(昨日の続きです)
西鉄バスのホームページの解説によりますと、同社が電気バスを導入した最初は1934年(昭和9年)という、何と90年も昔のことだそうです。ガソリンの節約が動機だったそうで、その後第二次大戦後のガソリンの入手難もあり1954年(昭和29年)まで運用されたそうです(注1)。それが21世紀の現代に復活したということです。
意外なことに電気自動車の発明は19世紀に遡るそうです。
ー1881 年にパリで開催された電気の博覧会(Exposition Internationale d 'Électricité)にフランスのGustave Trouve が3 輪自転車に0.1 馬力のモータを取り付けた車両を展示した。これが2 次電池を使った充電式の最初の電気自動車であるといわれている。その翌年の1882 年には、パリバス会社が50 人乗り馬車を電気自動車に改造して試作したとの話がある(注2)ーということだそうです。何と140年以上も昔です。ビックリですね。翌1882年に架線により外部から電力供給を行うトロリーバスが試作され、1901年にドイツのドレスデンで公共交通として運用されるようになったそうです。考えてみますとモーターとバッテリー(蓄電池)の組み合わせがガソリン車、ディーゼル車等の内燃機関よりも構造がシンプルなので開発も早かったということなのかもしれません。しかしバッテリーの蓄電能力が昔は低かったので、なかなか実用に結びつかなかったのでしょうね。1回の充電で300キロを超えて走行できるようになったのは比較的最近のことですね。世界で最も走行距離の長い米国のテスラ「モデル3」で最長689キロで、日本車ではスバル「ソルテラ」が567キロでトップだそうです(注3)。しかし冷暖房の使用や上り坂での運転などで走行距離は短くなるそうですし、バッテリーの経年劣化という問題もあります。特に冬季は雪に降り込まれての渋滞などで長時間の暖房でバッテリーが保つか心配ですね。ただし、そういう場合は内燃機関車でも排気管が雪で詰まって一酸化炭素中毒になるリスクがあるので一長一短でしょうか。
(注1)https://www.nishitetsu.jp/electricbus/
(注2)森本雅之(東海大学)「電動バスの歴史」1頁
※上の写真は先論文から引用させていただいた、1948年当時の西鉄電気バスの写真です。
(注3)https://221616.com/car-topics/ev-range/