博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

宇宙太陽光発電 2

2011年07月05日 | 環境・エネルギー
(昨日の続き)
 松本京大総長の研究グループが構想している宇宙太陽光発電(SPS)の内容は(詳細は同書をお読み下さい)、概要については次のURLをご参照下さい。
こちらです ⇒ http://www.blwisdom.com/ecotech/03/

 面積4平方キロ(縦2キロ・横2キロ)の巨大な太陽電池パネルを、上空3万6千キロの静止衛星軌道に打ち上げ、100万キロワット(原子力発電所1基分)の電力を地上に向けて24時間供給するというものです。
 現在宇宙空間にある人工構造物としては最大の国際宇宙ステーション(ISS)の全幅が約108m重量約344tですから、これがいかに巨大な構造物か分かります。これほど巨大になると太陽光の圧力による宇宙ヨット効果も無視できなくなり、時々軌道を戻すためのロケット噴射が必要になるでしょう。これは太陽光からエネルギーを収集するイオンロケットを使えば対処できるような気がします。イオンロケットは推力は弱いですが常時・長時間の噴射が可能なので、長期にわたる姿勢制御が可能になるのではないでしょうか。その実用性は小惑星探査機「はやぶさ」で実証済みです。但しこれほど巨大・大質量の設備に現状のイオンロケットで間に合うかどうか分かりません。また微小隕石などの衝突も心配です。静止衛星軌道のような高高度になると人工物のデブリ(人工衛星やロケットの破片)は逆に少なくなるでしょうからそちらは余り心配はないでしょう。
 こういったことを考えると時々有人によるメンテナンスが必要になるでしょう。ある程度の期間にSPS施設に滞在するための有人モジュールも必要になるでしょう。現在のISSよりも高高度になるので宇宙放射線対策が重要になるでしょう。
 あと、どの資料にも書かれていないのですが、地上に照射するマイクロ波(レーザーを使用する可能性もありますが)自体が地球大気を加熱する効果はどの程度なのでしょう。SPSの火力発電代替による二酸化炭素削減効果は年間600万トンと見積もられていますが、それを台無しにしない程度に収まるかどうかが心配です。マイクロ波(レーザーでも)自体は大変収束されているので、大気圏へのロスによる加熱効果は少ないのでしょうが、SPSが多数設置されるようになった場合の予測は必要だと思います。

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1 コメント

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Unknown (じゅんじ)
2011-07-06 00:52:12
ソ連時代に作られた地下原発。しかも3基も。地下200mの固い岩盤にこれだけの施設を作ったことが驚くべき偉業と書かれてしまっています。確かに。
原子炉のひとつは今も現役で電気と温水を市民に供給中。私、原子力専門英語はわからないのですが、使用済み燃料貯蔵施設と再処理施設も着工されたが1989年にチェルノブイリの影響で中止、使用済み燃料貯蔵プールだけは完成したが a large section of the reinforced concrete framework of the unfinished plant is collapsing. と、崩壊がis ~ingの現在進行形。しかし何やら新施設の建造も進行中。・・・でいいのかな?豪快すぎます。さすがソ連。

http://www.cncp.ru/eng/cities/zhelez/zhelez.shtml

平成4年の初冬、大学の学報に、「ロシアの地下原子力発電所を見学してきた。まるでSFの世界だった」(概要)という記事が載っていたのですが、それが地下何百mだったと記憶しています。しかし上記ページの町は、今も地図に載っていない秘密閉鎖都市ですし(google earthの時代なのにさすがロシア)、その記事を書いた母校教授は他のソ連地下原発を見てきたのだろうか?(もっとあるのか?)

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