東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

第17回ヨーロッパバイオマス会議

2009-07-30 | Weblog
 第17回ヨーロッパバイオマス会議が6月末から7月始めにかけてドイツのハンブルグで開催された。
 
 ヨーロッパでは森林利用、ガス化などEUの計画に基づき粛々と、かつ各国が連携し、あるいは企業や各国が独自に特徴を出して実施しています。食料とバイオマスエネルギーの議論はもう結論が出たということなのか意外に少なかった。またバイオマス燃料の生産量の増大が結果的に開発途上国の森林破壊にまで関連するという連鎖の話もあった。
 その中で特に印象に残った点は microalgae と呼ばれる微細藻類の研究が目についたこと。目的は重質油の生産です。藻類の研究は、かつて日本でも精力的に実施され水素、エタノール、メタン発酵などが試みられたが収率や経済性に難点があった。またアカモクからのエタノール生産なども試みられているが、最近では重質油に着目しているようだ。もちろん海草利用もあり発表者は自分で macroalgae だと冗談を言っていた。この最近の藻類研究の動向を大先輩にお話ししたところ、試験管レベルではあらゆることが試みられ、原理的には水素から重質油まであらゆる利用が可能であり、それなりの効率も得られるが、実用化段階では経済性、技術課題、大量生産に到るまで規模拡大は簡単でない問題が幾つもあり、それと研究開発費の負担から途中で断念することも多い、とのことであった。

 ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から藻類の利用を考えると、廃棄物や副産物からの生産ではコストの問題も少しは緩和できるが、エネルギー源として大量生産を目論むなら、水面上の作業や水のメンテナンスなど環境負荷が大きくなる。バイオマスは現象そのものはカーボンニュートラルであっても、生産の過程で化石燃料の使用がかなりの量になることは周知の事実だ。その壁を技術的にあるいは政策的に乗り越えることができるか、それが課題です。

 さて、小生はバイオマスと他の再生可能エネルギーの組合せでリチウムイオン電池を活用するシステムを発表した。エコハウスにもつながる話です。興味を持った人がいた。省エネルギーとCO2削減、2050年までに80%削減するというテーマに世界中のみんなが向かっている。

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