケードストライキをうちぬいて集会・銀座デモの先頭に立ちました。

     集会での全学連委員長の鮮烈なアピールを転載で紹介します。以下の動画にてごらんになれます。ぜひごらんください。(11月3日追記)

https://www.youtube.com/watch?v=2C4XiM_1T90

     鮮烈な学生の決意は、非正規労働者の堰を切ったような決起の始まり、戦争・改憲にゼネストをもって止める闘う労働組合の全国的台頭の最基軸を担う動労総連合の拡大とともに、「安保戦争法絶対反対の嵐の国会闘争の次は何か?」をこのうえなく明瞭にしました。

           ある闘う青年リーダーが「国会前を職場とすれば、戦争法強行採決に対してたたきつけられ、燃え上がった巨万のデモは、団交の決裂だ。団交が決裂したということはいよいよズトライキに立ちあがって闘おうということだ。ゼネストで闘おう」と先日の集会で訴えていましたが、まさにそうです。その火ぶたがこの11・1集会での共同の決意で切って落とされた、ということです。

労働運動の新たな時代開く非正規労働者の闘い 

        非正規労働者が「全国の職場にストライキで闘える労働組合を」の闘いの先頭に立ちあがり、ささやかな職場から、労働者の希望と無限の展望をきりひらく闘いが続々と燃え上がっているということです。記事の冒頭に触れた鈴木コンクリート工業分会の闘いは、不当解雇撤回闘争、裁判闘争勝利、現職復帰の完全勝利、その衝撃を持って、全国の非正規の仲間の「希望の星」、「自ら続くべき先駆」となり、「団結して闘えば勝てる」という“常勝”の道とまで言われ始めています。これほど資本家、企業経営者にとって、たまらない脅威となる闘いはないでしょう。今や2000万を超える非正規、「1億総活躍社会」=総非正規化攻撃しかない政財界、資本家連中、当局連中を確実に打ちたおして行く闘い、歴史を変える闘いの始まり、ここに火がついたのです。

        ちょっとだけ、この鈴コン本から抜粋で紹介しておきます。後はこの本を購入して読んでください。「鈴コン ワールド」と本が自ら言っている「確信の秘密」が、特別のノウハウではなく、私たち労働者というもの、みんなに当たり前に備わる人間的普遍そのものであることよくわかる。

<どんな逆境界や困難でも絶対屈せず、明るくしたたかに闘う>―これが鈴コン分会の闘いです。鈴コン分会は、特別な労働者ではありません。どこにでもいる普通の運転手の労働者の集まりです。分会会議が始まれば、激論になり。お酒を飲めばけんかもします。義理人情に熱い生コンドライバーたちです。

しかしいま、こういった労働者仲間が本音で語り、おかしいことに『おかしい』と言える人間的なつながりが奪われているのではないでしょうか。

・・・・・・・

鈴コンのような現場は度の職場でも同じなのです一見仕方がないようにみえる職場の現実でも。執念をもって闘えば状況が一変するのです。」

11・1集会で登壇した鈴コン分会、いつものような口調で「鈴コンファンの皆さん」で始まったが、訴えではキリリと決意固く、ビッと「職場に組合をつくって、ストライキで戦争を止めよう」と熱烈に呼びかけていました。

 ・・・・・・・・・・・・・・

「われわれは決して特別のことをしたのではない。普通の労働者が一人の仲間の解雇をも認めず、あきらめず、見捨てなかっただけだ。その闘いが今も脈々とわれわれ鈴コン分会には息づいている。われわれの日々の職場闘争は産別を越え、どこでも仲間とともに必ず労働組合をつくって闘うことができる。職場で仲間と一緒に闘うことは本当に楽しいものだ。

労働者の皆さん!非正規労働者でも職場で労働組合をつくって闘えば勝てる。どんな困難にも仲間を信じ、自分が負けないことだ。われわれ鈴コン分会の闘いはどこでも起こるし、誰にもできる。最初は、ただほんの少しの勇気と決断と仲間を信じきることから始まる。」

「いかなる戦争にも反対!」「国を守るな!命を守れ」「ストライキと国際連帯で戦争を止める!」

       11・1集会では、7月参院選が、真っ向から安倍政権の「戦争と非正規職化攻撃」を粉砕し、戦争・改憲絶対反対、ゼネストで社会を変える労働者の政党・政治勢力の断固たる登場をかちとる闘いとなることが、安保戦争法国会闘争の「次は何か」に関わる重大な決意として、鈴木達夫氏(憲法と人権の日弁連をめざす会・許すな改憲!大行動)の挑戦の決意表明として明らかにされました。

       鈴木達夫氏(弁護士)のアピールを転載で紹介します。以下にてごらんになれます。(←11月3日追記)

   ★鈴木達夫弁護士アピール

 http://hosei29.blog.shinobi.jp/Entry/5718/

 

      戦争が現実の問題になっている。戦争が国会から始まった―それが9月戦争法強行と国会闘争が明らかにしているすべてです。安倍をたおす!いかなる戦争にも絶対反対!労働者は戦争協力をストライキで拒否する!

      参院選に向けて日本共産党が「国民連合政府」提案の中で、「安保条約についてはこれまでの条約と法律の枠内で対応する。政権として安保条約廃棄をめざす措置はとらない」「日本に対する急迫不正の主権侵害に対しては、自衛隊法に基づいて自衛隊を活用するのは当然のこと」「日本に対する武力攻撃が発生した場合には日米安保条約第5条に基づいて、日本有事の対応として日米が共同対処する」と言明しています(10月15日志位委員長記者会見)。「戦争法反対の一点で一致して安倍政権をたおす」とあたかも戦争に共産党は反対しているかのようなふりをしているが、ここで押し出しているのは、率先して自国政府(安倍政権)の戦争に積極的に協力するということ、これを日米政府財界に表明しているということです。

      日米政府が朝鮮侵略戦争の共同作戦体制を戦争法成立を決定的テコにして超実戦的に具体化している時労働者人民の反対を圧殺して自衛隊派兵、紛れもない戦争と戦争動員の先頭に立つということではありませんか。まさに国会闘争の裏切り以外の何ものでもありません。百万、千万の規模でやむにやまれぬ戦争ぜったい反対の真剣な決起が燃え上がっている中で、しかし、この日本共産党の裏切りと戦争協力の正体は必ずしも暴かれているわけではありません。職場・地域・街頭で、この日本共産党の大裏切りを徹底的に暴露し弾劾する闘い、共産党の制動と敵対を打ち破って、戦争協力絶対反対の闘いを大爆発させることが参院選の最大のテーマになります。この闘いは、職場・大学・街頭での反戦ストライキをめぐる激論・激突となります。勝負は「労働者の団結と戦争協力拒否、ストライキこそが戦争を止める」「国際連帯こそが戦争を止める」「国を守るな、命を守れ」です。

★☆★☆ 前掲本の詳細の紹介

『非正規が闘って、勝った!-生コン運転手たちの闘いの記録-』

 11・1集会 本『非正規が闘って、勝った!』を手に発言する鈴コン分会

 編集:東京西部ユニオン

   東京都杉並区天沼2-3-7 さかいビル2A

   http://www.seibu-union.org/

       電話 03-3220-7473 FAX 03-5930-6136

   Eメール seibu-union@mocha.ocn.ne.jp

 発行:合同会社 出版最前線

   東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4F

   電話 03-3593-1058 FAX 03-3591-8226

 発売:星雲社

   東京都文京区大塚3-21-10

   電話 03-3947-1021  FAX 03-3947-1617

 ISBN978-4-86389-025-1

 C8797  ¥1200E

 

定価:1200円+税

 

 

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