1月13日(金)晴れ。
朝食は、小ぶりの丼で天ぷらそば、鮭。昼は、トースト一枚。夜は、お世話になっている方と自宅近くの「浜一寿司」にて時局を肴の一献会。
今から36年前は昨夜から南関東に珍しく大雪が降った。翌日は晴れたが、雪で道路は渋滞し、午前中に決行予定が大幅に遅れた。その日から囹圄の身となり、戦線に復帰したのは4年後の事。早いもので、それから36年が過ぎた。私は36歳だった。たまに当時の「独醒記」と題した日記を読み返すことがある。文章の練習をしようと思い、毎日ノート一枚に心境を綴った。読了した本の「読書ノート」も書いた。最低、一月に二〇冊の本を読むことをノルマとした。読了した約九〇〇冊の本。決して負け惜しみではなく、いい時間を過ごしたと思っている。あの時間がなかったならば、今の自分はなかったと自負している。いやそう思わなければ、囹圄の時間が無駄になってしまう。
古希を過ぎて、若い頃の時のように気力や忍耐力が無くなっていることを実感している。文章を書くのも、機関誌を出すのも辛く、止めようかと思うときがある。そんな時には、この運動に入ったばかりの頃に、当時、学生青年純正同盟(学純同)の事務所にあった、確か『帝都日々新聞』や『実業之世界』を創刊した野依秀一先生の、「いまやらなければ、いつできる。おれがやらなければ、誰がやる」の書の言葉を思い出すようにしている。人に言ったことはないが、恥ずかしながら、以来その言葉を私の座右の銘としている。
随分前に、古書展で文化勲章を受章した彫刻家の平櫛田中の野依先生と同じ言葉を書いた額を見つけて買い求めた。野依先生の書と多少の字句の違いはあっても、言わんとすることは同じだ。事務所か自宅に掛けようかとも思ったが、野依、平櫛の両先生から「何だそのザマは」と叱られているようで飾らずにいる。もう何かできる歳ではないので、お世話になってる後輩の会社に寄贈するつもりでいる。