すぎなみ民営化反対通信

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学童保育・児童館なくし、認可保育所整備では区立つくらず企業立ばかり!何が「育児&仕事の最後の砦」だ

2016年05月22日 | すぎなみ保育緊急事態宣言ー田中区政批判

特報・杉並版

(「杉並区・保育緊急対策」批判-全地元地域・職場版)

杉並区は、これまで無視し切り捨て、踏みにじってきたことを、忽然と思いだしたように、こういうときにだけ持ち出したりするな!

「働きたい方々が安心して育児と仕事を両立できる社会を実現するための最後の砦として保育所の整備は不可欠です」

 

『すぎなみ保育緊急事態宣言』(裏ページ)では杉並区役所待機児童解消緊急対策本部(保健福祉部保育課)の名で冒頭に「・・・最後の砦・・・保育所・・・」と一番上に書いたように書かれています。

 

「保育所は最後の砦」⇔「緊急対策」強行のために、杉並区は、心にもない白々しいウソをつくな!

 杉並区は、「平成28年度中(今年度中)に保育所の大規模な整備を実行」「『待機児童ゼロ』を達成します」とけたたましく一方的に「緊急対策」を打ち出し、区民にこの「緊急対策」の実行のための具体的諸施策を認めるように求めています。そのために、区は「働きたい方々が安心して育児と仕事を両立できる社会を実現するための最後の砦として保育所の整備は不可欠です」と書いています。保育を働く世帯と子どもたちの「最後の砦」として守り抜くために懸命になっている方々がそう言うならまったくその通り!しかし、「最後の砦」たる福祉・保育をないがしろにしてきた区がいきなり心にもないことをこれから区がやろうとしているトンデモナイことを正当化するために言いだした!

 怒りに堪えないとはこのことです。切実に求められている「最後の砦=保育所」の増設を拒み、怠ってきた、逆に、「財政難」「コスト削減」を理由に施策から放り出し、民間企業に差し出し投げ出してきたのは誰なのか。誰にでも分け隔てなく入所が開かれるべき「最後の砦」としての保育所のありかたを壊してきたのは誰なのか。

 そもそも、誰のせいで、何のせいで、保育所に入れない子ども、保育所に子どもを入所させられず、親が子育てと仕事の股裂きで悩み苦しみ続ける「待機児童」世帯が激増してきたと思っているのか?国や企業の低賃金総非正規職化、女性労働力の極限的動員の国策で、子どもを保育所に入所させられなければ働けない、生計も維持できない非正規共働き世帯・一人親世帯が激増した。それに対して、国や自治体が最低限でも公的責任でまかなわねばならない社会保障・福祉を自ら投げ出し、自治体立認可保育所・保育施設という本来おこなうべき保育施策を打ち切り、すべて「民間活力の活用」と称して、民間認可保育所・保育施設と規制緩和による認可外小規模保育に切りかえ、保育ビジネス企業に保育を丸投げで委ねてきたからにほかなりません。

  杉並区もまったくその例外ではない。この「待機児童解消対策本部」名の前掲チラシ裏には 認可保育所整備率 23区中 20位 と強調されているが、まさに、杉並区が認可保育所をつくってこなかったということです。チラシでは、「このかん急ピッチで認可保育所整備を進めているが、整備率は23区中20位にとどまっている」と言っていますが、区は反省の色や真摯な姿勢はうかがえません。というのは田中区長や区側がしきりに「山田宏前区長が3期11年間認可保育所をまったくつくってこなかったぜいだ」と全部を山田区政のせいだけにしているからです。“田中与党命”の無所属区民派(いのち・平和クラブ)のけしば誠一議員らが「田中区長は就任以来、認可保育所整備を進めてきましたが、整備率は23区中20位。原因は山田前区長が11年間1カ所も認可保育園をつくらなかったためです」(2016年5月区政報告 NO、289 5月臨時議会報告)などと早速言いふらしています。山田区政の福祉切り捨ては論外、悪いに決まっている!だが、田中区長が区長に就任したのは2010年7月です。ああだこうだと言おうと、この6年間近くの間、田中区長は、何もしてこなかったということです。山田区政とさしたる違いはない!

 私たちは、この2010年7月区長就任以来の田中区政のこれまでの期間が「待機児童解消」や「子育てと仕事の両立」、「保育」をめぐってどんな6年間だったかをよく振り返ってみる必要があります。民主党が国の政権について民主党のプロジェクトが企画立案した「子ども子育て支援新システム」が国政上の目玉政策となって、「待機児童激増⇔解消」問題が国会でも議論となった時期です。都議会議長や民主党都連会長、民主党都議会幹事長を歴任し、民主党から杉並区長になったのが今の田中良区長だったことは重要なことです。さらに政権再交代による自公政権に移行後も、「税と社会保障の一体改革」めぐる三党合意と「子育て支援新制度制度」実施に向けて「待機児童解消」問題はますます大きな焦点になり、安倍政権が、アベノミクス成長戦略の柱として「待機児童解消加速化」戦略と数値目標を矢継ぎ早にエスカレートさせ、にもかかわらず、ほとんど進捗が示されず、「待機児童激増」「潜在的待機児童」問題が国を揺るがす大問題となっているのです。そして、「保育所落ちた 日本死ね」ブログによる国や自治体に対する根源的な怒りの爆発です。

  この「保育所落ちた 日本死ね」ブログと共感の爆発こそが、(保育所待機児童問題にとどまるものではない社会の根底からの怒りの爆発ですが)、安倍政権が、『1億総活躍社会ロードマップ』(5月31日閣議決定予定)で、「40万人分保育定員増」を何の成算根拠もないのに「2017年度末までの50万人定員増、待機児童ゼロ」に積み増し、田中杉並区長が、『すぎなみ保育緊急事態宣言』で「2016年度(平成28年度)中に2220人分の保育所整備」「2017年度末待機児童ゼロ」を打ち出した、最深の根拠でしょう。

  超コンパクトに端折って見てきましたが、いずれにしても、田中区長、杉並区が、唐突に乱暴で、メチャクチャに問答無用の形で進めるという意味で、この『緊急事態宣言』に「本気」ではあっても、子どもたちの保育、保育所に子どもを入所させたい親、子育てと仕事の問題が今日明日生きられるかどうかになっている圧倒的な働く世帯の苦しみにの問題に、区が自治体として本気で真摯に責任を持って取り組もうとしているとは、とうていみることはできません

 児童館廃止(全廃)、学童保育解体を徹底して進めると決めている杉並区!あんさんぶる荻窪(杉並最大の荻窪北児童館)や科学館、子どもの居場所、遊びと育ち、学びの場を平気でつぶす、なくすと平気で言っている杉並区!その杉並区がどの口で「働きたい方々が安心して育児と仕事を両立できる社会を実現するための最後の砦として保育所の整備は不可欠です」などと言えるのか!

 「待機児童ゼロ」だとか「大規模に認可保育所整備を実行」「保育所は育児と仕事を両立できる社会を実現するための最後の砦」といくら区が言おうと、1ミリも信用はできません。全部ウソだということをはっきりさせねばなりません。

 学童保育=児童館は、まさに、共働き世帯、一人親世帯はじめ働く人々が安心して子どもを施設に預け、働くことができる、そのために全国に先駆けて、この杉並で区の非常勤職員14名と地域の父母・住民の献身的創造的取り組みで7つの学童保育所としてつくられ、長い歴史を経て、41学区に41児童館として定着し、地域に根を張った、地域になくてはならない子どもの居場所、老若男女全世代の地域コミュニティとして営々と発展してきた地域施設です。

 2013年9月発表の「杉並区施設再編整備計画」で区は、その最大の目玉として、この児童館を、41館全部、廃止するという計画を打ち出したということ、いまだそれを強行し続けようとしているということを、私たちは絶対に曖昧にできません。この一事をみても、区が「保育所は育児と仕事を両立できる社会を実現するための最後の砦」などとは全く考えていないこと、カケラも思っていないことは明らかです。田中区長も杉並区も、子どものことや親のことをまったく考えていません。

  保育所に入れない、この子をどうしてくれるんだ!ちゃんと保育所に入れられなければ、働きたくても働こうにも、まともに働くこともできない。働くことも奪うのか!生きていけない!子どもと私たちの保育の権利、生きる権利を杉並区はどうする気だ! これは、保育所に子どもを入所させられないで苦しむ親も、児童館を廃止され、子どもの居場所。遊び場を奪われる親も、一緒です。

 

田中区長が「緊急対策」で進めようとしている「認可保育所」とは、公園等の区有施設を更地にして、民間企業立で認可保育所をたくさんつくるということ!「認可保育所をつくることはいいことだが・・・」とはなりません!

  杉並区の「施設再編整備計画」は、特養ホームでもハッキリ言っていますが、保育所についても、すべて「民間活力の活用」、すなわち民営ですすめるというのが区の施設の経営・運営方針です。4月18日『すぎなみ保育緊急事態宣言』と同日区長記者会見に続いて行われた5月13日区長記者会見では、田中区長は、「区有施設の転用」という「転用」の用語は使わず、あえて意図ありか、区長にとっての自然な本音感覚の表現として口を衝いて出たかは別として、何度も「更地化」という用語を使用しています。この「更地」と区長が「上物(うわもの)」という用語を用いて記者会見で記者の質問にやりとりし説明しているところでは、非常に重要なことが言われています。これは区が行う「大規模な保育所の整備」のほとんどと位置付けられている「認可保育所」をどう見るかという点で田中区長の考え方というものが非常に分かりやすく出ているという意味でも重要です。

 ▲(今般の保育所緊急整備の区のコンセプト、具体的範囲は?)

「区の施設・用地の更地化工事まで(が区の関与)」、「建設費といっても、区が出すのは更地化工事費用でこれが当初予算32億円と今回補正2.9億円の36億円まで。かかる建設費は、更地に上物をつくる保育事業者の負担、そこが、どんなものをつくるか、いくらかけてつくるかでさまざまで、事業者次第で変わるので区が言えることはない」

⇒つまり、区は保育所整備では、更地化工事費以外にはカネは出さない、区は区の施設・用地を更地にして、あとは公募で落札して入ってくる保育事業者に渡すだけ。⇒事業者がそこに保育所を自分のカネで建てて、開設し、運営する(⇒区は地代として賃料等収入をきちんと払ってもらう。)

・・・これが保育所の整備をめぐるカネと経営・運営の問題の全部だ。要するに、これほど明確な話はない。認可保育所は国の標準的な認可基準に基づく自治体基準だから、児童定員や職員定数、施設面積等や利用料は一定の基準があるが、保育にとって最も重要な位置を占めている保育職員の身分、雇用形態、賃金・労働時間、勤務形態、職場環境等、子どもの安全と健康、成長等に重大な影響をもたらす問題やそうした問題が現場で発生すること、事業者がそうした保育施設にとっての重要な諸問題に対応できる経営基盤を有するかどうか、事業者が社会福祉法人であるか、資本力ある民間企業であるか等は、区としては、基本的には、まったく関知しないということです。早い話、社会福祉法人や株式会社が応募で落札して、施設を建てても、職員が集められず、あるいは中途で職員数を維持できなくなり認可保育所を運営し続けることができなくなろうが、破綻しようが、杉並区としては、痛痒、責任はない。区としては、経営・運営できなくなって撤退したら、他の法人や株式会社に回せばいいという程度で、とにかく区は更地にして、上物をつくらせ、区に土地使用の賃料が入り続けるという関心と問題意識しかないのです。

 ▲(保育所への助成、補助金の問題は?)

「入ってくる事業者の主体・種類、規模、つくる施設の規模等によって検討することで、すべて、事業者がきまってからの話、いま答えられるような問題ではない。」「やらせてほしいと既に言ってきている提案型事業者も一定あるわけで、区としては、いっぱい公募に応じるところが出てくると思っているので、心配はしていないし、あまり考えていない」

⇒事業者自身による建設工事費負担という点も考えると、区としては、要するに、株式会社(民間企業)が認可保育所の圧倒的過半となると判断している、あるいは、提案型事業者が多数あるということへの区長コメントにみられる「自信の程」からすると既に事実上、選別候補はメドが立っているということでしょう。

・・・東京新聞5月20日によれば、18日の高井戸みどり公園に整備予定の認可保育所の建設に関する説明会では「50メートル四方ほどの同公園の4割を定員120人の認可保育所用地とし、5月中に保育所事業者を公募、8月には建設工事に入る――。区側はこんなスケジュールを明かした。」という。この急転直下のタイトな行程で、公園を更地にし120人規模の認可保育所の建築にこの8月から着工するというのだから、すべては選別候補企業と話ができていたうえで民間認可保育所を同地に強行開設しようとしていることはまず間違いない。

 

みなさん!これが、「保育所落ちた 日本死ね」という痛憤の訴え、保育所にわが子を入れられない、保活を続け、何度もはじかれ、落とされ、踏みにじられた親たち、非正規共働き世帯、ひとり親世帯、私たちの怒りに対する田中区長、杉並区の「緊急対策」だというのですよ!

 ・・・で、杉並区は、「認可保育所の大規模な整備」と言っているが、どんな保育所をつくると言っているのか?杉並区、田中区長は「保育人材の確保策を充実して保育の質を確保しますと言っています。5月13日の田中区長記者会見を引いた記事を5月15日の以下の記事後段でそのまま紹介しています。詳しくは以下をご参照ください。

4・18『保育緊急事態宣言』-5・13田中杉並区長記者会見批判★聖域なき区有施設の更地化と民間企業丸投げhttp://blog.goo.ne.jp/suginami-no-2/e/dd9e29151190ed68d4eb5b95747d368b

 次回に続く「杉並区・保育緊急対策」批判の続きとして

保育職の超低賃金非正規職問題と安倍政権の「総非正規職化・貧困」問題に踏み込んだ「すぎなみ保育緊急事態宣言」批判を予定しています。安倍も、田中区政もふざけるな、という話です。ここでは、同じ認可保育所でも、株式会社立ではなぜダメなのか、さらに進んで民営化保育は自治体立認可保育所でも保育職の非正規職化として激しく進んでいること、この問題について明らかにしていきます。核心に総非正規職化・貧困問題があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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