正月三が日が過ぎ世間もボチボチと動き出した。次回の窯立てのために
枝木を集めていた時、ふと旧窯での思い出が浮かんできた。窯立てを終え
火入れをし順調に点火した模様と判断してから暫く経ったら、突然というべ
きか煙突から煙は殆ど出なくなり、どうも火が消えてしまったようだ。このよう
なことは想定されるべきことではないから対応方法も想定されてはいない。
しかし、いつものことながら窮すると昔の知恵が助けてくれる。誰が絞り出し
たのか定かではないが・・・・
炭木の上に置かれた枝木が奥の方で消えたものだから、再び焚口から火
を焚いても奥の枝木に火を点けることは無理である。そこで、枝木の所まで
藁を詰め込み火を点け枝木に点火するまで燃やし続けた。窯の中の温度
が下がっていなかったことも手伝ったのか点火状態に復旧させることができ
た。こうして危機を乗り切った末の木炭は従来のものと変わらない質のもの
が産出された。
火が消えた原因は不明であるが以前、以後ともこの1回のみ。
枝木の詰込みがあまりにも疎であれば起きる可能性はあるが、当時の作業
状況からは考え難いものの『うーん』と唸りたくなる。
山行きをして材料を調達する時、炭木のことを中心に考えがちだが、枝木
の果たす役目は大きく一目も二目も置くようになってきた。
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