那須太社 錦輔 の日記

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文人暴食 3

2011-08-08 22:08:34 | 読書感想文
まだ「文人暴食」を少しずつ読んでいる。
「文人悪食」はあっというまに読めたが、暴食の方は同じテーマの2冊目、という事でやや題材となる文豪が小ぶりになったのかな、と思っていたが凄い文人が出てきた。
吉田一穂(よしだいっすい、と読むらしい)。
嵐山さんの引用している一句に痺れた。

 詩篇「母」

 あゝ麗はしい距離(デスタンス)
 常に遠のいていく風景・・・
 
 悲しみの彼方、母への
 捜(さぐ)り打つ夜半の最弱音(ピアニシモ)。



これだけである。
前後の物語は簡単に説明してあるけど、詳しくは分からない。
でもそれで十分だった。痺れた。

俳句とか詩とか、あるいは絵画などは第一印象で好きになるか、ならないか、が大きいと思う。

そこから、深く意味を探っていく人もいるだろうし、その作者の仲間の作品を探すこともあるかもしれない。そうやって色々知っていくうちに、昔はぜんぜん気に入らなかった抽象画がちょっと良く思えたり、詩が心に沁みてきたりといったこともあるだろう。

が、とにかくこの「母」という詩は私、ドンぴしゃり、直感で大好きだ。

ちょっと宮沢賢治っぽいかも?
賢治は、東北弁と医学用語っぽいドイツ語の語彙(多分)がちりばめられていて、華やかな色を感じるのだけど、この詩もそんな感じがする。

デスタンス、とかピアニッシモ、とかの使い方が綺麗だ。
漢字で書いておいて、英語の振り仮名をあてる。

この詩を知ることができただけで、文人暴食を読んだ甲斐がある、など言うと著者嵐山さんに悪いかな。
インターネットで検索すると、岩波文庫で作品集がでている。
そのうち読んでみたい。
今は買ったは良いけど読んでない本が溜まっているので、それを片付けたい。
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