昨日(2011年4月15日)、年金制度改革に関する民主党の原案が明らかになりました。
その目玉的なものは、専業主婦を対象とした「3号被保険者」の廃止といえます。
『3号被保険者』制度は1986年(昭和61年)4月から導入されました。
今回の年金制度改革が法制化され、施行されるには、まだまだ時間が掛かります。それまでは、今までどおりに処理されます。
サラリーマン本人(2号被保険者)が定年で離職したとき、3号被保険者である配偶者の年金について、どんな手続きが必要なのか、誰しも気になるところです。
60歳で定年退職し、「高年齢者雇用安定法」の規定に基づく『継続雇用制度』により再雇用されている場合、3号被保険者となっている配偶者の年金についても、3号被保険者として継続されています。
2009年4月11日リリースの「高年齢者雇用安定法(その1):概要の確認」でお話しましたように、各社が導入されている「雇用継続制度」では、
①昭和20年4月2日~昭和22年4月1日生まれ(女性は、昭和25年4月2日~昭和27年4月1日生まれ)”の方は満63歳到達を以って
②昭和22年4月2日~昭和24年4月1日生まれ(女性は、昭和27年4月2日~昭和29年4月1日生まれ)”の方は満64歳到達を以って
③昭和24年4月2日~昭和28年4月1日生まれ(女性は、昭和29年4月2日~昭和33年4月1日生まれ)”の方は満65歳到達を以って
継続雇用を終了しても良いことになっています。(殆どの場合、雇用期間終了による離職となります。)
この雇用終了による離職若しくは雇用契約終了前に離職した場合、3号被保険者である配偶者の年金について、どのような手続きが必要になるのでしょう。
主たる被保険者(2号被保険者)が離職した時の配偶者の年齢が60歳に到達しているか、未到達であるかによって、手続きが異なります。
(1) 60歳に到達している場合
①何もしない。
②国民年金に「任意加入」する。 70歳到達で、加入資格は強制的に喪失します。
(2) 60歳未満の場合
国民年金に加入する(加入が義務付けられている)
60歳到達後は、任意で継続するか否かを選択することになります。
70歳到達で、加入資格は強制的に喪失します。
国民年金保険への加入手続きは、被保険者本人(配偶者)が居住する地域の市区役所の担当課に出向いて行います。
年金手帳、認印、預金通帳・預金口座届出印(保険料を口座自動振替にする場合)などを持参します。
年金手帳がオレンジ色の場合は、「基礎年金番号通知書」も必要です。
以上は、年金についてお話したのですが、離職された方と配偶者の方の健康保険についても、離職日を以って、被保険者資格を喪失しますので、国民健康保険への加入が必要になります。
国民健康保険の加入手続きも、居住地の担当課で行うことになります。殆どの役所で、健康保険と年金は同一の課が担当しています。
なお、健康保険については、協会けんぽ、組合健保とも、2年間に限り任意継続することができます。
この場合、従業員であったときに会社が負担していた保険料も個人負担となります。単純表現すれば、今迄の給与明細に記載されていた保険料の倍額を負担すると考えればいいと思います。
したがって、国民健康保険と従来の健康保険を任意継続する場合の保険料とを比較してみることも必要かも知れません。
<参考>
・1号被保険者 : 国民年金に加入する、会社員や公務員以外の学生や自営業者。
・2号被保険者 : 厚生年金に加入する会社員及び共済年金に加入する公務員
・3号被保険者 : 2号被保険者に扶養されている配偶者で、年収130万円未満の者
65歳以降、基礎年金分が給付される。(現在は満額給付で、月6万6千円)