東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

走れ!仙台 ゴールデンスランバー

2010-03-28 | Weblog
 ゴールデンスランバーの上映は4月2日までという。急いで行かなくちゃ、ということで Movixへ。何しろ仙台でオールロケという。原作は伊坂孝太郎、監督は中村義洋。新撰組の山南敬助を好演していた堺雅人が逃げる。ミッドナイトイーグルの竹内結子さんがまたいいママになっていた。

 仙台ロケといえば今村昌平監督の「赤い殺意」が有名らしいが、どういうわけか何かの手違いで未だビデオをみていない。その前に小林旭と笹森礼子!の「惜別の歌」のロケ地が仙台だったようだ。この高殿に登るかな、というフレーズは青葉城が対象だ。何たる青春時代の符合か。惜別の歌の基になっている島崎藤村は東北学院でごく短期間だが教鞭をとったことがあるという。ただ藤村の基盤は信州にあり、小諸城、上田城や高遠城などもイメージにあるのかも知れない。

 仙台の大学時代の教養部では知らず知らず文学に引き込まれた。宮城学院女子大学から川内の教養部に来られ講義されていた橋浦先生は島崎藤村の研究者だった。破戒、若菜集、小諸なる古城のほとりなどを今でも覚えている。また同じ川内の教養部でスイフトのガリバー旅行記を古語英語の原本で講義をされていた生地先生のこともよく覚えている。小生は半分ウトウトしながら夢見心地で名講義を聞き流していた。なんというもったいないことを! 既に生地先生は引退されたと思うが、その後、上智大学に移られたことをつい最近知った。

 さてゴールデンスランバー、堺雅人が仙台の街中を逃げ回る。国分町も団地も、あの橋も定禅寺通りも勾当台公園も、藤崎デパートも次々と出てくる。ケイタイ電話や広瀬川の七夕花火、何でもありだ。竹内さんや街の善人がサポートする。小生がお世話になっている他大学の先生と研究室の学生たちとバーベキューをした広瀬川に、最後は飛び込み、仲間が救いの手を差し伸べる。もっと逃げろ! そして生き延びろ!

そして伏線になっている音楽は Golden Slumbers, The Beatles.

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卒業生へ 太白山より感謝をこめて

2010-03-21 | Weblog
 今日は彼岸の中日、要領が悪いので仕事を片付けに職場へ行った。昼食は部屋で取るよりは太白山のふもとにでも行くかなと出かけた。強風の杉木立の中から、頂上を垣間見た。頂上が見えると登りたくなるのが本性かも知れぬ。ついでに山麓から鎖伝いに頂上に登ってしまった。風がうなっていた。

 大学時代に太白山に登ったことがある。仙台に数年居たが、さらば仙台よ、という前にあの三角錐のピークには一度は立ってみたいと思っていた。後に、カミさんの親戚の人が太白山付近でクマに追い駆けられたという笑い話のような冗談ではない実話を聞いたことがある。昔のことなので、小生は太白山の山麓までどんなルートを辿ったか記憶に無い。一人で随分歩いたような気がする。ただ北面から猛烈な薮の中、イバラに傷つきながら直登したことはハッキリ覚えている。いわゆるヤブコギ(薮漕ぎ)だ。そのころから単独行が多くなり、薮漕ぎや沢登りは六甲山と丹沢に頻繁に通い、谷川岳、八ヶ岳、富士山、北アルプス、南アルプスと繋がり、信州を中心によく通った。随分と遊んだ気がする。

 先週19日は卒業式だった。研究室の4人の学生のテーマは
・ 「追尾式熱電変換システムによる太陽エネルギー高効率利用の研究」:2月に日中ワークショップで発表した後、最後まで頑張った学生は3月に日本機械学会で発表した。
・ 「紫外線Bの植物へ及ぼす環境影響評価解析」:イネや他の植物の紫外線Bによる生育障害つまりDNA損傷の1つであるシクロブタン型ピリミジン二量体(CDP)を定量的に明らかにした。
・ 「光回復酵素遺伝子発現誘導の波長依存性」:昨年の先輩から引き継いでイネのCDP光回復酵素遺伝子の波長依存性を実験的に明らかにし、応用への道筋を示した。
・ 「木質ペレットと熱電変換素子による熱と電気の複合システムの研究」:1月に日本エネルギー学会のバイオマス科学会議で発表した。2月に日中ワークショップで発表した。中国側が大きな関心を持った。
 4件の卒業研究は我々単独の力では完成出来ない。他の大学の先生や研究機関の研究者のご協力があって始めてできた。ご指導頂いた方々に深く感謝の意を申し上げます。

 さて、太白山はほんの小さなピークである。一つピークを登ると次の山、槍ヶ岳、穂高岳、富士山、剣岳、そして(小生はまだ登っていない)エベレスト、次のピークが見えてくる。みんな同じことです。ただ、状況判断や心と体の準備が大変ですが・・・。みんなどんな人生を歩むのだろうか、何とか乗り越えてほしいな、と考えながら登降した。
 4年生は就職活動や大学院入試の勉強があり、卒論は実質的に半年で仕上げる。頂上に向かう若い人たちのエネルギーは素晴らしい。これが大学なのかと思う。今年と昨年の研究室の卒業生のみなさん、小生も随分勉強させて頂きました。それでは・・・

 太白山より感謝をこめて!


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先週は女川原子力発電所

2010-03-13 | Weblog
 今週始めは2年生からのリクエストで東北電力の女川原子力発電所を見学した。

 秋には会津の風力発電所に行ったので、学生は結構、エネルギーに興味を持っている。やはり二酸化炭素の削減、つまり地球温暖化ガスの削減に興味があるようだ。以前にも述べたが、2020年に25%の削減、2050年に80%の削減となると、中途半端でなく社会の構造を根本的に変えなければ対応できない。そこに新しいビジネスチャンスがあることを若い人達は匂いを嗅ぎ取っているのだろう。

 さて、原子力発電所に入ったのはこれまで数回ある。最初は大学3年から4年のいわゆる研修旅行だ。日立や東芝などに行った。行き先ごとにその企業に就職した先輩に説明して頂いた。浜通りの福島原子力発電所の建設現場にも行った。東海村のコルダーホール型の黒鉛減速炉も見た。会社に入って何年か経過したのち日本原子力研究所に出向し東海村に4年間住んだ。原子炉には何の抵抗感もない。研究所内の研究用原子炉4基とJPDRも見た。日本原子力発電の軽水炉も見た。炉心の上にも立った。

 今回の女川原子力発電所で炉心近くまで行ったのは久しぶりだ。炉心建屋でも放射線レベルは自然放射能以下だ。我々は学生時代に放射線レベルとリスクの関係を学んだ。ダイオキシンも放射線もそこに1個の分子や原子でも存在するだけで忌み嫌う人が多い。問題は定量的に安全かどうかだけだ。ダイオキシンも実際に空中に漂っている。その量が人間に危害を及ぼさない範囲であれば問題ない。もちろん管理できることが前提だ。放射線も自然界にいくらでもあり、肥料や土の中にも存在する。そのレベルが人間に影響するかどうかを判断することが重要です。それに加えてセキュリティを保つ管理能力があるかどうか、開かれた民主主義が存在するかどうか、包括的な技術力があるかどうだ。

 米国では原子力の発電単価は1kWhあたり2セント程度という。原子力は米国でも建設が再開する。中国、インドなども続々と建設が増える。フランスは70%が原子力だ。原子力は二酸化炭素の放出の相当量が圧倒的に少ない。二酸化炭素の排出を2050年に80%の削減となると、エネルギーは太陽光熱、風力などの再生可能エネルギーと原子力の組合せにならざるを得ない。問われるのは危機管理を含めた管理能力とそれを支える技術力でしょう。
 
 女川は久しぶりでしたが魚が豊富、リアス式海岸もきれいで、雰囲気が伊豆半島のようです。こんないいところに住んでみたいなと想った。

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惜別の歌

2010-03-03 | Weblog
「遠き別れにたえかねて この高殿に登るかな」

仙台の大学に来た
寂しさに耐えた
精一杯格闘した
友を次々と送った
国分町あたりで飲んで
くだを巻き青葉城まで歩いて登った
友に別れを告げた
仙台よサラバと自分も離れた

時が随分経った
また仙台に舞い戻った
先輩を送ることになった
我々はインテリジェンスを惜しむ
我々は自分の中の俗物や未熟と闘わなければならない
もっと謙虚に、もっと高いところを目指し闘わなければならない


惜別の歌
「悲しむなかれ我が友よ 旅の衣をととのえよ」

作詞 島崎藤村  作曲 藤江英輔


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