思っている以上のもの

暑い...
ホントに暑い
何がどうなってもいい暑さだ
自分も世界もどうなってもいいくらいだ
いや、もうホントーに...
ツカレる...

昔、知人からこんなこと言われたことがある
"あなたはホントはゾッとするほど冷たい人に違いない...
平然と何の感情も持たずに人殺しをするとか、もし側に核兵器を作動させるボタンがあれば、ゲームに興じてるように押してしまうかもしれない..."
きっと、彼は僕の中の虚無にふと赴いてしまうある傾向を見抜いていたのかも分からない...
"もし、この世界がすべて夢だったら、何人殺そうと、世界がふっとんじまおうと、どうってことないだろう...
熱中症に陥ったりして、何が何だか分からなくなったら、すべての事の成り行きなんか構うもんかi"
生きる意味とか、何かを目指してやろうとする、自力、自意識、自由意志が行き着くところはそんなところなのだろうか...
生きていれば、何かをしていたら幸福なこともあるだろう...でもそれは不幸と隣り合わせのものだ
それを失うことで苦悩の種となってしまうのだ
そんな振り子みたいな行ったり来たりの、幸不幸ゲームを終わらせる自由というのは、こちとらには無いのか...
それとも...僕はただニヒルな霊みたいなものにとり憑かれているだけなんだろうか...

こないだある瞑想の本を読んでいたらこんなこと書いてあった
"瞑想中、幸福感というものに与ったなら、それを手放すことも必要なことです"と...
これは幸福に執着する思いを手放すことだったら、理解も出来るが...
もし、それがはからずしてもたらされたものなら...それを手放すことなど出来るだろうか
何もすることが出来ない事態になっていたら、一体何が出来よう
仮にそれを手放すことが出来るとしても...幸福の方が追いかけてくるだろう...
不幸はどうなっているかは知らないが...
これは思っている以上のもの、自分以上のものだi
あっちがこっちを手放してくれないのだ
こちとらにはそれから逃れる自由というものは無いのか...
いや、そんなこともう考えることも出来やしないi
僕はひょっとしたら、幸福な夢をもたらす霊みたいなものにとり憑かれているだけなんだろうか...
だったら、それにまかせるしかないではないかi
どうせ、すべてが夢みたいなものなのなら...
自分があろうと、なかろうと、やろうとしなくとも、考えなくとも、そこにあるものをどうしようというのかi

僕は思われているよりも冷たい人間かもしれないが、そいつは思ったよりも涙もろいようだ...