博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

宇宙太陽光発電

2011年07月04日 | 環境・エネルギー
 宇宙太陽光発電(Space Solar Power Systems (SSPS))とは、宇宙空間に超大型の太陽電池パネルを広げ、太陽光発電によって得られる電力をマイクロ波に変換して地球に届けるという壮大な構想です。1968年にアメリカで初めて提唱され、70年代のオイルショック後のカーター政権時代にかなり真剣に検討されましたが、その後の原油価格の安定と下落で計画は中止されました。1990年代以降は、日本の国内大学、経産省、JAXAなどで検討が進められ、ちょうど2年前の6月に公表された内閣府の「宇宙基本計画」中に、今後5年かけて開発利用を進めると明記されました。
 写真の本の著者は京都大学総長の松本 紘教授で、1980年代初頭から30年もこの宇宙太陽光発電の研究を進めてきた方です。実際に宇宙空間で電力を送電する実証実験を日米共同で実施したり、無人飛行機にマイクロ波で送電し飛行させる実験などを成功させています。松本氏は、今回の大震災に伴う原発事故を受けて、この宇宙太陽光発電を日本が実用化し世界をリードすべきと説いています。日本が力強く立ち直り、生き残りを賭けて宇宙という新領域に大きな一歩を踏み出すべきというメッセージで結んでいます。
 確かに宇宙空間で太陽光発電を行なえば、宇宙には(正確には静止衛星軌道上)夜が無く24時間定格出力の発電が1年中継続できる(厳密には1年のうち春分と秋分の日にごく短時間地球の影に入る時に中断します)。雲も無く雨も降らないので出力低下も起こらない。という具合に太陽光発電の弱点をほとんどカバーできます。大出力のマイクロ波の生体への影響も送信エネルギー密度を低くすれば問題ないという研究結果も出ています。コスト的にも現在の技術で原発に対抗できるまで落とすことは可能だそうです。
(続く)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。