http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160404-00000007-nallabout-hlth
■発がん物質「アクリルアミド」の健康への影響評価がまとまる
2002年、スウェーデン国立食品局(NFA)の研究報告によって、ごく一般的な食品や家庭料理も含まれている「アクリルアミド」という成分に発がん性があることが指摘されました。
その報告では、高温で調理された炭水化物を多く含む食品に高濃度で検出されたとしており、特にフライドポテトやポテトチップスなどの検出率が高く、食品業界に大きな波紋を投げかけるものとなりました。
これにより世界中でアクリルアミドに対する関心が高まり、日本でも2011年に食品安全委員会おいて、「加熱時に生じるアクリルアミド」についての健康影響評価を行うことが発表され、2016年2月に食品安全委員会ワーキンググループにおいて健康への影響評価(案)が取りまとめられています。
その評価によると、世界から敵視されたフライドポテトやポテトチップスは、実は日本人の場合は推定摂取量が意外に少ないのではないかとみられています。
■高温調理された野菜からの摂取が56%
食品安全委員会では、日本人のアクリルアミド摂取による影響を見るため、平均的な摂取量を調べました。
食品中のアクリルアミド濃度と食品摂取量、摂取頻度などから、推定平均摂取量を算出。その結果、日本人の平均摂取量は、0.240μg/kg体重/日となりました。
食品中に含まれている割合は、次の通りです。
・高温調理した野菜……56%
(炒めたもやし、炒めた玉ねぎ、炒めた蓮こん、炒めたキャベツ、フライドポテトなど)
・飲料……17%
(コーヒー、緑茶、ウーロン茶、麦茶等)
・菓子類・糖類……16%
(ポテトスナック、小麦系菓子類、米菓類等)
・穀類……5%
(パン類等)
・その他……6%
(ルウ等)
意外なことに、ポテトチップスなどのスナック菓子類などよりも、炒めた野菜や、カレー用にじっくり炒めた玉ねぎなど高温調理した野菜からの方が断然に摂取量が多かったのです。