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すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

3・11反原発福島行動2014 報告 

2014年03月12日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

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3月11日郡山市総合体育館前:集会には1100名が結集し、怒りを解き放ち、命の道筋を示す決意がほとばしるデモに立ち上がりました。(写真は出発直前)

////////////地元・福島のTVニュース///////////

郡山市でデモ行進 「原発反対」訴える
(福島県)



郡山市では、原発に反対する集会が開かれ、1,000人以上の参加者が市内を行進した。
集会では、ドイツやアメリカなどからの参加者が「世界から原発をなくそう」などと訴えたほか、県内の農家が、放射線による農地の汚染や風評被害などに苦しむ実情について話した。
*参加者インタビュー
「福島県人として忘れちゃならないと。忘れたいけど忘れちゃなんないっていう、この日を私たちが声を上げていかないと」
集会のあと、参加者は、「原発事故は収束していない」「原発の再稼働に反対」などと訴え、市内を行進した。

[ 3/11 20:10 福島中央テレビ]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下、今日の記事は、参加できなかった方々、全国の方々への写真を中心にしたレポートです。

3・11反原発福島行動2014

 2011年3・11福島第一原発事故から3年、ふくしまは目に見えない放射能と国の棄民政策との焔の戦場、この国と世界で起きている命をめぐるすべての闘いの峻烈な縮図そのものです。

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3月11日郡山駅前で

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1週間前までは毎時2・09マイクロシーベルト!

                        
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 シートで覆われ隠されているが野ざらし同然の放射性廃棄物

あきらめられるか 忘れられるか 福島の怒りはおさまらない

  2011年3月11日の福島原発事故から3年、怒り、抗い、怒り、苦しみ、怒り、挑み、そして、未来に向かって社会を変えて行こうと、渾身の大反転がふくしまからはじまりました!

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                       集会場・郡山市総合体育館プレイベント:打鼓
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同プレイベント:劇団「曼珠沙華」のみなさん

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集会主催者あいさつ:椎名千恵子さん「もう一歩覚悟を決めて、ここから今日からはじめよう」(あいさつは下記動画)
http://www.youtube.com/watch?v=KIL6bCiAxbI#t=19

 集会では、◇高校生アピール、◇全国・海外からのアピール(脱原発わかやまネットワーク・寺井拓也さん、沖縄 元基地労働者・水島満久さん、ドイツ・ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟 ケアスティン・ルーデッグさん、アメリカ・運輸労働者連帯委員会 スティ―ブ・ゼルツァーさん、韓国民主労総 イホドンさん)、◇福島からのアピール(国労郡山工場支部・橋本光一さん、動労水戸・羽部圭介さん、浪江町 希望の牧場・吉沢正巳さん、農民・大内孝さん、福島の学生、ふくしま共同診療所 布施幸彦さん 佐藤幸子さん)から思い、熱意、決意、怒りにみちあふれたアピールと報告が行われました。

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写真はふくしま共同診療所のみなさん


 全発言全参加者の思いのすべては、藤井千賀子さんが読み上げた下記の集会参加者1100名の集会宣言に結晶し集約されています。

集会宣言<o:p></o:p>

        あの日から3年<o:p></o:p>

    東京電力福島第一原発はいまだに空に、大地に、海に<o:p></o:p>

   私たちの生活の中に放射能を大量にばらまき続けている。<o:p></o:p>

 「僕は被ばく者ですか」-誰を責めるでもないこの問いをつぶやく高校生。<o:p></o:p>

 これから、小児甲状腺がんが増え続けるであろう過酷な子どもたちの現実。<o:p></o:p>

   何がオリンピックか。何が再稼働か。大ウソつきの安倍政権。<o:p></o:p>

     故郷を家族のつながりまでをも分断され続け、<o:p></o:p>

        苦悩する福島県民を捨てるのか。<o:p></o:p>

      声をあげた人たちがいる。母親たち。農民たち。<o:p></o:p>

     こぶしを上げた人たちがいる。防護服を着た労働者。<o:p></o:p>

        この世の中を変えるのはみんなの力。<o:p></o:p>

    3・11は全国全世界の反原発の日。鎮魂と闘いの日。<o:p></o:p>

    福島に立って、未来に向かって社会を変えて行こうと、<o:p></o:p>

        その思いを一つにする日。<o:p></o:p>

 子ども、親、学生、仮設の人々、農民、漁民、全ての労働者の怒りを結集し、<o:p></o:p>

      自分たちの手で核も原発もない社会をつくろう。<o:p></o:p>

 
          2014年3月11日<o:p></o:p>

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みんなで歌おう:関久雄さんの『原発いらない、命が大事の歌』全参加者による合唱


郡山駅まで1100名のデモ行進

  「あきらめられるか 忘れられるか 福島の怒りはおさまらない」ー3・11反原発福島行動2014のテーマタイトルをデモ参加者全員の全身全細胞にほとばしるようにあらわした怒りと決意あふれるデモとなりました。
  この国の政府財界は、「命よりカネ」の国策のために、福島を放射能の帳の中にとじこめ、棄民することをオリンピック招致と原発再稼働で決めているのです。福島は放射能と棄民政策のもとで強制収容所も同然の苦難の現実を強いられています。そして、この福島の現実は、秘密保護法、集団自衛権行使容認で戦争ができる国にし、原発五輪、国家戦略特区、過労死と長時間労働で労働者が黙って殺されていく国にしようとしているアベ政権、ひとにぎりの支配者たちの悪だくみと暴虐の最先端の現実そのものです。
  福島から怒りの声をあげよう、福島からこの国、社会のあり方そのものを変えよう!そのために福島からの訴えに応え、私たちは3月11日福島に集いました。福島は決然と立ちあがりました。「ここから今日から」と!

 デモコースの沿道の店舗の中から必死で手を振る福島・郡山の人々の姿を、表情を私たちは直に何度も見ました。福島の人々の思いは同じです。私たちは何度でも何十回でも《3・11》を「ここから今日から」の行動の日にするでしょう。怒りは力です。怒りは怒りを引き出し、つながり、命の道筋を切り開く力です。

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                           945266904914
           解散地点:郡山駅前ひろば

 この3・11反原発福島行動2014の不退転の闘いの息吹を、闘う春闘に、官邸前・国会前・全国各地の再稼働絶対反対・原発輸出反対・全原発廃炉・脱被ばく、集団自衛権行使容認に絶対反対、秘密保護法廃止、国家戦略特区強行反対、労働者派遣法大改悪阻止、非正規職撤廃の闘いに広げよう。

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3・11福島原発事故3周年間近・・・ぜひとも福島の訴えを読んで広めて下さい!

2014年02月17日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

いま全力大拡散中:福島から全国へ!⇒3・11全国から福島へ!
                          20130311012
                 上は昨年3・11反原発福島行動

以下は、転載:佐藤幸子さんの訴え:FACEBOOKから

みなさんの拡散と、どんな気持ちをいだいたかも含めて、みんなで出し合っていただけると嬉しいと思います。

~~以下、転載~~
「原発の危険性が分かっていながら知らんぷりする。この罪は、直接関わって
いる人以上に重い罪」  15歳の娘の決意

長くなりますが、最後まで読んでください。

震災当時、13歳だった次女は、今年山形の全寮制の高校に進学しました。中学2年生の時は、山形市、米沢市と避難生活で不登校となり苦悩の毎日を過ごしていたに違いありません。

私は、そんな娘の気持ちを顧みず、ただひたすら放射能から子どもたちを守る活動に明け暮れていました。
ある日、知人が偶然にも娘のブログを見つけ「本名は書いていないが、内容からして幸子さんの娘さんに違いない」と教えてくれました。
そこに書かれていた娘の気持ちは、「自分は学校に行くことも出来ない。親はほとんど子どもを守る活動で、家にいない」こんな生活が娘を追い詰めていることが書かれていました。知人からは「娘さんがこんなに苦しんでいるのに、それでも、活動を続けるのですか?」と問われました。親として震災後とった行動を後悔しなければならない内容でした。

そのブログから、2年後の今年9月に、娘は学校で全校生の前で、自分の気持ちを発表しました。「原発の危険性が分かっていながら知らんぷりする。この罪は、直接関わっている人以上に重い罪」「私の罪は2世、3世を守ることで償う」そのために「今の自分が健康でなければならない」そして「この苦しみ、痛さは消しちゃだめだな」と。
話した内容を、娘は手紙に書いて私に送ってくれました。この手紙を読んだ時、涙が溢れて来ました。震災後の悲しみ、苦しみ、絶望の気持ちを乗り越えて逞しく生きて行こうとようやく決心した娘の成長に、これまでやってきた活動の苦しさが癒されました。と同時に娘の気持ちは、福島の子どもたちの気持ちを代弁しているとも思いました。

私はこの手紙を多くの人に読んでもらいたいと思い、娘に了解を得て知人にメールしました。娘は、読んだ人の感想を聞きたいと言います。この手紙を出来るだけ皆さんで拡散してください。そして、感想を寄せてください。

娘は12月25日、クリスマスの夜家族に見守られて自宅で生まれました。今年の16歳の誕生日プレゼントに皆さんからの感想を渡したいと思います。

美菜から皆さんへ

私は名前も知らない人に泣きながらあやまられました。
「私たちのせいで関係のないあなたたち福島の子供が苦しむことになってごめんなさい」
と。私はなにも声をかけることができませんでした。

つらくなかったと言えば嘘になります。
福島に残ると言えば悲しい顔をされます。
私は母のそんな顔を見たくありません。

福島に残るとことは将来、病気になる確率が高くなり、
結婚して子供を産むことに抵抗を覚え、子供を産めばその子供が苦しむかも知れない。

自分のせいで。
なら産まなければよかったと子供に対して罪悪感と後悔にさいなまれるかもしれません。
100%とは言えませんが、少なくとも確率は高くなります。

この原因は3.11からの原発事故、そして放射能もれ。

普段の生活で忘れることが多いです。
忘れて笑顔になって楽しい時間が過ごせます。
でも「原発」や「放射能」「被災」などの言葉を聞くと
どうしても笑顔を保つことができません。
頭が痛くなります。胸がくるしくなります。

3.11まで原発がどこにあるのかさえ知らなかった私、
でも母はチェルノブイリの事故があった時から、
福島の原発もいつか事故かなにか起きてしまうと予想していたそうです。
その時、真っ先に山形の知り合いの家にひなんさせようと考えていたらしいです。
実際、爆発して次の日には山形に来ていました。
テレビなどではよく「2.3日で帰れると思っていたのにいつになったら帰れるんだろう」
という言葉も聞きましたが全く同じです。
でも、原発が爆発したとニュースを聞いたあと外にでた時、寒気がし、鳥肌が立ちました。
このときからうすうす気づいていたのかもしれません。
もう元の福島はないと。

私は思うんです。原発の危険性が分かっていながら知らんぷりをする。
この罪は直接関わっている人と同じくらい、もしくはそれ以上の重い罪だと思います。

私もそうです。危険だと知りながら逃げて、私を福島から離した母をにくみ
今が楽しければ未来が真っ暗でもいい。
そんな逃げるような考えをしていた私を、私は絶対に許しません。許せないんです。

この罪を忘れてはいけないと自分に言い聞かせます。
罪を背負っていかなければいけません。

でもこれでいいんです。
いつ病気になるか分からない。産んだ子が健康な子どもじゃないかもしれない。
私は、そういうプレッシャーがなければ行動できません。
本当はプレッシャーがなくてもやるべきことをやらなければいけないんですが、
少したよらさせてください。

やるべきことは、福島に残って福島を県民として守ることではありません。
私は自分の健康を守ります。
そして次の命が幸せになるように、その次の命も産まれて健康であるために
今の私が健康でなければいけません。
何の罪もない命を苦しませることはやりたくありません。
私の罪は、2世、3世を守ることによってつぐないます。
でないと、私が自然農の娘の意味がありません。
そして、福島を支えて戦ってくださっている方たちを一生敬い、感謝します。

でもこれは私だけの問題ではないです。世界の問題だと思います。
今、放射能はもれつづけています。海にも流れています。
少しだからなんて、見えないからだなんて絶対に思ってはいけないんです。
それほど危険なんです。
今、日本の技術で原発を作れるようになりました。
私たちのせいで他国にも危険をさらすなんて、今の私にはどうしたらいいか分かりません。
私は今の所、学園でのなやみごとと言えばこれ以外ありません。
書きたいことがこれ以外ありません。
なやみごとが少なくていいなと自分でも思います。
なかなかスッキリしませんが、、、
本当はこんなことを書けば同情してくれと言っているように聞こえるかもしれません。

でも、かわいそうって思うなら、まず、今の現状を知ってもらいたいです。

話は少し変わって、最近「結婚したい、子供がほしい」という話をしました。
私はその場から逃げ出したかったです。
それから今野先生の夕拝の話、将来の子供たちや、母のことを考えて泣きたくなりました。
私の明るい未来があったとしても、2世、3世の明るい未来が見えなくて、
この話をしたくても、私は言葉にするのがニガテです。
それでも未来の子供があぶないということは知ってほしいです。

ここで、みなさんが聞いてくれるだけでありがたいです。
この苦しみを痛さは消しちゃだめなものだなと最近感じています。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////以上、転載//////////

 

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福島原発事故による被曝健康被害・18歳以下27名甲状腺がん罹患に怒りを 

2013年06月06日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

福島の子どもたちと原発労働者に命むしばむ被曝・健康被害強い続ける国と福島県立医大・県当局の「福島原発事故による被曝・健康被害なし」デマを絶対許すな!

先日のニュース・・・甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人・・・について

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が5日、福島市で開かれました。そこでは、甲状腺がんと診断が「確定」した人は前回2月から9人増え12人に、「がんの疑い」は15人になったとの結果が報告されました。要するに27人が既に確定的に甲状腺がん罹患ということです。怒りに堪えません。

 甲状腺検査は、震災当時18歳以下の約36万人が対象。これまで1次検査の結果が確定した約17万4千人の内訳として、調査の主体の福島県立医大が「説明」したものです。前回2月の検討委では、がん確定は3人、疑いは7人でした。福島原発事故による被曝・健康被害の数字に出た氷山の一角です。

 

 ところが福島県立医大の鈴木真一教授は、「チェルノブィリ事故の場合は甲状腺がんは4~5年経過後に現れた。事故から二年余経過後の今回の甲状腺がん検出結果は福島原発事故での被曝とは考えられない。放射線の影響を明らかに示すものではない」と被曝の影響を切って捨てました。

  その、つい先日のUNSCEAR(原子力放射線の影響に関する国連科学委員会)の「放射能の健康への影響なし」報告通りの示し合わせたような全部デマ・全部ごまかし・真実抹殺にほかなりません。

 

 まったくもってあべこべではないでしょうか?(「4~5年後に甲状腺がん発症始まり」という点についてはチェルノブィリ事故直後長い間のソ連当局の被曝情報隠蔽・統制を考えるとそのまま前提にはできませんが)「4~5年で最初の発症」というチェルノブィリ事故・甲状腺がん罹患データ―と比較するなら、僅か2年余で12プラス15=27人甲状腺がん罹患というのは、おそるべきテンポ、おそるべき罹患確率での福島原発事故・甲状腺がん発症というべきではないでしょうか。

そもそも通常、甲状腺がんは、子どもは100万人で1人あるのかどうかという罹患率

 今回、発見された数は、そのおよそ160倍

 福島の子どもたちから、17万4千人中から27人もの罹患率という数字が出たことは、いよいよ異常で危険な事態が鮮明になっているということではないですか。

 木下黄太さんブログ「福島第一原発を考えます」によれば

 今回の福島18歳以下の甲状腺がん罹患の検査結果報告について、バンダジェフスキー博士は下記のように述べたとのことです。【バンダジェフスキー博士は、医科大学の学長をつとめたベラルーシのゴメリ地域で医科大学学長をつとめています。】

 「1991年(事故5年後)に、チェルノブイリ原子力発電所で事故によって最も影響を受けたゴメリ地域では、子どもの中の甲状腺癌の頻度は10万人の子どもあたり11.3人でした。この中にふくまれますが、少女は、10万人あたり16.8人となります.」

 上記のバンダジェフスキー博士の話について木下黄太さんは、次のように記事で述べています。

チェルノブイリで、最も汚染が酷くても、居住者が存在した地域で、5年後に影響が出た割合が、1万人あたりだと1.1人。女の子で1万人あたり1.7人ということです。しかも、がんというのは、通常のがん疾患の場合、数年から数十年の潜伏期間があるとされますから、甲状腺がんと雖も、やはり時間経過とともに罹患率は増えますし、疾患者数は増えると、考えるのが適切です。この県民調査でも、そうした傾向はあると思います。そう考えれば、事故後2年の時点での、福島の18歳以下のこどもで発見される率と、5年後のゴメリ地域の女の子(女の子の方が甲状腺疾患は発症しやすい)での頻度が、ほぼ同程度になっているということです。ふつうに考えると、福島県の状態は、ゴメリ州以上の、緊迫した状態になることも、示唆されています。

 

 バンダジェフスキー博士は、去年の来日の際にも、こうした危機をずっと警告されていましたが、その警告を裏付けるような結果がおきていることに、彼も衝撃をうけているということです。分っていたこととはいえ、そうしたことがはっきりとおきてくることを示されると、事態の本質は何なのかと言うことです。

 

 これを政府や福島県、さらに医師達の大半が、無理な言説で誤魔化そうしていることを、許してはなりません 。メディアがどう伝えたかも含めて、こちら側は常にチェックしないと、生き残れないですから。」

 当サイトとしてもまったく同感なので、ほとんど転載に託してお伝えしましたが、どこまで国と福島県と県立医大御用学者グループはごまかし続けるつもりなのか、いつまでも誤魔化せるわけではない、そんなことがまかり通るとでも思っているのか、とんでもないことが起きているのだということです。

●原発輸出ゆるすな!再稼働絶対反対!6・2NO NUKES DAYの6万人決起ひきつぎ、安倍政権を怒りの抗議でひきずり倒そう!

 

●福島の子どもたち、原発労働者をこれ以上被曝させるな!福島とともに、原発労働者とともにすべての原発廃炉までともに闘い続けよう!

 

●命が大事! 手をつなぎ、みんなの力を合わせて、放射能汚染ー内部被爆から福島の子どもたち、原発労働者、私たち自身の命と健康と生活を守る医療、避難、保養、団結・連帯・協力・共同の闘いをしっかり進めよう!

 

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4月22日IAEA来日調査団が福島第一原発事故現況の視察・報告の目的は何か

2013年04月22日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

【今日4月22日に流れた福島事故原発関連ニュース】

◆ 安倍政権の要請受け、世界の原発推進の原子力マフィアの利害の死活を賭けて、重大事故続く福島事故原発に乗り込んだIAEA調査団、「廃炉はタイムリーに進んでいる」とゆるせないデマ評価報告!しかし、高濃度放射能汚染水の大量漏出の目も当てられぬ惨状にタジタジ、「汚染水対策の改善」を日本政府に要請。

・・・・・以下、転載・・・・・

 「汚染水管理、改善継続を」=福島第1原発の調査終了IAEA<o:p></o:p>

 2013422日(月)17:01 時事通信配信

 東京電力福島第1原発の廃炉作業を調べていた国際原子力機関(IAEA)の調査団が22日、「日本は廃炉にタイムリーに取り組んでいるが、汚染水の貯蔵で生じる課題についての対応は、継続して改善していくべきだ」などとする報告書概要をまとめ、日本政府に提出した。 <o:p></o:p>

 調査団長のファン・カルロス・レンティッホIAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部長は東京都内で記者会見し、「安定化は達成したが、さらに高める余地がある。そのためには、仮設の機器を恒久的な装置に置き換える作業が進展しなければならない」と述べた。

◆ 3月のネズミの仮設変圧器感電による30時間停電、冷却システム停止に続き、今度はネズミ2匹の焼け焦げ死体が別の変圧器に(22日発見)

変圧器に侵入、感電か=ネズミに焦げ痕、福島第1―東電

2013年4月22日(月)19:18 時事通信配信
 東京電力福島第1原発の2号機使用済み燃料プールの屋外変圧器でネズミの死骸が見つかった問題で、東電は22日、死骸に焦げ痕があったと発表した。ネズミが変圧器内部に侵入し、感電した可能性があるという。
 同原発では3月、ネズミが仮設電源盤の端子に接触し停電が発生。小動物の侵入防止対策を進めていたが、変圧器の隙間は対象になっていなかった。東電は同日、隙間をふさいだ。

今回のIAEA来日、福島第一原発事故調査では①「廃炉作業の取り組み状況の視察、評価と助言」に加えて②福島事故l原発でこのかん起きている「停電」「放射能汚染水漏れ」も視察・調査の対象項目になっていた。「廃炉がタイムリーに進んでいる」などというのは噴飯もの、嘘も大ウソ、そのこと自体がIAEAの報告(概要)で暴露されているというのは読めば自明。

 近づくことすらできない1立方センチあたり29万ベクレルという超高濃度放射能汚染水が最低でも120トンダダ漏れしている(※「120トン漏出」発表以降も漏れているのに、「120トン」発表以来、どれだけ漏れているかはいっさい発表しないで隠蔽・抹殺している!)という現状があり、地下貯水槽方式も全面破たんし、タンクに移送に切りかえ、しかも日々400トンの新たな汚染水が(地下貯水槽とは別に)発生していて、タンクを超速で新たに増設しても間に合わないという「打つ手なし」の状況は何一つ打開されていないし打開のめども立っていない。だからIAEAも「汚染水貯蔵で生じる課題は継続して改善していくべき」「仮設ではなく恒久的対策」と言わざるを得ず、かつ何の「助言」も具体的に行えず、中身抜きで言葉を濁している。

  そしてこのIAEA報告書が出たその日に、3月大停電ー冷却システム停止の重大事故に続いて、同じ構造と同じ原因でネズミ2匹の焼け焦げ死体が別の変圧器で発見され、数時間の停電となった。IAEAが何と言おうと、このままでは「廃炉」など程遠い、いつ重大事故が爆発するかもしれない問題がゴロゴロしているということだ。

ここに挙げた二つのニュースの私たちにとっての問題は、これは命の問題、福島原発事故と放射能によるおそるべき被ばくの問題だということだ。IAEAも東電も政府も、この根幹を無視抹殺している。同じ今日流れたニュースを見よ。

4月22日朝日新聞配

 【本田雅和】東京電力福島第一原発の事故後、水を抜かないままになっている福島市内とその近郊の県立高校2校のプールの底の汚泥から、1キロあたり10万ベクレルを超える放射性セシウムが検出され、もう1校からも同8千ベクレル超が出た。教員や学校側の協力のもと、朝日新聞が泥を入手し、福島市内のNPO法人「市民放射能測定所」(CRMS)で測定した。

 泥が高濃度に汚染されていても水が放射線を遮る効果が大きいため、3校ともプールそばの空間放射線量は周辺と比べ高くない。野口邦和・日大准教授(放射線防護学)は「水に封じ込められている泥は高濃度でも排出しない限り問題はない」と話す。

 8千ベクレルを超える放射性の汚泥などは特別措置法により国が処理する対象。県はプールの泥について「どんな除染方法があるか検証実験をしている。その結果を検討した上で、環境省に連絡し、処理方法を協議する」としている。

 先日の記事でも触れたが、「放射線管理に従事する仕事では、1立方センチ当たり、セシウム137では0・09ベクレル以下が限度、それ以上は危険とされている。前掲朝日新聞配信記事が伝える福島の高校プールの底の1キロ当たりセシウム10万ベクレルとはその限度を桁外れに超える危険なものだ。これがいま福島の人々、福島の子どもたちが福島原発事故と放射能汚染によってさらされている現実だということだ。先日の官邸前の金曜日抗議で福島の女性が「このままでは福島は殺されてしまう」と訴えている。私たちの怒りの抗議で、政府と東電に責任をとらせきらねばならない!

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福島第一原発で冷却システム30時間停止。放射能汚染水、地下貯水槽から大量漏出

2013年04月09日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

4月15日IAEA来日、何のための17日~19日福島第一原発に現地入り調査か?!

目下の福島事故原発で進行中の重大事故に対する不安と怒りを「国際的権威」を使って火消し、もみけすため!IAEAは「廃炉作業の進捗の確認と助言」のためにやってくるわけではありません!各国の原子力推進政策のあくなき護持・継続のために、日本での再稼働の強行のためにやってくる!福島抹殺・再稼働強行のためのIAEA・日本政府の「福島事故原発」調査を断じて許すな!

 私たちは昨年12月15~17日のIAEA福島閣僚会議で行われた「議論」とそこでIAEAと日本政府・福島県トの間で確認された合意内容について、次のように確認していた。すなわち、①IAEAが原子力推進機関そのものであり、②日本政府が「公衆の圧力」(反原発・脱原発・脱被曝)に屈して危殆に瀕することを阻止し、③放射線防護基準、被曝安全基準、除染基準も、経済的企業的利益を第一義に優先して判断すべきで、「1㍉シーベルト」などの基準は「20㍉s-ベルト」を目安に変更・再検討すべきだというタガをはめるために、④IAEAが来日し福島で会議を行ったということを確認した。

 そのかんに衆院選で成立した安倍政権は、このIAEA福島会議と一体で、前政権のイカサマ「2030年代原発ゼロー脱原発」政策を白紙に戻し、公然と原発再稼働を表明した。同時に福島県は、「除染・復興」キャンペーンで帰宅困難区域・居住制限区域・避難準備区域の再編と(放射線管理区域以上の高線量地域である現実に何らの改善もないにもかかわらず)「安全」宣言による「帰還」政策を打ち出した。まさに原発事故などナカッタコトにする福島圧殺・原発再稼働のために、IAEA福島会議は行われた。

 そのIAEAが、いま30時間もの大停電事故=冷却システム停止・崩壊の重大事故をつい先日引き起こし、いままた、またたく間に数十兆ベクレルもの大量の放射性物質の漏出にいたろうとしている地下貯水槽からの放射能汚染水漏出、「原因は分からない」(!←東電)と打つ手なしの大事故のさなかに、やってくる。
 何が「廃炉作業の確認・調査と現在の放射能汚染水漏れへの助言のため」だ!怒髪天を衝くとはこのことだ。IAEAは、現在の福島事故原発の破滅的危険を安全サイドに立って回避することなどまったく考えていない。彼らは、福島事故原発がひきおこしている空前の放射能汚染による命の危険から住民を守るためにやってくるのでもなければ、廃炉の完遂のために今何が必要かを助言するためにやってくるのでもない。
 まったく逆に、「起きている事態は廃炉作業に影響しない」「この程度では放射能汚染による健康への影響、危険はない」とクロをシロとデマで言いくるめるために、そして原発再稼働へハッパをかけるためにやってくるのだ。IAEAとは「原子力政策の重要さを考えれば、チェルノブィリ事故が年に一回程度起こっても継続すべきだ」「原発事故が繰り返しても原発政策は継続する」という組織だ。

 そして私たちは忘れたりはしていない。あの2007年7・16中越沖地震ですんでのところで「3・11フクシマ」レベルの大事故になるところだった、そしてガラクタ原発と化した柏崎刈羽原発大事故のときも、このIAEAは事故直後に柏崎刈羽原発を調査し、何と「予想外に壊れておらず、安全性は保たれた」「事故評価はレベルゼロ」と調査結果を発表したのだ。当時の政府は(現在と同じ)安倍晋三の第一次政権だ。(安倍首相が中越沖地震による東電柏崎刈羽原発の壊滅的被害を火消しするためにIAEAを呼んだ。)

 だが、進行中で、原因もわからない、何らの打つ手もない空前の放射能汚染水・放射性物質の漏出・拡散という大事故の渦中で、これをもみけすことなど絶対にできない!レベル7超の福島原発事故ゆえ当然とはいえ、今や、“万一発生しても「止める」「 冷やす」「閉じ込める」”などという政府や御用原子力専門家が挙げてきた事故原発の安全対策機能など、福島事故原発では何一つ担保されていないということが満天下に明らかになっている。おそるべき、戦慄すべき危険が福島第一原発では破局に向かって進行している。

 声を大にして訴えねばならないことは、福島の子どもたち、福島の人々、事故収束作業に従事し被ばくし続けている原発労働者の命が、いまとてつもない危険にさらされているということだ。日常的な生活や労働などできない「放射線管理区域」よりも危険な地域・福島でさらにこのかんの一連の重大事故で想像を絶するような危険が、いま襲いかかっている。そしてそれは福島にとどまらない。東電は「原因がわからない」「打つ手もみつからない」と無責任にもサジを投げ出している。政府も財界も電力資本も原発マフィア、原発御用学者も同じだ。ふざけるなということだ。福島を見殺しにするのか!福島を守り、子どもたちと私たちの命と未来を守るのは、IAEAでも国でも福島県でもない!私たち自身が立って、怒りの声をあげ、ありとあらゆる力を結集して、住民と子どもたちの危険地域からの避難・保養・医療、危機の突破、廃炉を何が何でもかちとろう。

////////////////////////////////////// 今日流れたニュース////////////////////////////

汚染水1万トン 綱渡りの対応(4月9日)

東京電力福島第一原子力発電所で、水漏れが確認された地下の貯水槽から汚染水を移送していた先の貯水槽でも水漏れが起きていることが分かり、東京電力は、2つの貯水槽にあるおよそ1万トンの汚染水を別のタンクに移す検討を始めました。
しかし、タンクの容量に余裕はなく綱渡りの対応が続いており、抜本的な解決策を見いだせない厳しい状況となっています。
新たに水漏れが見つかったのは、最初に水漏れが確認された2号貯水槽から汚染水を移送していた先の西隣にある1号貯水槽です。
東京電力によりますと、9日午前、1号貯水槽の水漏れを検知するための穴の中から、前の日よりも200倍以上高い塩素濃度が検出され、その後の調べで1cc当たり1万ベクレルの放射性物質が検出されました。
この場所は、3重の遮水シートの内側から2番目と3番目の間で、今のところシートの外側の地盤付近では塩素濃度に変化はありませんが、東京電力は水漏れが起きていると断定しました。
相次ぐ水漏れについて東京電力は、構造上の問題などから貯水槽の上の方から漏れている可能性を挙げて、上部に水が達しないよう水位を80%以下に管理しながら使うと説明していました。
しかし、今回の水漏れは貯水槽の水位が55%の段階で見つかっており、東京電力は、「別の原因が考えられる」として、2つの貯水槽にあるおよそ1万トンの汚染水を別のタンクに移す検討を始めました。
東京電力によりますと、貯水槽以外に汚染水を保管できる可能性のあるタンクは、合わせて2万9000トン分あるとしていますが、このうちの多くは、毎日発生する汚染水を処理したあとの水をためるタンクなどで、東京電力は「できるだけ使いたくない」としており、保管場所は余裕のない状況となっています。
貯水槽の信頼性は大きく揺らいでいますが、東京電力は、ほかに有効な手だてがないとして、1号と2号の貯水槽からの移送を優先し、ほかの5つの貯水槽については、監視をしながら当面、使わざるをえないとしています。
ただ、東京電力が可能性を挙げたタンクについても、貯水槽からの距離の問題などで必ず使えるとは限らず、原因を特定できないなか綱渡りの対応が続いており、抜本的な解決策を見いだせない厳しい状況となっています。

※4月9日のニュース一覧
汚染水1万トン 綱渡りの対応(4月9日 18:20更新)
汚染水 別貯水槽への移送続く(4月9日 17:30更新)
「貯水槽は使わざるをえない」(4月9日 17:30更新)
IAEA 福島原発廃炉検証へ(4月9日 5:00更新)
相次ぐ水漏れ 監視体制強化へ(4月9日 5:00更新)

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毎日が《3・11》、職場・地域・街頭・キャンパスすべてが《ふくしま》

2013年03月21日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

「鼠一匹」ですんでのところで破局につながりかねない冷却水供給システムダウンの重大事故:福島原発停電事故!怒りを爆発させよう!! 

これは瓦解寸前の福一4号機プールの危機、大量放射性汚染水があふれかえり打開策がいよいよなくなった福島事故原発の危機、命削る懸命の被曝労働が続く福島原発での非正規下請労働者の命がけの苦闘、小児甲状腺がん10名ー放射線管理区域以上の危険の中に今も子どもたちが住まわせられ避難の権利も医療も保障されずにとじこめられている危険そのもののふくしまの現状の中で、起きている事態だ!チェルノブィリ基準でいえばウクライナやベラルーシで移住・避難が国によって指示・保障されねばならない放射能汚染区域にあろうことか逆にこの国と福島県が「100ミリシーベルト・20㍉シーベルト安全宣言」で帰還しろという真逆なことを行おうとしている中で、起きた事態だ!ゆるせない、ゆるせない!絶対に許さない!

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東電に叩きつけられる湧き上がる怒り(写真は田中龍作ジャーナル)

「大山鳴動鼠一匹」ということわざで、言葉の並びを変えて形容だけみれば一見似ていなくもないが、そんなものではまったくない!今回の福島第一原発停電事故はそんな笑止ですまされるような話ではまったくない。起きた事態の本質は、鼠一匹で冷却システムがシステムダウンし、4日続けば、温度上昇が危険ラインを突破し、再びの大事故にいたるというような大停電を起したという福島事故原発の抱える恐るべき危険状態、この一点にある。
 しかも、▲2年前の事故後、急きょしつらえた急場しのぎの仮設の設備車両に、2年間野ざらしで配電盤を据えっぱなしのままで、何キロワットもの高圧配線がむきだしのままだったという信じられない事故対応の結果起きるべくして起きた「鼠一匹によるショートと大停電、冷却システムのシステムダウン」であり、
▲この直接原因の究明にもまる1日を要し、
▲停電事故の事実の公表も東電・原子力規制委員会ともに停電が起きて数時間後にようやく行うという隠蔽的保身的体質のゆるしがたい問題がある。

2年前の福島原発事故発生のときとどこが違うのか!まるきり同じではないか。福島の人々は、今回の福島原発停電事故に夜も眠れない不安と恐怖を覚えている。事故原発の危険の爆発の回避にとって最重要なはずの冷却水供給システム、電源設備でこういう事故が発生しているということは、たとえば高濃度汚染水の送管配管系統も急きょ仮設のまま放置されていることにも明らかなように、同様の危険があらゆる系統でゴロゴロ存在し、手つかずで放置されているということだ。原発という存在そのものの危険性、福島事故原発の現在の危険状態、それに対する国と東電のまるで無責任で、まるで無自覚な象皮感覚・・・そのすべてが満天下に暴きだされた。
 その国と電力資本が、この渦中に原発再稼働を表明し、その強行シフトをとって準備を進めている。活断層が直下にある大飯3・4号機も、原子力規制員会はイカサマ「新安全基準」適用からも外し停止しないと言っており、中越沖地震でガラクタ原発と化しており、原発直下に活断層を抱え、直近海底に長大断層がある柏崎刈羽原発についても「500億円の追加投資による耐震措置で新安全基準による再稼働を何としても行う」と東電は方針決定している。本当に怒りに堪えない!怒髪天を衝く話ではないか。

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  上は3・9明治公園大集会

  下は3・10国会前抗議

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 明日は官邸前抗議・金曜日行動が数百人で開始された昨年3月29日から1年目の3・29を1週間後に控えての金曜日行動です。シュプレヒコールを除けば、≪再稼働≫が画策され始める中で「私たちは諦めない」という決意がスローガンとして定着し、≪福島原発事故をナカッタコトにする3・11風化・抹殺の攻撃≫に対して「私たちはふくしまを忘れない、忘れさせない」という闘いの誓いが福島の人々の怒りと訴えと連なって、スローガンに定着しました。3・11福島原発事故から3年目の闘いに入った今、ますます、ふくしま と 金曜日行動 は、原発・核をめぐる私たちの生きるための闘い、命と未来がかかった闘いの真向からの対決軸になっています。毎日が≪3・11≫であり、職場・地域・キャンパス・街頭・家庭ありとあらゆるところ が≪ふくしま≫です。そして、どこでも「真実と怒りが力」「継続は力」「数は力」「つながること・団結が力」です。明日、18時~20時も官邸前・国会周辺抗議で渾身の怒りを安倍再稼働政権に叩きつけましょう。

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3・11反原発福島行動(福島駅前)

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報告:3・11反原発福島行動’13

2013年03月11日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

平日で福島行動に参加できなかった方々のためにお伝えしたいという思いから、長い記事となりますが、写真を中心に3・11反原発福島行動をお伝えします。

ならぬことはならぬ!

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人をいたわります

    ありがとう ごめんなさいを言います

    がまんをします

卑怯なふるまいをしません

会津を誇り 年上を敬います

夢に向かってがんぱります


    やってはならぬ やらねばならぬ ならぬことはならぬものです

再稼働反対!原発いらない!3・11福島を忘れない・風化させない!子どもたちをこれ以上被曝させない!

012

3月11日、東日本大震災・福島原発事故から2年、今日、私たちは、一昨日3・9つながろう!フクシマ、さようなら原発 明治公園1万6千人大集会・大デモ、昨日3・10 0310原発ゼロ☆大行動 日比谷野外音楽堂・日比谷公園~デモ~8省庁前~国会正門前大抗議の4万人決起をひきつぎ、3・11原発事故・大人災の地・福島で、一生忘れまい、絶対に忘れない、未来のために3・11行動を続けると1350名が立ち上がりました。怒りをあらたに、決然と声を上げました。3・11福島原発事故の風化、ふくしま圧殺、福島県民、戦いの分断ねらうありとあらゆる重圧と厳しさがありました。しかし、私たちは立ちました。そしてふくしまの怒りは、3・11を新たに歴史に刻み込みました。今日はこの反原発福島行動2013とともに、東京はじめ全国でも北海道から沖縄まで昨日今日と戦いが爆発しました。戦いははじまったばかり、何度でも何十回でも何百回でも何千回でも私たちは声を上げ続けましょう。参加した3・11のレポートです。

?写真でお伝えする3・11反原発福島行動’13?

教育会館舞台の模様は満席の会場の最後方近くからの撮影なのでクリックし拡大してごらんください。発言は趣旨を当サイト編集責任でで表現したもので、再現したものではありませんがおゆるし下さい。

・・・・・・プレイベント&コンサート・・・・・

001
『竹雀』『悲しみの大地 福島、怒りと祈りと』『サーカス』

002

だるま森+えりこ さん 『脱皮』(脱原発)・・・シュプレヒコール「再稼働反対」「原発いらない」「子ども守れ」入り『脱原女と歯車男』

003
かんしょ踊りワークショップ

005
開会挨拶 会田恵さん 「人間は弱い生き物です。札束でピシャピシャと頬を叩かれているうちに54基も原発ができてしまった。原発は人間の負の遺産でしかない。『ならぬものは ならぬ のです』(ならぬことはならぬ!)NHK大河ドラマ『八重の桜』に出てくる一言ですが国に突き返してやりたい」

主催者・挨拶 実行委員会・椎名千恵子さん(下の写真は集会後のデモの先頭に立つ椎名千恵子さん)

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「9日には明治公園で1万6千人、10日には日比谷から国会に4万人が声を上げたと聞いています。私たち福島にとって心強い限りです。そして平日にもかかわらず、こんなにも沢山の人々が今日の福島の集会に集まってくださった。3・11というこの日に福島で立ち上がってよかったと思います。3・11ふくしまを8・6広島、8・9長崎、5・15沖縄とともに歴史に刻まれた戦いの日として戦っていきましょう。原発事故は収束なんかしていません。事故は続いています。福島を取り戻すために道筋を私たちがつけなければなりません。そして今日こうして若い人も参加してくれました。若い人に希望を感じ、期待します。そうしなければ子どもの将来はありません。みなさん、戦いはこれからも長く続きます。ともに未来のために戦いましょう」

☆全国からのアピール

脱原発わかやまネットワーク・寺井拓也さん 

「原発建設めぐる20数年間の闘いの厳しさの中で、1%でも勝利の可能性あるかぎり絶対にあきらめないで戦って、原発を1基も作らせなかった。原発ゼロのわかやまへの道はそういう戦いだった。共に戦いましょう」

大間原発反対 あさこはうす 小笠原厚子さん

「原発は絶対つくらせちゃいかん、海も土地も汚され奪われる、絶対つくらせぬと157人の中でたった一人最後まで買収にも脅しにも負けなかった母あさこの1人の戦いが、大間原発建設工事予定地に変更を余儀なくさせ、工事を遅らせてきた。福島とひとつになって絶対反対で最後まで戦う」

反戦被爆者の会 下田禮子さん

全国農民会議 鈴木光一郎さん

オスプレイ反対全国キャラバン 

・・・・・メッセージの紹介(国内賛同は408個人・団体、海外賛同430以上と報告されました)

・・・・・福島からのアピール

浪江町の希望の牧場 吉沢正巳さん

「原発事故からこの2年間、育てた牛を殺せと言われている。飯館で残っているのは僅かに10軒、それでも頑張って7百頭の牛を育てている。飯館から逃れた酪農家も、避難せずとどまっている酪農家も、どっちも正しい選択をしたと思っている。牛飼い農民の意地がある。国が牛を殺せと言っても、従うことなどできない、戦う!身体を張っても戦うしかない。今年こそ勝負の年です。残りの人生賭けて戦います。歴史を作るために身体を張る。残りの人生の問題です。みんみんなで頑張りましょう」(下の写真はデモ解散地・福島駅前広場で、原発事故以来ずっと掲げ続けてきた横断幕を背に訴える吉沢さん)

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国鉄水戸動力車労働組合

国労郡山工場支部 橋本光一さん

「一年前3・11に向けての戦いでは、共産党も社民党も過激派もなかった。怒りを持ち、支え抜く、声を上げて共に戦う、これが労働者であり労働組合だからです。国鉄分割民営化、4・7攻撃というものがあったが、状況は去年と今年で労働者にあって変わってはいない。国労郡山工場は支部として団体としてこの3・11集会賛同を決定した。ともに戦いましょう」

  福島の学生から・・・原子力御用学者の巣窟となっている大学のありかたを問い、塗り替える戦いにたちあがっている若々しい決意が述べられました。「3・11福島原発事故の生き証人として戦う」という若者の発言が鮮烈でした。

ふくしま共同診療所 医師の布施幸彦さん

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 診療所を呼びかけ、立ち上げのため尽力されたた佐藤幸子さんからは

「毎日新聞が『希望の診療所』『募金診療所』と報じてくれました。全国からの3780万円もの募金によってついに昨年12月1日開院しました。本当に心を寄せてくださったからこそ、子どもたちを本当に守ろうと考えてくださったからこそ、寄せられた募金であり、実現された診療所です。私は(原発事故によって)これまでのやまなみ農場を閉鎖のやむなきに至りました。しかし新しい診療所という取り組みにいたりました。『やまなみ』というのは山が波のように押し寄せるということからそう命名しましたが、ひっくり返すと、『まや』『みな』という私の子どもの名前でもあります。その娘に子どもが生まれました。さっそく『歩』という名前にしたそうです。脱原発をたたかって、希望に向かっていくにふさわしいと私は思っています」 (下の写真は子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク・佐藤幸子さんが2月に出版された本『福島の空の下で』[創森社刊])

002

★集会宣言

ワンクリックで拡大してごらんになれます。14時46分私たち集会参加者全員は1分間の黙祷を捧げました。黙祷(追悼)には私たちはそれぞれの想いと誓いをこめたと思います。そのすべてを集約したものがこの集会宣言と言えるのではないでしょうか。集会、大行動と一体の集会宣言です)

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・・・・・・みんなで歌おう   関久雄さん

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福島駅前金曜日行動でよく歌われている歌『原発いらない、命が大事』を「灰の行進」を続ける関久雄さんのリードで歌いました。

★☆★行われた教育会館~県庁~福島駅前のデモの模様

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                        椎名千恵子さん先頭にデモ出発

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                   続く続く長蛇のデモ行進

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   駅前広場を埋め尽くす
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 「福島とともに」 主催者から集会・デモを3・11福島でやりぬいた成功の総括、ふくしまの怒りがこの大行動を結実させ成功させた核心だと思います。これからがたゆまぬ戦いです。「身体を張って戦う、ともに戦おう!人生を賭けた勝負、私たちの実力が問われている」会場発言を引き継いでの浪江の吉沢さんの訴えが、私たちの決意を集約していました。

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★以下は田中龍作さんジャーナルの3・11反原発福島行動’13の報道です。

http://tanakaryusaku.jp/2013/03/0006793

       

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3・11福島原発事故2年を前に WHO「福島原発事故の健康リスク報告」について

2013年03月07日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

  ☆ 2月28日世界保健機関WHOが発表した福島原発事故が放出した放射性物質の健康への影響、福島小児甲状腺がん発症と今後の発がん確率等に関する報告書については、2月28日時点では原文と正訳を見ているわけではなく、また同日のメデイア配信によって大別二通りの報道がなされていることから当サイトも結論的批判的とらえかたはともかくも正確な把握に苦しんだように、多くの人々がWHO報告の胡散臭さへの率直な批判・警戒・不信・危機感をもたれながらも、内容の認識・把握には悩まれたことと思います。

  ☆ このWHO報告書からも明らかなことですが、3・11原発事故から2年、《いま福島で起きていること》、そこでいやましにも明らかになっている対決構造に対して、《ふくしま》に我が身を置ききって、私たちが正面から《原子力・原発・核・放射能の問題》をみすえ、人類・人間社会の未来のために逃げずに立ち向かい、《3・11》に誓い、取り組まなければならない戦いとは何かという問題について、先日2月27日の記事(カテゴリー「日記・・・」)に続いて、結論的にまとめておきたいと思います。短期シリーズで「怒りがすべて」と縷々繰り返し確認してきましたが、2011・3・11フクシマ、1986・4・26チェルノブイリ、1954・3・1ビキニ、1945・8・6ヒロシマー8・9ナガサキを通して、この問題を明確にしておきたいと思います。

 -1-

WHOが2月28日発表した福島原発事故が放出した放射性物質の健康への影響、今後の発がん確率等に関する報告について

【1】 これはあらゆる意味で重要です。3名の子どもでの甲状腺がん発症の検査結果による確定と7名の子どもにおける甲状腺がんの疑いという検査結果が、ごまかせない、動かしがたい事実として、既に表面化しています。この3+7の10名の健康被害・被曝症状は、現状並びに今後長期にわたって将来出現する事態の氷山の一角だとしても、この打ち消しが効かない既に判明した事実こそ、福島原発事故による被曝症状、放射能汚染物質による健康への影響を「IAEAの承認なしにはいかなる報告もできない」というIAEAの支配的影響に従属しているWHOが「発がんリスク」を警告せざるを得なかった(認めざるを得なかった)背景・理由でしょう。

 【2】 しかし、みなさんもメデイアの報道で正しく危機感と警戒心、批判を持たれたように、このWHO報告は、「発がんリスク」を警告しながら、他方でまったく反対に「発がんの増加の可能性は低い」「今回のリスク評価は、リスクを見逃さないためにあえて、ありえない過大な条件の設定で行ったもので、将来そうなる可能性はない」と矛盾した評価見解を明記しています。これは、まぎれもなく、WHOが、この報告をもって、福島原発事故による放射能の健康への影響は今後さして大きなものにはならない(ズバリ言えば、『有意な影響はほとんどない』)と何らの客観的データや科学的論拠にもよらず言い切り、3・11フクシマをなかったことにして打ち切り、切り捨て、また今回の福島原発事故とその引き起こしている事態から原発推進政策・原子力政策を停滞させない、という目的のために出されたと断じるべき《原子力推進勢力サイド》の一方的報告だということです。

018

【3】 そして、このWHO報告でも言い足りないとばかり、それに加えてメディアのほとんどは、IAEAサイド、ICRP(国際放射線防護委員会)サイド、エートスサイド、福島県立医大サイド、山下俊一・鈴木真一サイドのコメントを押し出し、 「被曝の影響が実体からかけ離れて過大評価されている」「結果だけを見て不安になる住民が出てくるかもしれない」「過大なリスク評価で風評被害を招いては本末転倒だ」とWHO報告の内容すら批判し否定しようとしています。TVニュースももっぱらこのトーンで徹底していました。

               021

004

昨年12月15~17日のIAEA福島会議で協定を結んでいるIAEAと福島県は、この「WHO報告」までもなかった話にし、それを打ち消すために今後の「福島県民健康調査結果」情報の一元的独占的管理・隠蔽・隠匿のシフトをとってくるでしょう。発がんはじめ被曝症状・健康被害の多発・激増を認めてしまったら、「復興」という名の「放射能と福島県民の共存」政策も、原子力推進国家・国際原子力マフィア勢力総がかりの原子力政策、原発政策など吹っ飛んでしまうからです。「福島のリスクは将来も高い、安全ではない」となってしまえば、再稼働や原発推進が危機に立たされてしまうからです。

◆みなさんは、以下のWHO報告リリース原文をお読みになれば、いま申し上げた数点について、報告内容の認識でも直観的レベルでも皮膚感覚でも、当サイト同様の見解に立たれるはずです。

・・・・・・以下、リリースされた「WHO報告」の意図に忠実なサイトの記事です。⇒下記のワンクリックでごらんになれます。

転載ソース:Global Energy Policy Reserch<o:p></o:p>

記事タイトル: WHO、福島原発事故の健康被害を予想せず ? リスク向上は警告

サイト:二ュースリリース「Global report on Fukushima nuclear accident details health risks」(福島原発事故の健康リスクの国際報告)<o:p></o:p> 

http://www.gepr.org/ja/contents/20130304-01/<o:p></o:p>

 核心は、フクシマで原発事故と放射能によって、人々と子どもたちの命がむしばまれ、汚され、傷つけられ、奪われるというおそるべき危険が日々現実のものとして拡大しているということです。放射能は目には見えない、匂いもしない、味もないが、紛れもなく福島と私たちはこの命の危機に逃れようもなく直面し続けているということです。福島と私たちの放射能による健康被害、被曝症状をめぐるこの攻防は、私たちが生きるための戦争そのものです。

 私たちが手をこまねいていたら、チェルノブイリを上回るテンポ・スピードで、人類の未来である子どもたちの命と明日が奪われ、人類にとっての大変な困難・破局・破滅に行き着きかねない・・・・。WHO報告の今回の内容での発表は、この福島原発事故と放射能汚染の拡大という命の危機が眼前にあって、それを押し隠すために出てきたということではないでしょうか。

 だから、ふくしま集団疎開裁判をめぐって、「命を救う判決を」「子どもを救う判決を」「原告は福島・郡山の子ども 仙台高裁 愛ある判決 お願いします」「子どもを逃せ」を掲げ、「福島の子どもたちを被曝から守ろう」のデモが行われているし、子どもの疎開と保養、避難できない子どもと人々の命と健康を懸命にまもる診療所の闘いが福島で始まっているのです。福島は、そして放射能汚染拡大によって、あらゆるところが、「放射能」という砲弾が降り注ぎ、「放射能」という猛毒ガスがまきちらされ、私たち・子どもたちの命と健康を傷つけ、むしばみ、奪おうとして襲いかかっている戦場となっているということです。このことを訴えずにはいられません。

 

                    
                      
  

 ー2-  

3月11日を前に私たちが誓うこと

 

 

 2月27日の小論(カテゴリー「日記・・・)の続きにあたる記事です。

 安倍政権は「原発再稼働」を繰り返し表明し、1950年代に「原子力の平和利用」を大々的にキャンペーンし原発導入の先兵となったかの正力松太郎の読売新聞も2月28日社説で「原発再稼働」「不可欠の原子力と再生エネルギーによる今後のエネルギー政策」をあおっている。

 何のためか?核兵器保有のポテンシャルをもっていないと国として成り立たなくなるという政府文書で明らかにしている日本政府の核武装政策(安全保障政策=戦争政策)のためだ。この核兵器保有と戦争をめざすこの国と、私たちは3・11福島原発事故とその後の原発政策をめぐって、福島の子どもたちの被曝、放射能汚染をめぐって対峙している。

★かみしめたいことは、原子力(原発・核)との闘いとは、行き着くところ、戦争をめぐる闘い、99%の国民が望まず、ただ支配的政府財界だけが核武装と戦争を必要とするような社会をどうするかという戦いということにほかなりません。

 ① 原爆は、1930年代から、米英独、そして日本で戦争で勝つための国家の武器、世界支配のための兵器・軍事能力の開発として研究され、アメリカのマンハッタン計画に基づくリトルボーイ、ファットマンとして、1945年8・5広島、8・9長崎で実際に投下された。ひとにぎりの政府財界の利害のために行われる戦争のために、人間の力では統御できない原子力を核兵器として武器化した。ここを徹頭徹尾はっきりさせよう。すべてはここから始まっています。

 ② 前回(第六回)の記事で「怒りこそすべて」と述べたが、砲弾を頭上から落とされる人間が発せざるを得ない怒りが、主義主張、政治信条をこえて、絶対に戦争はゆるすまじの最大の根源的叫びです。そこで砲弾の下にいるのは常に国の政府、為政者、財界ではなく、労働者であり民衆です。この根源的怒りを原点としてすえたとき、戦争には絶対反対しかないし、原水爆・核兵器には絶対反対しかないし、それを必要とする政府は私たちの手で倒し、国も社会も変えねばならない。逆に、砲弾の犠牲に常にさらされる身でありながら根源的な怒りの叫びを上げられないとしたら、二次大戦でそうだったように、アジア侵略戦争・総動員でそうだったように、私たちは暗黒政治のもとに息もできずに隷従し、殺されるのを待ち、さらにそれにとどまらず、他国の民、同じ人間を殺すというところにまで行き着くもう二度と繰り返さない、絶対に。

 ③ そこをはっきりさせたとき、二次大戦を「ファシズムと民主主義の戦争」と位置付けたり、総括することが、どれほど、非人間的でゆるしがたいことかもはっきりするのです。逆に、ここをはっきりさせないと、アメリカによる広島・長崎原爆投下も「暗黒の日本軍国主義の圧制と戦争からの日本の民衆の解放」「日本の民主化のための決定打」というとんでもない歴史認識、原子力評価に行き着く。戦後の日本共産党や社会党の指導者たちの核兵器と原子力政策に対するーどんなに反戦平和や反核・非核を訴えていようがーこの屈服は、原爆・砲弾を頭上に落とされ殺される労働者民衆の苦しみと怒りに敵対する根本的犯罪的裏切りとして厳しく今なお批判されねばならないと思う。日本共産党や社会党のもとにある人々がみな、既成の労働運動や平和運動を地を這うような職場・地域の闘いで担ってきた人々がみな、怒りにたっていなかったとは到底思えません。これはほとんど政党や運動の指導者、それも数十人とかいった規模ではなく数人、せいぜい十数人の指導者とその「選んだ路線」(屈服)の問題である。一瞬のうちに都市まるごと住民皆殺しで殺戮した原爆、生きおおせた人々も「死の灰」に苦しめられ続ける核戦争に対して、それをやったアメリカに対して、どうして「日本の民主化」「日本軍国主義の終焉」などという評価、総括ができるのか。この問題です。

 ④ この帝国主義(日本もアメリカも・・・も)とその戦争と国家に対する根底的絶対的な批判がないから、米ソ大国間の核開発競争と大軍拡に対して、「アメリカの世界支配に対する『社会主義の祖国』ソ連の対抗的核武装は正義」「ソ連の核実験なら放射能も喜んで浴びる」などというとんでもない「路線」「認識」が労働運動や平和運動を分裂・分断してまで強行され、「原子力の平和利用」という核兵器の平時の偽装的準備的形態にもいとも簡単に道を開け、ヒロシマ、ナガサキ、ビキニがありながら、原子力は積極的な科学技術によるエネルギ―開発という容認による「路線」(原子力への屈服)の自己正当化が平然と行われ、原発導入をズルズルと認めていくことになったのです。

 ヒロシマ・ナガサキの犠牲者、被爆者、その二世三世、ビキニ水爆実験・第五福竜丸の被曝者の命と健康をめぐって、その怒りと悲しみと病苦の中に、“核戦争=原爆”、“戦争“は当時も今も血と涙を流して続いている。当然にも、これは屈服してしまった既成政党や労働運動・平和運動の指導者たちだけに鋭く突きつけられている問題ではない。私たち自身に歴史的今日的に問われ、突きつけられている問題である。

 ⑤ 労働運動や平和運動の指導者や政党のこの戦争・原子力への屈服は今日的には、3・11福島原発事故以降の反原発・脱原発・脱被曝の巨大な怒りの爆発の渦中にあって、すべての政党・組織に、人々の怒りと生きるための命を賭けた闘いに依拠して、怒りの先頭に立って反原発反核の闘いをすすめるのかどうかを厳しく問うものです。ここに例外はありません。政党、組織、運動の指導者が、核・原発を巡る国家との激突の厳しさ・激しさの前に、どんな理由であれ、どんな位置づけであれ、わが身の保身をはかり、あれこれの「理由」や「判断」をあげつらって国家・政府との激突とその責任から逃げた時、身をずらしたとき、闘いはかぎりなく厳しいものとなります。それでも、3・11福島原発事故以来の闘いは、巨大な闘いに必ず発展する。ここでは掛け値なしに、命と未来がかかっているからだ。闘い以外に未来は開けないからです。3・11フクシマの闘いとは、反原発・脱原発・脱被曝の闘いとは、私たち自身が未来を取り戻し、歴史をひらく闘いだからです。ただ前に進むことのみが未来を開くのである。

 30年代、二次大戦、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、チェルノブイリ、フクシマ、戦前の歴史も戦後の歴史も私たちの怒りの決起で根底から塗り替えることが求められている。戦争と私たちが生きることとはまったく相いれない。核・原発・放射能と人類は絶対に共存し得ない。この相いれないものを曖昧にし、共存し得ないものを「共存」としたとき、ヒロシマ・ナガサキが起こり、ビキニが引き起こされ、チェルノブィリ事故が起き、フクシマ事故が襲いかかったのである。もう屈服の歴史を繰り返すことはできない。屈服は地獄であり破滅であり、死であること、怒りを持って声を上げたちあがることだけが生き抜き未来を拓く道であることを3・11福島原発事故は示している。怒りもて立ち上がり、闘って、絶ちきらねばならない。これまでの屈服の歴史を許してきた私たちが変わるとき、歴史は変わり、社会も変えることができる

⑥ 3・9-3・10-3・11の大爆発をかちとろう。被曝から子どもたちを守る闘いを仙台高裁・ふくしま集団疎開裁判で突破口をひらこう。疎開裁判の判決は予断を許さない。だが、疎開裁判の井戸謙一弁護士が断言し呼びかけているように、はっきりしているのは、判決で勝っても、ますます私たちは怒りと声を大きくして闘わねばならないということであり、判決で負けても、私たちが怒りと声を大きくして、私たちの団結を拡大して、未来のために、生き抜くためにどこまでも闘うならば、展望も希望も開かれるということです.  これはふくしま集団疎開裁判にとどまらない。怒りをもやし、一歩もひかないで、あくまで戦い続けるということです。

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3月9日(土)つながろうフクシマ!さようなら原発大行動(明治公園)

3月10日(日)0310原発ゼロ☆大行動(13時集会:日比谷野外音楽堂、14時デモ出発、17~19時国会前集会)、

3月11日(月) 3・11反原発福島行動 ’13(13時30分~集会:福島県教育会館、15時15分デモ出発:⇒福島県庁⇒福島駅前)

 

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3・11福島原発事故からニ年 ふくしま集団疎開裁判に提出された松崎道幸医師の意見書

2013年02月28日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ
  〔今日お伝えしたいこと〕 
http://mkimpo.com/diary/2013/evacuate_children_13-02-23.html
 上記は2月23日の「子どもたちを被曝から守ろう」新宿デモの模様を伝えるサイトです。ぜひごらん下さい。
 以下、福島疎開裁判の会のサイトからの転載です。
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/02/3.html

2013年2月25日月曜日
【裁判速報】ロスタイムに入った裁判所に、緊急書面の提出(3)「福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。」松崎意見書(5)提出
 2月20日、北海道深川市立病院内科の松崎道幸医師作成の意見書(5)(甲163)を提出しました。
これは、本年2月13日に、福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)が公表した結果をどう評価すべきかについて、検討委員会の座長である山下俊一氏が事故後5年目から検診したチェルノブイリ事故による甲状腺がんの発生データと対比して明らかにしたものです。つまり、3.11以前の山下氏を鏡にして、3.11以後の山下氏のデータ・見解を検証したものです。
その結論は、次の通りです。もはや、一刻の猶予もなりません。

1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。


以下、その全文です。

  意見書 (5)
――今、福島のこども達に発生している甲状腺がんについて――
 


             松崎 道幸(深川市立病院内科・医学博士)
     2013年2月19日
目 次
第1.略歴
第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある

第1.略歴
甲131号証の記載の通り。

第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある

1. 福島と同じ方法で実施された子どもの甲状腺検診データがチェルノブイリにある

 2013年2月13日、福島県県民健康管理調査検討委員会において、甲状腺検診を受けた18才以下の子どもたち3万8千人から3名の甲状腺がんが発見されたことが報道されました。
 しかもこのほかに甲状腺がんの疑いのある子どもさんが7名おられるということです。したがって、原発事故から2年も経たないうちに、3万8千人の子どもたちから最大10名の甲状腺がんの発生が予測されるという事態になりました。
 この福島の数字が多いのか少ないのかを判断する上で、参考にできる調査があります。
 それは、チェルノブイリの原発事故の5年後から開始された日本の医学者による被災地周辺の子どもたちの甲状腺検診結果です。
 この検診の最初の詳しい報告は、1995年に山下俊一氏(現長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授・福島県立医科大学副学長)、長瀧重信氏(長崎大学名誉教授)らが共同著者となった論文(以下「山下チーム論文」と記す)としてThyroidという医学雑誌に発表されています(【論文名】チェルノブイリ周辺の子どもの甲状腺の病気 【著者】Ito M, Yamashita S(山下俊一), Ashizawa K, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, Sekine I, Nagataki S(長瀧重信) 【掲載誌】『Thyroid(甲状腺)』第5巻第5号、365~8ページ、1995年)。
 これは、事故時10才以下だったチェルノブイリ周辺の約5万人の子どもたちを対象に、事故から5~7年後に初めて甲状腺超音波検査を行った結果を報告したものです。
このチェルノブイリ検診が、今回の福島の検診結果を解釈する上で参考になるのは、次の共通点があるからです。
① 原則として調査地域のすべての子どもを検診対象とした
② 超音波検査で直径5ミリ以上の結節性病変のある者を穿刺細胞診の対象者として選択した。
 下表にチェルノブイリと福島の小児甲状腺検診の概要および結果を示します。
(※サイトの引っ越しに伴う画像の反映ができないため、リンク先で表記します。以下の表や図についても同じ・・・・当サイトからの注)
⇒原発事故後の小児の甲状腺の推移
http://4.bp.blogspot.com/-W7JSW1FMV5E/USoue4PpqrI/AAAAAAAAA70/R8Xt_APUTE4/s1600/image1.jpg


**(福島民報)「新たに2人甲状腺がん 県民健康管理調査」[2]

2. 福島の甲状腺がん頻度はチェルノブイリ周辺の高汚染地域と同じだった
 チェルノブイリの検診では、径5ミリ超の甲状腺病変を超音波検査で検出し、穿刺細胞診検査などで診断を行った結果、55,054名から4名(1万4千人に1人)の甲状腺がんが発見されました。
 下の地図に山下チーム論文の調査地域と放射能汚染度を示します。同縮尺で、福島周辺の放射能汚染度も併置しました。

⇒地図:山下論文チームの調査地域と放射能汚染度
http://4.bp.blogspot.com/-kiD4-B4bmUs/USou2hxlmHI/AAAAAAAAA78/QQZ1IlGkJrw/s1600/image2.jpg

 下表は、山下チーム論文の表1をもとに、地域別の超音波検診数と甲状腺がん発見数を示したものです。調査地区中最も放射能汚染の高度なゴメリ地区では8,949名中2名に甲状腺がんが発見されました。

⇒超音波検査による健診人数と甲状腺がん発見数
http://1.bp.blogspot.com/-BifugfbiM0Y/USovAbJ4FFI/AAAAAAAAA8E/OC58RAukTWE/s1600/image3.jpg


3.福島調査では3名が甲状腺がんと確定。他の7名も甲状腺がんの可能性が極めて濃厚
 一方、福島調査では、38,114名から3名の甲状腺がんが確認され、なお、7名の結節(平均直径15mm)が甲状腺がんの疑いが濃厚であるということで精査中です。
 毎日新聞[3]は、最終診断が未確定の7名のこどもについて、「7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある」(アンダーラインは松崎によるもの)と報道しています。
 したがって、現在の時点で、福島では、1万3千人に1人が甲状腺がんを発病しており、もし、他の7名がすべて甲状腺がんと確定したなら、3千8百人から1人甲状腺がんが発生したことになります。
 下図は、チェルノブイリ周辺と福島の検診人数を四角形で、確定甲状腺がん数を黒丸、甲状腺がん疑い数を灰色丸で表示したものです。

⇒チェルノブイリ周辺・事故5~7年後と福島・事故2年後
http://3.bp.blogspot.com/-0Xt6aQY2Jeo/USovLwFdtII/AAAAAAAAA8M/Z3NE7vowbVw/s1600/image4.jpg

 原発事故数年後にチェルノブイリの高汚染地域(ゴメリ地区)では4千5百人に1人が甲状腺がんと診断されました。しかし福島では原発事故後2年も経たないうちに、甲状腺がん確定例が1万3千人に1人、疑い例も含めると3千人に1人と、ゴメリ地区に匹敵する発生率になる恐れがあることが明らかになりました。(下図左はゴメリ地区だけを表示)
⇒ゴメリ事故5~7年後と福島・事故2年後
http://2.bp.blogspot.com/-eLK4WCrMinA/USovWPN_9SI/AAAAAAAAA8U/0zun45ZQjmU/s1600/image5.jpg

4. 事故の1年後でチェルノブイリの数年後とすでに同じ発生頻度なら、福島の甲状腺がんはこれから激増する恐れがある
福島の子どもたちの甲状腺がんが原発事故による放射線被ばくと関連するとすれば、5年後には、さらに多くの甲状腺がんが福島において、発生すると見なければなりません。
 下図に明らかなように、チェルノブイリ調査は、子どもたちに甲状腺がんが急増した時期に実施されたのに対し、福島調査は、チェルノブイリでわずかに甲状腺がんの増加が見られ始めた時期に実施されたことになります。しかも、すでに、チェルノブイリ事故の高汚染地域に匹敵する頻度で甲状腺がんが発生しているのですから、福島の子どもたちにチェルノブイリを上回る頻度で甲状腺がんが発病する恐れがあるとする予測には十分な根拠があります。

⇒図・2ベラルーシにおける甲状腺がん発生率の変化
http://1.bp.blogspot.com/-AxB4dqoHdQM/USovhhFIgYI/AAAAAAAAA8c/VLhzUNDtmY4/s1600/image6.jpg


5. 山下チーム論文は、初期被ばくだけでなく、慢性低線量被ばくも甲状腺がん増加の原因であろうと正しく指摘していた
 山下チーム論文は、次頁に該当部分を引用しましたが、チェルノブイリの小児甲状腺がんが、急性の直接被ばく(事故初期のヨード被ばく)だけでなく、その後の持続的低線量被ばく(放射性降下物による地表汚染)によって発生増加していると述べています。私もこの結論に同意します。私たちが出来るのは、子どもたちにこれ以上の放射線被ばくをさせないことです。子どもたちを現状の放射線汚染地域に住まわせることを見直し、移住・疎開等を真剣に考慮すべきです。

⇒原発事故後の小児の甲状腺の推移
http://4.bp.blogspot.com/-W7JSW1FMV5E/USoue4PpqrI/AAAAAAAAA70/R8Xt_APUTE4/s1600/image1.jpg


結論
1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。

以 上


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[1]http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1097-0215(19960103)65:1%3C29::AID-IJC6%3E3.0.CO;2-3/pdf
[2] http://www.minpo.jp/news/detail/201302146637
[3] http://mainichi.jp/select/news/20130214k0000m040061000c.html

////////////// 転載・貼り付けは以上で終了//////////////////////

  【3・11を目前にして想うこと、訴えたいこと】 

 原発・核と2011・3・11福島原発事故への怒り、1986・4・26チェルノブイリの怒り、1954・3・1ビキニの怒り、1945・8・6ヒロシマ、8・9ナガサキの怒り、いま私たちの生存権と未来を脅かし踏みにじり私たちの生きんがための戦いを呼び起こしている「カネがすべて」「私たちの命より国家(国益・安全保障)がすべて」の新自由主義への怒り⇒ この私たちの怒りが、私たちの未来を取り戻し、きりひらく!!! 未来のために声を上げよう!

 (1)2月23日新宿アルタ前デモで私たちは声を限りに、ふくしま集団疎開裁判・仙台高裁3月判決と「子どもたちを被曝から守る」ために「命を救う判決を」「子どもを救う判決を」「原告は郡山の子どもたち」「仙台高裁 愛ある判決 お願いします」と訴え、子どもを愛するすべての人びとは一緒に声を上げようと呼びかけました。

 (2)3・11福島原発事故から2年、この3・11に3年目を迎えるふくしまの怒り、ふくしまが対峙している厳しさと苦しさと向ききあいましょう。そこに私たちが直面している、手をこまねいていれば私たちがこれから直面していく現実があり、私たち99%の国民がいま立たされている歴史の岐路があります。私たちは、みな一緒に明日生きていきたい。当然です。私たちと子どもたち、孫たちが明日生き抜き、幸せを追求することができる未来をつかむために声を上げよう。いまこのとき、ふくしまとひとつになって、怒りの声をあげずしてどうする!いまこのとき、ふくしまの思いとひとつになって、希望をあくまでもかざし、断じて諦めず、未来のために立ち上がらずしてどうする!怒りには激しい表現もあれば静かな表現も沈黙の表現もあります。しかし、ふくしま と私たちがさらされている危険、「命よりカネ」「民より国家」がすべての社会と社会を牛耳る政府財界に対して、怒らずにいられるでしょうか。怒りがすべてです。そして怒りを表現したとき、私たちは社会を変え、私たち自身に歴史を前に進めることができる力があることに確信を持てるのではないでしょうか。すべての原発即刻廃炉、放射能・被曝から子どもたちを守ろう。

 (3)今年27年目を迎えるチェルノブイリ原発事故で、私たちは気づくべきでした。たくさんの人々が反核・反原発・脱原発にたちあがったものの原発の停止・廃炉に追い込んで原発政策の息の根をとめるにはいたらなかったという《負》の限界は否みようもなく私たちにあったのです。(本記事の冒頭・転載の『松崎意見書』が明らかにしているように)既にチェルノブイリ事故のもたらした被曝症状に匹敵、それを上回る健康被害が発症しています。チェルノブイリでは、ウクライナ政府レポートやベラルーシ・ゴメリが示すように、10年、15年、20年、25年・・・・の経年によって事故当時子どもだった人々の7割・8割・・・が、甲状腺がん、白血病、心臓病、腎臓病、免疫低下の健康被害が、私たちが手をこまねいていれば、逃れえぬ事態となってしまいます。全原発の即時廃炉、被曝から子どもたちを守ろう、子どもたちを逃そう。そのためには、IAEAと福島県、国と財界と東電はじめ電力資本、御用学者が総がかりで敷いている「原発事故・放射線由来の被曝」否定・超過小化、健康被害情報の統制・隠匿・抹殺を打ち破らねばなりません。国と東電に責任を取らせ切らなければなりません。チェルノブイリ原発事故で被曝症状・健康被害の情報統制・管理・隠匿を長きにわたって続けたソ連、さらにIAEA、ICRPがやったようなことを絶対にやらせるわけにはいかない。ここでも、怒りがすべてであり、命より大事なものはないという叫びがすべてです。一刻の猶予もない。いま、このとき、ここでこそ、チェルノブイリ事故の時に気付けなかった《負》をのりこえねばなりません。それはウクライナやベラルーシの人々の《チェルノブイリの怒り》を《フクシマを体験した私たち》が体現するということです。

 (4)同じことは、1954年3・1ビキニ水爆実験・第五福竜丸被曝の怒りを今こそ《3・11福島原発事故を経た私たち》が体現して、怒りを爆発させようという問題です。アメリカも日本政府もビキニ水爆実験がひきおこした「死の灰」のもとにあった八百数十数隻の漁船と諸島住民の大量被曝を全情報・全事実の統制・管理・隠匿・抹殺をはかった。第五福竜丸乗組員が怒りをこめて明らかにした被曝の真実が杉並と焼津から始まった原水禁署名、国内3千数百万、世界6億6千万の怒りの抗議を呼び起こした。それはアメリカと日本政府のプレスコードで原爆投下によるおびただしい大量被爆と被曝症状の情報・事実の統制・管理・隠匿・抹殺によって閉じ込められてきたヒロシマ・ナガサキの怒りの爆発でもあった。だが、「原子力の平和利用」という「毒をもって毒を制する」原子力推進政策(核武装と原発導入)に労働組合運動・平和運動の指導部、既成政党指導部が屈服し、さらに、ソ連の核開発のもとでの原水禁運動の分裂で、ビキニ被曝者とヒロシマ・ナガサキ被爆者・被曝者、その二世三世にわたる怒りの苦闘、被曝を認定しない国との長い戦いが続いているわけです。《ビキニの怒り》を背負って、今日的に決着をつける、それは私たちが心底から《3・11フクシマの怒り》を体現して怒りの声をあげることであり、心底から《ビキニの怒り》をかみしめ、59年前の3・1に我が身を置いて怒りを爆発させることです。水爆実験による放射能被曝で命を落とした方々、今なお被曝症状をかかえて生き抜き、ビキニ水爆実験を弾劾し、核と原子力を告発し続けて戦う方々の想い、怒りこそ原点です。放射能と人類は共存し得ない。第五福竜丸乗組員が、命と被曝症状をもって明らかにしたのが、原子力は原水爆=「戦時使用」であろうと「平時使用(『平和利用』と称する)」であろうと、人類=人間社会にとって絶対悪であり、それ以上に大事なものはない命を奪う人類史上最悪の絶対悪であるという真実です。根源的怒りがあれば、原水禁運動の分裂や「原子力の平和利用」の毒をゆるして原発を導入させてしまうことも、ゆるしはしなかったはずです。「原子力の平和利用」や原水禁分裂のそのときに、いま、このとき身を置いて怒りを爆発させて、原発・核の廃絶へ、真っ向からの戦いを挑もうということです。

 (5)こうして私たちは、3・11福島原発事故2年の戦いは、ヒロシマ、ナガサキ原爆投下と被曝、そのプレスコードによる隠蔽・抹殺、さらには原子力をつくりだした戦争そのもの、「核兵器保有能力を確保しておくためには、当面、原発政策をとる」として原発推進政策を政府決定し、そのままあくまでも継続し続けようとする《この国》の政府・財界という敵がある戦いが、全原発廃炉、子どもたちを被曝から守れの戦いであるということを、あらためて確認し自覚させられます。

 ここでは結論的に触れるにとどめますが、いま福島の子どもたちの被爆症状に対するIAEA、福島県、国の情報・事実の統制・管理・隠匿・抹殺との戦いと、子どもたちをこれ以上被爆させない疎開・避難そして医療の戦いは、《67年前のヒロシマ・ナガサキの「死の灰」「黒い雨」被曝のアメリカと日本政府のプレスコードとの戦い》だということです。よく言われる「アメリカによる戦後民主化」「アメリカが軍国主義日本から国民を解放した」(「占領軍=解放軍」規定)という誤った認識・路線は1947年2・1ゼネストの決行を絞殺する裏切りをうみだしただけでなく、ヒロシマ・ナガサキ原爆投下による「死の灰」「黒い雨」のもとでひきおこされたおびただしい被曝の真実を統制・隠匿・抹殺したアメリカGHQのプレスコードへの屈服にまで影響をもたらしていることはまず間違いないことではないでしょうか。勃興し再建された労働組合運動の指導者や平和運動の指導者が、「占領軍とことを構えたら大変なことになる」「アメリカによく思われないと大変な目にあう」という思いに指導者がとらわれ保身のために屈服した瞬間から、プレスコードが解除されるまでヒロシマ・ナガサキの原爆投下とおびただしい被曝は隠蔽され抹殺され続けたと言ったら言い過ぎでしょうか。ここで申し上げたいことは、怒りの声を上げ続けることがすべてだということです。本当のこと(真実)を声としてあげることができなくなったら、どんな理由や経過があれ、苦しみ、希望を失わされるのは、怒りを覚えている私たち自身なのです。

 IAEAと福島県の結託、原発推進側に立ち尽くした御用放射線医師、政府・行政・マスコミの「除染・安全・帰村」キャンペーンと「被曝症状」否定・抹殺、「被曝医療」否定・阻害の圧力のもとで、福島の人々は、怒りや被曝症状の不安や苦しみを口にすることも、できない、本当のことを口にするにも覚悟がいるという大変な状況下で生き抜き戦っています。原発いらない福島の女たち、ふくしま集団疎開裁判、放射能から子どもたちを守る福島ネットワークをはじめとしてこの戦いが懸命に戦われています。このふくしまの怒りとともに私たちが心底から怒りの声を上げ続け、戦いを原発推進勢力・放射能安全勢力、被曝隠蔽・抹殺勢力の「ふくしまプレスコード」を打ち破る戦いにしていく必要が何としてもあります。声を上げましょう。怒りがすべてです。そして「数は力」「継続は力」です。その真ん中に実際に社会を動かしている労働者、労働組合が立つことです。団結こそ核・原発の戦後史を断ち切り、社会を根本から変える力です。

 (6)3月9日(土)つながろうフクシマ!さようなら原発大行動(14時開会:明治公園、15時15分デモ出発)、3月10日(日)0310原発ゼロ☆大行動(13時集会:日比谷野外音楽堂、14時デモ出発、17~19時国会前集会)、3月11日(月) 3・11反原発福島行動 ’13(13時30分~集会:福島県教育会館、15時15分デモ出発:⇒福島県庁⇒福島駅前) に行こう。
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2・23新宿・アルタ前 ふくしま集団疎開裁判の会先頭に650名がデモ

2013年02月23日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

                    2232735820498
                    http://t.co/c9FTxHhrlt から転載
 

写真で伝える「子どもたちを被曝から守ろう」2・23新宿・アルタ前行動

ふくしま集団疎開裁判の会の呼びかけに応えて、たくさんの人々が新宿駅東口・アルタ前にかけつけました

002

ブルーの大横断幕には「子どもたちを被曝から守ろう」と大書されています。

ふくしま集団疎開の会の井上利夫さんが訴え、安部ともみさん、森園かずえさん、木田節子さん、佐々木慶子さんはじめ、福島の人々が次々と福島の現状を訴え、福島のことを一人でも多くの人に知ってもらい、福島と向きあって声をあげてほしいと訴えました。ここにこうして集まってくれた皆さんは、原発反対や放射能のことはほとんどわかっている人だと思うが、もっともっとたくさんの人に、まだ知らされてはいない人に是非伝えて、もっともっと大きな声にしてほしいと切実に訴えました。
  004
          新宿の街にいる人々に訴えようと元気よくデモに出発        

                         005
デモに注目する人々にアピール 「郡山の子どもが 原告」「子どもたちを避難させて」「避難の問題 みんなの問題」「白血病になりたくない」「甲状腺がんなりたくない」「いますぐ避難 もう時間がない」「命を救う判決を」「子どもを守る判決を」「仙台高裁 愛ある判決お願いします」「福島の人に安らぎを」「福島の子どもに安らぎを」「集団疎開 実現しよう」                 

新宿街中でありったけの声でアピール
  009

             再びアルタ前に戻って・・・ゴールでは大応援            

                 010

福島からはこの日の2・23新宿アルタ前行動のために、郡山からバス1台45人で駆けつけ訴えの先頭に立ち、その足で、福島へ取って返しました。福島での3・11福島原発事故二周年の闘いの成功、3月仙台高裁判決のために奔走が待っているからです。

 アルタ前の解散集会では、原発いらない福島の女たちの椎名千恵子さんが参加者の結集へのお礼を述べられたうえで、「福島では、もう1㍉シーベルト以下にはとても下げられないからと線量を引きあげるということが行われています。原発事故が収束しておらず、高線量で健康に危険があって避難させなければならない人々がたくさんいるのに、『安全だから』と避難先から避難区域に帰還しろというゆるしがたいことが行われています。そして避難したくても避難できずに苦しんでいる人がたくさんいます。みなさん、この福島の現状を知って一緒に声をあげてください。3・11から二年、福島では23日と11日に集会をもって闘います」と声を振り絞って訴えました。

  ふくしま集団疎開裁判の原告代理人である柳原敏夫弁護士は、スイス・ジュネーブのレミー・バガ―ニ市長からの2・23行動への連帯のメッセージ(※メッセージ本文は後掲)を紹介し、「ふくしま集団疎開裁判は福島の子どもたちだけの問題ではなく世界の子どもたちを守る闘い」「今日の新宿での行動は被曝から子どもたちを守ろうというこの声をもっともっと大きな声にしていくために設定した。この声は裁判所にも必ず届く」「私は背中にこのアピールを貼り付けて、どこでもそうしている」とくるりと背中を見せて『沈黙のアピール』でこれからの声の拡大を全参加者に訴えました。

※ ジュネーブ、2013年2月20日

拝啓 貴殿の訴訟団が、福島の高汚染地域で暮らし続ける子どもたちの避難を求め、2月23日に東京でデモを企画していると伺いました。子どもたちの様々な健康被害が増加していることから、遅滞なく子どもたちを非汚染地域に避難させなければなりません。


貴殿のアクションを全面的に応援するとともに、福島の子どもたちが即時避難を求めるために声を上げることを切に願います。これは福島だけの問題ではなく、世界全体が子どもたちを守るために団結しなければなりません。

敬具
レミー・パガーニ
 

 

 

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3・11福島原発事故から二年 IAEA・福島県の「エートス」運動に負けてたまるか!

2013年02月21日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

今日訴えたいこと 

 

《1》「人類(人間社会)と原子力(核・原発・放射能)はゼッタイ共存できない」のに、「放射能と原発事故被災者の共存《「共生」(※=共死)》の文化・運動」を福島に持ち込んできている。IAEAと福島県の共謀の「エートス運動」と向き合い、対峙し、はじき返し、たたきつぶそう!<o:p></o:p>

 《2》あなたが愛する子どもたち、孫たち、私たち自身の命はかけがえのない、それ以上に大事なものはない!命と未来、人類(人間社会)を脅かし、蝕み、奪い続ける、さらには核戦争で自然も環境も地球も破壊しつくすカネ(資本)の権化・マフィアに屈してなるか!<o:p></o:p>

《3》福島でいま起きている攻防、官邸前・国会前~霞が関~で続く金曜日抗議、全国原発地域・地方で闘われる抗議の対決構造はここにあるということを、以下の《転載・・・『論考(2)』》でぜひとも知っていただきたいという思いです。

 

※転載の文中、青字箇所赤字箇所は当サイトによる強調です。

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★《福島 フクシマ FUKUSHIMA》 論稿 IAEAと福島〔その1〕・・・・前回に続いて〔その2〕を以下転載します。

※転載の文中、青字箇所赤字箇所は当サイトによる強調です。

【論考】  IAEAと福島  〔その2〕 

【Ⅰ】IAEAが福島に拠点
【Ⅱ】原発再稼働とIAEA安全基準
【Ⅲ】除染ミッションの指摘
【Ⅳ】低線量被ばくとロシャール
【Ⅴ】IAEAが健康調査を支援
【Ⅵ】改めてIAEAとは
【Ⅶ】IAEAと福島県当局



以下のように3つに分けて掲載
【Ⅰ】【Ⅱ】【Ⅲ】‥‥〔その1〕
【Ⅳ】【Ⅴ】‥‥‥‥〔その2〕
【Ⅵ】【Ⅶ】‥‥‥‥〔その3〕

 

・〔人物について敬称は省略した〕
・〔参照・引用した資料は末尾に掲載〕

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【〔その1〕から続く】


【Ⅳ】 低線量被ばくとロシャール
 
 昨年3月の事故発生来、福島の住民が国に対して抱く不信の中でも最大の問題は、被ばくと健康被害の問題だろう。山下俊一の「100ミリシーベルト以下は健康には影響ない」という宣伝、避難を求める住民の要求を拒む国や県、20ミリシーベルト以下で学校を再開させるとした文科省の基準、20ミリシーベルトを基準に行われている避難区域の再編などである。
 国は、何とか住民の要求を抑えつけようとするが、住民の強い不安・不信と切実な訴えに繰り返し押し返されている。


(一)「阻止すべきである」

 この福島の現状を見て、IAEAが抱いている最大の問題意識も、低線量被ばくの領域で後退を許さないということだろう。念のために言っておくと、彼らの言う低線量被ばくとは、積算被ばく線量で100ミリシーベルト以下のことだ。
 IAEAが、住民対策で手を焼く当時のソ連政府の要請を受けて、1990年にチェルノブイリの現地に入って作成されたレポートに、以下のようなくだりがある。

 「(放射線防護の基準に関して)ある国で取られた判断が、他の国の判断に大きな影響を及ぼすということを認識する必要がある。ある場合、国の当局は、隣国の基準に合わせることで、公共の安全が保たれると考える。しかし往々にして、各国は、社会的政治的な圧力を受け、国民の信頼を得ようとして、互いに、他の国より低い基準を採用しようとする。しかし、それは、互いに低い基準を採用し合う悪循環となり、究極的には国民の信頼を喪失することになる。したがってそれは阻止されるべきである」〔IAEA国際チェルノブイリ・プロジェクト テクニカルレポート *19〕

 これは、そのまま、今の日本にあてはまる。政府が後退すれば、それは他国に波及し、原子力産業にブレーキとなるから、断固として阻止しなければならないということになる。

 ▽ ICRPとは

 冒頭でも紹介したように、IAEA福島会議の第3セッションでは、ICRPからクレメントロシャールという二人が基調報告を行う。ICRP(国際放射線防護委員会)とは何かということと、基調報告者のクレメントとロシャールについて先に説明しておく必要があるだろう。
 ICRPは、世界に250人ほどの委員がいる非政府の組織。
 しかし、ICRPが出す勧告は、国際的な権威とされ、IAEAの安全基準、各国の放射線防護に関する法令の基礎にされている。
 ICRPの前身は1928年に作られ、1950年に現在の名称になっている。その際、原爆製造のマンハッタン計画にかかわった米国の物理学者らが中心となった。
 主委員会と4つの専門委員会からなり、組織の中心をなす主委員会のメンバーは十数人。主委員会のメンバー補充は、委員会自身が行う。勧告を決めるのも主委員会。かなり私的で、閉鎖的かつ集権的な組織だ。 
 
委員はとくに各国を代表しているわけではないが、核保有国や各国の原子力機関・研究機関の専門家や官僚たちで、自国の放射線防護基準の策定に関わっている。そのために、単なる私的組織の見解が、世界基準のように扱われている。
 財政は、WHO、IAEA、OECD原子機関および、米、加、英、仏、日などの国内機関からの拠出によって成り立っている。

 ◇クリストファー・クレメン
 ICRP科学事務局長。カナダ人でオタワ在住。ICRPの専従はクレメントとその助手の2人だけで、各国250人の専門家のネットワークを仕切っている。

 ◇ジャック・ロシャール
 ICRP主委員会委員 第四委員会(勧告の適用)委員長。フランス人。放射線防護が専門で経済学者でもある。フランス放射線防護協会の会長を務めた。
放射線防護の基準に、リスクと利益を比較する考え方を持ち込んだ。
 1990~91年のIAEA国際チェルノブイリ・プロジェクトに参加。その後もバラルーシで長くプロジェクトを担った。

 
(二) 「線量について誤解が蔓延」

 ロシャールは、福島原発事故以降、いわき市や伊達市などで住民との対話集会を行うなど、福島に深く関わり始めている。
 そして、昨年11月末に開催された「第5回 低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」で、クレメントとロシャールが報告を行っている。〔*20〕
このワーキンググループは、政府・官僚や有識者が集まって、毎回、内外の専門家に報告をしてもらい、低線量被ばくに関する理論や対策を研究しようというもの。昨年11月から12月にかけて、6回にわたって開催されている。
 ここでは、クレメントとロシャールが行った報告について以下で立ち入って検討したい。
 というのも、クレメントが、ICRPの問題意識を次のように述べているからだ。 
 「ICRPとしては、<(福島の)親御さんたちは子どもたちの防護が十分ではないと感じている>という感触を得ている。線量ということに関して誤解が蔓延している。防護システムに関して、十分に理解されていない。問題点を洗い出して、それを解決していこうということだ」〔*21〕
 そして、「最終報告書を1年以内に策定する」と、昨年11月段階で述べている。つまり、IAEA福島会議で、これから行う報告が、その内容になるだろうということだ。1年前のワーキンググループでのクレメントとロシャールの報告が、その原形をなしていると見て間違いないだろう。
 
 ▽ 5年後に5ミリシーベルト

   ロシャールは、厳しい線量基準を取ることを戒めて、チェルノブイリの事故の際の例を示している。

 「(チェルノブイリ事故の被災地域で採用された避難基準の)年間5ミリシーベルトということに関して、事故から5年近く経ってから採択されたということをまず念頭に置いていただきたい。
 初年度(1986年)にソ連で採択された基準は100ミリシーベルト。2年目は30ミリシーベルト。3年目に25ミリシーベルト、4年目も同じ
 それから選択が迫られた。『5ミリシーベルトはかなり野心的だ』と言われる一方で、『いや、1ミリシーベルトにすべきだ』という意見もあった。かなり時間がかかった。そして、歩み寄りがあがって、91年初頭、ソ連が崩壊し三つの共和国になって同じアプローチが採択されて、『長期的には5ミリシーベルトまで下げていく。それが可能でないならば退去された方がいい』となった」〔*22〕

 日本政府に、ソ連の例を引き合いに、<1年目は100ミリシーベルト。5年目でも5ミリシーベルト。だから日本政府も、1ミリシーベルトという要求に屈してはならない>と叱咤しているのだ
 

 
▽ 歩み寄りではなく抗議の圧殺

 ところで、チェルノブイリ事故後の避難基準の変遷は、結論だけを見ればロシャールの言っていることで誤りではないが、その結論に至るプロセスはかなり違う。
 チェルノブイリ事故後、ソ連の体制の行きづまりと相俟って、次第に、事故原因の解明、汚染対策、責任の追及な度を求める運動がソ連の各地で広がっていた。汚染地域である白ロシア(のちに独立してベラルーシ)やウクライナの共和国政府もそれに突き動かされて、ソ連中央政府に対策を求めた。窮地に陥ったソ連中央政府がIAEAに助けを求めた。そこで実施されたのが、IAEA「国際チェルノブイリ・プロジェクト」という調査。その委員長は当時・放影研理事長の重松逸造。91年5月に提出されたその報告書は、上でも述べたように、「他国より低い線量レベルを導入(するのは、)断固として阻止すべき」とした上で、「放射線への被ばくと関係するいかなる健康被害も認められなかった」と結論づけた。
 この結論に対して、このプロジェクトに参加した白ロシアやウクライナの専門家たちが、「ウクライナや白ロシアの健康機関は・・・甲状腺がん、循環器系、呼吸器系、消化器系の病気、さまざまな炎症、生殖機能障害、免疫系機能低下、染色体異常の増加などについて、十分に信頼できるデータを得ている」「(報告書の)結論には、われわれは到底同意できない」という抗議声明を出している。〔*23〕
しかしIAEAはこの抗議を全く無視した。
 その間にソ連の崩壊(1991年12月)が進行し、各共和国が独立していく。だが、独立によって財政危機がいっそう深刻化し、各共和国は移住や補償の費用を用意できない。そういう事情を背景に、5ミリシーベルトという基準が受けいれられていくことになる。
 ロシャールの説明では、あたかも多様な意見が戦わされ、議論の末に歩み寄ったかのように聞こえるが、事実は、抗議を圧殺し、窮状に付け込んで押し付けたということだ。
 
日本においても、同じやり方がなされようとしている。
 

(三) 放射能と共存する文化

 さらに、ワーキングループ報告でクレメントとロシャールは、厳しい基準を阻止するための論理と戦術を提起している。


 ▽ 科学ではなく価値判断


 「放射線の影響を科学的に理解するのも重要だが、価値観ということが重要だ。科学だけでは答えることができない。放射線防護の科学というのは一部に過ぎない。環境的な要因、経済的、社会的、心理的、文化的、政治的、そして倫理的なこともある」(クレメント)〔*24〕

 放射能汚染を原因として健康被害が発生している。これは科学的に解明されている問題だ。ところが、クレメントは、それを否定しないが、相対化する。
 たとえば、<健康被害は、放射線の線量に比例的に対応して起こるわけではないだろう><原因は放射能だけではない。また防護も数字にとらわれているだけではだめだ><線量が高いからと、汚染を問題にする住民がいるが、それは科学的な根拠があって言っているのではない。経済的社会的な要求を言っているのだ>と。
 こういう風に焦点を放射能以外の問題にずらしながら、
汚染地域にだって、住民の価値観次第では生活できるのだという方向に導いている
 なお、この考え方を戯画的に表現したのが、「ニコニコしている人には放射能はきません」という山下発言。エキセントリックだが、歴としたICRPの考え方なのだ。
 

 ▽ リスクとプラスのバランス

 クレメントは、次に「防護戦略を最適化する」ということを提起する。
 「最適化」について既に上で扱ったが、改めてクレメントの説明によれば次のようになる。
「現状でできる限りのベストを尽くすのが最適化だ。必ずしも最も低い線量を目指すということではない。リスクとプラスの面とのバランスを取るということだ。
健康や環境の保護、社会の要求といったすべてが、参考レベル(線量の基準)を下げようという圧力として働く。
 しかしながら、現実も考えなければならない。除染のコストも考えなければならない。仕事や自宅、学校に戻りたいという希望もある。考え方としては、放射線のリスクと、経済の正常化というメリットを勘案することだ」(クレメント)〔*25〕

 まず、
放射線のリスクと健康被害を問題にすることを「圧力」として扱い、厄介なもの、不当なものとして見ている。
 そして、そういう「圧力」に対して、「除染のコスト」「戻りたいという希望」「経済の正常化」などをメリットとして対立させる。たしかにどれも一概に否定はできない事柄だ。住民の要求という面もある。
だが、このように問題を対立させたとき、
どういうことが起こるか。住民同士の対立である。地域間、業種間、世代間、家族内の果てしない対立だ。これは、福島において、1年9カ月の間、いやというほど経験してきたことだ。
 クレメントは、このように、住民同士の対立を意図的につくり出し、それを利用して、放射線のリスクと健康被害を問題する「圧力」を抑え込んで、厳しい基準が導入されないようにする方法を指南している。

 ◇本当に得をするは誰か
 ところで、こうして、本当にメリットを受け取るのが誰かと言えば、原子力を推進する側だけ。住民は、対立だけがもたらされ、誰も大したメリットは受けられない。
 ところが、放射能汚染と健康被害の問題は、メリットがあるかどうかで受けいれられるようなものではない。健康被害を被った者やその家族にとって、それは深刻な問題だ。
結局、リスクもあるがメリットもあるという言い方で、あたかも同じ住民においてリスクもメリットもあるように聞こえるが、実際のところは、リスクは一方的に住民に、そして、メリットは全部、原子力を推進する側にということになっている
この核心問題を誤魔化して、リスクとメリットと言うのが「最適化」なのだ。


 
▽ 「住民自身で」

 さらにロシャールは、
住民が抱いている政府や行政に不信や怒りを別の方向に逸らす手立てを示している。
  
 「住民と当局との間に大きなギャップがあった。遺棄されてしまったという気持ちが支配していた。『政治家はウソをついている。真実を語っていない』という不信感があった」(ロシャール)〔*26〕

 これはチェルノブイリで起こったことであり、いま福島で起こっていることだ。当然にも、原子力施策を推進してきた政府・行政に怒りが向かう。
 これにたいしてロシャールはこのように説いたという。

 
「被害者ぶるのはやめよう」「来ない資金援助を待つのはやめよう」「自分たちは自助努力をしなければいけない」(ロシャール)〔*27〕

 そして、放射線の測定、食品の測定、除染、汚染の少ない農産物の工夫など、「汚染地域における生活の改善」を、住民の参加で、住民の自助努力で行うようにしたことが重要だったと述べている。

 「数値上の黒白ではなく、住民が、自助努力で放射線防護に取り組み、状況を改善するすることで、住民は、基準値より上か下かということをそれほど気にしなくなる」(ロシャール〔*28〕

 こうして、政府・行政への信頼も回復されたと述べている。
 「住民が自身で」という文言は、これだけを取り出せば耳触りの良い言葉だ。たしかに、こういうことが課題として存在するということも確かだ。実際、
線量の測定に始まり、住民自身で放射能汚染を対象化し、防護策を講じて行こうという動きは各地であるし、それは大事なことだ。
 ただ、これを説いているのが、誰なのかだ。原子力を推進してきた側、原因者であり、加害者の側、そちらの側に立つ者だ。加害者が、被害者に向かって、「自助努力を」と説く意図は何なのか。
 それは、<国や行政にたいする責任追及や賠償請求をやめよう>という呼びかけに他ならない。そして、「生活改善」を取り組む方向に、住民の怒りをそらしていくということだ。

 そして、
ロシャールは報告のまとめ「放射線防護の文化」といっているが、以上を通して見てみるならば、ロシャールが説いているのは「放射能と共存する文化」だと言うべきだろう。

 ▽ エートス・プロジェクト

 以上の報告、とくにロシャールのそれは、「国際チェルノブイリ・プロジェクト」(1990~1991)に関わった後、ロシャール自身が、ベラルーシで主導した「エートス・プロジェクト」(1996~2001)、および「COREプログラム」(2004~2008)の実践に基づいている。
そのプロジェクトの結果は悲惨だ。子どもたちの健康被害に改善が見られなかったばかりか、被害は悪化し慢性化している。
 すでに、
ロシャールが福島に深く関わり始め、それに呼応する住民の動きもあるが、IAEA福島会議以降、IAEAと県が共同のプロジェクトがどういう方向に進むかは、以上の分析から明らかだろう。

※ 以下は【参照引用注】 と続きますが、当サイト記事では、この脚注部分は、割愛しています。

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3・11福島原発事故から二年 世界・日本の核・原発(原子力)推進勢力と対峙するフクシマと反原発

2013年02月20日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ
Webサイト 福島 フクシマ FUKUSHIMA に昨年12月15~17日福島県郡山市で開催された原子力安全IAEA福島閣僚会議を前に 論稿 IAEAと福島 が掲載されています。〔その1〕から〔その3〕の3回にわけての連載です。すでにごらんになっている方はおられると思います。

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↑ 昨年12月郡山で開催されたIAEA福島国際会議に対する抗議

(1) 福島原発事故は、今から一年二か月余り前の政府の「収束」宣言にもかかわらず、「収束」どころか(これは自民党安倍政権まで「収束していない」と言いだした)、▲大量の高濃度放射性汚染水があふれかえり、貯蔵タンク建設計画も限界に達しており、海への放出が方針となりつつあり、▲大量の使用済み燃料棒を貯蔵プールに抱えている4号機はいつ地震や津波で崩壊するかもわからない危機にあり、そうなれば首都圏からの避難がはかられねばならないような爆発事故がおきるという大変な危機的状況にあり、▲1・2・3・4号機全機について炉内がどうなっているかは相次ぐロボットやファイバースコープの投入でも皆目わからない状態が続いており、建屋内は人がまったく立ち入れない危険な状態にある。▲こうした中で、毎時1000万ベクレルの放射性物質が今も放出され続けている。目には見えない、匂いもしない、味もしないだけで、福島と私たちは原子力大人災のもとで、「炎の戦場」、「砲弾ふりそそぐ戦場」のまっただなかにある。

 (2) 「収束」の大ウソが満天下に明らかになっているだけではない。原発事故による大量の放射性物質の爆発的拡散と現在も続く放射性物質の排出で、放射能汚染地域は固定化され、さらに各地に広範囲にホットスポットを拡大している。起きているのは、そのもとでの被曝であり、健康被害だ。福島の人々をはじめとして、そこでは水を飲むことも食をとることも休むこともできない「放射線管理区域」以上の危険な放射能汚染区域におびただしい人々が暮らし生きている。放射能が目には見えない、匂いもしない、味もしないというだけで、それは降り注ぎ続けている。汚染された大気と環境から呼吸を介して、また汚染された大気・土壌・海・河川から農作物、畜産物、水産物を通して、食事を介して、放射性物質は、私たちと子どもたちの体に入り込み、内部被曝を引き起こし続けている。私たちと子どもたちは、日々、放射能によって、脅かされ、内部被ばくでむしばまれ、健康と命を破壊され続けている。

Kanasimikurusimi             
 
官邸前・国会前の金曜日抗議で

 (3) こうした福島原発事故から二年目という状況の現在進行形の危機的悪化の中で、反原発・脱原発は、国民の八割を超える声となり、政府を激しく揺るがすまでの大抗議の行動として爆発しているが、それでも政府は、あくまでも、原発を再稼働させ、原発の新規増設を強行し、原発輸出を強行し、核燃料サイクルを確立するとしている。安倍政権は、前民主党政権の「2030年代原発ゼロ」のインチキ「脱原発」戦略を破棄し、原発推進をあらためて国策として進めることを宣言している。

 (4) 昨年12月15~17日に、原発事故被災地・福島の郡山で行われたIAEA福島閣僚会議は、この日本政府と財界の原発推進を世界の原子力推進勢力が全力でバックアップし、IAEAの「国際的権威」と原子力マフィアのありとあらゆる総力を傾けて、福島と全国の抗議を圧殺し、福島の人々を、ナチスドイツが毒ガスの強制収容所にとじこめホロコーストを強行したように、放射能の中にとじこめ、原子力政策を護持・推進するために行われた。 「フクシマ圧殺・原発推進」の国際会議である。

 (5) そして、このIAEA福島閣僚会議を起点として、いまあらゆる攻撃が福島に集中している。Webサイト《福島 フクシマ FUKUSHIMA》が昨年12月に特集で連載した 論稿 IAEAと福島 は、この現在のフクシマをめぐる攻防をとらえる上できわめて重要な内容を提起していると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今日の【論考・・・(1)】の転載でお伝えしたい骨子 
《1》IAEA福島国際会議は、今後も「3・11フクシマ」並の事故がおきることを、こともなげに前提にして、そのために「3・11フクシマ」を圧殺し、管制し、何事もなかったようにするために「国際的権威」と原子力推進のためのインチキ「避難基準」、インチキ「防護水準」、インチキ「除染水準」を引っ提げて福島に乗り込んだ。日本政府と財界は、お墨付きを得たとばかりに「世界最高の安全水準での原発をめざす」と原発再稼働と新規増設、核燃継続にゴーサインを出し、IAEA福島国際会議で提起された「避難基準」、「防護水準」、「除染水準」でフクシマを圧殺し、福島の人々を棄民し、原発事故「収束」と廃炉のための作業に従事する多重下請作業員に「自己責任」で「命を削れ」と無責任を決め込んで被曝を強制し、反原発・脱原発・脱被曝の抗議を鎮静化することに躍起になっている。

《2》IAEA福島国際会議では、具体的な「原発の安全性の確保」は何ひとつ出ていない。出されたのは、①民意(「公衆の圧力」)に妥協して原子力政策や企業的国家的利益を譲ることをするなということ、②具体的なことでは、「命よりカネ」「費用対効果」「国家的企業的メリットと公衆のデメリット・健康被害では前者を優先せよ」の観点から数値的に出された「避難基準」、「防護水準」、「除染水準」だけである。

《3》そして、いま福島で起きていることは、《2》の②に沿った攻撃との懸命の対峙である。この厳しさを福島でくつがえす、全国の反原発・脱原発・脱被曝の闘いではじき返し、福島の闘いを守るために総決起することが求められている。そして敵は、日本政府財界だけでなく、世界の原子力推進国家・勢力であるという構造であるがゆえに、国際連帯、全世界での反原発・脱原発・脱被曝のうねりを生み出す発信が重要だ。

ちょっと長いですが、「論稿」は具体的で非常によくわかるので時間がある時に是非お読みいただきたいと思います。



 【論考】IAEAと福島  〔その1〕  


【Ⅰ】 IAEAが福島に拠点
【Ⅱ】 原発再稼働とIAEA安全基準
【Ⅲ】 除染ミッションの指摘    
【Ⅳ】 低線量被ばくとロシャール
【Ⅴ】 IAEAが健康調査を支援  
【Ⅵ】 改めてIAEAとは
【Ⅶ】 IAEAと福島県当局

 今月15日から17日、福島県郡山市において、「原子力安全に関する福島閣僚会議」(以下、IAEA福島会議)が開催される。IAEA(国際原子力機関)と日本政府の共催で、各国の閣僚、国際機関の関係者、原子力機関の関係者など約1千人が参加するという。
 一方、このIAEA福島会議にたいして、市民運動・住民団体によって、カウンター・アクションが呼びかけられている。
 原子力の推進か、脱原発の道か。IAEA福島会議の問題は、この大きな選択にとって、ある意味で総選挙の結果以上に重要であるかもしれない。「脱原発宣言」をしたはずの福島県当局は、このIAEA福島会議を歓迎し、IAEAとプロジェクトを推進しようとしている。福島県民にとって、これは看過できない事態である。

 本論考では、IAEAが福島で何をしようとしているのか、そして、福島県は何を考えているのかを、IAEA、日本政府、福島県などの諸資料をもとに検討していきたい。

 なお長文なので、記事を以下のように3つに分けて掲載する。
    【Ⅰ】【Ⅱ】【Ⅲ】‥‥‥‥‥〔その1〕
    【Ⅳ】【Ⅴ】‥‥‥‥‥‥‥〔その2〕
    【Ⅵ】【Ⅶ】‥‥‥‥‥‥‥〔その3〕



 ・ 〔人物について敬称は省略した〕
 ・ 〔参照・引用した資料は各記事の末尾に掲載〕




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【Ⅰ】   IAEAが福島に拠点

 この章では、IAEA福島会議の概要など、前提的な事柄について触れておきたい。

(一) IAEA福島会議とプロジェクトの概要

 ▽ 会議の概要

 IAEAの案内〔*1〕によれば、IAEA福島会議の目的は、「福島原発事故の知見と教訓を国際社会で共有することである」とされている。
 とくに16、17の両日に持たれる専門家会合に注目したい。
 テーマは3つ、「福島原発事故からの教訓」、「福島原発事故を受けての原子力安全の強化」、「人と環境の放射線からの防護」。
 第一セッション「福島原発事故からの教訓」では、田中俊一原子力規制委員会委員長などが基調報告を行う。
 第三セッション「人と環境の放射線からの防護」では、ICRP(国際放射線防護委員会)から、クリストファー・クレメントICRP科学事務局長とジャック・ロシャールICRP主委員会委員が基調報告を行う。
 この基調報告者の名前を見れば、この会議の内容もおおよそ見当がつくという人も少なくないだろうが、結論は急がずに事実をしっかりと見ていきたい。


 ▽ IAEAと県が正式調印

 また、IAEAは、福島県、福島県立医大と、除染や健康管理、放射性物質のモニタリングなどの共同研究プロジェクトを立ち上げる。これは、今年8月に佐藤雄平福島県知事がウィーンで天野IAEA事務局長と会談した際に要請したもの。12月の福島閣僚会議の場で、正式に調印し、プロジェクトの具体的な内容を発表するという。
 具体的には、除染やモニタリングの研究拠点として、2014年度を目途に三春町と南相馬市に「県環境創造センター」を建設する計画を進め、IAEAが派遣する研究者の活動拠点とするという。福島県は、当初、IAEA福島事務所の設置を求めていたが、IAEAが予算上難色を示したため、県の施設として建設することになった。
 さらに、県立医大では、放射線医療や健康管理調査の拠点として、「ふくしま国際医療科学センター」を11月20日に立ち上げた。県立医大では、昨秋、放射線生命科学講座、放射線健康管理講座を新設、今年4月には国際連携部門を新設し、IAEAから客員教授を招聘している。
 福島県と県立医大が、原子力推進機関であるIAEAと積極的に組もうとしているというのが見えてくる。


(二) 「国境を超える影響」「公衆の懸念」

 ところで、IAEA福島会議に関する動きを理解する上で、その背景にある福島原発事故以降のIAEAの動向を見ておく必要がある。
 福島原発事故から3カ月後の昨年6月にウィーンでIAEA閣僚会議が開催された。その「閣僚会議宣言」〔*2〕に次のような一節がある。

 「原子力事故は国境を越える影響を有する可能性があり、原子力エネルギーの安全性ならびに人および環境への放射線の影響に関する公衆の懸念を呼び起こす可能性があることを認識する」

 「国境を越える影響」と「公衆の懸念を呼び起こす可能性」。つまり、福島原発事故を目の当たりにして、当事国である日本はもちろん、国境を越えて世界中で、原子力発電と原子力産業にたいする民衆の側の拒否の動きが広がっていることに危機感を募らせている。
 IAEAは、もしもここで日本政府が「公衆の懸念」に押されて、IAEA安全基準やICRP勧告よりも厳しい基準で対応したり、それに応じた賠償を行ったり、ましてや原発推進政策から撤退したりしたら、それがたちまち他国にも波及し、原子力政策全体が成り立たなくなるという強い危機感を抱いているのである。
 実際、昨年と今年の9月にウィーンで開催されたIAEA総会の場でも、日本から出席した政府関係者に次々と危惧が寄せられている。

 「ウルグアイのエネルギー大臣は、東電福島事故後の新興国における原子力発電計画が直面する課題は、原子力へのリスクプレミアム増加によって10-15%の年利を考えなくてはいけない可能性すら出て来て、これによる経済リスクは新規建設にブレーキを掛ける可能性を指摘」(IAEA55回総会に出席した尾本原子力委員会委員の帰国後の報告)〔*3〕
 「現在、2基を除いて全ての原子力発電所が再稼働できないでいると聞いていたところに、日本の国民が安全性を理由に原子力発電所をもはや受け入れず、政府が脱原発を決定したように報道されている。もしそうであれば、これから日本の技術を活用する可能性を検討している側にとって影響は甚大である」(IAEA56回総会で近藤原子力委員会委員長が意見交換した外国閣僚の話。帰国後の報告)〔*4〕 

 日本政府が民衆の圧力に妥協したら、世界の原子力政策が立ち行かなくなる。そういう強い危機感がIAEA福島会議の背景にあるということを踏まえておく必要がある。


 ▽ IAEAのこの間の動き

 福島原発事故以降のIAEAの主な動きは以下のようであった。

2011年5月  IAEA 福島原発事故調査団の訪日

6月 IAEA 原子力安全に関する閣僚会議

9月  IAEA 第55回総会 「原子力安全に関する行動計画」

10月 IAEA 除染ミッションの訪日

2012年  1月 IAEA ストレステスト・レビューミッションの訪日

3月 IAEA 天野事務局長「世界の原発はより安全になった」と声明

9月 IAEA 第56回総会

12月 IAEA 日本政府 原子力安全に関する福島閣僚会議


【Ⅱ】   原発再稼働とIAEA安全基準

(一) ピア・レビューの骨抜き

 IAEAの場においても、福島原発事故の原因や安全対策の問題を問う声があがり論議になった。
 「(欠陥のある)マークⅠ型への改良を日本政府及び東京電力はどのように対応したのか」(IAEA安全基準委員会 2011年5月)〔*5〕、「地震が・・・津波以前に炉心損傷の原因になったのではないか」(IAEA55回総会 2011年9月)〔*6〕
 たしかに事故原因の一端に触れる指摘だが、これを言っているのがフランスやロシア。アメリカ製・日本製の原発の問題を挙げて、自国の製品の売り込みを有利にしたいという思惑が働いている。
 そして、この論議の流れから、2011年6月の「原子力安全に関する閣僚会議」の場で、「原子力安全に関する行動計画」〔*7〕が議論され、その目玉として、<IAEA加盟国が多国籍の専門家チームが、各国の原発を、抜き打ちで強制力を持って安全評価を行う>というピア・レビュー(仲間の間で吟味するの意)が提案された。
 しかし、自国の原発政策の独立性を維持したいアメリカや、これから原発を増やしていきたいインドや中国などが反対。6月の会議では採決されず、結局、9月のIAEA総会では「自発的な受け入れが強く奨励される」という強制力のない文言に大幅後退して採択。2012年9月段階で、ピア・レビューの「自発的な受け入れ」を申し出た国はないという。
 福島事故後、IAEAとしてほとんど唯一の具体的な安全強化策はまったくの骨抜きで終わっている。
 にもかかわらず、IAEAの天野事務局長は、福島原発事故から1年後の2012年3月には「事故から各国が学び、世界の原発はより安全になった」と声明〔*8〕、11月には国連総会に同趣旨のIAEA年次報告書を提出している。


(二) 何が何でも再稼働

 昨年来、脱原発を求める何万人もの人びとのうねりが、全国に広がっている。
 そして2012年5月5日から、大飯原発3・4号機が定期点検に入り、全国50基の全原発が停止するという事態に陥った。

  
 ▽ ストレステスト

 IAEAは、この事態を前にして、2012年1月下旬の約1週間、「日本のストレステスト(耐性評価)の評価手法の妥当性に関するレビュー・ミッション」のための調査団を派遣、大飯原発の視察などを行った。このミッションは、日本側の要請で行われたという。
 そして、調査団は、1月31日に、「本レビューチームは、総合的安全性評価に関する原子力安全・保安院の指示及び審査プロセスは基本的にIAEAの安全基準と整合していると結論づける」とした「報告書・要旨」〔*9〕を原子力安全・保安院に提出した。
 ここでIAEAが言っているのは、あくでも、原子力安全・保安院のストレステストにたいする審査手法が、IAEA基準に適合しているという評価であって、大飯原発そのものの安全性の評価ではない。
 なお、ストレステストとは、地震や津波などの負荷(ストレス)に対して、原発の安全性がどのくらい余裕があるかという耐性評価。それを電力会社が調べ、その結果を国および原子力安全・保安院が審査するというやり方。それをもって、政府は、原発再稼働の条件としていた。
 こうして見ると、電力会社と原子力安全・保安院との関係を考えれば、IAEAが、原子力安全・保安院の審査方法を「適合」とすれば、ほとんど自動的に、大飯原発の安全性が「適合」となり、政府の再稼働の条件もクリアすることは明らかだ。
 実際、1月31日にIAEAの報告書・要旨が提出されると、2月13日には原子力安全・保安院が、関西電力の提出した大飯原発3号機・4号機のストレステストについて、「妥当」とする審査書を発表。3月23日には、原子力安全委員会が、5分で原子力安全・保安院の審査書を「妥当」と確認。そして、その後の再稼働は政治判断となり、6月16日に政府が正式に大飯原発3・4号機の再稼働を決定した。

 ▽ IAEAが促す

 日本政府の側は、IAEAの権威を利用して再稼働にこぎつけようとした。また、IAEAの側も、再稼働を促す目的でこのミッションを送り込んだと思われる。
 もっとも、IAEAは、日本の規制や安全の基準が、必ずしもIAEAの基準に適合しているとは思っていない。
 福島原発事故以前に、再三、原子力安全・保安院の独立性の低さを指摘し勧告していた。また、今回のミッションでも、実は、1月31日の「報告書・要旨」とは別に3月27日に「報告書・全体版」〔*10〕が公表されているが、そこでは、「全電源喪失などのシビアアクシデント対策の具体性が欠如している」などの勧告を詳細に行っている。 
 しかし、ここで問題なのは、IAEAが、そういう点については承知の上で、「適合」という結論だけを押し出す形で1月に発表し、再稼働への道筋をつけようとしたということだ。
 
(三) 放射能過小評価の安全基準
 
 日本は、IAEAのお墨付きを得て、ひとまず再稼働は果たしたものの、実は日本の原発の規制や安全の基準が、IAEAの基準とはかなり違うということが問題になり、これから、IAEA基準に沿った改変をどんどん迫られていく。それが、規制機関、避難基準、汚染対策などだ。
 個別には以下に見ていくが、IAEAの基準の特徴は次の2点。
① 事故については、<事故は起こる>という想定で基準や対策を組み立てている。しかも事故以外にも<原発が攻撃を受ける>という想定に立っている。それは、IAEAがそもそも核戦争体制の一環としてあるからであり、アメリカが、常時、中東や東アジアにおいて戦争状態にあるからである。
② しかし、放射能にたいして、極めて過小評価している。より正確にいえば、健康被害による損失と政治的経済的な利益とを天秤にかけて、損失より、利益が上回れば、被ばく許容するという考え方だ。
 IAEA安全基準文書では以下のように言っている。

 「放射線リスクを生じる施設と活動は、正味の便益をもたらすものでなければならない。・・・施設と活動が正当であると考える為には、それが生み出す便益が、それが生み出す放射線リスクを上回っていなければならない」〔*11〕
 「電離放射線に伴うリスクは、公正で持続的な発展に対する原子力エネルギーの寄与を不当に制限することなく、評価され管理されなければならない」〔*12〕
 こういう思想で一貫している。

(四) 7日間で100ミリシーベルト

 昨年7月から、「原子力災害対策指針」〔*13〕の検討が行われ、原子安全委員会から原子力規制委員会に引き継がれて、田中俊一の下で、今年10月に公表された。
 「国際基準や福島原発事故の教訓等に踏まえて」としている。とくに、原発事故が発生し避難をする基準について、避難基準を意味するOIL(運用介入レベル)というIAEA安全基準の用語をそのまま採用している。そして、具体的な数値は「検討」しているが、「指針」と一緒に示された「放射能拡散予測計算」では、IAEAの基準である「7日間で100ミリシーベルト」を採用している。事実上、これが新基準ということだ。

 ▽ IAEAの避難基準


 では実際、IAEAの避難基準はどうなっているのか。IAEA安全基準文書を見てみよう。〔*14〕
 確定的影響と確率的影響の大きく二つの判断基準を示しているが、とくに「確率的影響リスクを容認レベルまで低減する」判断基準が問題だ。

◇緊急に行う対応措置を実施する基準とその措置

甲状腺  最初の7日間で50mSv  ヨウ素甲状腺ブロック

実効線量 最初の7日間で100mSv 屋内退避、避難、除染

胎児の内部被ばく  最初の7日間で100mSv  食物、ミルク、飲料水の制限

◇初期に行う対応措置を実施する基準とその措置

実効線量         年間で100mSv   一時的移住、除染

胎児の内部被ばく    子宮内で成長する全期間で100mSv

食物、ミルク、飲料水の代替物の使用



◇緊急時作業者の制限の目安値

救命措置を行う作業者     500mSv

※この数値は、救命対象の利益の方が、緊急時作業者自身の健康リスクより勝る状況下で、さらに、緊急時作業者が志願し、リスクを理解している場合、超過することがある。

 このように、「7日間で100ミリシーベルト」が避難などの基準、しかも胎児についても同じ。一的時移住や除染も「年間で100ミリシーベルト」が基準。
 作業員については、500ミリシーベルトあるいはそれ以上も、となっている。

 
 ▽ 「基準以下で避難は有害」

 さらに、これらの基準に関して、次のような考え方が示されている。

 「長期的な健康プログラムに、非常に低い線量(100ミリシーベルト以下)で被ばくした人を含めることは、不必要な不安を生じさせる可能性がある。さらに公衆の健康維持の観点から見て費用対効果性がない」


 「確率的影響(がんや遺伝的影響が含まれる)は線量がどれほど少量であっても発生リスクが存在すると想定されるので、緊急時に関連するリスクをゼロ近くに削減することは非現実的であり、有害な面が多くなるだろう」〔*15〕 

 つまり、基準以下なのに避難を求めたりするのは、「有害」であると。100ミリシーベルト浴びるまでは避難させないということだ。あるいは、一時的移住と除染がセットになっていることから想像がつくように、除染で年間100ミリシーベルトになったら、元に戻れということが含意されている。これが、IAEAの基準だ。
 そして、田中俊一は、「事故の教訓」として、「この基準に則った原子力防災指針ができました」という報告をIAEA福島会議でやろうとしているのである。

【Ⅲ】   除染ミッションの指摘

 国は、昨年8月に除染方針を大々的に打ち出し、「除染すれば帰れる」と繰り返し言ってきた。
 しかし、実際に除染が始まってみると、「除染ではなく、放射性物質を移動させているだけで、<移染>だ」という声が、住民からも、実際に作業を担っている作業員からもあがっている。「ゼネコンのためではないか」という声もその通りで、日本原子力研究開発機構(JAEA)が元請となって、数社の大手ゼネコンの間で、除染利権を独占している。
 しかし、一連の経過を見れば、国や東電にたいする怒り、健康被害の危険と避難や疎開を求める声、復旧や賠償の要求といった住民の訴えにたいして、国が、「とにかく除染」という方向で何とかかわそうとして打ち出した窮余の策という面が強い。

(一) 「過剰に安全側に立った考え方」
  
 これにたいしてIAEAは、昨年10月に「除染に関するミッション」を派遣、国にたいして、「助言」という表現で、日本政府に対して注文を付けている。その「最終報告書・要旨」〔*16〕によれば次のように言っている。

 「日本の当局は、被ばく量の低減に効果的に寄与し得ない、過剰に安全側に立った考え方を回避することが奨励される。この目標は、現状において『正当化の原則』および『最適化の原則』の現実的な実施を通して達成することができる。より多くの放射線防護専門家(及び規制機関)を、政策決定者を補佐する組織的な構造において関与させることが、この目的の達成にとって有益かもしれない。IAEAは、新しい、適切な基準の検討に当たって、日本を支援する用意がある」
 
 これは「助言」という表現だが、強い危惧が示されている。政府・原子力災害対策本部の「推定年間被ばく線量が20ミリシーベルトを下回る地域においても・・・除染を実施し、推定年間被ばく線量が1ミリシーベルトに近づくことを目指します」〔*17〕にたいして、「過剰に安全の側に立った考え方」だと批判している。つまり<基準は、1ミリシーベルトではなく、20ミリシーベルトで十分だ。それ以下にするというのはやり過ぎだ>と言っているのである。
 そして、<ICRPの原則に従うように>と促している。端的に言えば、<費用対利益という損得勘定で考えろ>ということだ。
 「正当化」「最適化」をここで説明しておこう。

◇ 「正当化」とは
 「正当化」とは、被ばく作業を行うに当たって、被ばくという被害に伴う損失と、作業によって得られる利益とを比較して、利益が上回らなければならないという考え方。これについてICRPは、例として、放射線治療を施す場合、患者にとって被ばくのリスクと治療効果の利益という対照を挙げる。
 しかし、ICRPが想定しているのは、作業者や被害者ではなく、国や原子力産業にとっての損失・利益だという点に注意をする必要がある。この場合、健康被害が出たときに生じる治療や補償の費用問題が損失であり、国や原子力産業の行う事業の進捗が利益になる。そして、被ばくによって健康被害が起こったと認める被ばく量の基準を高くしておけば、利益の方が上回ることになる。また利益が大きければどんどん浴びても構わないということも出てくる。

◇ 「最適化」とは
 また「最適化」とは、とくに低線量被ばくの領域の問題についての考え方。
ICRPも、放射線被ばくと健康被害に関してしきい値はない、つまり、どんなに低線量の被ばくでも健康被害はあるということを認めている。しかし、被ばく線量をより小さくしようとすると、より大きな費用が必要になるので、得られる利益に対して、それに見合わない費用がかかる場合がある。そこで、どこかでどこで線を引く必要があるというのが「最適化」。
 これも被ばくし健康被害を受け、それに苦しむ者を主体に考えたら、どんなに費用をかけても防護策を取るべきと考えるだろう。しかし、国や原子力産業を主体に考えると、一定の割合で健康被害が出るには違いないが、防護策にかけられる費用には限度がある。あるいは、健康被害が出るにしても、それが社会問題にならないで済めば、防護策にかける費用は抑えることができる、ということになる。

 助言の言う「過度に安全」とは、<健康被害がない>という意味ではなく、費用対利益の観点で、<ある程度の健康被害は出るが無視してよい>という意味になる。

(二) 「修復」は10ミリ基準

 ところで、IAEAは除染についてどういう考え方なのか。IAEAだけでなく、原子力用語としての除染は、原子炉に関連する機器や配管、衣服・身体や車両など、ごく限られた部分について施されるもの。核実験や原子力施設の事故によって広範囲に汚染した場合、除染などできない。
 だから、IAEAでは、広範囲の汚染にたいする対策を「修復」と言っている。具体的には、被ばく線源の除去・削減、長期的防護活動、食品や飼料の制限、立ち入りや土地利用の制限と、広義に使っている。
 そして、IAEA安全基準文書では次のような注意書きをつけている。
「『修復』とはすべての放射能を取り除いたり、放射性物質をすっかり取り除いたりすることを意味するものではない。最適化過程により大きく修復ができるかもしれないが、必ずしも以前の状態まで回復するわけではない」〔*18〕
 その限りは正直だ。
 しかし、その文書で、参考レベルとして示している基準は、年間10ミリシーベルト。それ以下では、<修復は正当化されないとし、制限なしの解放の基準である>としている。つまり<費用対利益からして、年間10ミリシーベルト以下は、何もせず放っておいていい>というのだ。
 また、修復の責任は、汚染の原因者ではなく、汚染した地域の所有者または管理者になっている。
 さらに、修復の費用は、原因者が負担すべきだが、その費用が、原因者の通常の経済活動に比べて「不釣り合いに高いかもしれないということを理解」して、産業界、地域社会、政府などが負担するだろうというのだ。
 
 こうしてみたとき、日本政府は、さしあたり除染を続ける以外ないが、除染の成果が上がらないことを突きつけられていく中で、「年10ミリシーベルト以下は除染しない」というIAEAの「修復」基準の方向に沿って転換していくことだろう。また、福島県当局は、IAEAに除染の指導を期待しているようだが、それは、次の【Ⅳ】で見るように「放射能との共存」という方向に促されていくことになるのだ。
 

【以下、〔その2〕に続く】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

続いて【参照引用注】ですが ⇒サイト記事としては、割愛しました。

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2・15金曜日抗議、福島の子どもたちの甲状腺がん拡大とインチキ健康管理調査検討委見解に怒り

2013年02月15日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

  今日2・15の首相官邸前・国会正門前の金曜日抗議にはたくさんの人々が集まり怒りの抗議を繰り広げました。どのエリアでも、一昨日発表された福島県民健康管理調査検討委員会の「新たな子どもの甲状腺がん」に関する報告・見解に抗議と批判が集中しました。

写真でお伝えする2・15金曜日抗議

首相官邸前

001

                 

首相官邸の真正面、最先頭は常に激しく、怒り炸裂、一歩も退かずに抗議を牽引、「継続は力なり」の昨年第一回3・29から45回!百万人デモへ「道なきところに道を作る」最先端です。3・10原発☆ゼロ大行動(日比谷野外音楽堂⇒デモ⇒国会議事堂正門前・各所大抗議集会)を成功させよう。3・9つながろう!ふくしま、さようなら原発の大行動(明治公園大集会⇒デモ)を成功させよう。3・11反原発福島行動(福島県教育会館⇒福島県庁デモ)を成功させよう。6月空前の超大規模抗議へ、金曜日行動を拡大して前進しよう。原発反対・非正規職撤廃をたたかう労働者の職場春闘、職場反乱と結んで、食べれない社会、子殺しの原発国家を変え、私たち自身の手に政治と社会を取り戻すために戦おう。

005

反原発!いらねえものはいらねえ!私たちはなくすまで戦う!「子どもの命」をメインに訴えることは微温というのは根本から違うぞ!それこそ戦いのテーマ、未来賭けた、俺たちの命が懸かった戦いだ」

          006
国会正門前スピーチエリアでは▲ドイツから来日中のグリーンピースが福島と官邸前抗議に連帯のアピール、▲大阪で橋本市長への抗議を掲げて3・11市役所前を皮切りに朝8時30分から終日、3・11福島原発事故二年を戦うと大阪の労働者がスピーチ、安倍首相のお面をつけて安倍原発推進政権を批判

008

放射能被ばくから子どもを守ろう

               010
経産省前テントは、雪予報と氷雨に対しても備えをもって、抗議と連帯と交流の拠り所として523日、本当に雨の日も風の日も頑張っています。みんなの力でテントひろばを守り抜こう。

011
経産省前では、仙台高裁控訴審の3月結審情勢下で、2・23新宿・アルタ前デモを呼びかけているふくしま集団疎開裁判の会が訴え。福島県民健康管理調査検討委員会の「新たに甲状腺がん」発表とインチキ見解に抗議し、子どもたちを被曝から守ろうと渾身の訴えを行いました。そもそも「昨年発表の1名に加え新たに2名に甲状腺がん」というが、これは甲状腺がんだから手術したという件数の発表、つまり隠しきれなくなったもので、実際にはもっと多いはずであり、「甲状腺がんの疑い7名」というのも、疑いどころか「甲状腺がん」と判断している件数。しかも検討委員会は「もともとあった可能性がきわめて高いがんであり、原発事故による被曝ではない」と許しがたいデマを流しています。記者会見した鈴木真一は「甲状腺がんの発症確率は100万人に1人。原発事故による被曝ではない」と大嘘をついています。許せません。鈴木真一は、もし自分の子どもや孫に甲状腺異常が発見されても、それでもそう言うつもりか。もし自分の子どもや孫が福島にいたとしたら、それでもそう言うつもりか、そんなこと言えるのか。原子力ムラはそんなに居心地がいいか?!御用学者はそんなにカネになり、そんなに美味しいか。こんな腐りきった連中に子どもの命を委ねることはできません。

 検討委員会にはいまだ福島から永久追放されてはいないミスター100ミリシーベルト山下俊一が重鎮としてのさばっています。この山下俊一は、チェルノブイリ事故の際は、子どもたちの甲状腺がん発症に重大と警告的見解を述べておきながら、福島原発事故による被曝としか考えられない子どもたちの甲状腺異常の続出に対して、「(原発事故由来なら)発症が早すぎる、もともとあったのではないか」「被曝症状ではない」「原発事故との関連性はない」「大騒ぎさせるな」「他の医療機関に検査させるな」と言いふらし福島県内にとどまらず福島からの避難者がいる全国の医療機関に達示しています。被曝症状の子どもを治療せず見殺しにしろというのか。何のための調査か。治療を妨げ、医療機関に被曝治療を拒ませて、検査は子どもをモルモット材料に使うだけか。絶対に許せません。

 甲状腺がんは大人の場合の罹患より、チェルノブイリの場合を見ても明らかなように、子どもの場合の罹患のほうがはるかに悪化は急で早い。検討委員会は、これから大半の未検査の子どもを4月~7月に検査すると言っているが、その間にも子どもたちの甲状腺がんは進行してしまいます。まず子どもたちを避難させろ。公正な検査を即刻実施し、検査結果情報を隠匿せず、すべての結果を情報公開せよ。子どもたちには甲状腺がんはじめ被曝症状を受け入れなければならないいわれはいかなる意味でも一切ありません。被曝から子どもたちを守ろうーこれは私たちの責務です。

子どもたちを被曝から守ろうー2・23新宿・アルタ前デモに集まろう!

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反原発!子どもを被ばくさせるな!募金で福島に共同診療所

2012年11月25日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

11月23日 ふくしま共同診療所開院へ NHKも報道

NHKonline 福島放送局

放射線相談の診療所開院へ

Nhk6053594401_m

放射線が健康に与える影響について市民が気軽に医師の診断を受けられる診療所が来月福島市に開院されることになり施設の見学会が開かれました。
来月福島市の市街地に開院することになったのは「ふくしま共同診療所」で、きょうはこれに先だって見学会が行われ、朝から大勢の人たちが訪れました。
診療所は原発事故で放出された放射線に対する健康への不安を訴える人が絶えないことから気軽に医師の診断を受けたり相談したりできる場所を作ろうと医師や市民団体などが資金を募って作りました。東京の国立がんセンター病院で放射線医療にあたっていた専門の医師が院長を務め甲状腺の検査など診療を行うほか放射線が健康に与える影響について相談に応じるということです。
診療所は来月1日に開院し、月曜・水曜・日曜を除く週4日、診療にあたることにしています。

11月23日 19時48分

11月24日毎日新聞の記事に

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11月22日 IAEAは福島に来るな!杉並・阿佐ヶ谷デモ

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NAZEN(すべての原発いますぐなくそう全国会議)杉並が22日、阿佐ヶ谷けやき公園から区役所前まで反原発デモを行った。来月15日から福島(郡山)で開催されるIAEAと日本政府の「原子力安全閣僚会議」に抗議する「原発推進IAEA 福島くるな」「安全キャンペーン ふざけるな」「がれきと除染で 金もうけすんな」、12月16日実施の総選挙に対する「野田・安倍・石原・橋下打倒」「今だ  デモだ  ストライキだ」のコールが注目を集めた。

 

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ふくしま共同診療所見学会&開院記念レセプション、希望と決意

2012年11月23日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ

写真は、いずれもすべてNAZEN blog ( http://blog.nazen.info/ )からの写真速報記事の転載です。

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ふくしま共同診療所開院記念レセプション









ふくしま共同診療所ついに完成☆内覧会の様子


こちら受付。優しい事務長さんがお待ちしてます。


かなりの人がきてます。大盛況☆


これが1番大事なエコー室!


みなさんのカンパで子供たちを守ります☆山下俊一に任せておけるか!


レントゲンもちゃんとあります。クリニックとしても申し分ない設備☆












落合恵子さんからメッセージ☆

絵本も送っていただきました。


わが事務局次長、富田翔子も絵を送らせていただきました☆


ひろびろ受付&待合室




杉井せんせいのぴかぴかの診察室


エコー室に松江院長はっけん

福島駅前街宣








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