先週はCO2固定の機能に関し、森林の有効活用の調査で長野県の木曾に行った。研究会の幹事さんの事前の準備も完璧で、中部森林管理局の渡邊企画官と同じく木曽森林管理署の中村課長にご案内を頂いた。
やはり森林のプロフェッショナルの方の経験と知識は奥が深く、伺うことすべてに説得力があり言葉の端々にも裏づけされた道理があり理解が深まる。木曽五木のヒノキ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコ、サワラのこと、御樋代木(ミヒシロキ)、御船代木(ミフナシロキ)など御神木など木曽の山が伊勢につながっていることなど、歴史的な背景があることを再認識した。それに加えて今後の展開では、地球温暖化対策でCO2固定や森林活性化のために木材を循環させて森林を生かすことが特に必要で、土止めなど治山事業ではコンクリートや鉄に代わり木材を使用して生かす試みを先駆的に始めていた。
帰途は名古屋のCOP10生物多様性フェアに立ち寄った。企業が積極的に関与し取り組みが非常に速いことに感銘を受けた。企業の社会的責任CSRの観点からは地球温暖化対策と生物多様性はセットになって動き出していることが表面に出てきたことが印象的だった。
さて、そのCOP10も最終日を迎え、今日30日の未明にやっと一応の決着をみた。ポイントは「名古屋議定書」と「愛知ターゲット」。日経新聞によれば、名古屋議定書は過去の生物資源の利益配分を認めないこと、生物資源の派生物を含む余地があること、不正取得の審査機関を設置すること。愛知ターゲットでは2020年までに陸の17%、海の10%を保護区にすること、絶滅危惧種を強化すること。これらの合意は今後暫くは生物資源に対する世界の規範となることでしょう。