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子どもを怒鳴ればたたくのと同じ悪影響

2013-09-09 | ブログ

 思春期の子どもが悪いことをしたとして親から怒鳴られると、抑うつ症状や攻撃的な行動のリスクが上昇するなど、たたかれたときと同じ問題が生じる可能性のあることが、新たな研究でわかった。

 母親や父親と温かく良好な関係を築いていていても、10代の子どもが親から怒鳴られたり、ののしられたり、「怠惰」だの「おろか」だのと侮辱されたりすれば、悪影響は免れない。ピッツバーグ大学とミシガン大学の研究者が行ったこの研究は、4日にチャイルド・デベロップメント誌のウェブサイトで発表された。

 米国ではおしりをたたくことがタブーになっている共同体が多い一方、怒鳴ることはそれほどには世間体が悪くない。実際、親たちは怒鳴れば子どもが言うことを聞き、行いを改めると考えることもある。だが、今回の研究ではその逆であることが示された。

 共同で研究を行ったピッツバーグ大学教育・心理学部のMing-Te Wang准教授は「怒鳴っても、子どもの問題行動を減らしたり直したりはできない」と指摘し、「逆に悪化させる」と述べた。

 ニューヨーク大学ランゴーン・メディカル・センターのティモシー・バーデュイン臨床学准教授によれば、親は、テレビなどを見る時間や車のキーといった特権を取り上げることで、子どもを十分に罰することができる。

 ただ、「そうする際に、批判的、懲罰的、侮辱的な言葉を大量に使わないことだ」とバーデュイン氏は語った。「人は尊敬し称賛している人に言われたときのほうがずっと、自分の行動に責任を感じる。子どもをしかったり恥ずかしい目に合わせたりするようなことをすれば、親の持つ力が損なわれる」という。バーデュイン氏は今回の研究には参加していない。

 研究では、両親と13ないし14歳の子どものいる家庭976世帯を追跡した。子どもにさまざまな質問をし、問題ある行動、抑うつ症状、親との親密度を判断した。親には戒めとしてひどい言葉を発しているかどうかを調べる質問をした。

 子どもが13歳だったとき、母親の45%、父親の42%が、前年に子どもにひどい言葉を浴びせていた。13歳の時に親から特にひどい言葉を受けた子どもは、翌年に同年代の子どもとのケンカ、学校でのトラブル、親へのうそ、抑うつの兆候といった問題が増える度合いが高かった。

 親が戒めとしてひどい言葉を使った時と、たたくなどの体罰を与えた時では、問題が増加する度合いは似ていた。口論を除く親子の親密度が高くても、ひどい言葉の悪影響は変わらなかった。逆に、子どもの問題は親がひどい言葉による戒めを増やすことにつながり、悪循環がエスカレートをさせていた。

 10代が怒鳴られるとこれほど悪影響を受ける理由について、Wang氏は「思春期は(子どもが)自分のアイデンティティーを見極めようとする、非常に微妙な期間」であるためだと述べた。「親が怒鳴ると、子どもの自己像を傷つける。能力や価値がなく、無駄な存在だと感じさせる」のだという。


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