銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)ー過去の教訓と体験から学ぶ

2021-08-31 07:56:00 | 博物館


今回は、そなエリア東京にやってきました。こちらは、ゆりかもめに乗って有明駅を下車すると、すぐ目の前にあります。



敷地は国が管理する国営公園です。防災拠点を目的とした国営公園はここが日本初なんだそうです。
ふだんは都市公園として開放されていますが、災害があると一転して災害対策本部に切り替わります。一般市民は退去させられ、近くの公園に避難誘導されます。





入り口です。



中に入ったところ。とても広い空間になってます。様々な機材を運ぶのにこれぐらいのスペースが必要なのでしょう。



奥にはお土産屋さんがあります。人が少ないせいか、活気がまったくありません。



災害時は臨時の現地対策本部になることが説明されています。ここが震災時の最前線になるわけです。



ここは1階と2階、それに屋上まであります。屋上にもでることができます。



訪れたのは8月下旬だったためか、防災の日(関東大震災が起きた9月1日)にまつわる解説が展示されてありました。




ここの目玉はなんといっても、防災体験学習「東京直下72hTOUR」です。
文字通り、直下型地震に襲われてから72時間を生き延びることができるのかタブレットクイズに答えながら疑似体験するというものです。

受付の左側にある窓口に進むと、年配の男性が対応してくれました。上の名前(名字)を聞かれ、始まる時間に近づいたら足のマーク(入り口の目の前にある)のところに集まってくださいと言われます。
時間になると係りの女性がやってきて、中の受付でタブレットを受け取るように案内されます。
受け取ったらエレベーター(シミュレーション用)前に集まり、ここで全体の流れが解説されます。
本来ならエレベーターが開くとエレベーター内でイベントが発生するのですが、いまはコロナ渦ということで密を避けるため中止になっています。
エレベーターが開くと、そのまま前に進みます。



設定は、12月の寒い冬のさなか。デパートのエレベーターに乗ると、とつぜんドドーンという激しい揺れに襲われ、非常口から逃げ出すという想定です。
エレベーターから降りると、このように真っ暗な中を歩きます。

しばらく歩くと、視界が開けてきて地震で大きく破壊された街の景色が目に飛び込んできます。ビルが崩れたり、電柱が倒壊したり、激しく損害を受けてることが分かります。
そこで受付をしてくれた年配の男性が待っていて、タブレットでクイズに答えるように言われます。
タブレットには星印がついていて、その近くに来たら「到着した」ボタンを押すと、クイズがはじまります。





写真では伝わりませんが、やたらとウルサいです。ヘリコプターの音やサイレンの音、テレビ放送の音声だったり、とにかく騒々しい空間でした。



大型テレビではフジテレビのマークをつけたヘルメットをかぶるアナウンサーが震災状況を伝えています。



中がぐちゃぐちゃになったコンビニ。





地下鉄の出入り口。



遠くでは火が燃えていました。





足下が綺麗すぎるのは違和感がありますが、これはシミュレーションの安全性を考えたら仕方のないことでしょう。

クイズが終わると次は短編映画の鑑賞で、ヘリコプターの視点から被害状況を伝える映像が流されます。



その次がこちら。ここは避難所を再現したもので、どうやって過ごしたらいいのか様々なヒントが解説してありました。




 
マンホールトイレ。震災時のトイレ事情は切実なものがあります。入れるものは多少ガマンできても、出すモノは我慢できないからです。









簡易トイレの作り方と方法。ポンチョをかぶってトイレを済ませるとあります。
人に見られる可能性を想定した格好なので、よっぽど切羽詰まった状況でなければここまでする必要はないでしょう。





こちらは避難所の過ごし方を解説したもの。ダンボールでベッドを作ったりしてあります。



これは狭いし、床の冷気などが直接当たって寒いと思われます。プライバシーもほぼありません。


となりは若干広いのですが、それでもまだ改善の余地は十分ありそうです。せめて外から見えないようにしてほしいと思う一方で、体調不良などが見逃されてしまうケースもあるだろうし、なかなか両立は難しそうです。



今の時代だと大きな問題点は、スマートフォンなどの充電をいかに確保するかではないでしょうか。
ここでクイズは一旦終了して、タブレットは返却口でスタッフに手渡します。なんだかんだで節目節目にスタッフがおり、最後まで自分のペースというわけにはいきませんでした。



出口を抜けると津波を解説したものが目の前にあります。



階段を上ると


防災学習ゾーンです。こちらは東京直下72hTOURに参加しなくても見られるスペースになります。







関東は周期的に大きな地震に見舞われていますが、今のところ周期の半ばといった印象です。ただ、大地震はいつ起きてもおかしくありません。









次に続くスペースは、どんな工夫で対処できるのか様々な道具の活用方法が紹介されています。





いつの時代も困難を乗り越えるのはソフトパワーです。知恵と勇気(決断)が事態を好転させます。



備えあれば憂いなし。最後に自分を助けるのは自分です。そして誰かを助けるにしてもまずは自分を助けることが大前提になります。





アルミブランケット。過去に試してみたことがあるのですが、とにかく湿気が逃げないから結露がすごかったです。これを被るなら新聞紙を被ったほうがまだマシと思いました。本当になにもない時に使うものですね。


 
ガスメーターの復帰方法。地震のあとに止まったままだと使えないので、知っておくべきマスト情報です。



あとはアニメが上映されていました。



出口を抜けたところ。



そこには実際に震災を経験した人たちの役に立った話が掲載されていました。



ちょっと長くなりますがピックアップしてみると、

・津波で流されたときタイヤにつかまって泳いだ 疲れたら仰向けになるといいと教えられていて助かった
・日常飲んでいる薬の説明書は必ず身につけておくといい 薬をもらうときに必要になる
・簡易トイレを用意しておく 女性特に妊婦さんには仮設トイレは厳しい
・懐中電灯や携帯ラジオはベッドや枕元に固定しておく 大きな地震では5メートルくらい飛んでいく
・意外と役に立ったのはちり取り 漏水した水を汲むには一番! トイレを流すのに十分使えた
・給水車から水をもらうときバケツの中にビニール袋を!!! 口を縛ればほこりも入らず運ぶときにこぼれなかった
・助けを求めるときは声を出すより物をたたいた方が音が響いて伝わる

などが紹介されてありました。



今度は屋上にむかいます



屋上への案内



階段かエレベーターでのぼると



こんな風に庭園がみえます





外にでたところ



この電波塔を介して情報をやりとりするようです







周辺の地図になります



公園の敷地名称や機能を紹介してありました。



ヘリポートが奥にみえます。






楽しく学べる防災教育施設でした。
だ、注意したいのは実際の災害時においてマニュアル通りに正しい答えというものは存在しないということです。このコロナ渦においてもしかりです。
重要なのは、現状をしっかり把握して、その時そのときに自分で考えて行動できることではないでしょうか。
その心がけを学びたいところです。







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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (southandnorthface)
2021-09-02 06:20:48
@rose-tky モンモンさんへ

おはようございます。

とんでもないです。
自分もなにも知らないで入ったので驚きの連続でした。
こういう豪華な施設があるのはいかにも東京だなぁと思いました。
またいつか行ってみてください。
この日は暑すぎて公園は散策しなかったのですが、自分も涼しい季節なったら周辺を歩いてみたいと思いました。
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Unknown (rose-tky)
2021-09-02 05:46:28
ユーユーさん おはようモンモン

お返事ありがとうございますピヨピヨ

記事 529 530 にヘリポートのこと書きました。この館内には 行かず いつか行ってみようと思います そんなにすごく役に立つエリアと知りませんでしたわあ!

ありがとうございます
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Unknown (southandnorthface)
2021-09-01 06:19:52
@rose-tky モンモンさんへ

こちらのヘリポートに来られたことがあったんですね!

ここは対策本部になると一般人は立ち入り禁止なので、たしかに知らないとなんなの?と思ってしまいますよね。

この施設はほんとたまたま見つけたところで、夢の大橋のところで聖火台を見に行って、花畑があるところをブラブラ歩いてて、有明駅まで来たらなにこれ?と発見したところでした。
かなり前にテレビでそなエリア東京を紹介したニュースを見たことがあったので、あぁここがそれなんだと腑に落ちて、気がつけば中に入ってました笑

入館料は無料ですし、これから台風とかのお役立ち情報もあると思いますし、是非行かれてみてください。
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Unknown (rose-tky)
2021-08-31 23:33:02
うわあ ユーユーさーん ここ行かれたんですか?モンモンもこのヘリポート見にきましたが 館内には 入るませんでした。

以下引用
災害時は臨時の現地対策本部になることが説明されています。ここが震災時の最前線になる
引用終了

ええーウッソーーーーーー

東北大震災の時 お友達が駆けつけたけど 閉館中って書いてあって機能しておらず その話聞いてから モンモン怒って この建物 嫌っていたんですよ!

こんなにすごいんだーーーーーー

知らなかったわあ!

モンモンもいつか行ってみようかなあ!

体験中に本当の地震が起きて 閉館しちゃうかもねえピヨピヨ アッハッハ

すごく役に立つ情報をありがとうございます😊

ユーユーさんは 偉いわあ!
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