緑の館のマギー

嬉しい事も悲しい事も、
緑の館の落ちこぼれ妖精、
マギーのきらきら愛千パーセントの日々を綴ります。

蘭子と芒は良いコンビ

2015-08-29 04:26:07 | 日記
生来、外が好きで人が好きな蘭子が、益々家を留守にしたがる。
それは元に戻りつつある、病気が治りつつあるからだ、と蘭子は言います。
かなり違うとは想うけれど、陰に籠もって世間や自分自身を呪うよりはうんと良い。

手引きする人がいても、近距離さえ絶対車移動の蘭子が、
芒とマギーに促された事もあるだろうけれど、昨日の夕方、
スーパーマーケットから家まで自分の足で歩いて帰りました。
昔の記憶は驚くほど素晴らしい蘭子。
近道を的確に案内するんですが、芒は蘭子の言う通りには動きません。
ひょっとしたら、彼はわざと遠回りして、蘭子に自信を付けようとしていたのかも。
後どれくらいと尋ねる蘭子に、50メートルと、芒は何度繰り返したかしら?
2人の後ろを歩きながら、マギーはその度にこっそり笑っていました。
夫の雪柳には申し訳ないけど、蘭子と芒はあれで良いコンビかもね。

そう、8月24日の夜、マギーの目の前で激しく口論した雪柳と蘭子だけど、
夫婦喧嘩ってそんなものね、まだ一緒にいます(笑)。
あの夜、我が家に泊めて欲しいと頼まれたけど、檜とマギーは断りました。
蘭子が、芒も一緒に泊めてって言ったからです。
で、ともあれ、蘭子と芒、檜とマギーの4人で我が家近くの店で夕食にして、
何千回も聞いた蘭子の「一笑のお願い」で、あの夜は蘭子宅にまたお泊まり。
現在に至っています。

蘭子心と秋の空?

2015-08-27 18:29:22 | 日記
季節は確実に秋ですね。
朝、玄関に立つマギーに吹く風が、教えてくれます。
蘭子姫に一喜一憂、かなり激怒ながら、扱いにも少しは慣れて来たし。
9月からはマギーにも優しい風と雨、光が訪れます様に!

この夏は蘭子に振り回されたマギーだったね。
たとえ悪口に聞こえても、マギーの精神安定の為にも、
蘭子がマギーの目の前でした事、それに対してマギーが感じた事を、
たとえあなたが不愉快に感じても、ここに報告させてね。

8月24日は、蘭子が1泊2日でとある施設にお試し入園しました。
どうしても夫の雪柳と同じ屋根の下にはいられない、ゆっくり休みたいとかで。
(この台詞を吐く権利があるのは雪柳の方だとマギーは想うけど)
カラオケも友達を外から呼ぶのも自由と聞いて、意気揚々と出掛けたんですが…。
やっぱり家が良い、心臓がバクバクすると、夕食前にはその施設を飛び出しました。
1秒刻みで蘭子の気持ちはコロコロ変わるんです。

その施設内はまさにバリアフリー、職員もとても優しかったです。
蘭子に頼まれて施設に同行したマギーと、何度もおさらいしたんだけど、
独り用の狭い居室内の移動さえ、蘭子はマスターできませんでした。
1声掛ければいつでも、芒やヘルパーさんが駆け付けて、
蘭子の希望を叶えるのが当たり前になっているんですね。
家で待つ雪柳とタクシーで家に帰って来た蘭子とが、
マギーの目の前で派手に夫婦喧嘩したのは言うまでもありません。

This Burning Summer's Drawing Near to the End

2015-08-17 14:30:19 | 日記
ふと目覚めたら夜中の1時過ぎ。
檜とチューリップがSkypeしていました。
マギーも加わり、夜明けにはジョニィやいつものメンバーも加わり、
あの激しい雨の中、仕事に出掛けるメンバーを順番に見送って、
Skype会議は9時半頃にお開き。
このまま元通りの日常が帰って来るといいな。

ここにまだ書いてないあれこれが、蘭子とマギーとの間に今日まであったけど、
これからもそれはまだまだ起きて、2人は激しい口論になるだろうけど、
蘭子には今1伝わらないマギーから蘭子への想いが、
彼女の周りの人にはきちんと伝わっている事が解ってほっとしました。
2度目に偶然、蘭子のマンションの外廊下で会ったケアマネさんからは、
夫の雪柳を筆頭に、蘭子の周りが全て疲れ果てている。
マギーもおそらくそうじゃないかと訊かれました。
それは7月24日の夜のことで、マギーの答えは苦笑いだけでしたけど。
マギーが蘭子にした注意は、1週間蘭子宅に続けて泊まった野路菊もしていました。
置き場所が解っている物は、他人に持って来させるのではなく、蘭子が取りに行く。
友達やヘルパーさんは召使いじゃない。

でもね、8月15日を最後に、マギーは蘭子にはもう注意しない事にしました。
友達は止めないけど、接触の仕方は変える事にしました。
彼女にもはっきりそう伝えました。

蘭子は悪女?

2015-08-15 07:53:21 | 日記
蘭子を非難したものの、雪柳に謝りたいと激しく泣く彼女を放置できませんでした。
男友達とのカラオケや小旅行では出汁に使われていると感付いていながら、
それで少しでも蘭子が元気を取り戻すならと付き合ったのはマギーだもの。

「自分でも何をしてるのか解らないのよ。
夜中にマギーちゃんに電話した事さえ憶えてなくて、
折り返し電話くれたマギーちゃんに、夜中の電話は止めろって怒鳴った事もあるの。
Aに連絡を取るつもりなんて、全くないのよ。
またあなたを裏切った形になって本当にごめんなさい。
Aがこの事を息子に言って、息子が私に怒ったらどうしよう?!
あなた、息子の電話に出て、訳を話してくれる?」
これをさめざめと泣くって言うんでしょうか?

夜中の電話の事は本当だし、辻褄の合わないメールも蘭子はよく送って来るし。
彼女に懇願されたのも事実だけれど、不安が彼女を混乱に追いやるんだろうし、
マギーも雪柳に妻の状態を理解して欲しいとお願いしました。

今思い返せば、あれは本当に病気から来る不安からか、蘭子のお芝居か、
あれが悪女と言う人の手口なのか、やっぱりマギーには判断できません。

雪柳は、
「もういい。 何とかしてやるから」
と蘭子に言っていました。

暗闇が怖い! 独りが怖い!

2015-08-15 07:51:03 | 日記
今暫く、蘭子の話題に付き合って下さいね。
彼女との接し方をマギーに決心させた事件について話します。

蜘蛛膜下出血で倒れる前、ただ視力が落ち始めていただけの頃から、
蘭子には彼女に傅く男友達が現れては消え、消えては現れるの繰り返しです。
前の男友達と今の男友達と両方を連れて、食事やカラオケに行くんです。
檜やマギーが彼等に同行する事もあります。
蘭子の目になって世話を焼いて欲しいだけの相手もあれば、
どうやらそれ以上に必要に感じた相手もいた様です。
終わってしまっても、そう言う相手には足繁く電話やメールを入れます。
当然、温厚な雪柳さえもそれとなく注意します。
既に成人して離れて暮らしている息子からは、厳しいチェックが入る様です。

特にA氏はとても気の付く人で、この彼だけは失いたくなかったんですね。
蘭子自身からも頼まれて、彼女の携帯電話帳から、彼の連絡先を削除したのに、
彼女にせがまれて、別の誰かが別名でA氏を登録し直したんですね。
8月9日、マギーの見ている前で、A氏から、メールしないでくれと蘭子の携帯に。
呆れたマギーが思わず声を荒げて諫めたら、
蘭子は自分の行為より、それが息子に知れる事を恐れていると泣いたんです。
その時までマギーは知らなかったけど、これはもう2度目の事件だったそうです。
暗闇が怖い、独りが怖い、不安で心臓がバクバクする。
蘭子は言い募るけど、檜が脈を診るとそんな様子じゃないんですって。

人生途中で目が見えなくなるって事は…

2015-08-13 10:33:58 | 日記
7月22日、檜が蘭子に付き添って行った先は、点字図書館の用具部でした。
そこで買った、音声で操作できるICレコーダーの使い方を、蘭子が忘れたんです。
檜にも一緒に習って欲しい、蘭子がまた忘れた時の為に、との事でした。

そのICレコーダーは、ストラップを左手前にした状態で使います。
勿論、スイッチや各操作ボタンの位置を憶えたら、機械をどう向けても自由ですよ。
操作ボタンは大きさ、形、手触りがそれぞれ違う様にできています。

その位置と働きを、檜が蘭子に教えていた時です。
「細い縦線から左へ指を動かすと、ザラザラの大きめの四角いボタンがあるでしょ」
檜は蘭子と向かい合って、彼のICレコーダーを操作します。
「え?! ないよ。 ザラザラは左じゃなく上でしょ?」
蘭子が不思議そうに反論します。
「ストラップをちゃんと左手前に置いてる?」
「…?」
2人のやりとりを聴いていたマギー、蘭子の膝の上に指先を延ばしてみました。
機械は蘭子の膝から少し空中に浮いた状態で、蘭子の両手に包まれています。
ボタンを触る時、無意識にその手が機械を半回転させていたんですね。

何度トライしても、蘭子の手は操作するとき同時に、機械を回してしまいます。
殆ど見えないにも関わらず、蘭子は習慣でその見えない目に頼ってしまうんです。
11歳で全盲になったマギーにも似た様な体験があります。
自分の手の動きが深部感覚で捉え難いんです。
見えていたからとて、全ての人がその形や地図を頭に直ぐ描ける訳じゃないんです。
中途失明者の全てがカラーコーディネイトができる訳でもないんです。
先天性視覚障害者よりは色んな面で確かに有利ではあるけれど。

ところで、緑川家には蘭子と同じタイプのICレコーダーはなかった筈だけど?
ん? 蘭子に付き添った日に、檜も買ったんだね。

お姫様が友達の意味を一笑理解できなくても

2015-08-13 10:18:19 | 日記
7月22日、おそらく蘭子は2万円近くタクシーに払ったでしょう。
彼女の住む県庁所在地の市から支給される、障害者向けタクシー券を使っても。
その夜は芒が彼の車で蘭子を迎えに来ました。

この芒にはマギーもお世話になる事が多くあります。
蘭子の家に行く時、彼女の最寄りの駅までマギーを迎えに来てくれたり、
蘭子の家から帰るのが夜遅くの時には、家まで送ってくれたり。
そう、これからお話する蘭子に付き合う先々には、殆ど芒が彼の車で同行します。
蘭子にせがまれて蘭子宅で泊まる夜も、何故か芒が一緒なんです。
7月27日から8月1日までは、神戸から野路菊が来て泊まっていたし、
仕事として毎晩泊まりに来るヘルパーさんもいるし、
夫の雪柳とマギー達とで、多い夜には8人が蘭子と過ごした事も。

1泊だったり2泊続けてだったり、この20日間、殆どを蘭子宅で過ごしました。
7月25日と7月31日、8月4日、8月8日は檜も一緒に泊まりました。
8月11日は檜だけが泊まりました。
断固、マギーが蘭子の頼みを断ったからです。

そう、ある事件から、蘭子のマギーへの気持ちに確信が持てたからです。
蘭子がそうなら、マギーもその様に対応する。
それでも、1中途視覚障害者として蘭子が困っている時はきちんと手助けする。
そう決心したんです。
マギーは蘭子の友達でいたい。
けっして召使いじゃないって蘭子に行動で伝えたいんです。

友達は皆召使い?

2015-08-13 09:57:30 | 日記
ここに最後に来てから、今日で丁度20日。
蘭子をヒロインに中編小説が書けるほどに色んな出来事がありました。

「友達が欲しいと言うけれど、本当は召使いが欲しいんでしょ?」
そうです、7月22日、とうとうマギーは蘭子にぶち切れたんです。
「皆に迷惑掛けて本当にごめんなさい」
と蘭子は泣いたけど、電話を掛ける相手がマギーから檜に代わっただけ。
これが病気って奴ですか?
酷い言い方する様だけど、それで全てが許されるなら、マギーも発狂したいよ。
そうです、それでもまだ蘭子とマギーの関係は続いています(苦笑)。

この7月22日の事をもう少し話しましょう。
タクシーで迎えに行くから付き合って欲しい所がある、と早朝に蘭子から電話。
予約制で時間は檜次第で動かせるとは言え、当然朝から緑川治療院は営業中。
水曜日だから午後からは山吹が家事援助に来てくれるし、檜もマギーも忙しい。
マギーは蘭子の頼みを断ったけど、檜はそれを受けました。
山吹が来るのに間に合う様、昼までには必ず帰って来るからと。

約束通り、蘭子と檜は山吹が来る前に戻って来ました。
家には帰りたくないからと、山吹のいる間、蘭子は治療室で休んでいました。
彼女の求めるまま、治療室はお姫様ルームに整えられました。
そして、山吹が帰った後、マギーがぶち切れたんです。
「友達が欲しいと言うけれど、本当は召使いが欲しいんでしょ?」