7月2日(土)晴れ。
家族は皆休みと言うのでのんびりと起きてから、土鍋でお粥を炊いた。鮭の山漬け、筋子が副菜。夜は、カツオのたたき、上海焼きそば、昔からのナポリタンという脈絡のない物。頂き物の「スーパードライ」を一本飲んでから「黒霧島」へ。酔狂亭にて独酌。
連日の三十度超えか。たまらんな老体には。子供の頃と違って、この暑さは嬉しくもなんともない。夏を快適に過ごすためにクーラーが出来て、日本人のほとんどがその快適を享受している。しかし皮肉なことに、そのクーラーの室外機のお蔭で環境に影響を与え、温暖化の一翼を担っているというのだから困ったものだ。寝る時は、扇風機にタイマーをかけるのだが、扇風機が止まると暑くて目が覚めてしまう。クーラーにしようかとも思うが、まあ出来るだけ扇風機で我慢しようと思っている。
放浪の俳人、山頭火は、木賃宿という安宿に泊まりながら旅を続けたのだが、どんなことを宿に求めたのか。先日、古書店で購入した『山頭火の宿ーそして酒と水と』(大山澄太著・彌生書房)の中にこうあった。「端的に行って一浴、一杯だよ。もし一人一室にしてくれ、日記を書くための一机、一燈があれば、最もよき宿だよ」と山頭火が大山氏の家に泊まった際に言ったそうだ。「しぐるるや 人のなさけに 涙ぐむ」。とは山頭火の句。暑くて寝られぬなどと文句は言えないか。