那須太社 錦輔 の日記

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宮沢賢治 「告別」 土田世紀 編集王

2020-02-16 13:41:13 | 読書感想文

漫画家の故・土田世紀氏の編集王という作品で、宮沢賢治の詩、「告別」を知った。

漫画家を志す山形青年と、彼の才能を愛してはいるが、雑誌を売るため読者に迎合し、山形青年の作品掲載をあきらめて、エッチな学園物漫画の連載を始めた編集者の疎井。

その二人が離別する場面で背景に流れる。

何度読んでも感動するシーンだ。

その中で、「ひとさえへひとにとどまらぬ」というフレーズがあるのだが、その意味するところの解釈ができず、ネットで検索していたら、宮沢賢治について意外なことを知った。

1)宮沢賢治の実家は裕福だった。

2)高校教師として5年ほど勤務したが、当時の高校教師はエリートだった。

3)楽器はあまり上手ではなかったが弾くことができた。

意外なことばかりだった。

貧しくて不器用な人、のようなイメージを持っていたが実際はそうではなかったよだ。

賢治は5,6年で高校教師をやめて自作農民として暮らし始めたのだが、そのための家や農地も実家から与えられたものだったという。

当時、周囲には金持ちのボンボンの道楽、と批判する者もいたらしい。

 

また「告別」には特定のモデルがいて、沢里武治という賢治の生徒だという。

彼は絶対音感の持ち主だったが、農家を継ぐため音楽の勉強を続けることができないのである。

生徒、沢里に教師、賢治の贈る言葉が「告別」だったのだ。

「おれはもう四月には学校にいないのだ」という言葉が急にリアルになってくる。

コメント
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