すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

田中区政の最大の協力者となっている杉並区職共産党

2010年12月19日 | 杉並田中区政批判

民主党田中区政が「慎重に進める(実施する)」と言明している図書館全館指定管理は、民営化=非正規化=外注化=全図書館のワーキングプア職場化

  ・・・・ということです。今年2010年9月の区議会定例会で田中区長が言明しています。既に先行して2010年4月1日から指定管理者制度に移行している6館では、たとえ資格があり経験がある司書であっても時給8百円台、高くても9百円そこそこでパート・アルバイトとして採用して酷使している民間企業(株式会社)が運営しています。田中良区長は「最小経費で最大効果の良質サービス提供」の立場で「全館指定管理の実施」と答弁していますから、全館指定管理を絶対反対でつぶさない限り、低賃金のボトムライン、シフト制勤務の「細切れ度」は際限のないものとなっていくことは明らかです。

反対闘争の抑圧で全館指定管理実施の最大の協力者となっているのが杉並区職労の日本共産党

 これは一方的非難ではありません。経過を通して動かぬ証拠があります。

 ① 全館指定管理者制度導入の2009年6月の区決定を前提とした2010年4月1日指定管理者制度6館移行実施に対して、2009年10月指定管理者企業第一次選定の翌日10月22日「実施後6カ月をメドに《第三者機関設置》、実施6館の運営を検証する」の「図書館行革の妥結」で労使交渉を打ち切り、反対運動を解体しようとしたこと(あたかも先行6館の検証で、後行6館の指定管理者制度移行阻止と先行6館の見直しが可能であるかのような口ぶりで!)

 ② 2010年6月24日の杉並区職労の組合大会で、「10月には図書館指定管理実施後6カ月となる。区の指定管理者制度全館実施に対して区職労としてどういう方針をとるのか」という代議員の発言に対して「10月をメドに検討委員会をつくって検証する」と「執行部見解」を述べ、「それでは遅すぎるのではないか。残る6館の選定がはじまっている時期では間に合わない」という発言にも「事項によっては間に合うものもある(事項によっては間に合わないものが出てくる)」と指定管理者制度全館移行を前提にした「執行部見解」を明らかにしたこと。この組合大会での「執行部見解」は残る6館実施はやむを得ないものとして闘わず、認めるということ、すなわち全館指定管理は阻止できない(反対しない)ということ以外の何ものをも意味しません。

 ③ 9月区議会定例会で田中区長が、「山田前区政の検証」のポーズで「山田カラーの一掃」の一環として「今年度(2010年度)の(後行6館)実施は行わず、全館指定管理は一年程度の検証期間を保障して、慎重に進める(実施する)」と答弁したことを受けて、組合大会での「執行部見解」(「10月をメドに検討委員会をつくる」)も反古にし、「(10月から)半年先に延びた」と先送りして、恬として恥じないこと。

 つまり、2009年秋も、2010年も「反対」では闘ってこなかったが、今後2011年も、図書館全館指定管理とはまったく「闘う」気などさらさらその気はないこと。「反対」の立場などもともとなく「検討委員会による検証」も真剣に考えられた「方針」などではまったくないこと。2010年年末に至っても今の今も来年4月(半年先に延びた計算からは4月となる)に向けての準備も計画もないということは、先に延びた4月に「検討委員会をつくり検証する」気もないということです。

 ・・・要するに田中区長がそう考えているように、杉並区職労執行部を牛耳る日本共産党もまた図書館全館指定管理反対闘争を寝かせ、一年もすれば、現場の職員や地域労働者住民の反対運動などいずれなくなると考えているということがこの一年間の経過で完全に明らかになりました。

 ▲ そもそも日本共産党は、この区の図書館全館指定管理が打ち出されたことに対して反対の声がまきおこっている最中にも長い間「白紙撤回や反対の決議などもってのほか、そんなことできるか」と執行部会議の議論でわめきちらしていました。

 ▲ 絶対反対の意見と現場の怒りと住民の反対運動がさらに大きく燃え上がったことから、組合執行部としてしぶしぶ「反対」を確認せざるをえなくなったものの、「反対」のポーズをとって反対闘争を抑え労使交渉を打ち切るために「第三者機関」に飛びつき、「妥結」を「労使交渉の成果」のごとく偽装・粉飾し(『杉並区職労』2009年10月29日発行第10号)、指定管理者制度導入への屈服・容認をごまかし続けてきたに過ぎません。

 ▲ そして山田区長から田中区長に代わって、田中区長が全館指定管理の完全実施のために2011年4月の実施を「先送り」し「慎重に進める」と工程表を見直したことに歩調を合わせて、自ら明らかにしてきた「方針」である「検討委員会づくり」も「半年先に延びた」としているだけです。杉並区職労執行部を牛耳る日本共産党にとっては、図書館全館指定管理実施は、撤回の対象でも反対・阻止の対象でもないということです。既に4月には6館が指定管理者制度に移行しています。実施後8か月経過した今にいたっても「検討委員会」の設置の準備の一言もないのは、「検証」しようなどとはまったく考えていないということにほかなりません。「検討委員会」も「検証」も図書館全館指定管理に反対しない(容認し賛成する)ためにその代わりに持ちだされた虚言です。全館指定管理を全面的に認めて田中区長に協力するということです。

図書館全館指定管理と幼保一体化・こども園=保育民営化は田中区政の労働組合(区職労)解体・自治体まるごと民営化・総非正規職化の攻撃の両輪。職場から絶対反対の声をあげて闘おう!

 ところで日本共産党は、杉並区田中区長が国の幼保一体化・こども園=子ども・子育て新システムに向けた動きの「先進事例」として推進している認定子供園の拡大に対しても決して反対とは言っていません。日本共産党杉並区議団の議員が区議会で行っている質問も反対の立場での質問ではまったくなく、これまでの認定子供園を検証せよと要求しているだけです。田中区長が「経過を慎重に検証し、実施する」としていることに対して、反対や追及できないのは当然です。杉並区職労執行部を牛耳っている日本共産党もそうです。

 重要なことは、杉並を全国の本拠とする全保連の呼びかけた11月14日の保育大集会に対しても、杉並区職労執行部としての取り組み方針も出さず、日本共産党の拠点である保育園分会からの提起すらなかったということです。全保連をはじめとして自治労連も取り組んでいる「子ども・子育て新システムに反対し公的保育の充実を求める5百万人署名運動」についても組合としての取り組み方針を打ち出すこともせず、保育園分会からの協力要請もないということです。

 田中良杉並区長は、前東京都議会議長であり、東京の民主党のトップです。田中区長が杉並版・幼保一体化として「先進事例」と位置付けて実施する「認定子供園」の拡大は、杉並区が「子ども子育て新システム」の最先頭に立つということです。この保育民営化の最先端攻防の激突点である杉並区で、日本共産党杉並区議団も日本共産党が組合執行部を牛耳る区職労も、反対しない、闘わないということです。

 図書館全館指定管理実施と幼保一体化・こども園=保育園民営化は、広範な利用者(地域の労働者住民)に大きな影響が及ぶ大問題であるだけでなく、杉並区職労にとっても、組合の二つの分会が壊滅・一掃させられるという区職労働運動の今後を決するような分岐点に立たされる大攻撃です。この自治体民営化の杉並区における両輪の攻撃に、日本共産党杉並区議団も区職労・共産党も反対しない、反対せず道を開けるということは重大なうえにも重大な裏切りです。

 ▲ 図書館全館指定管理は、120名の職員から職場を奪い、区職労の一分会をなくする攻撃であり、12館を時給800円台から900円そこそこのパート・アルバイトのシフト配置で株式会社が運営するワーキングプア職場に変える攻撃です。

 ▲ 幼保一体化・こども園は、44園の区立保育園、4園の区立幼稚園で働く1000名を超える職員をいったん解雇し、区職労の保育園分会を一掃し、全園を株式会社が経営するまるごと民営化そのものであり、新たなこども園もまた時給800円台から900円そこそこのパート・アルバイトのシフト配置でまかなうワーキングプア職場となります。

 革新であるならば、労働者階級の立場に立つ政党ならば、無条件に、絶対反対で闘うべき攻撃に対して、日本共産党は「反対」しない代わりにどのようなスローガンを掲げているか?

 図書館民営化問題では「図書館をもっとよくする」「よりよい図書館」、保育園民営化問題では「よりよい保育」「保育の拡充・・・・・、反対(政府支配階級との対決)が求められているときに、反対のスローガンを掲げず改良のスローガンを掲げるのは、政府支配階級の側に回るということです。

 日本共産党のこれらの「改良」のスローガンの最大の目的は、改良をかちとることそのものなどにはなく、政府支配階級に反対ではないこと、反対していないことを政府支配階級に示すところにこそあります。「日本共産党は決して反政府党ではありません、政府と一緒に進むことができる政党です」・・・これが日本共産党の「よりよい・・・」「・・・をもっとよくする」の「改良」スローガンの真意です。事実、あらゆる対決点で「反対」「阻止」「撤回」等のスローガンは日本共産党の主張からは消えています。

 皆さんご存じの通り、介護保険制度では、介護保険法案の国会上程を前に、日本共産党が当初掲げていた「反対」「廃案」から法案成立を前提にした「改善」「修正」に転換し、「よりましな介護保険制度の実現」をスローガンに掲げて「推進」「賛成」に回ったのでした。「高齢者は死ねというのか」という命の叫び、激しい反対の声が湧き起った介護保険での大裏切りでした。今日現在も「超党派で実現した介護保険制度」(日本共産党杉並区議団小倉順子の11月定例会での一般質問)と日本共産党が「政府与党と一体」の「超党派」で介護保険制度の成立に協力したことを積極的に総括しています。「超党派」とは与党化・翼賛化ということです。

 介護保険、図書館、保育・・・挙げればキリがない「よりよい・・・」「もっとよくする」「よりまし」路線の根幹に、「資本主義の枠内での改良」を党是・綱領とし、「労働者階級の政党」を党綱領からも削除し「国民の政党」に変更した日本共産党の転向の総仕上げがあります。転向とは際限のないもので、6月の組合大会を前に「組合の犠牲者救援基金は、もういい(要らない)だろう」と廃止まで口にしています。厳しく批判されてあわてて引っ込めたという経過があります。犠牲者救援基金の廃止で「組合は処分や弾圧を招くような闘いは絶対やらない」「組合の中から処分者や被弾圧者が出ても組合は一線を画して救援しない」ということを決議しようとしていたのです。目的が当局に「区職労は区とは闘わない」忠誠を示すところにあったのは明白です。労働組合を労働者の闘いを規制し抑圧し当局に代わって労働者を支配する労使協調機関・労働代官機関にしようとしている日本共産党の抑圧と組合支配を打ち破ることなしに区職労働者の闘いと未来はありません。

 図書館全館指定管理をめぐっても、保育園民営化をめぐっても、賃下げ反対・賃上げ要求貫徹の2011年春闘をめぐっても、2011年4月24日統一地方選をめぐっても、菅民主党政権打倒、360万人クビきりの公務員制度改革法案と子ども・子育て新システム=幼保一体化・こども園法案が上程される国会闘争をめぐっても、切迫化しているアメリカの朝鮮戦争をめぐっても、対立構図は鮮明です。「よりよいクビきり」「よりよい民営化」「よりよい非正規化」「よりよいワーキングプア化」「よりよい戦争」など金輪際、私たち労働者住民のスローガンにはなり得ません。

「戦争を止める」「民主党(政府)をたおす」「クビきり・民営化・非正規化に反対」掲げ全力で闘おう 

  絶対反対で闘おうということです。②労働者階級の団結で闘おうということです。③職場反乱、職場からの決起で闘おうということです。ヨーロッパや韓国での闘い、検査修理業務・構内業務の外注化とローカル線きりすてに絶対反対で闘う動労千葉、ゼネコンの価格引き下げを粉砕する関西生コン、不当選別解雇に絶対反対・白紙撤回で闘う202名を先頭とする日航労働者の闘いが示している通り、ストライキゼネストこそ労働者のやむにやまれぬ闘いだということです。④組合、職場、地域、街頭、学園、選挙、対国会のすべてで「戦争を止める」「民主党(政府)をたおす」「クビきり・賃下げ・組合破壊・民営化・非正規化と闘う」をストレートに掲げて立ち上がろうということです。

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政府が「賃下げ・クビきり自由」のための公務員制度改革素案を発表。

2010年12月08日 | 公務員制度改革・公務員攻撃について

 12月6日、政府が検討している国家公務員制度改革に関し、労使交渉による給与改定を実現するための「自律的労使関係制度に関する改革素案」が明らかにされました。

人事院勧告制度を廃止、公務員庁を創設

 素案は、①労使が自律的に職員の勤務条件を決定し得る仕組みに変革し、主体的に人事・給与制度改革に取り組むことなどにより、効果的で質の高い行政サービスの実現を図る、②国家公務員の労働関係に関する法律案(仮称)などの関連法案に国家公務員に労働基本権を付与し、団体交渉で職員の勤務条件を決定する制度の整備を盛り込むことを新制度の目的として掲げ、そのために③公務員に協約締結権を付与し、給与、勤務時間、昇任、降任・免職や懲戒の基準などを、労使交渉で決定することを具体的に定め、④それに伴い人事院勧告制度を廃止するというものであり、⑤争議権(スト権)については「懇談会」の議論を踏まえて法案提出までに検討を進める、⑥労使交渉で労働組合に対する使用者機関として公務員庁を新たに設置する、としています。

「労使交渉」でクビきり・賃下げを決定する仕組み

 見ての通り、《賃下げ・クビきり・労働条件の切り下げの自由》を国=政府に与えるもの以外の何ものでもありません。要するにスト権はもちろん与えず、協約締結権を与える代わりに、人事院勧告制度は廃止し、労使交渉を通して賃下げ・クビきり・労働条件の切り下げを決定するというものです。ご存じのように、菅民主党政権は「総人件費2割削減」「人事院廃止」廃止を掲げています。人事院勧告でどんなにマイナス勧告が出ても、とても2割削減には届かない。政府にとっては、もはや人事院勧告制度そのものが邪魔になっているということです。

 これを来年通常国会に上程しようとしている。実際には財界の強力な積年の階級的意思として、公務員労働運動の解体、そのための公務員制度の廃止、すべてを民間並みとする新制度の構築があり、2008年6月の第169国会で国家公務員制度改革基本法で、この基本線は2011年新法制定、2012年度新制度実施のロードマップが決まっている。この自公政権時代の基本法制定時に民主党は、連合をバックに「公務員への労働基本権(協約締結権)付与による労使交渉による自律的労使関係制度への改革」を条文に盛り込んだ。民主党・連合政権という政府のもとでしか現実化しえない、「労使交渉による労働運動解体」のための反労働者的な制度設計で成り立っている。2011年は目の前の来年のことだ。民主党政府にとってはもはや後がない。公務員制度改革は民主党・連合政権にとって資本家救済政府として何が何でも強行しなければならない階級的使命だということです。

公務員制度改革法案の来年通常国会上程を宣言した菅民主党・連合政権をたおす!

 菅首相が「たとえ内閣支持率が1%になっても辞めない」と繰り返し言っているのは、この公務員制度改革の強行を遂げるまでは何が何でも辞められないというのが根本にあるとみてとるべきでしょう。財界も菅民主党・連合政権にそれを賭け切っています。

 決戦は避けて通ることができない、その決戦のときがいたりました。菅民主党・連合政権=資本家救済政府をたおす!引導は私たち労働者階級人民がやつらに渡さなければならない。公務員制度改革・公務員攻撃もろとも政財界を引きずり倒す!その怒りの総反乱、それが既に始まっている2011年決戦です。政財界は完全に追いつめられ、法案ひとつ通すことすらできないまでにガタガタ、グラグラの危機に立っています。それだけに敵はなりふりかまわず必死だということです。その政財界の後がない必死の階級意思をはるかに凌駕するすさまじい怒りの大爆発で菅政権=民主党資本家政府打倒、法案上程粉砕の大反乱をおこしましょう。

 

決戦の2011年。公務員制度改革法案絶対阻止、「子ども・子育て新制度」法案絶対反対・上程阻止を真っ向から掲げて嵐のような反政府闘争にたちあがろう

 公務員制度改革法案(素案・関連法案)と「子ども・子育て新システム」法案は《双子の大反動法案》です。前者も後者も来年通常国会に上程されます。前者は「国家公務員法改正」法案であると同時に「地方公務員制度の改革法はこの法律に準拠する」と地方公務員法改正を同時必然化する構造になっています。後者は地方公務員=自治体職員の最大広範の実体をなす保育所職員の解雇を含む保育園の民営化の法律であり地方公務員制度解体の突破口です。この同じ年、来年4月には統一地方選挙が実施されます。60年安保闘争、70年安保沖縄闘争をこえる国会デモ、反政府デモをつくりだそう。60年、70年を超える大決起は労働者の職場反乱、ストライキ決起、ゼネストによって大爆発します。怒りこそすべてです。

 ☆戦争絶対反対!

 ☆「クビきり・賃下げ・労働条件切り下げ」自由の公務員制度改革法案絶対阻止!「子ども・子育て新制度」法案上程阻止!

 ☆菅民主党政権をたおせ!

 ☆青年先頭に闘う労働組合を復権して大反乱をおこそう!

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「幼稚園・保育園とこども園の併存」方式に対する私たちの見解

2010年12月07日 | 保育民営化(幼保一体化)に絶対反対

政府検討チームが「こども園」方針を「幼稚園・保育所と併存」で集約?!

 政府が2013年度からの導入を目指す「子ども・子育てシステム」=幼稚園と保育所の一体化による「こども園」(仮称)は、当初案である「幼保をすべてこども園に統合」という方式ではなく、幼保両施設を併存させながら「こども園」を増やす方式で、意見集約が図られる方向となった模様です。

 12月2日、菅民主党政権の「子ども・子育て新システム」のワーキングチームが検討会議で決めました。「現行の幼稚園、保育園と併存でこども園を増やしていく」ことを当面の基本方針とするというもの。「そのほうが、幼保一体化のこども園への完全移行もやりやすい」というのがその判断理由だと言っています。

法案を通し、「幼保一体化のこども園」を制度決定するのが目的だ。「併存」のペテンにだまされるな!

 人を愚弄するもはなはだしい!保育園サイドからも、幼稚園サイドからも、公立サイドからも私立サイドからも、あまりにも反対が大きいので、幼保すべてを直ちに制度統合するのはいったん引っ込める、いまある保育園と幼稚園にはすぐ手をつけないで、しかし、制度としては幼保一体化施設としてこども園を法制化し、実際にどんどん開園していくという話です。

 民間企業の保育・幼児教育への全面的参入として株式会社が経営・運営するこども園を正式にスタートさせるということです。児童福祉法に基づく保育園、学校教育法に基づく幼稚園と「子ども・子育て新法」に基づく「こども園」が「併存」する形で実施すると説明しているが、これは「併存」などといったものではない。保育・幼児教育の全面市場開放、民営化・産業化の開始ということです。

 要は、いまの保育園、幼稚園の存続は認めるとすることで、反対運動を鎮静化し、来年通常国会で「子ども・子育て新法」を通してしまうこと、そのための「併存」です。「そのほうがこども園への完全移行がやりやすくなる」という理由そのものが「併存」の狙いを示しています。「保育園、幼稚園と併存」とすれば保育園サイドも幼稚園サイドも存続が保障されることから反対しなくなる、国会上程前の反対運動さえ抑え込んでしまえば、法案は成立し、法案が通れば後はどうにでもできると考えているということです。

反対運動の大爆発を恐れる政府に対しては、いっそうの大反対運動を!

 政府ワーキングチームの「10年の経過措置」方針、「新システムの五案の選択枝」提示、「五案中の『現在の保育園・幼稚園との併存』方式」採用の経過が示すものは何か?

 ① 「子ども・子育て新システム」「幼保育一体化・こども園」に対する反対の声がきわめて大きく、反対運動が急速にひろがっていること

 ② 現状では、反対運動の側が法案上程の成否を決する主導権を握っていること、この反対運動を無視して「新システム」の国会上程は困難であること。

 ③ 反対運動から、新制度で侵害される利害関係上の立場にある「既得権的抵抗勢力」を引きはがし、さらに反対運動で一番厄介な労働組合・労働運動の指導部を味方に付けること・・・この民営化と新自由主義の特徴的な政策手法をとって、保育園界と幼稚園界に対しては新制度では保育園も幼稚園も存続できる」という手を打ち、労働組合・労働運動側に対しては併存だから、解雇が発生する等の不利益が起きるわけではない」という鎮静化への手を打ってきたということ。これ(「併存」)は政府の反対運動への「譲歩」でもなければ「妥協」でもない。反対運動・反対陣営の解体と「新システム」の強行の攻撃そのものです。

 ④ すなわち、政府は、「子ども・子育て新システム」の2011年通常国会新法上程と2013年実施について何一つ変更しているわけではないこと。それを何が何でも強行するために、その一点で、「保育園、幼稚園との併存で株式会社経営の幼保一体化施設・こども園の実施」で進めようとしていること。

 私たちの態度は、原則的なうえにも原則的、鮮明なうえにも鮮明でなくてはなりません。「新システム」をめぐる対決構造とは、民営化との対決そのものです。

 株式会社が園を経営する保育・幼児教育の民営化をゆるすのか反対するのか、▲職員を時間給のパート・アルバイト等のクビきり自由・無権利・低賃金不安定雇用の非正規職でまかなう非正規化をゆるすのか反対するのか、そのための保育園職員、幼稚園職員の解雇に屈するのか反対するのか、▲子どもの命を危険にさらす民営化を認めるのか反対するのか、▲保育園・幼稚園の民営化による児童福祉法の解体、学校教育の民営化に道を開くのか、それを阻むのか、です。私たちは子どもの命の問題は保育の原点だと考えています。

 ここに曖昧にできるものは一つとしてありません。政府ワーキングチームの「保育園・幼稚園とのこども園の併存」案でこの対決構造に変化はあるか?そんなものは何一つありません。一歩も譲れません。

 ハッキリした私たちにとってのプラスの点が一つだけあります。政府がいかに反対運動をおそれているか、政府がこの反対運動が巨大な大運動になることをいかに恐れているかです。私たち労働者階級の「子ども・子育て新システム」法案に対する態度にはいささかの変更もありません。絶対反対・上程阻止あるのみです。  

闘えば粉砕できます!

 この「併存」方針の核心問題は何か?いきなりガチンコで「いっぺんに一元化・一体化」で行こうとすると職員の反乱、園まるごとの反対、保護者の猛反対で嵐のような反対運動になり、絶対反対でギリシャ・スペイン・フランスのようなゼネストとか抗議の大規模反政府デモとか庁舎や与党本部占拠のようなことになりかねない。それよりは介護保険法や障害者自立支援法のときのように反対運動の中から「制度導入を認める」勢力(政府の味方)をつくりだし、急速に広がっている怒りの反対運動をかく乱し、反対の勢いをそぎ、制度強行=法律制定に持ちこもうとしていることです。

 攻防のカギ、粉砕の成否は、それでも今も労働者階級である保育園・幼稚園の職員と園に子どもを預ける保護者(労働者)が握っています。自治体や園の経営者がこの「併存」案によって「反対」から退きあげても、保育・幼児教育の仕事に誇りをもって働いている労働者、子どもの命を預け成長を願う保護者(労働者)は絶対にひきさがるわけにはいかないからです。子らの命と未来に賭けても絶対反対で闘いぬかねばならない闘いだからです。

 
 あうんの呼吸で「子どもの命を守る」旗を投げ出したのが日本共産党
 
 この12月2日の「併存」案を見て、もうひとつハッキリした点があります。その数日数日前11月29日に「しんぶん赤旗」『主張』欄に日本共産党が「子ども・子育て新システム」に関して正式に発表した党の見解と主張の役割もあらためてハッキリしたといえるのではないでしょうか。
 政府案のような方向性を「落とし所」にし、そのサインとして「反対」を引っ込めたとしかいいようがないのが日本共産党の11月29日「しんぶん赤旗」の「子育て新システムに関する主張」とその全共産党議員ホームページでの即日転載。《日本共産党は反対しているわけではありません》」ということを菅民主党政府と財界に伝えるための「主張」です。(当サイト前回記事参照)。
 
 共産党としては「よりよい保育」「保育をもっとよくする」というスローガンでいくから、「保育サービス」をめぐって企業と公立保育園が競い合う、その恰好を政府の側でも取ってほしい。それさえしてくれれば反対しない。「しんぶん赤旗」の「主張」欄で、「株式会社がこども園を経営する」こともひた隠しにし、こども園職員が時間給のパート・アルバイト、低賃金非正規職となることも押し隠し、それまでは重視してきた保育事故や「子どもの命」の問題にも一言も触れないのもすべて、日本共産党が「反対」ではないことを示すためです。裏切りと妨げは決然とのりこえて進むのみです。
 絶対反対・来年国会上程阻止
 
 ここまで政府の算段や政府の側に回った共産党の裏切りが見え透いているわけです。政府や裏切り者のシナリオ通りにさせてなるものか。ストレートに怒りの声をあげることです。怒りの輪を徹底的に拡大することです。保育園、幼稚園で働く労働者、子どもを園に預けている保護者(労働者)、青年労働者、女性労働者を先頭に大反対運動をおこすことです。

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日本共産党の「新システム」に関する《主張》を批判する!

2010年12月01日 | 保育民営化(幼保一体化)に絶対反対

 日本共産党は11月29日の「しんぶん赤旗」の《主張》欄で、政府の「子ども・子育て新システム」に対して「子ども、保育の格差許さない」とするタイトルで同党の基本的見解を発表しました。

 《主張》の最大の特徴は、「反対の声が広がっている」「絶対に許すわけにはいきません」「新システムの検討はストップすべきです」等々の表現をちりばめてはいるものの、民主党政権と財界が国家戦略として強行しようとしている「子ども・子育て新システム」の攻撃に対して日本共産党の立場、態度として《絶対反対》、《反対》、《阻止》という立場、態度をまったく表明していないところにあります。《主張》が言っているのは、「保育が自己責任に」なってしまう、「公的責任で保育の拡充を」と言っているだけです。そのことにも絶対反対を表明せず、このように「要求」するだけでは、「新システム」を説明しているに過ぎません。

 ★前掲「しんぶん赤旗」の《主張》の全文は下記にて。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-11-29/2010112902_01_1.html

保育園・幼稚園労働者の決起を抑え込み、政府・財界に「新システムに日本共産党は反対ではない」ことを伝えるのが《主張》の真意

 何よりも、「反対の声」をあげ、「子ども・子育て新システム」=幼保一体化・こども園攻撃に対して怒りの最先頭でたちあがっている保育園・幼稚園職員=労働者の闘いを無視・抹殺し、官民問わぬ保育園・幼稚園の全廃、100万人になんなんとする全職員のいったん全員解雇の攻撃を隠ぺい・容認し、保育園・幼稚園で働く労働者の反対闘争を裏切り、見殺しにしようとしている点です。

 驚くべきことに、《主張》には実際に闘いの最先頭に立っている保育園・幼稚園の労働者の闘いに関する言及はありません。11月14日の日比谷野外音楽堂での保育大集会に「新システム」への怒りの大結集をかちとった保育労働者、教育労働者の決起(写真は前掲)も、「関係者」というたったの一言で片づけられています。

 子ども、保護者とともに攻防のカギを握る最大の当事者である保育労働者、幼稚園の教育労働者の反対の闘い、政府に対する怒りの総決起をかき消し、「国は保育に責任を」と菅民主党政権に「安心して預けられる公的保育の拡充」を要求する「国民の共同」運動を呼びかける《主張》の核心は何か?反対運動の大爆発を政府権力に対するお願いと要求の枠内に閉じ込め、保育労働者、教育労働者の決起を抑圧し、裏切り、この空前のクビきり・民営化に道を開き、屈服することを求めるもの以外の何ものでもありません。

 この事の意味するところは実に重大なうえにも重大です。保育労働運動は自治体労働運動、現業公務員労働運動の最大の砦の位置を持っています。ほかでもない、日本共産党にとっても、財界が「共産党の牙城」と呼んでいるような労働戦線の「拠点」です。その保育労働者に全員クビきりの攻撃が加えられようとしているとき、そしてそれに対して現場から絶対反対の決起がはじまっているとき、党として総力で反対闘争に決起するのではなく、まったく逆に《クビきり》に一言も触れず、保育労働者の団結と抵抗・絶対反対の闘いも呼びかけない。これは日本共産党が、拠点=保育労働戦線を無血開城・無条件降伏で政府・財界に明け渡すということです。

 ハッキリさせなければならないことは何か?日本共産党は、「子ども・子育て新システム」に対して、危惧や要求はあげつらっても、反対は絶対しないということです。政府や財界に危惧や要求は表明しても、決して争わない、対決して反対し、阻止しようとはまったく考えていません。このことを政府と財界に公式に表明したのが、党機関紙「しんぶん赤旗」での《主張》の意味です。11・14保育大集会の直後に、わざわざこの《主張》を党機関紙に掲載したことは重大です。まさに「共産党は『新システム』に反対しているわけではない」ということを政府・財界に伝えるのが《主張》の目的です。

 日本共産党の杉並区議団の議員をはじめ同党の全議員のホームページには即日、この「しんぶん赤旗」の《主張》がいっせいに転載されています。この《主張》を同党の「子ども・子育て新システム」に対する政策綱領・基本方針して、全国各地の保育労働者・幼稚園教育労働者の決起を抑圧し、各自治体・各地方議会での方針として実践しようとしているということです。 

(1)空前の全員解雇攻撃への沈黙・容認

 「子ども・子育て新システム」=幼保一体化・こども園攻撃への反対闘争を破壊・抑圧する日本共産党の《主張》の犯罪的裏切りの第一は、攻撃が公立・私立(民間)を問わず保育園・幼稚園を全廃し、保育士、幼稚園教諭をはじめ全職員を全員解雇する全国100万人を超える空前の解雇攻撃であることに貝のように口を閉ざし沈黙・隠ぺい・抹消していることです。

 「新システム」は、ハッキリと▲幼稚園と保育園を制度として廃止し、制度として子ども園に切り替える、▲保育士、幼稚園教諭に代わる資格として「子ども士」資格を創設し、新規雇用を創出すると打ち出しています。これは現在の保育園・幼稚園の全廃であり、全職員をクビにするということ以外の何ものでもない。

 これまで保育園、幼稚園で働いてきた職員はいったん職を失い、これまでのように仕事を続けるためには「こども士」資格を取りなおして、こども園を経営する株式会社の定める低賃金不安定雇用の非正規職としての労働条件を認めて採用されるしかない。保育や幼児教育を志して、あるいは生きんがために職に就くために「こども士」資格をとって「こども園」に就職する就活青年や主婦も同様だ。全員クビきりの後に「子ども園」としてつくられる職場とは、クビきり自由・低賃金・無権利のワーキングプア職場になることは火を見るより明らかだ。

 なぜ《主張》=日本共産党は、この攻撃の激しい中身に触れないのか。触れれば絶対反対で闘うしかなくなるからだ。保育労働者、教育労働者、青年労働者、女性労働者が「新システム」絶対反対で立ち上がるからだ。《主張》がこの階級的真実をひた隠すのは、日本共産党が、政府財界=資本家階級との激突・対決を「決してしてはならないこと」と考え、「資本主義の枠内での改革」「資本家との和解による改良」を路線としているからだ。

 幼保全廃・全員クビきり、ワーキングプア職場=こども園に対する沈黙・隠ぺいとは、屈服ということであり、容認ということであり、反対して立ちあがる保育労働者、教育労働者、青年労働者、女性労働者を見殺しにし、切り捨てるということだ。日本共産党にとっては、保育園・幼稚園、あるいはこども園で働く労働者の利益よりも、「政府財界に反対しない」ことによる党の保身的利益のほうが大切だということだ。

(2)株式会社による「こども園」の運営・経営を隠ぺい

 第二に、幼保一体化によってこ「子ども園」を経営・運営するのは株式会社であるという「新システム」の根幹をなす制度設計についてただの一言も触れていない点です。これまでの私立、民間の保育園、幼稚園の延長線上にあるわけではまったくありません。保育、幼児教育を「新たな市場」として民間企業に市場開放することを政府案はハッキリと「国家戦略」「新成長戦略との連携」として掲げています。「株式会社が経営する」の一言で、この「新システム」の正体は明らかです。「こども園運営費」に「別事業に運用する使途の自由度」を明記していることにも明白。大恐慌・大不況下で経営危機にあえぐ企業に企業救済、企業支援の活性化政策として、この「新システム」が国家戦略として出されているのです。

 そのためにこの制度政策財源に「子ども・子育て保険料」強制徴収や消費税大増税が出されようとしている。企業の財政的支援だけではない。「新たな雇用の創出」として就活青年、主婦の非正規雇用で「こども園」を賄い、中間搾取で企業が利ザヤを稼げるように制度設計しようとしている。そのための現在の職員の全員解雇であり、「こども士」資格創設だ。

 《主張》=日本共産党が、この株式会社による「こども園」経営に一言も触れず、隠ぺい・抹消しているのも、それに触れた途端に、「反対」しかなくなるからだ。《主張》が「企業」に触れているのはただ一か所「『新システム』ではサービスの量を企業頼みで増やそうとしている」という一点だけだ。「新システム」での「株式会社によるこども園経営」とはそんな軽いものではない。現に民間保育園の職員や私立保育園・私立幼稚園の職員、その経営者まで危機感を募らせ怒りを表明している。労務管理に長け、資本力に勝る株式会社が参入したら、どういうことになるかハッキリしているからだ。

 共産党が「株式会社の全面的参入」に反対せず、この問題に沈黙しているのは、口先でどのように言おうとも、保育・幼児教育の市場化・民営化には「反対してもムダ」「認めるしかない」と思っているからだ。《民営化には決して反対しない》、これが、国鉄分割・民営化強行以来、そして高齢者介護・福祉の市場化・民営化である介護保険制度に「超党派」で「賛成・推進」派に回って以来、日本共産党の党是となっているということです。国鉄1047名闘争解体の「和解案」を支持し、保育制度まるごと民営化の「新システム」に反対を表明せず、攻撃を徹底的に隠ぺいしているのはそのためです。

(3)新自由主義による保育・教育の市場開放・民営化への屈服

 第三に、「新システム」が持っている攻撃の歴史的社会的な大きさの徹底的隠ぺいです。《主張》は、口先で「児童福祉法第24条に基づく公的保育制度の堅持・拡充を」と言いながら、この幼保一体化・こども園の攻撃が「社会保障の最後の砦」=保育制度(児童福祉法)の解体・一掃に照準があてられており、さらに幼稚園=幼児教育のこども園化=民営化で小中校=義務教育の完全民営化を目指す攻撃であることについて一言も触れません。介護保険法、障害者自立支援法に続く、保育の商品化・市場化・民営化は、福祉の最後的一掃を意味します。義務教育(小中学校)の民営化は、公教育の一掃を意味します。福祉と教育が措置(国の義務、国民=労働者人民の権利)から外され民営化され市場原理に投げ込まれるという新自由主義の大攻撃です。

 まさに社会が社会として成り立たなくなる、その最後の「止め金」を外すということです。それを保育労働者、自治体労働者、教育労働者の団結を一掃して強行しようとしています。360万公務員労働者クビきり・民営化・総非正規職化の公務員制度改革=国家公務委員法・地方公務員法改正案の2011年通常国会上程・2012年度実施とワンセットで「子ども・子育て新システム」の2011年国会上程、2013年実施が出されていることには重大な意味があるのです。これは憲法改正に等しい。この歴史的大攻撃に、《主張》は沈黙し、反対闘争を逆におさえこむことに躍起になっています。日本共産党は新自由主義に完全に投降し、クビきり・民営化・非正規化、総ワーキングプア化を容認し、賛成しているということです。《主張》がどんなに「格差を許さない」と強弁しようとも、労働者のクビきり・超低賃金、民営化・非正規化、新自由主義に反対しない《主張》は日本共産党の裏切りと転向・翼賛化のごまかしでしかありません。

(4)子どもの命を奪う保育民営化に協力する立場への転落

 第四に、《主張》では各所で「子ども」「親」「父母」を強調しながら、「新システム」が子どもの命を奪う攻撃であり、子らの命と未来に賭けても保護者(労働者)が絶対反対で立ち上がらねばならない闘いだという点をまったく訴えようとはしていない点です。

 どちらかといえば、相次ぐ保育事故を強調してキャンペーンしてきたのが日本共産党です。知識と経験があり習熟したベテランの常勤正規職員が核になって組織的チームプレーとして職員が十全に配置されて懸命になって取り組んで初めて子どもの命が守れるというのが保育・幼児教育の現場です。子どもの命や安全は二の次、カネ(財政縮減と経営者の企業営利)がすべての規制緩和と民営化のもとでひきおこされてきたのが保育事故です。保育制度のまるごと民営化、パート・アルバイト・派遣のシフト配置の「こども園」が子どもの命に関わる安全の崩壊をもたらすことは明白です。保育事故は決して職員のせいではない。民営化・規制緩和こそ元凶であり原因です。ところが「新システム」が浮上したとたんに、日本共産党は、「子どもの命と安全」「保育事故」の問題を回避しはじめ、投げ出し、逃げ出した。《主張》には「子どもの命」「保育の安全」がただの一言もない。各地の議会で「保育事故」を「追及」してきた共産党議員の数はネットで見ただけでも決して少なくない。今回の《主張》によってこれまでのそうした議会質問にも取り組まなくなるでしょう。「子どもの命」「保育の安全」問題を投げ出しておいて、そこから離れて《主張》のように「保育の質」を強調しても、保育民営化への屈服をごまかしているだけです。ここでも理由はこのうえなく明瞭です。この問題に触れれば文字通り「絶対反対」しかなくなるからです。口先では「子ども」「父母」「親」と言ってはいるが、「子どもの命を守る」「絶対反対」と言わない以上、すべて嘘っぱちだということです。

(5)保育園・幼稚園で働く労働者、青年労働者、女性労働者、保護者先頭に、「新システム」絶対反対の大運動で闘おう!

  日本共産党の《主張》がなぜこのようなものになっているか、すべては明瞭ではないでしょうか?政財界=支配階級と対立したくないからです。だから「新システム」のあからさまな正体についてもひた隠す側に回り、自党の「宝」であるはずの保育園で細胞・支部がある労働組合や拠点職場の労働者がクビきりにさらされようとも反対せず、株式会社が参入することにも反対せず、ついには「子どもの命を守る」という保育の原点、保育労働者の誇りと自覚まで放りだし、切り捨てにかかっています。

 幼保一体化・こども園の攻撃に屈服したこの日本共産党の反対闘争からの敵前逃亡と大裏切り、大転向を突き抜け、保育園・幼稚園職場の労働者の団結、職員と保護者の団結を先頭に絶対反対の運動をまきおこそう。公立、私立(民間)を問わず、保育園・幼稚園の職場からの反乱、抗議が決定的な力になります。民主党政権もろとも「幼保一体化・こども園」を粉砕しましょう。

 来年通常国会上程阻止と4月統一地方選挙闘争がこの攻防の最大の決戦になります。絶対反対、上程阻止だけが、この攻撃を打ち破る道です。この一点で一致し、あらゆる職場、地域、学園、街頭から反対の声をあげ、大運動、大反乱をおこそう。

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