#あづま湯
JR横須賀線
#東逗子駅
▲東逗子駅
▲遠い田舎に来たキブン
▲逗子は山に囲まれ、海にも近い。鎌倉と横須賀に挟まれた場所だ
▲駅前の空き地では夏祭りの準備中
▲改札口
▲案内板には、ウォーキングガイドがある。遭難多発の文字も。そんなに山深い場所とは思えないが…
▲改札口を抜けると
▲スリーエフのある左側に進む
▲おしゃれなパン屋さんなんかもある
▲わかりにくいがこの道路の下は川が横切り、目の前の通りは橋になってる
▲その橋を渡ってすぐ右の道に進む
▲右に向かったところ。目の前の横断歩道を渡ると
▲左の電柱に、あづま湯の案内がある
▲そのまま直進すれば
▲左手にあづま湯がみえてくる
▲狭いけど駐車場もある
▲到着
▲海からのお客様へと、山からのお客様への案内。土や砂を持ち込むので、それに対する注意書きだ
入り口は引き戸で、入ってすぐのところに下駄箱がある。左右に設置してあるが、手前右のところは棚になっており、こちらは長靴とかブーツを置く人向けである。
ここは下駄箱の札とロッカーの鍵を交換するので、棚に靴を置く人もどこかの下駄箱の札を取らないといけない。
奥の入り口は自動扉で、タッチしてあけると、すぐ目の前が受付のフロントになっている。座るのは、50代半ばぐらいの女性。落ち着いた佇まいで、信頼できる印象の人だ。
入浴チケットは、左に設置された自販機で購入する必要がある。わざわざ目の前に人がいるのに自販機で買う意味が分からないが、お金を管理をするうえでこっちのほうが楽なのだろう。
入浴料は530円でフェイスタオルのレンタルは50円。合計で580円だった。
休憩所は受付の左側にあり、思ったよりも狭いところだが、お洒落な喫茶店のような雰囲気。
脱衣場は右側で、右に向いて左が男湯で、右が女湯。
のれんをくぐると、脱衣場もやはり小さかったが、かなり洗練された空間で、テーマもしっかりしている。
ロッカーは左右の壁側に並び、右がAと表記され、左がBと表記されている。受付で渡されたのはBだったので左側のロッカーを使うことに。
ロッカー自体は金属であるが白く塗られ、金属にありがちな無機質な印象は与えない。
一つひとつがやや大きめで、上下に分かれていているので使いやすい。
手前にはトイレがあるが、使ってみると通常のトイレと立ちトイレがある。
ほかに目に付いたのは、「海からの人」への注意書き。
ここは立地上、山からの人と海からの人も訪れるので、海の人は立ちシャワーのところで水着の砂を落としてほしいと書かれてあった。浴室内では洗濯禁止とあり、その代わりなのか洗濯機が鏡台の横に置いてあった。
浴室の扉をあけると、浴室もまたそんなに広くはなく、幅が狭い縦長の空間になっている。
カランは、左手前が前後で4つ並び、あとは右手前に立ちシャワーが1つ。右壁沿いをずっとカランが奥まで並んでいる。
カランの作りはプッシュ式でハンドシャワー。温度調節もできて一般的なスーパー銭湯とほぼ変わらないが、このプッシュボタンがちょっと曲者で、軽く押すと一応ボタンは下がるのだがそれでは反応せず、どうやら強く押さないとダメなようだ。設備はかなり新しいので、故障ではなく仕様である。
浴槽は左側に並び、最初の浴槽が熱湯。2人が入れる程度で、足を突っ込むと44~45℃程度かなといった感じだった。それなりに熱いが、極端に高いわけではない。
お隣が主浴槽で、熱湯よりさすがに低いだろうと油断して入ったら、熱湯とまったく変わらず。これだと熱湯の存在意義はどこにあるのか。
主浴槽は向かって左(手前)側が気泡風呂(バイブラ)で、真ん中はボディジェットのような設備。ボタンを押すと噴出する。一番奥に電気風呂がある。
ここで感心したのは、タイルによって図柄が表現されてることだ。このセンスは冴えてると感じた。
たとえばテトリスのような形で雲が表現されている。タイルの半分は黄色に塗ることで三角に見えるが、その三角形を組み合わせることによってヨットを表現していた。緑の塊は、山だろうか? まさに逗子の風景だ。こうしたタイルを使った表現は今までなかったので斬新だった。
出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用
▲写真は女湯。男湯と微妙に違う
出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用
一番奥には、別の空間のように入り口がすこし囲い込むようになっていて、そこだけ外壁が黒く塗られている。左の壁沿いに炭酸泉がある。
3人ぐらいが入れるスペースで、温度は38℃ほど。炭酸の濃度は正直高いといえず、ほぼ炭酸の効能は感じなかった。
しかし面白い試みだと思ったのは、コピーされた絵本がラミネートで外壁に張られてあったことだ。
全部ではなく、数頁だけ週ごとに入れ替えてるようである。なので次回は次の日曜日と予告されてあった。
この時に張られてあったのは「かわいそうなぞう」(文つちや ゆきお 絵たけべ もといちろう)である。
内容は、戦時下において餌をもらえず苦しむ象と、その姿があまりに不憫で耐えきれず餌を運んでしまう飼育員を描写した場面である。読んでてうかつにも泣きそうになってしまった。
こども向けの言葉であるが、大人が読んでも感銘する文章だった。
この絵本が飾られてあったことで、先ほどの主浴槽のタイルの謎が解けた。ここは絵本の世界観をもちこんだ空間だったのだ。こういうテーマを取り込んだ感性の良さに脱帽した。
そういえば入り口の棚下には、子ども用の椅子や桶が用意されていたり、子どもを意識してることが随所に感じられた。
客層は脱衣場に入ると、若い人が「あちぃ」と言いつつドライヤーをかけながら鍛えられた体を披露しており、若い人にも支持された銭湯であることが分かる。浴室では高齢者が数人おり、中高年もチラホラと年齢層は幅広い。
東逗子は鎌倉の近くありながらほとんど地元民しかいないような田舎であるが、海の近くには日本有数の高級住宅街があったりと、知る人ぞ知る景勝地である。そうした周囲の環境と調和されたデザインは本当に見事だった。
絵本の世界が銭湯と親和性があるのも大きな発見だったし、なによりもその選択眼は最後まで感心しきりだった。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 東逗子
経路 川をわたる
周辺の環境 山、住宅
●空間演出
建物外観 最新の建物
壁画・眺望 ドット絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう
★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 熱湯、バイブラ、ボディジェット、電気風呂、炭酸泉
サウナ なし
温度 44℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 落ち着いている
清潔さ きれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり
◆人
受付 50代の女性
客層 幅広い年齢層
【案内】
住所
〒249-0004
逗子市沼間1-19-11
電話
046-871-3929
営業時間
土日祝13:00~22:30
平日15:00~22:30
定休日木曜日
※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ転載