すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

なんなら、地に足をつけなくとも

2021年02月05日 | 読書
 ヨシタケシンスケの新作を読む。

『あつかったら ぬげばいい』(ヨシタケシンスケ  白泉社)

 15×15㎝のサイズで、『わたしのわごむはわたさない』の感じだろうか、読み聞かせするとすれば、TV画面で映したほうがいいかなと思いつつ、めくってみたら…

 これがこれが、なかなかの哲学?バージョンで、『もしものせかい』に少し似通った印象をうける。 


 題名のように「問い」と「行動」がセットになって見開きで進む。
 題名がスタートで、結びは「さむかったら きればいい」だ。

 その二つだけで結論付ければ「自然体のススメ」とでも言いたくなるが、そんな単純では、ヨシタケワールドとは言えないだろう。


 パターンを探る。

「ヘトヘトにつかれたら」
→「はもみがかずに そのままねむればいい」

 これは「休めばいい」の即断かつ具体形である。

「ふとっちゃったら」
→「なかまをみつければいい」

 通常「やせればいい」「食べるのをへらせばいい」と流れそうだが、ひねり方が入ってくる。
 つまり、結果寄り添い系、発想転換系とでも名付ければいいか。

 このパターンは結構見られる。

「なにもかも どうでも よくなったら」
⇒「コンビニで バカみたいに かいものすればいい」

と思うと、かなり提案的な、作戦として効果があがりそうな展開もある。

「だれも きずつけたくなかったら」
⇒「じょうずな うそをつけばいい」


「よのなかが みにくく おもえて きちゃったら」
⇒「ひかる がめんを みなきゃいい」


 一貫性や汎用性があるかと言えば、「どうでもいい、楽しいし」と答えてもいい絵本だ。

 


 一番、同感したのは、これかな。

「おとなでいるのに つかれたら」
⇒「あしのうらを じめんから はなせばいい」


 地に足をつけなくても生きていけるさ!と思うこと。
 違うか。