白雲去来

蜷川正大の日々是口実

昭和の正月の風景などない。

2023-01-13 12:19:13 | 日記

1月5日(木)晴れ。

朝食は、鮭、いくら、ボタン海老の「頭」の味噌汁。昼は、トースト一枚に野菜スープ。夜は、ミスジ、キャベツのコールスロー、イタリアンドレッシング和え、結び白滝の炒め物、錦糸町のキムチ。この錦糸町「223」のキムチは絶品で、豚肉と炒めたり、鍋に入れたりしてあっと言う間に食べてしまう。そういえば民族革新会議の同人の中川明夫さんの奥さんは料理上手で、民革の忘年会などに以前は良く料理を作ってくれていた。その中で、「結び白滝」の炒め物が好きで、見よう見真似で作っているが、中川夫人の域には達しない。お供は「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。

私が小学生の頃、昭和30年代。正月の風景と言えば、路地で独楽回し、羽根つき、横浜は三春台という所にある関東学院のグランドでの凧揚げと相場が決まっていた。今のようにファミレスやスーパーなどもなく、正月は、何処のどんな商売も5日ぐらいまでは休みだった。6日頃になると、「初荷」という札を貼ったトラックを良く見た。正月明けで世の中が動き出す息吹を子供ながらにも感じたものだ。そのころに貰う「お年玉」は、百円。本当に「お年『玉』」だった。それを持って近くの駄菓子屋に行くのが楽しみで普段は買えない値の貼るものを買った。今では、日本中、どこの町へ行ってもそんな遊びをしている子供はいないだろう。

俳人の中村草田男の有名な句に「降る雪や明治は遠くなりにけり」がある。彼が大学生の頃、自分が出た小学校の前を通った時、雪が降りだすとともに校庭に外套(がいとう=コート)を着た子供たちの現れるのを見て、着物に下駄だった自分の頃との隔たりを感じ、その思いを詠んだと言われている。雪など降らずとも、私の生まれた昭和がどんどん遠ざかり、その記憶も薄れつつある。

 


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明日の仕事始めの激励で「八十八」へ。

2023-01-13 11:56:29 | 日記

1月4日(水)晴れ。

明日から仕事始め、という愚妻と上の子供の激励で朝食は取らずに、昼食を伊勢佐木町近くの吉田橋商店街にある「八十八(やそはち)」に「うなぎ」を食べに行った。横浜には、鰻屋の名店と言われているお店が何軒かある。味は、それぞれの好みだろうが、私は、この「八十八」と東神奈川にある「菊屋」の二軒が好きである。「八十八」は、以前は馬車道の裏にあったが、一度閉店した。お店の味を惜しむ人が多く、9年前に現在の場所で再開店した。「八十八」を愛したことで有名なのは、山本周五郎、山口瞳、そして画家の柳原良平などがいる。せめて、月に一度くらいは鰻を食したいが、何と言っても浪人の身、落語ではないが、鰻を焼く臭いをかいで飯を食うのが関の山。

随分前の『週刊文春』のコラム、平松洋子さんの「この味」の第二九五回が「茂吉の鰻」。歌人斎藤茂吉は、無類の鰻好きだった。いや、好きという言葉から八ミ出してしまう、空前絶後の鰻アディクト(注・常用者、中毒者、熱中者、大のファンぶり)僕だってあたしだって大好物なんですよ鰻、と手を挙げるひとはたくさんおられようが、茂吉ほど鰻を食べに食べたひとをほかに知らない。

その破格の行状を明るみに出すのが、『文献 茂吉と鰻』(林谷廣著昭和五十六年〃短歌新聞社刊行)だ。著者は、斎藤茂吉記念館の運営に尽力してきた人物で、斎藤茂吉研究会会長、アララギ会員。いったい茂吉が生涯にどれほど鰻を食べたか、日記や資料を駆使しながら、重箱のすみまでつつきにつついて調べ上げた一大労作である。茂吉の鰻好きはつとに有名ではあったけれど、ここまで微に入り細をうがった調べ物はなく、しかし、「文献」と一歩下がるところが奥ゆかしい。鰻が気になる者として、やっぱりこの本は読んでおかなくちゃ、と古書店で探して入手した一冊なのだった。


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箱根駅伝と紅白の視聴率がほぼ一緒。

2023-01-13 11:19:33 | 日記

1月3日(火)晴れ。

布団の中で箱根駅伝の復路のスターを見る。青山の6区がブレーキ。箱根の難しさは20余キロを恙なく走れる選手を10人揃えなければならないという所にあるだろう。そのためには箱根を目指す、倍の所属の選手が必要となる。勝手な基準で申し訳ないが、俗に「三大駅伝」と言うものがある。出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝の三大会である。関東の大学は、いくら出雲や全日本大学駅伝で勝っても箱根で勝たなければ意味がない。と言われている。テレビの視聴率も沿道の観客の応援も、箱根駅伝がダントツである。

結果は、駒沢大学が総合優勝。登録選手が全員1万メートルを28分台で走る青山学院は、後半の追い上げで3位。盟友や函館の社友のガッカリしている顔が浮かぶ。1万メートルは28分台で走ると一流と言われ、27分台で走れば超一流であると、瀬古利彦さんが言っていた。優勝した駒沢大学にはその超一流の選手が二人、田沢廉、鈴木芽吹の二人である。

関東の大学のみが出場する箱根駅伝の瞬間最高視聴率は35%とか。ちなみに昨年末の紅白歌合戦の視聴率も同じく35%。主催者は大変だろうが、全国の大学が出場しての箱根駅伝を見てみたいものだ。

暮れから帰宅していた下の子供が明日から仕事と言うことで帰って行った。夜は、家族三人で、形だけでも正月料理をと、毛ガニ、マグロの刺身、湯豆腐。お供は「さつま司」。


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